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06 女ですらない
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食事を止める事もなく
給仕に対して魚料理を断って先ほどの肉料理をもう少しと注文する合間に
「メイド?
ですか?」
メイドが何か?
的な感じでブルーベルは声を発する。
何コレ当てが外れた?と。
≪キッ!≫
ラミアは情報源であるボースを睨む。
ボースは必死の声を出す。
「で、ですがブルーベル様はいつもイブに甘くてッ…
今日だってクッキーのお土産を買われて!」
「ボース…
クッキーはメイド皆に買った。
お前がメイド長に渡して配ってもらったんだろう?」
「え!――あ、は…
‥ッでですが、王都花火をイブと2人で楽しまれてッ!
まるで恋人みたいに1頭の竜にタンデムしてッ!」
「そりゃ竜には2人までしか乗れないし‥
日頃世話になっているイブを乗せるのが妥当だろう?
逆に専属メイドではなく他のメイドを乗せる方が問題だろ?」
「それは…ですがッ」
「あぁもういいわ!
茶髪茶目で平民にしか見えなくてもブルーベルは平民じゃないもの、
使用人に懸想するはずないのよ!」
吐き捨てるように言うラミアにブルーベルはナプキンで口の端を拭きながら
「勿論です。
使用人は使用人。
懸想などするはずもありません。
しかもイブは私より7才も年上なのです。
その時点で何事もあるはずないと分かる事ではありませんか?
私が女性として認識するのは2~3才年上までです」
2才年上のラミアをフォローするこのセリフにラミアは気を良くする。
愚鈍なガキでもそれぐらいの気遣いは出来るのねと。
「アハハッ!
つまりイブはお前にとって女ですらない訳ね!」
大口で笑うラミア。
ブルーベルは頷くと。
「ボース、お前はおかしな事を言って私の輝かしい未来…
義姉上との結婚を邪魔する積もりなのか」
ブルーベルに剣呑な目を向けられて。
「め、滅相もございません!」
土下座して頭を床に擦り付けるボース。
「あぁバカらしい、
だったら急ぐ事なかったわね」
「…急ぐとは?」
愉快気にワインの杯を重ねるラミアにブルーベルが尋ねる。
声が低くなっている…
「晩餐を待たせたでしょ?
ここへ来る前にお前の専属メイドのイブとやらに会ってクビを言い渡していたの」
「――えぇと、」
「別にいいでしょ?」
「いいとは――
私はメイド無しの生活に?
不便は困るのですが」
苦笑するブルーベルの目が笑っていない事にラミアは気付かない。
「私の優秀なメイドを付けてやる事にしたわ。
勿論30過ぎのね」
「義姉上にそこまでして頂くのは‥」
「遠慮は要らなくてよ。
お前は私の夫になるのだし…
少なくとも子供を2人作るまでは夫でい続けるのだもの。
大体、ボースによればイブはメイドとして特に何か優れている訳じゃなく――」
気分よく酔ったらしいラミアがワイングラスを手にフラリと立ち上がる。
「‥私も会って分かったけど‥
茶髪茶目でポッチャリの平凡地味な女!
そして23才オバサン!
若い男が惹かれる要素が何一つ無いのだから急ぐ事無かったけど…」
そう言いながらフラフラ歩き
食堂中央辺りの壁を覆っている金の刺繍を施された豪奢なカーテンを開けて叫ぶ。
「もうクビにしてしまったものね、
いいわよね、イブ!」
ブルーベルが座っている席からよく見える位置。
そのカーテンの奥にイブが立っている――
給仕に対して魚料理を断って先ほどの肉料理をもう少しと注文する合間に
「メイド?
ですか?」
メイドが何か?
的な感じでブルーベルは声を発する。
何コレ当てが外れた?と。
≪キッ!≫
ラミアは情報源であるボースを睨む。
ボースは必死の声を出す。
「で、ですがブルーベル様はいつもイブに甘くてッ…
今日だってクッキーのお土産を買われて!」
「ボース…
クッキーはメイド皆に買った。
お前がメイド長に渡して配ってもらったんだろう?」
「え!――あ、は…
‥ッでですが、王都花火をイブと2人で楽しまれてッ!
まるで恋人みたいに1頭の竜にタンデムしてッ!」
「そりゃ竜には2人までしか乗れないし‥
日頃世話になっているイブを乗せるのが妥当だろう?
逆に専属メイドではなく他のメイドを乗せる方が問題だろ?」
「それは…ですがッ」
「あぁもういいわ!
茶髪茶目で平民にしか見えなくてもブルーベルは平民じゃないもの、
使用人に懸想するはずないのよ!」
吐き捨てるように言うラミアにブルーベルはナプキンで口の端を拭きながら
「勿論です。
使用人は使用人。
懸想などするはずもありません。
しかもイブは私より7才も年上なのです。
その時点で何事もあるはずないと分かる事ではありませんか?
私が女性として認識するのは2~3才年上までです」
2才年上のラミアをフォローするこのセリフにラミアは気を良くする。
愚鈍なガキでもそれぐらいの気遣いは出来るのねと。
「アハハッ!
つまりイブはお前にとって女ですらない訳ね!」
大口で笑うラミア。
ブルーベルは頷くと。
「ボース、お前はおかしな事を言って私の輝かしい未来…
義姉上との結婚を邪魔する積もりなのか」
ブルーベルに剣呑な目を向けられて。
「め、滅相もございません!」
土下座して頭を床に擦り付けるボース。
「あぁバカらしい、
だったら急ぐ事なかったわね」
「…急ぐとは?」
愉快気にワインの杯を重ねるラミアにブルーベルが尋ねる。
声が低くなっている…
「晩餐を待たせたでしょ?
ここへ来る前にお前の専属メイドのイブとやらに会ってクビを言い渡していたの」
「――えぇと、」
「別にいいでしょ?」
「いいとは――
私はメイド無しの生活に?
不便は困るのですが」
苦笑するブルーベルの目が笑っていない事にラミアは気付かない。
「私の優秀なメイドを付けてやる事にしたわ。
勿論30過ぎのね」
「義姉上にそこまでして頂くのは‥」
「遠慮は要らなくてよ。
お前は私の夫になるのだし…
少なくとも子供を2人作るまでは夫でい続けるのだもの。
大体、ボースによればイブはメイドとして特に何か優れている訳じゃなく――」
気分よく酔ったらしいラミアがワイングラスを手にフラリと立ち上がる。
「‥私も会って分かったけど‥
茶髪茶目でポッチャリの平凡地味な女!
そして23才オバサン!
若い男が惹かれる要素が何一つ無いのだから急ぐ事無かったけど…」
そう言いながらフラフラ歩き
食堂中央辺りの壁を覆っている金の刺繍を施された豪奢なカーテンを開けて叫ぶ。
「もうクビにしてしまったものね、
いいわよね、イブ!」
ブルーベルが座っている席からよく見える位置。
そのカーテンの奥にイブが立っている――
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