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18 愛を誓って
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――ほどなくして帝国が倒れた。
帝国の統治によってまとまっていたかと言えばそうではなかった世界。
寧ろ平和に分散されていった。
元帝都の元宮殿の一角が森に覆われ立ち入り禁止区域となった。
皇帝の寝室のあった建物である。
神々しいまでに美しい王子と王女がそこに着いた時ソレは起こった。
皇帝とその妹はベッドの上で体を重ねていた。
2人は真の兄妹。
恋情も欲情も無い。
兄は忠誠心を確認する為に
妹は忠誠心を示す為に
定期的に体を重ねており。
今日は妹が突然青い顔をして
『嫌な予感がするのです。
魔力持ち達に干渉するのはやめた方がいい気がするのです。
魔力など取り込まなくても帝国は最強です。
計画を取りやめて欲しいのです‥』
と言い出した為に。
皇帝は完全服従して来た妹の突然の進言に妹をベッドに押し倒した。
忠誠心はどうしたと。
乱暴に揺らされながら妹ラミアは何故か知っている痛みに全身を貫かれる。
突如、
物凄い勢いで、
床からベッドを突き破って来た鉄格子の様な細く固い枝達に刺し貫かれた痛みである。
「「ッ、ッ、‥」」
何本もの固い枝に重なったまま全身を貫かれる形で拘束され
小刻みに呼吸する兄妹。
「まぁ…
妖精王様は少し過保護気味かも…
戦う必要が無くなってしまいました」
美しく響く王女の声。
「精霊王様の気配は無い…
ちょっと複雑な気分だ」
11才とは思えぬ落ち着いた王子の声。
声のする方を見たくても何本もの枝に串刺しになっている兄妹には叶わない。
そもそも、2人の耳はもうまともに機能していない。
それでもはっきりと聞こえるのは王女イービスが妖精王の、王子シラーが精霊王の血を引いている特別な存在であるからであろう。
潰されていない方の左目で妹は兄を睨みつける。
『だから言ったのに!
魔力を欲しがって妖精王やら精霊王やらの血を引く存在を無理矢理子作りの道具にする計画などやめろと!
それぐらいも判断出来ない無能が!
今までこんなバカを畏れ敬い忠誠を誓っていた自分が恨めしい…』
口が利ければそう言ってやりたい妹。
親にさえ頭を下げた事のない兄。
何とか見える方の右目に映るのは…
憎しみの籠った妹の目。
兄の目も怒りに染まる。
体が繋がったまま
何本もの枝に串刺しにされ
憎しみの目で見つめ合う兄妹。
狂いそうな苦痛
だが狂う事も死ぬ事も許されない。
そんな地獄のすぐ隣でイービスが不思議そうな声を上げる。
「だけど、どうして妖精王様は急に手助けして下さるようになったのかしら…」
【お前達を感知出来るようになったからだ】
イービスとシラーの頭に直接声が聞こえる。
厳かな、慈愛に満ちた声は――
「「妖精王様!?」」
イービスとシラーが同時に叫ぶ。
【いかにも。
我にとって人間は存在が弱すぎて感知出来ぬ。
巻き戻り前、イービスが詠唱封印を解いた瞬間から感知出来るようになった。
お前達の命が輝き出したから見えるようになったのだろう。
大切な子孫イービスよ。
そしてイービスが大切に思うシラーよ。
今後は2人を存分に甘やかすぞ♪】
楽し気な声はとても優しい。
――と、
【‥甘やかすだけが全てではない。
私は2人の成長を妨げる様な甘やかしはしない】
妖精王とは別の、だがやはり厳かな声が頭に直接響く。
またも2人は同時に叫ぶ。
「「精霊王様!?」」
【その通り。
私にもやっとお前達が見えるようになった。
甘やかしはしないが、いつでもお前達を見守っているぞ】
「「ありがとうございます!」」
【‥こほん、こほん‥】
「「妖精王様!
ありがとうございます」」
【【ハッハッハ‥】】
――他所でやれ!
心の中で叫ぶ地獄兄妹であった。
それから5年間。
1回目、2回目と違い2人はそれぞれの国に戻り別々に成長する。
互いに季節の挨拶や誕生日などにカードやプレゼントを贈り合い…
そう、遠距離恋愛で愛を育みつつ、である。
そして5年後。
イービスとシラーは共に16才、成人となり
本日目出度く結婚する!
花が咲き乱れる草原での結婚式
柔らかな日差しの中
七色の風がそよぎ
光が色とりどりの花びら、星形、ハートとあれこれ色と形を変えてはキラキラ降り注ぎ…
と、空からふわふわ可愛らしい小花が降って来て――
妖精王様と精霊王様の祝福合戦の様相を呈している2人の結婚式。
天国とはこんなところかしらと集まった人々は感動の涙を流す…
後に『奇跡だらけの結婚式』と呼ばれる伝説の結婚式…
美しく成長したイービスとシラーはお互いしか目に入っていない。
数々の祝福にも負けないほどキラキラ輝く二人は
見つめ合い
微笑み合い
頬を染めて
天より祝福の鐘が鳴り響く。
美しい音楽が優しく響き渡る。
互いの瞳の奥に
愛の光を輝かせて
2人は同時に口を開き
「「本当の自分で」」
「「本当の君を」」
「「愛しています」」
「「心より」」
「「永遠に」」
そして2人はお互いに
照れくさそうに笑って
柔らかな口づけで愛を誓って…
帝国の統治によってまとまっていたかと言えばそうではなかった世界。
寧ろ平和に分散されていった。
元帝都の元宮殿の一角が森に覆われ立ち入り禁止区域となった。
皇帝の寝室のあった建物である。
神々しいまでに美しい王子と王女がそこに着いた時ソレは起こった。
皇帝とその妹はベッドの上で体を重ねていた。
2人は真の兄妹。
恋情も欲情も無い。
兄は忠誠心を確認する為に
妹は忠誠心を示す為に
定期的に体を重ねており。
今日は妹が突然青い顔をして
『嫌な予感がするのです。
魔力持ち達に干渉するのはやめた方がいい気がするのです。
魔力など取り込まなくても帝国は最強です。
計画を取りやめて欲しいのです‥』
と言い出した為に。
皇帝は完全服従して来た妹の突然の進言に妹をベッドに押し倒した。
忠誠心はどうしたと。
乱暴に揺らされながら妹ラミアは何故か知っている痛みに全身を貫かれる。
突如、
物凄い勢いで、
床からベッドを突き破って来た鉄格子の様な細く固い枝達に刺し貫かれた痛みである。
「「ッ、ッ、‥」」
何本もの固い枝に重なったまま全身を貫かれる形で拘束され
小刻みに呼吸する兄妹。
「まぁ…
妖精王様は少し過保護気味かも…
戦う必要が無くなってしまいました」
美しく響く王女の声。
「精霊王様の気配は無い…
ちょっと複雑な気分だ」
11才とは思えぬ落ち着いた王子の声。
声のする方を見たくても何本もの枝に串刺しになっている兄妹には叶わない。
そもそも、2人の耳はもうまともに機能していない。
それでもはっきりと聞こえるのは王女イービスが妖精王の、王子シラーが精霊王の血を引いている特別な存在であるからであろう。
潰されていない方の左目で妹は兄を睨みつける。
『だから言ったのに!
魔力を欲しがって妖精王やら精霊王やらの血を引く存在を無理矢理子作りの道具にする計画などやめろと!
それぐらいも判断出来ない無能が!
今までこんなバカを畏れ敬い忠誠を誓っていた自分が恨めしい…』
口が利ければそう言ってやりたい妹。
親にさえ頭を下げた事のない兄。
何とか見える方の右目に映るのは…
憎しみの籠った妹の目。
兄の目も怒りに染まる。
体が繋がったまま
何本もの枝に串刺しにされ
憎しみの目で見つめ合う兄妹。
狂いそうな苦痛
だが狂う事も死ぬ事も許されない。
そんな地獄のすぐ隣でイービスが不思議そうな声を上げる。
「だけど、どうして妖精王様は急に手助けして下さるようになったのかしら…」
【お前達を感知出来るようになったからだ】
イービスとシラーの頭に直接声が聞こえる。
厳かな、慈愛に満ちた声は――
「「妖精王様!?」」
イービスとシラーが同時に叫ぶ。
【いかにも。
我にとって人間は存在が弱すぎて感知出来ぬ。
巻き戻り前、イービスが詠唱封印を解いた瞬間から感知出来るようになった。
お前達の命が輝き出したから見えるようになったのだろう。
大切な子孫イービスよ。
そしてイービスが大切に思うシラーよ。
今後は2人を存分に甘やかすぞ♪】
楽し気な声はとても優しい。
――と、
【‥甘やかすだけが全てではない。
私は2人の成長を妨げる様な甘やかしはしない】
妖精王とは別の、だがやはり厳かな声が頭に直接響く。
またも2人は同時に叫ぶ。
「「精霊王様!?」」
【その通り。
私にもやっとお前達が見えるようになった。
甘やかしはしないが、いつでもお前達を見守っているぞ】
「「ありがとうございます!」」
【‥こほん、こほん‥】
「「妖精王様!
ありがとうございます」」
【【ハッハッハ‥】】
――他所でやれ!
心の中で叫ぶ地獄兄妹であった。
それから5年間。
1回目、2回目と違い2人はそれぞれの国に戻り別々に成長する。
互いに季節の挨拶や誕生日などにカードやプレゼントを贈り合い…
そう、遠距離恋愛で愛を育みつつ、である。
そして5年後。
イービスとシラーは共に16才、成人となり
本日目出度く結婚する!
花が咲き乱れる草原での結婚式
柔らかな日差しの中
七色の風がそよぎ
光が色とりどりの花びら、星形、ハートとあれこれ色と形を変えてはキラキラ降り注ぎ…
と、空からふわふわ可愛らしい小花が降って来て――
妖精王様と精霊王様の祝福合戦の様相を呈している2人の結婚式。
天国とはこんなところかしらと集まった人々は感動の涙を流す…
後に『奇跡だらけの結婚式』と呼ばれる伝説の結婚式…
美しく成長したイービスとシラーはお互いしか目に入っていない。
数々の祝福にも負けないほどキラキラ輝く二人は
見つめ合い
微笑み合い
頬を染めて
天より祝福の鐘が鳴り響く。
美しい音楽が優しく響き渡る。
互いの瞳の奥に
愛の光を輝かせて
2人は同時に口を開き
「「本当の自分で」」
「「本当の君を」」
「「愛しています」」
「「心より」」
「「永遠に」」
そして2人はお互いに
照れくさそうに笑って
柔らかな口づけで愛を誓って…
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