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13 違和感の正体
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『妊娠屋』って一体…?
コテン、
コテン、
コテン…
アウィス伯爵を始めそこにいる誰もが聞いた事の無い言葉に首を傾げるので。
(うん…)
「私も分からなくて調べました。
『当たり屋』はご存じですか?
悪徳医師と結託した者が馬車にわざとぶつかってかすり傷なのに高額な治療費をせしめるタカリ行為だそうで、『妊娠屋』はその一種だそうです。
女性が酒飲み処などでターゲットに特殊な媚薬を盛って…ターゲットの子供を妊娠するのです。
そしてターゲットに高額な堕胎費用と慰謝料と口止め料を請求する。
正確な妊娠検査薬と同時に薬を飲むだけで体に負担なく痛みもなく堕胎してしまう安価な薬が発明されたことでお金に困った女性がそんな事をするようになったそうです。
恐ろしい事ですが『たった1回の妊娠・堕胎で一生遊んで暮らせるお金が手に入る』と深く考えずにやってしまう女性が多いそうです」
エクアは顰められた眉達を見て皆が『妊娠屋』を理解した事を確認し。
「母もそのつもりでアウィス伯爵に近付いたのです」
「ッ!
――あぁそうだったのか…
それで説明がつく!
媚薬のせいだったのだ!
…私は自分がおかしくなったのだろうと…
先入観だ‥
まさか女性が男性に媚薬を盛るなんてあるはずないと…
‥私は公園で蹲っていた体調不良の女性を自宅に送り届けた後せめてお茶でもと言われ――
あのお茶に特殊な媚薬が盛られていたのか!
お茶を飲んだ後の記憶は無く次に目覚めたのはベッドの中で…
2ヶ月程過ぎた頃に
『妊娠しました。あの時の子供で間違いありません』
と言われて…」
アウィス伯爵が興奮を隠せない様子で喋る。
こんな姿は本当に今まで無かったことで。
アッキピテル公爵からすれば親友であるアウィス伯爵がいかに深く悩み苦しんで来たのかが窺い知れるのだが。
エクアは淡々と話しを引き取る。
「はい。
母は金額の交渉をするつもりでしたが予想外に
『子供を産んでほしい。君の事は妻として迎える』
と言われて…
伯爵夫人の座を手に入れる為に産みたくもない私を産んだのです。
妊娠中の不快さや出産の大変さも私を憎む大きな要因だった様ですね。
日記のあちこちに恨み言が書かれています」
そこでエクアはお茶で喉を潤し――
『…本当のお茶は飲んでも苦しくならないのですね』
と嫌味ではなく自然に呟いてから。
「私はアウィス伯爵家に生まれたくなかった。
13年間…
心から笑ったことは1度もありません。
遠くの修道院へ私を逃がしてください。
どうか慈悲を」
そう言ってもう一度頭を下げる。
その頭よりも低い位置にアウィス伯爵が這いつくばる。
「これまでの事、本当に申し訳なかった!
私は君と過ごしたかったが――
私は彼女に抗えない魅力があるのだろうと思い込んで彼女に近付くのを恐れ出来るだけ避けた…
そのせいで君にも近付けなかったんだ!
…彼女は私の前では君を抱え込んで離さなかったから!
だがこれからはずっと君の傍で君を守る!
だから修道院へ行くなど言わないでくれ!
どうか――」
『許してくれ』と土下座するアウィス伯爵に困り助けを求めるように学園長を捜したエクアの視線の端に意外なものが映る。
(?‥私と同い年くらいの男の子?
…そう言えば学園の職員室にも居たような…
外国の子みたい…
誰かしら?)
赤い髪に金色の瞳…
信じられないくらい美しい顔立ち…
何より他の人とは纏う空気が全然違…あ!
エクアは職員室で感じた違和感の正体に気付く。
あの男の子の視線だ!
そう、今も皆とは全く違う…
ただでさえキラキラと美しい金色の瞳を更に興味津々キラキラさせている。
室内は重い空気なのにその男の子の周りだけキラッキラしていて――
エクアは1度通り過ぎた視線を戻し真っ直ぐに男の子を見る。
コテン、
コテン、
コテン…
アウィス伯爵を始めそこにいる誰もが聞いた事の無い言葉に首を傾げるので。
(うん…)
「私も分からなくて調べました。
『当たり屋』はご存じですか?
悪徳医師と結託した者が馬車にわざとぶつかってかすり傷なのに高額な治療費をせしめるタカリ行為だそうで、『妊娠屋』はその一種だそうです。
女性が酒飲み処などでターゲットに特殊な媚薬を盛って…ターゲットの子供を妊娠するのです。
そしてターゲットに高額な堕胎費用と慰謝料と口止め料を請求する。
正確な妊娠検査薬と同時に薬を飲むだけで体に負担なく痛みもなく堕胎してしまう安価な薬が発明されたことでお金に困った女性がそんな事をするようになったそうです。
恐ろしい事ですが『たった1回の妊娠・堕胎で一生遊んで暮らせるお金が手に入る』と深く考えずにやってしまう女性が多いそうです」
エクアは顰められた眉達を見て皆が『妊娠屋』を理解した事を確認し。
「母もそのつもりでアウィス伯爵に近付いたのです」
「ッ!
――あぁそうだったのか…
それで説明がつく!
媚薬のせいだったのだ!
…私は自分がおかしくなったのだろうと…
先入観だ‥
まさか女性が男性に媚薬を盛るなんてあるはずないと…
‥私は公園で蹲っていた体調不良の女性を自宅に送り届けた後せめてお茶でもと言われ――
あのお茶に特殊な媚薬が盛られていたのか!
お茶を飲んだ後の記憶は無く次に目覚めたのはベッドの中で…
2ヶ月程過ぎた頃に
『妊娠しました。あの時の子供で間違いありません』
と言われて…」
アウィス伯爵が興奮を隠せない様子で喋る。
こんな姿は本当に今まで無かったことで。
アッキピテル公爵からすれば親友であるアウィス伯爵がいかに深く悩み苦しんで来たのかが窺い知れるのだが。
エクアは淡々と話しを引き取る。
「はい。
母は金額の交渉をするつもりでしたが予想外に
『子供を産んでほしい。君の事は妻として迎える』
と言われて…
伯爵夫人の座を手に入れる為に産みたくもない私を産んだのです。
妊娠中の不快さや出産の大変さも私を憎む大きな要因だった様ですね。
日記のあちこちに恨み言が書かれています」
そこでエクアはお茶で喉を潤し――
『…本当のお茶は飲んでも苦しくならないのですね』
と嫌味ではなく自然に呟いてから。
「私はアウィス伯爵家に生まれたくなかった。
13年間…
心から笑ったことは1度もありません。
遠くの修道院へ私を逃がしてください。
どうか慈悲を」
そう言ってもう一度頭を下げる。
その頭よりも低い位置にアウィス伯爵が這いつくばる。
「これまでの事、本当に申し訳なかった!
私は君と過ごしたかったが――
私は彼女に抗えない魅力があるのだろうと思い込んで彼女に近付くのを恐れ出来るだけ避けた…
そのせいで君にも近付けなかったんだ!
…彼女は私の前では君を抱え込んで離さなかったから!
だがこれからはずっと君の傍で君を守る!
だから修道院へ行くなど言わないでくれ!
どうか――」
『許してくれ』と土下座するアウィス伯爵に困り助けを求めるように学園長を捜したエクアの視線の端に意外なものが映る。
(?‥私と同い年くらいの男の子?
…そう言えば学園の職員室にも居たような…
外国の子みたい…
誰かしら?)
赤い髪に金色の瞳…
信じられないくらい美しい顔立ち…
何より他の人とは纏う空気が全然違…あ!
エクアは職員室で感じた違和感の正体に気付く。
あの男の子の視線だ!
そう、今も皆とは全く違う…
ただでさえキラキラと美しい金色の瞳を更に興味津々キラキラさせている。
室内は重い空気なのにその男の子の周りだけキラッキラしていて――
エクアは1度通り過ぎた視線を戻し真っ直ぐに男の子を見る。
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