悪役令息アルフレッドのため息〜断罪処刑を絶対回避して平和な未来を手にいれるぞ!〜

コロン

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6. 悪役令息のため息

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 婚約者に決まったと聞いた時、真っ先に思い浮かんだのは、?の文字だった。

 あれだけ、避けて、目立たないように、逃げまくっていたのにだ‥‥。

 何だったら、平凡な茶色の前髪をボサボサにして、もっさりとダサい男子を装って見せたりもしていたのに。

 もしかして逆効果だった?

 あれか?

 お前、面白い奴だな、認定とかされたのか?

 何で?どうして?‥‥

 これが、俗に言う、強制力には逆らえないってやつなのだろうか?


 とにかく、今はまだ、僕は何かやらかした訳じゃないし、大丈夫なはず。

 このまま、地味に大人しくしていれば、王子であるセドリック様も、興味をなくしてくれるんじゃ?

 小説の主人公の男爵令息と出会ったら、きっと心を奪われるはずなんだから。

 よし!穏便なフェードアウトを目指して、頑張るぞ!

 おー!おー?

 って、その時はそう思ってたんだけどな‥‥




「はぁ~」

 ここは学園内、僕は教室の席につくなり、朝から、盛大なため息をついてしまった。

「何だ?今日も安定のため息だな。」

 そんな気軽に声をかけてくるのは、隣の席のヘンリーだ。 

 少しやんちゃな所もあるが、れっきとした侯爵令息で、たしか、主人公の攻略対象だったはず。

 当て馬ポジションで、主人公に散々尽くしたあげくに、報われなかった彼。

 かわいそうに。って、勝手に同情しちゃってごめん。

 でも何だか、他人には思えず、ついつい相手しちゃうんだよな。


「世の中、中々思い通りには行かないものだな~と思って。」

「何だよ。早くもこの世を悟ってる感じ?愛しの王子様と何かあったのか?」

「特に何もないよ。てか、不満も何も無いから困ってるって言うか‥‥。」

「だよなー。あんな完璧王子の婚約者で、しかも、クラスも違うのに、毎度教室まで送り迎えまでしてくれるんだぜ。文句なんかないじゃん。」

「そうなんだけど。だからこそ不思議なんだよ。僕みたいな、地味で目立たない奴のどこがいいんだか。」

「アルは地味なんかじゃないじゃん。何で、こんな綺麗な瞳隠してるんだか‥‥」

「ん、何か言った?」

「いや、何も‥」


 そんなかんやで、あっと言う間にランチタイムになると、例のあの人が迎えにくる。


「アルフレッド、迎えに来たよ。一緒にランチに行こう!」

 キラキラスマイルのセドリック王子に、クラスのみんなも、うっとりしている。

 何だ?あの美丈夫は!

 かっこよすぎて、ドキドキしちゃうだろ!

 前世では、男なんて興味なかったはずなのに、どうしちゃったんだ。

 モデル並みに整った、金髪碧眼のイケメンに、優しく微笑みかけられた時には、元いけてないサラリーマンの僕でも、一発で好きになっちゃうじゃないか!

 いつか断罪されちゃうんだから、好きになっちゃいけないのに!


「はぁ~。」


 こんなはずじゃなかったのにな‥‥。


 思いっきり首を垂れる、アルフレッドであった。

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