大迷惑です!勝手に巻き戻さないで!?

ハートリオ

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13 約束

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ゴツゴツした岩ばかり
草木の見当たらない荒野でソレは起きた。

ボースの立つ地面から無数の細く固い枝が突き出て来てズブズブにボースを貫く。
木の鉄格子に下から刺し貫かれている状態。
堪らず体は震えるが
その震えにより痛みが倍増する。
が、震えは止められず

「ッ、ッ、‥」

小刻みに呼吸するボースにイブが言う。

「はぁ…
殺してもらえないか…
ボース、言って置くが私の仕業ではないぞ。
妖精王様はお怒りなのだ。
お前が妖精王様の子孫である私を害そうとしたこと‥
いや、既に私を岩に叩きつけたのだっけ‥
であれば――
その苦しみ、簡単に終わると思うなよ」
「‥!?!」

絶望に落ちるボース。
ブルーベルやタウルスの知らないところで理不尽な悪行を犯して来た男。
鍛え上げた大きな体で他者を暴力で圧倒し残酷な殺しを愉しんで来た男。
そんな者にお似合いの苦しみだと犠牲者達は拍手することだろう。

そんな者がもう1人。
ラミアもボース同様に無数の木に体を貫かれ声も出せずに浅い呼吸をしている。
騎士達は腰を抜かしたり逃げ出したりしている。

そんな状況など目に入らない男が口を開く。

「妖精王様の御加護を受ける君は――
イービス姫…
イービス・ディーワ・クアエダム妖精国第一王女殿下!
妖精王様の力を賜った尊い姫の事は知っていた――
分かっていたのは私と同じ年齢だという事だけ。
だから君がそうだとは気付かなかった‥」

漸くイブがイービスだと分かったシラー。

「はい。‥あのッ!
何もかも私の為だったんですね…
なのにシラー殿下に『大迷惑』とか思っててゴメンナサイ」
「いや。
そんな事よりやっと想いが伝わってホッとしているよ」
「想い…あッ!
い、言って置きますが!」

イブ…イービスがちょっとムキになって言い募る。

「私の方が詠唱封印が解けるのが遅かったのは私の気持ちが弱かった訳ではなく!
私が自分を横に置いて‥自分自身を見失っていたからなので!
ベ‥シラー様を想う気持ちなら私の方が強いはずで‥」
「それは無い。
私の愛を甘く見てもらっては困る」
「い、いえ!‥うぅ‥
‥こほん、兎に角!」
「‥イービス姫!?」

イービスの瞳が光り出す。

「私達は世界に2人だけの魔力持ち。
そのせいで皇帝に狙われ逃亡者となりました。
それからの5年間で…
スピーリトゥス精霊国
ディーワ・クアエダム妖精国は帝国に蹂躙されたと聞きます。
シラー殿下のご家族は魔獣の島に流され
私の家族は私が帝国側の監視から逃れたせいで皇帝に拷問を――
私達は最初からやり直す必要があります。
あの時は北北西に進路を取らざるを得ませんでしたが次は!
次は南南東に進路を取りましょう!」

イービスが言い放ち

次の瞬間光に包まれて――

「分かった!
南南東へ行こう!
約束だ!‥」

シラーは叫び

光に呑まれ――
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