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最終章 天界編
唯一王 最後の戦いへ
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ソルトの力で扉が開いた後、彼女と別れ俺達はフリーゼたちと一緒に石畳で舗装された道を歩く。
扉の先は、まるで外の世界のような明るくて広い場所。
そこは、建物の中だった。
屋根はすでに崩壊し、吹き抜けになっている。地面に倒れこんでいる何本もの神秘的な装飾の柱にボロボロに崩れた石壁。
吹き抜けの上から差し込む陽光が、俺達にあたる。
さっきまで建物の中にいたというのに、不思議な感覚だ。
神秘さと荒廃感を感じさせられる。今まで見たことがないような空間。思わず、見入ってしまう。
そして、石畳で舗装された道が続いている。
「この先に、ツァルキールがいるわ」
「ありがとう、レディナ」
そして俺たちは、ゆっくりとその先を進み始めた。
空は雲一つもなく青く澄み渡っているのだが、下の世界の、日に当たるものが一つもない。
ただ青一色の空。
地面には、緑の草が生えた道、脇には白くてきれいな花が咲いている。
そんなお花畑に咲いている花は、オレンジ、赤、青、緑──。
様々な色がカラフルに混在されている。
どこかの本で見たことがある天国というものを、体現させたような光景だ。
そんな天界という名にふさわしい道を歩いていると──。
「あれが、ツァルキール様?」
「そうです」
目の前に一人の人物がいた。
長身でクリーム色のロングヘア。
白亜のドレス。フリフリのついた白いゆったりとしたガウン。年齢にしては幼くてあどけない顔つき
美しい女神というのを体現するような外観をしている。
その人物がこっちに視線を向けると、俺と目が合う。彼女は口元に手を当てながらぎょっとしたような反応をとる。
「に、人間……。どうなさったのですか?」
「人間だけじゃないわ。私達もよ」
レディナが話すと、ツァルキールが一歩引いて言葉を返す。
「レディナ、フリーゼ。皆さんどうして……」
「簡単です、ツァルキール。あなたに、どうしても伝えたい事があったからです」
「伝えたい……こと?」
ツァルキールの目は、純粋で無垢だった。まるで、子供の様に……。
彼女のことはすでにフリーゼから聞いていた。いつもはこのお花畑が続くこの天界にいる。
決して外の世界に出ることはなく、何があったかを配下の天使達から聞いているだけ。
だから彼女は熾天使たちが何をしているのかを知らないのだと。
俺はコクリとうなづいてから、話し始めた。
「とりあえず、ひとつひとつ説明しましょう」
その言葉通り、俺達は熾天使たちが俺たちの世界で何をしているのかをすべて話す。
人間たちの行動が気に入らないことを理由に、破壊工作を行っていること。
さらに裏社会と手を組んで人々を傷つけたり、帝国を裏から操って良からぬ計画を立てていたりしたこと。
エンレィ、スワニーゼ、タミエル、ゼリエル。彼女達の行いを包み隠さず……。
その言葉を聞いて、ツァルキールは言葉を失ってしまう。
「信じたくない──と言いたげな様子ね」
ツァルキールがほをかむりながらコクリコクリとうなづいた。
「けれど、それが真実よ。疑いがあるなら、ここから外へ連れ出して、その事実を見せてあげてもいいわ」
「ま、待ってください。あなた達の訴えが、偽りでないことは理解出来ました」
レディナの強気な言葉に、ツァルキールはこの言葉が嘘では無いことを理解したのだろう。右手で口元を覆って、目線を反らしながらウツロな視線になっている。
「それで、私はどうすればいいんですか?」
口調が、さっきよりも弱弱しい。罪悪感を感じているのがわかる。
「すぐに熾天使たちを集めて、やめるように命令しなさい」
「そ、それだけですか?」
「そうよ。彼女達は、人々を傷つけ、滅ぼすのが貴方のためだと思っているの。だから、あなたがそれをやめさせるよう指示するの。もしそれでやめなかったら、そいつはツァルキールに背く反逆者。敵扱いにして戦えばいいわ」
「それはいい案だフィッシュ」
それが一番いい。ツァルキールに今後の指針を決めてもらえば、熾天使たちは下手に逆らえない。
「それから、今後は人任せにせず、自分の目で現実を見て、善悪を判断することですね」
「……そうかもしれないですね」
フリーゼの言葉に、ツァルキールがコクリとうなづく。確かにそうだ。
居心地がいいのかはわからないが、ツァルキールは実際に俺たちの世界のことを知ることを放棄し、熾天使たちの行いに気がつかなかった。
そして、今も心のどこかで信じ切れていないのだろう。オロオロとして、戸惑いを見せている。
「でも、信じられないです。熾天使の人たちが、人々を傷つけているなんて……」
「そんなの、当たり前じゃない」
後方から、突然叫び声が聞こえた。感情がこもった、強い口調。
この場にいる全員が後ろを振り向く。
「セファリール。なぜここにいるのですか?」
「人間特有の薄汚い匂いがしたからよ」
その人は、凛々しい顔つきのさらさらとした金髪のロングヘアで、俺より頭一つ抜けている長身ともいえる背丈だ。
そんな彼女が、憐れむような、さげすんでいるような目線で俺をじっと見ている、
扉の先は、まるで外の世界のような明るくて広い場所。
そこは、建物の中だった。
屋根はすでに崩壊し、吹き抜けになっている。地面に倒れこんでいる何本もの神秘的な装飾の柱にボロボロに崩れた石壁。
吹き抜けの上から差し込む陽光が、俺達にあたる。
さっきまで建物の中にいたというのに、不思議な感覚だ。
神秘さと荒廃感を感じさせられる。今まで見たことがないような空間。思わず、見入ってしまう。
そして、石畳で舗装された道が続いている。
「この先に、ツァルキールがいるわ」
「ありがとう、レディナ」
そして俺たちは、ゆっくりとその先を進み始めた。
空は雲一つもなく青く澄み渡っているのだが、下の世界の、日に当たるものが一つもない。
ただ青一色の空。
地面には、緑の草が生えた道、脇には白くてきれいな花が咲いている。
そんなお花畑に咲いている花は、オレンジ、赤、青、緑──。
様々な色がカラフルに混在されている。
どこかの本で見たことがある天国というものを、体現させたような光景だ。
そんな天界という名にふさわしい道を歩いていると──。
「あれが、ツァルキール様?」
「そうです」
目の前に一人の人物がいた。
長身でクリーム色のロングヘア。
白亜のドレス。フリフリのついた白いゆったりとしたガウン。年齢にしては幼くてあどけない顔つき
美しい女神というのを体現するような外観をしている。
その人物がこっちに視線を向けると、俺と目が合う。彼女は口元に手を当てながらぎょっとしたような反応をとる。
「に、人間……。どうなさったのですか?」
「人間だけじゃないわ。私達もよ」
レディナが話すと、ツァルキールが一歩引いて言葉を返す。
「レディナ、フリーゼ。皆さんどうして……」
「簡単です、ツァルキール。あなたに、どうしても伝えたい事があったからです」
「伝えたい……こと?」
ツァルキールの目は、純粋で無垢だった。まるで、子供の様に……。
彼女のことはすでにフリーゼから聞いていた。いつもはこのお花畑が続くこの天界にいる。
決して外の世界に出ることはなく、何があったかを配下の天使達から聞いているだけ。
だから彼女は熾天使たちが何をしているのかを知らないのだと。
俺はコクリとうなづいてから、話し始めた。
「とりあえず、ひとつひとつ説明しましょう」
その言葉通り、俺達は熾天使たちが俺たちの世界で何をしているのかをすべて話す。
人間たちの行動が気に入らないことを理由に、破壊工作を行っていること。
さらに裏社会と手を組んで人々を傷つけたり、帝国を裏から操って良からぬ計画を立てていたりしたこと。
エンレィ、スワニーゼ、タミエル、ゼリエル。彼女達の行いを包み隠さず……。
その言葉を聞いて、ツァルキールは言葉を失ってしまう。
「信じたくない──と言いたげな様子ね」
ツァルキールがほをかむりながらコクリコクリとうなづいた。
「けれど、それが真実よ。疑いがあるなら、ここから外へ連れ出して、その事実を見せてあげてもいいわ」
「ま、待ってください。あなた達の訴えが、偽りでないことは理解出来ました」
レディナの強気な言葉に、ツァルキールはこの言葉が嘘では無いことを理解したのだろう。右手で口元を覆って、目線を反らしながらウツロな視線になっている。
「それで、私はどうすればいいんですか?」
口調が、さっきよりも弱弱しい。罪悪感を感じているのがわかる。
「すぐに熾天使たちを集めて、やめるように命令しなさい」
「そ、それだけですか?」
「そうよ。彼女達は、人々を傷つけ、滅ぼすのが貴方のためだと思っているの。だから、あなたがそれをやめさせるよう指示するの。もしそれでやめなかったら、そいつはツァルキールに背く反逆者。敵扱いにして戦えばいいわ」
「それはいい案だフィッシュ」
それが一番いい。ツァルキールに今後の指針を決めてもらえば、熾天使たちは下手に逆らえない。
「それから、今後は人任せにせず、自分の目で現実を見て、善悪を判断することですね」
「……そうかもしれないですね」
フリーゼの言葉に、ツァルキールがコクリとうなづく。確かにそうだ。
居心地がいいのかはわからないが、ツァルキールは実際に俺たちの世界のことを知ることを放棄し、熾天使たちの行いに気がつかなかった。
そして、今も心のどこかで信じ切れていないのだろう。オロオロとして、戸惑いを見せている。
「でも、信じられないです。熾天使の人たちが、人々を傷つけているなんて……」
「そんなの、当たり前じゃない」
後方から、突然叫び声が聞こえた。感情がこもった、強い口調。
この場にいる全員が後ろを振り向く。
「セファリール。なぜここにいるのですか?」
「人間特有の薄汚い匂いがしたからよ」
その人は、凛々しい顔つきのさらさらとした金髪のロングヘアで、俺より頭一つ抜けている長身ともいえる背丈だ。
そんな彼女が、憐れむような、さげすんでいるような目線で俺をじっと見ている、
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