異世界着ぐるみ転生

こまちゃも

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第四十一話 何故いつもこうなる・・・

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第四十一話 何故いつもこうなる・・・


渋るジローと食い下がるアヌリ・・・は、一旦保留!
今日は観光に来たの!

「ん~、美味しい!この・・・何とかって言う鳥!」

ジローが買ってきてくれた串焼きを一口。少し濃い目の塩が効いていて、美味しい。

「ロックバードな。ほら、口元に付いてる」
「むぅ」

指で口の端を拭われた。しかも、その指をペロリと舐めるジロー。

「ちょ、言ってくれれば自分でやる!」
「ははは~。うん、美味いな」
「あの・・・お二人は恋人、なんですか?」
「違います」
「一緒には住んでるけどな」
「誤解を招く言い方をしない!同居・・・居候?それに、二人じゃないでしょうが」

あれ、アヌリが考え込んでしまった。
この調子で私に対する変な崇拝?が崩れてくれるかも?

「既に下ぼ・・・従者がいるとは、流石です!」

淡い期待だった・・・。
終始こんな調子なんだよねぇ。

「ヒナ、ちょっと」
「何?」
「いっそ、恋人って事にしないか?」
「はぁ?」
「自分が崇拝している始祖様に恋人なんて、幻滅するだろう」
「そりゃあ、まぁ」
「そんで、イチャイチャしているのを見れば・・・」

まぁ、よくある手ではある。
だからこそ、あえて言おう!

「却下!」
「は?」
「嘘は駄目!」

立ち上がり、串を大きく掲げる。

「それに、嘘なんか吐かなくったって、私は崇拝なんてされる存在では無い!」
「それ、ふんぞり返って言う事か?」

むっふん!
自分の事は、自分が一番よく分かっている。

「ふ、ふふふふふ」

お、アヌリが笑った。
ジローより少し若いくらいのアヌリ。よく見ると、整った顔と言うか・・・オリエンタル?エキゾチック?アラビアン!な顔をしている。

「何をご心配されているかと思えば・・・私がヒナ様を初めてお見掛けしたのは、あのクラーケンとの闘いですよ?」
「あ」

そう言えば、そうだった。

「空から現れ、クラーケンの足を素手で止める強さ。太陽の光を浴びて煌めく、薄桃色の毛」

毛・・・まぁ、間違ってないけど。

「そして、一撃でクラーケンを仕留めるしなやかさ・・・私はそのお姿を見た時に思いました」

始祖って、戦ったりしたのかな?

「踏まれたい、と!」

あ、ヤバい人だ!

「私が幼い頃から感じていた、この高揚感!初めて始祖様の像を拝謁した時から、ずっと感じていた感情が、やっと何か分かったのです!」

ふぉぉぉ!鳥肌立った!
陶酔しきった顔をするアヌリ。
これが噂に聞く、ドン引きってやつかぁ。

「ヒナ、こいつ危ない奴だ」
「知り合いだったんでしょう?」
「こいつもSランクだからな。偶に依頼が一緒になる事があったが・・・」
「Sランクって、性格もSランク的な?」
「おい、何故俺を見る!」
「いや~・・・つい?」

美味しい物を探して世界を回るSランク冒険者・・・十分変だと思うけど。
しかも、行き倒れだし。

「ヒ~ナ~」
「あはははは・・・あ、ちょっと待った」

二つ着けているイヤーカフスの内の一つ、通信用が鳴った。

「はいは~い?」
『ヒナ様』
「お、セバスだ。どうしたの?」
『お楽しみの所申し訳ございません。少々問題が起きましたので、ご報告をと』
「問題?」
『ダンジョンが出現しました』
「ふぁ!?」

ダンジョンって、あのダンジョン?島に?

「ちょ、大丈夫なの?魔物とか」
『はい。ダンジョンで生まれた魔物は、基本的に外へ出る事はございません。ですが、あまり放置すると、スタンピートを起こして魔物が外へと溢れます』
「それは大丈夫とは言わない!どうすれば良いの?」
『定期的にダンジョン内の魔物を減らす事ですね』

ダンジョン内の魔物を減らす・・・ふむ。

「分かった。何とかする!はいはい。そんじゃ~ね!」

通信を切って、ジローとアヌリを見た。

「私が出せるのは、衣食住のみ。給料は出ません!それでも、来る?」
「はぁ!?」
「貴女のお傍にいられるならば、それに勝る事がこの世にありましょうか」
「決まり!そうと決まれば、町を出るぞぉ!」
「キュ~!」

二人の手を取り、走りだした。





「ふぃ~」
「はぁ、はぁ、はぁ」
「ゲホッ・・・」

走って町の外まで出てきました!

「よ~し・・・あれ?」

振り返ってみると、ジローとアヌリが息を切らせ、今にも崩れ落ちそうになっていた。

「二人とも・・・年?」
「「ぐっ!」」

まぁ、いいや。
モチ笛を吹いて待つと、モチが来てくれた。

「クゥ!」
「モチ、一人増えたんだけど大丈夫?」
「ク!」

任せろ、と言わんばかりに胸を張るモチ。

「もぉ、可愛いなぁ」
「クゥ~」

この身体だと、更に大きく感じるなぁ。

「おい、あれは・・・」
「あ~確か・・・エルダーモモンガ、とか言ったな」
「???」
「まぁ、驚くのはこれからだ」
「これから?というか、町から出てしまったが、何処へ行くんだ?てっきり宿に行くのだと思っていたが」
「モチを呼んだって事は、帰るんだろうな」
「帰る?」
「お~い、二人とも!行くよぉ!」

う、この身体だと、中々上がれない。

「お、おお!?」

モチが私を持ち上げて、背中に乗せてくれた。

「ありがとう、モチ!」
「クゥ!」
「「・・・」」
「どうしたの?」
「いや、何でもない」
「乗るんですか・・・」

クロ、私、ジロー、アヌリの順番に乗ったところで、出発!

「よろしくね、モチ!」
「クゥ~!」

私達を乗せたモチが駆け出し、飛び上がる。
そして、モチが自分で作りだした風に乗り、どんどん上昇していく。
相変わらず下っ腹がひゅっとなるけどね!

「ん~、気持ちいい!」
「おい、あんまり動くな」
「落ちないから、大丈夫で~す!」

これ、立ったらナウ〇カごっこができるかも!?
でもこれだと、〇トに乗る事になるのか?
いや、テ〇はクロか。
造れないなかなぁ・・・?

「ヒナ、モゾモゾするな」
「ああ、ごめん。ちょっと考え事をね」
「いや、別にその・・・うわぁ!アヌリ!?」
「へ?」
「静かだと思ったら、コイツ白目むいてるぞ!」
「えぇ!?」

それから、落ちそうになるアヌリを二人で必死に支え、島に帰った。





「う・・・ん・・・」
「あ、目が覚めた?」

縁側に寝かせていたアヌリが間を覚ました。

「・・・女神・・・」
「ん?ああ、元の姿に戻ったからか」

島について即行、元の姿に戻った。
やっぱりこっちの方が、気が楽。

「ここは・・・」
「ここが、私達が住んでいる場所だよ」

今は丁度、春キャベツに新玉ねぎ、カブにジャガイモと、春野菜が畑ですくすくと成長中だ。

「楽園」
「いやいや、そこまではまだねぇ」
「ヒナしゃま~!」
「おっと、ちょっと行って来るね」

キジに呼ばれて畑に向かうと、ジャガイモの花が咲き始めていた。

「きれー」
「うん、綺麗だねぇ」

そして、可愛いねぇ。

「あの・・・」
「あれ、起きて大丈夫?」
「はい。ジローは・・・」
「ジローなら・・・ああ、帰って来たみたい」

セバスと話をしながら歩いているのが見えた。

「おかえり。どうだった?」
「ああ。凄いな。出て来る魔物はCランク以上。取れる素材も、入り口付近でBランクだな」
「えっと・・・凄いの?」

基準がわからん。

「出来立てのダンジョン。しかも入り口付近だと、Fランクの魔物が妥当ですね」
「意外と浅いのかもしれないな」

私はまだ行っていないけど、ダンジョンはどうやら地下に伸びているらしい。
入り口の横には深い池があって、出て来る魔物も水生に近いものが多いのだとか。
夏になったら、泳ぎに行くのも良いかもなぁ。

「ダンジョンって、攻略すると無くなるの?」
「いや、核を壊さない限りは、ボスを倒しても無くならないらしい」

その辺はゲームと一緒か。まぁ、あの頃はダンジョンを攻略しても、核を壊したなんて話は聞いた事がなかったけどね。

「じゃあ、ダンジョンはジローとアヌリに任せるね。出る素材がしょぼいなら、攻略しちゃって核を壊しても良いよ」
「分かった」
「承知いたしました」

Sランク冒険者が二人もいるのは僥倖。これでスタンピートの心配は無くなった。
しっかし・・・私は、ムキムキじゃなくて、モフモフが欲しいんだけどなぁ。
目の前には、筋肉隆々のエルフと獣人・・・やれやれだぁ
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