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番外編
初夜の問題《ロルフ side》①
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────建国記念パーティーも終わり、いつもの日常へ戻った頃。
僕は公爵様より、寝室……というか、寝具の新調を命じられた。
それも、かなりの注文付きで。
「ベッドは柔らかく寝返りを打ったとき音が鳴らないもので、シーツや枕も最上級のものをって……公爵様がここまでこだわるなんて、珍しいですね」
『普段はベッドの大きさくらいしか、指定しないのに』と零し、僕は仕事中の公爵様を見つめた。
すると、彼は一切手を止めることなくこう答える。
「その寝具を使うのは、私だけではないからかな」
「……えっ?」
思わずその場で立ち尽くす僕は、書類を取り落とした。
執務室の床へ落ちる紙を前に、パチパチと瞬きを繰り返す。
えっと、つまり公爵様以外にも新調した寝具を使う人が居て……その人のために色々配慮しているということか?
でも、公爵様がそんなに気を遣う人物なんて……あっ────奥様か!
ようやく正解を導き出し、僕は『なるほど!』と理解を示す。
一日の大半をベッドの上で過ごしていると言っても過言じゃない、あの奥様が使用する寝具ならここまでこだわるのも納得のため。
「ついに奥様と寝室を一緒にすることにしたんですね!」
「ああ」
「では、二人のお子様を拝む日も近そうですね!」
「?」
公爵様は怪訝そうな表情を浮かべ、おもむろに腕を組んだ。
『何を言っているんだ?貴様』と言わんばかりの態度に、僕は一瞬固まる。
だって、寝室を一緒にしたのはてっきりそういうことかと思っていたので。
逆に子作り以外の目的って、何?
まさかとは思うけど、『一緒に居る時間を増やしたかった』とか『寝顔を見たかった』とかそんな理由じゃないよな。
などと考えていると、公爵様が書類仕事を再開する。
どうやら、僕との会話は時間の無駄だと判断したらしい。
『相変わらず、ドライな人だな』と思いつつ、僕は床に落ちた書類を拾い上げた。
まあ、公爵様にその意図はなくても寝室を共にするようになれば、自ずとそういう雰囲気になるだろう。
────と、放置を決め込んだ半年後。
僕は奥様から、呼び出しを受けた。
なんでも相談したいことが、あるとか。
いつになく深刻な様子だったから、心配だな。
もしや、また何かのトラブルに巻き込まれているのか?
『姉のクラリス嬢は最近、大人しいと聞いていたが……』と思案しながら、僕は奥様の部屋を訪れる。
そして、促されるまま来客用のソファに腰掛けると、ベロニカが紅茶を淹れてくれた。
いい香りのするソレを前に、彼女はサッとお辞儀してこの場を立ち去る。
どうやら、話し合いには同席しないようだ。
「あの、奥様。ご相談というのは?」
あまり二人きりになる時間を作りたくないので、僕は早速本題を切り出す。
すると、向かい側のソファに座る奥様が顔を上げた。
「旦那様のことなんですけど」
僕は公爵様より、寝室……というか、寝具の新調を命じられた。
それも、かなりの注文付きで。
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『普段はベッドの大きさくらいしか、指定しないのに』と零し、僕は仕事中の公爵様を見つめた。
すると、彼は一切手を止めることなくこう答える。
「その寝具を使うのは、私だけではないからかな」
「……えっ?」
思わずその場で立ち尽くす僕は、書類を取り落とした。
執務室の床へ落ちる紙を前に、パチパチと瞬きを繰り返す。
えっと、つまり公爵様以外にも新調した寝具を使う人が居て……その人のために色々配慮しているということか?
でも、公爵様がそんなに気を遣う人物なんて……あっ────奥様か!
ようやく正解を導き出し、僕は『なるほど!』と理解を示す。
一日の大半をベッドの上で過ごしていると言っても過言じゃない、あの奥様が使用する寝具ならここまでこだわるのも納得のため。
「ついに奥様と寝室を一緒にすることにしたんですね!」
「ああ」
「では、二人のお子様を拝む日も近そうですね!」
「?」
公爵様は怪訝そうな表情を浮かべ、おもむろに腕を組んだ。
『何を言っているんだ?貴様』と言わんばかりの態度に、僕は一瞬固まる。
だって、寝室を一緒にしたのはてっきりそういうことかと思っていたので。
逆に子作り以外の目的って、何?
まさかとは思うけど、『一緒に居る時間を増やしたかった』とか『寝顔を見たかった』とかそんな理由じゃないよな。
などと考えていると、公爵様が書類仕事を再開する。
どうやら、僕との会話は時間の無駄だと判断したらしい。
『相変わらず、ドライな人だな』と思いつつ、僕は床に落ちた書類を拾い上げた。
まあ、公爵様にその意図はなくても寝室を共にするようになれば、自ずとそういう雰囲気になるだろう。
────と、放置を決め込んだ半年後。
僕は奥様から、呼び出しを受けた。
なんでも相談したいことが、あるとか。
いつになく深刻な様子だったから、心配だな。
もしや、また何かのトラブルに巻き込まれているのか?
『姉のクラリス嬢は最近、大人しいと聞いていたが……』と思案しながら、僕は奥様の部屋を訪れる。
そして、促されるまま来客用のソファに腰掛けると、ベロニカが紅茶を淹れてくれた。
いい香りのするソレを前に、彼女はサッとお辞儀してこの場を立ち去る。
どうやら、話し合いには同席しないようだ。
「あの、奥様。ご相談というのは?」
あまり二人きりになる時間を作りたくないので、僕は早速本題を切り出す。
すると、向かい側のソファに座る奥様が顔を上げた。
「旦那様のことなんですけど」
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