~唯一王の成り上がり~ 外れスキル「精霊王」の俺、パーティーを首になった瞬間スキルが開花、Sランク冒険者へと成り上がり、英雄となる

静内燕

文字の大きさ
196 / 203
ローデシア帝国編

そして、俺達は最後の舞台へ

しおりを挟む
「ごめん、スキァーヴィ。あなたが想像しているような行為は、出来ない」


 俺は残っている理性を総動員させ、スキァーヴィをじっと見ながら言葉を返した。
 本当は心が優しい女の子で、見た目だけでなく性格的にも魅力的な異性であることに変わりはない。


 スキァーヴィは、はっと冷静さを取り戻し、。つぶやいた。

「──ダメそうね。もういいわ」



 けれど、俺にはフリーゼがいる。
 フリーゼを裏切るなんて、絶対にできない。
 すると──。

「フフッ、よく耐えたじゃない」

「まあね」

 スキァーヴィは、にやりと笑い、俺に迫ってくる。

「じゃあ、強引に──振り向かせてあげる」

 そう言うと、俺に絡みついてきた。
 裸のまま、ぎゅっと抱きついてきて襲い掛かる。

 俺は懸命にもがいて何とかしようとするが──。

「甘いわよー。その程度じゃ、私から逃げられないわ!」

 その通りだった。スキァーヴィに、組み伏せられてしまう。

 力が強いのもそうだが、力の使い方も非常にうまい。

 俺が必死にスキァーヴィからの慣れようと必死にもがくが、スキァーヴィはその動きにうまく対応して組み伏せられてしまう。

 結果、一方的に体力を消耗させられるだけで全く逃れられない。そして息が上がって動けなくなってしまう。

「欲望に身を任せないんだ~~。偉いわねぇ──。フリーゼさんがいるもんね。私なんかと、繁殖行為をするわけにはいかないってことね」

「そ、そうだ。あなたと、そんな行為はできない。だかr──」

「でも、あなたの心は強がっても、あなたの本能と息子さんはとっても正直。さあ、二人で愛の営みを

 ぎゅっと体を密着させる。スキァーヴィの柔らかくて、引き締まった身体。

 まるで麻薬の様に俺の理性を溶かしていく。
 そして──。


 キィィィィ──。

 いきなりドアが開いて。取っ手を掴んで現れた人物に思わず顔面蒼白。

「フライさん。はいりま──」

 フリーゼが、そう言いかけ、体がフリーズする。
 フリーゼが、フリーズ。
 この状況で、一番会いたくない人に、出会ってしまった。

 というか、全員いた。

 全員、予想できない事態だったのだろう。俺達の生まれたままの姿を見て、表情を失っていた。

 俺は──土下座をし、地面にめり込むくらい頭を付ける。

 そして、ヒョイと顔を上げると。

「スキァーヴィ、なんで?」

「ごめん、しっかりと理由を離すわ」

 スキァーヴィが立ちはだかるように俺とフリーゼたちの間に立つ。もちろん全裸のまま……。
 レディナが、額に右手をつき、ジト目で言葉を返す。

「理由は聞くわ、とりあえず服を着て」

 そしてスキァーヴィはすぐに服を着て、さっきまでのことの顛末を説明した。

「そうよ。私が押し倒して、絡みついたの。フライは何もしてないわ。まだ──ね」

 挑発的な笑みで言い放つスキァーヴィ。

「待て、意味深な言葉を言うのはやめてくれ。間違いなんてしないから」

 俺は必死に説明をするが、フリーゼたちがそれを信じてくれるかは別だ。
 たとえ理性で理解してくれたとしても、感情が理解できないことだってあるだろう。
 さて──。

 レディナは、ジト目で、俺を見つめている。

「さあ、どうだかわからないわ」

「バレなきゃやってもいいって思ってたりして」

「そうだフィッシュ。本当はお愉しみの時間にするはずだったフィッシュ」

 レシアとハリーセルは、からかうような笑みを浮かべて言う。しかし、フリーゼたちはこんな痴話げんかをしに来たのではない。

 本来の話に早く戻りたいと思ったのか、フリーゼが締めくくるように一言。

「……信じますよ、もう」


 ぷくっと顔を膨らませながら。


 そして俺は服を着替え、カーペットに円を囲むようにして座り込み話し合った。


 まずは、俺が倒れてからのことを聞いた。
 街を魔物が襲ったが、スキァーヴィが倒したとのこと。

 街は平和になり復興作業に入っているらしい。

「とりあえず、私は復興作業を手伝うわ」

「そうなのかでも、俺達は──」

 復興作業を手伝いたい気持ちはある。外を見ても、倒壊した建物がかなり多い、大変な作業になりそうだから。けれど──。

「天界に、早く行かなきゃ」

「そうだね……」

 レディナの言葉通りだ。行って、ツァルキール様に会って、訴えてなければいけない。

「わかってるわ。こっちは何とかするから、あなた達は安心して天界に行きなさい」

 スキァーヴィがウィンクして言った。

「わかった。そっちは任せるよ」

「任せて、あなた達は安心して天界に行きなさい」

 天界に行く。そう考えるだけで、どうしても構えてしまう。

 完全に敵のアウェーだ。どんなリスクがあるかわからない。
 それでも、行かなければ何も解決しない。

 行かない理由なんて、存在しない。

 それに、俺はともかくフリーゼたちはツァルキールの仲間だ。殴り掛かったりでもしなければ、そう無下には扱わないだろう。

「ということで、体力が回復したら出発するから、その時はよろしくね、ソルト」

「わかりました」

 ソルトはキリっとした表情で首を縦に振った。

 これで、準備は整った。後は、回復を待つだけ。
 そして一息つくと、スキァーヴィがほっと一息ついて、頭を下げた。

「皆さん、本当に、ありがとうございました」


「皆さん、本当に、ありがとうございました」

 今までのような暴君とのイメージとは正反対ともいえる、か細くて、弱々しい声色。

「あなた達のおかげで、私は立ち直りました。これから、この国のために、国民のために、精一杯尽くしていきます」

「こっちこそ、期待してるよ」

 俺はそっと言葉をかけると、スキァーヴィはフッと笑みをこぼした。
 彼女が本心を取り戻してくれて、本当に嬉しい。

 最初はちょっと戸惑ったけれど、何とか話はまとまった。

 最後の戦い──どんな戦いが待っているのか、わからない。けれど、精一杯ツァルキールに訴えていこう。


 今の自分たちの想いを──。






 その後、俺達はスワニーゼたちと激闘を繰り拾えた場所に再度移動。
 天界の扉の前でソルトが左手をかざすと、彼女の左手が真っ白に光始める。

「今、開きます」

 ソルトの言葉通り、何十メートルもあった大きな両開きの扉がゴゴゴ──と大きな音を立て、開く。


 扉の先は、眩しいくらいの真っ白い光。

「この先が、天界です」

「ありがとうソルト」

 そして俺はごくりと唾をのみ、歩を進める。

「行きましょう、皆さん」

「──そうね」

 天界、この先に何が待っているか、俺にはわからない。
 けれど、フリーゼも、みんなもいる。

 彼女達がいれば何も怖くない。どんな事も乗り越えられるって、心の底から思える。
 仲間達を信じて、行こう。


 最後の戦いへ──。



しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

不遇な死を迎えた召喚勇者、二度目の人生では魔王退治をスルーして、元の世界で気ままに生きる

六志麻あさ
ファンタジー
異世界に召喚され、魔王を倒して世界を救った少年、夏瀬彼方(なつせ・かなた)。 強大な力を持つ彼方を恐れた異世界の人々は、彼を追い立てる。彼方は不遇のうちに数十年を過ごし、老人となって死のうとしていた。 死の直前、現れた女神によって、彼方は二度目の人生を与えられる。異世界で得たチートはそのままに、現実世界の高校生として人生をやり直す彼方。 再び魔王に襲われる異世界を見捨て、彼方は勇者としてのチート能力を存分に使い、快適な生活を始める──。 ※小説家になろうからの転載です。なろう版の方が先行しています。 ※HOTランキング最高4位まで上がりました。ありがとうございます!

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位 転生者のブルーノは絶大な力を持っていたが、その力を隠してダンジョンの荷役として暮らしていた。だが、教会の力で勇者を騙る卑怯下劣な連中に、レットドラゴンから逃げるための生贄として、ボス部屋に放置された。腐敗した教会と冒険者ギルドが結託て偽の勇者パーティーを作り、ぼろ儲けしているのだ。ブルーノは誰が何をしていても気にしないし、自分で狩った美味しいドラゴンを食べて暮らせればよかったのだが、殺されたブルーノの為に教会や冒険者ギルドのマスターを敵対した受付嬢が殺されるのを見過ごせなくて・・・・・・

収納魔法を極めた魔術師ですが、勇者パーティを追放されました。ところで俺の追放理由って “どれ” ですか?

木塚麻弥
ファンタジー
収納魔法を活かして勇者パーティーの荷物持ちをしていたケイトはある日、パーティーを追放されてしまった。 追放される理由はよく分からなかった。 彼はパーティーを追放されても文句の言えない理由を無数に抱えていたからだ。 結局どれが本当の追放理由なのかはよく分からなかったが、勇者から追放すると強く言われたのでケイトはそれに従う。 しかし彼は、追放されてもなお仲間たちのことが好きだった。 たった四人で強大な魔王軍に立ち向かおうとするかつての仲間たち。 ケイトは彼らを失いたくなかった。 勇者たちとまた一緒に食事がしたかった。 しばらくひとりで悩んでいたケイトは気づいてしまう。 「追放されたってことは、俺の行動を制限する奴もいないってことだよな?」 これは収納魔法しか使えない魔術師が、仲間のために陰で奮闘する物語。

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

転生無双学院~追放された田舎貴族、実は神剣と女神に愛されていた件~

eringi
ファンタジー
「役立たず」と呼ばれ、貴族家を追放された少年エリアス。 すべてを失った彼が辿り着いたのは、見捨てられた古の神殿。 そこで眠っていた「神剣」ルミナと「女神」セリアに出会い、隠された真の力――“世界の法則を書き換える権能”を得る。 学院で最底辺だった少年は、無自覚のまま神々と王族すら凌駕していく。 やがて彼の傍らには、かつて彼を見下した者たちが跪き、彼を理解した者たちは彼に恋をする。 繰り返される“ざまぁ”の果てに、無自覚の英雄は世界を救う。 これは、「追い出された少年」が気づかぬうちに“世界最強”となり、 女神と共に愛と赦しとざまぁを与えていく物語。

勇者パーティーに追放された支援術士、実はとんでもない回復能力を持っていた~極めて幅広い回復術を生かしてなんでも屋で成り上がる~

名無し
ファンタジー
 突如、幼馴染の【勇者】から追放処分を言い渡される【支援術士】のグレイス。確かになんでもできるが、中途半端で物足りないという理不尽な理由だった。  自分はパーティーの要として頑張ってきたから納得できないと食い下がるグレイスに対し、【勇者】はその代わりに【治癒術士】と【補助術士】を入れたのでもうお前は一切必要ないと宣言する。  もう一人の幼馴染である【魔術士】の少女を頼むと言い残し、グレイスはパーティーから立ち去ることに。  だが、グレイスの【支援術士】としての腕は【勇者】の想像を遥かに超えるものであり、ありとあらゆるものを回復する能力を秘めていた。  グレイスがその卓越した技術を生かし、【なんでも屋】で生計を立てて評判を高めていく一方、勇者パーティーはグレイスが去った影響で歯車が狂い始め、何をやっても上手くいかなくなる。  人脈を広げていったグレイスの周りにはいつしか賞賛する人々で溢れ、落ちぶれていく【勇者】とは対照的に地位や名声をどんどん高めていくのだった。

レベル1の時から育ててきたパーティメンバーに裏切られて捨てられたが、俺はソロの方が本気出せるので問題はない

あつ犬
ファンタジー
王国最強のパーティメンバーを鍛え上げた、アサシンのアルマ・アルザラットはある日追放され、貯蓄もすべて奪われてしまう。 そんな折り、とある剣士の少女に助けを請われる。「パーティメンバーを助けてくれ」! 彼の人生が、動き出す。

外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら
ファンタジー
「鑑定ミスではありません。この子のスキルは《コピー》です。正直、稀に見る外れスキルですね、何せ発動条件が今だ未解明なのですから」 「何てことなの……」 「全く期待はずれだ」 私の名前はラゼル、十五歳になったんだけども、人生最悪のピンチに立たされている。 このファンタジックな世界では、15歳になった際、スキル鑑定を医者に受けさせられるんだが、困ったことに私は外れスキル《コピー》を当ててしまったらしい。 そして数年が経ち……案の定、私は家族から疎ましく感じられてーーついに追放されてしまう。 だけど私のスキルは発動条件を満たすことで、魔族のスキルをコピーできるようだ。 そして、私の能力が《外れスキル》ではなく、恐ろしい能力だということに気づく。 そんでこの能力を使いこなしていると、知らないうちに英雄と呼ばれていたんだけど? 私を追放した家族が戻ってきてほしいって泣きついてきたんだけど、もう戻らん。 私は最高の仲間と最強を目指すから。

処理中です...