崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三十六・五話 VSラグナロク・妖炎

妖炎と王龍

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「ん、どした?」
 下ネタが飛んでくるかと、心の中で身構えるナガレ。しかし彼女の口から出た言葉は、そうではなかった。
「ねぇねぇ、シルヴィアってヤツはどうだった? やっぱりジョー先輩の言う通り、恵体のエチエチな美女だったの?」
 その言葉にナガレは、少し考えてから答えた。

「……ああ、彼女は美しかったよ。特に、戦士としての心が……」


~☆~☆~☆~☆~☆~


 その頃、シルヴィアは一人で馬車に乗り、外の景色を眺めていた。相変わらず真っ白な雪原だ。

 ガラガラガラ……カタンッ。
「あら?」
 突然馬車が止まる。外から「おう、乗せてくれ」と、聞き慣れた声がした。
 御者もシルヴィアが用意した者なので、全てを説明している。何も言わずに来訪者を中へ招き入れた。
 ガチャンッ……とドアを開けて入って来たのは、やはりマッシバー。ワニのように長い口に、葉巻を咥えていた。
「よう、シルヴィア。俺の言ったことを分かってたんだな」
「あったりまえじゃない♡ アナタの言うことならなんでも聞くわよ、マッシバー♡」
 露骨に猫撫で声になるシルヴィア。だがマッシバーはどこ吹く風で受け流す。
「……どうだ、アイツ。強えだろう。本気じゃなかったとはいえ、殺しかねたか」
「まさか! アタシは本気だったわ。でもあのコには結局負けちゃった。すごいわねぇ、石猿流♡」
「そうだろう」
 マッシバーは葉巻の火を、角ばった手で直接揉み消す。熱い火なのに、気にする様子はない。
「最初はアイツじゃなく、石猿流さえ手に入ればそれで良かった。しかし……ナガレ・ウエストとジャック・ハルバード。……どっちも欲しいところだな。奴らが加入すれば、間違いなくラグナロクの黄金期だ」
 湧き出す野心に「グフフフフッ……」と笑顔になるマッシバー。特にナガレの人を惹きつける力があれば、六連星ともすぐに分かり合えるはず。
 ナガレとジョーのコンビネーション、それが他のメンバーともできたら……どんなモンスターも敵ではない。

「気が変わった」
「あら、なんのことかしら?」
「……ペネロペは後だ。先にアグネスを行かせよう。ナガレ・ウエストが魔法に対してどう反応するのか、もう少し育ててえ」
 そう言ってニヤリと笑う。そのニヒルな雰囲気にシルヴィアの心はまたキュンとするが、そんなことはどうでもいい。
「もう少し牙を研いでもらうとするか……だがその前に、まずはお前の治療が先だ」
「面目ないわ。……でも、こうして迎えに来てくれて嬉しい♡」
 そんな彼女の言葉を受けて、馬車はのんびりと雪原を走っていった。
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