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第三十六・五話 VSラグナロク・妖炎
振り返り
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「賭け? どう言うことじゃ」
レンの言葉に、ナガレの笑いが「あはは、あは……」と小さくなっていく。
「……実はオレも、シルヴィアの真意は分からなかったんです。でも、アイツの正々堂々とした態度を信じて……可能性に賭けたってだけ」
「……要するにヤマ勘だったと言うわけです」
あの時ナガレには、確信が持てなかった。シルヴィアなら「それがどうしたの? さぁ自爆よ~!」と言いかねなかった。
しかし、今こうしてナガレは生きている。彼女を信じた結果、爽やかな終わり方ができた……。
「そういや今、ちょっと思ったんだけどさ。なぁジョー!」
「……なんだ?」
「ジョーは元ラグナロクなら、シルヴィアとも共闘したことがあるんだろ? どんなヤツだった?」
その言葉に、ジョーは腕を組んで少し考える。
「……二年ほど一緒にいたが、今とそう変わらない。だが彼女はチームのムードメーカーだった。特にモモとシエラはしょっちゅう衝突するのを、奴がうまく取りなしていた」
「へぇ~そうなんだ……」
ガタンッ! と馬車が揺れる。窓の外を見れば、もうマリーオウのすぐ近くまで来ていた。
「レイラとは誰じゃ?」
「てかマスター、ちょっと思ったんですけど……ラグナロクってめっちゃすごいパーティですよね」
「うむ、そうじゃのう」
「そういえばオレたち、マッシバー以外のメンバーを全然知りませんね。現にジョーのことしか知らなかったし」
彼の考えに答えたのはジョーだった。
「……俺はラグナロクに加入するまで、他の冒険者とも何回かパーティを組んだ。だから俺の事は、顔を知ってる奴が多かったんだろう」
「へー……」
「……だが、シルヴィアを始めとして六連星の連中は、みんな生え抜きでラグナロクへ加入した人物だ。常にラグナロクだけで行動する。報酬をもらいにいくのも賞賛を浴びるのも、マッシバーだけだ」
「他の連中はとことん隠蔽されてるってことか……」
そんなことを話している間に、馬車が停まった。どうやら宿屋の前についたらしい。
「あ、ナガレパイセンだー!」
「帰って来たってことは……良かった、無事に勝ったんだにゃあ」
後輩たちがわらわら出てくる。彼らに迎えられて、ナガレたちは馬車から降りた。
「よくぞご無事でッス! 今日はナガレ先輩を讃えるパーティッス! 黄金のナガレ先輩像を神輿にして担いで、マリーオウを一周するッス!」
「どんな晒し者だ、それはっ!」
……と、ニンフォが意味ありげな視線を向けて来た。
「ねぇ~ナガレ先輩」
レンの言葉に、ナガレの笑いが「あはは、あは……」と小さくなっていく。
「……実はオレも、シルヴィアの真意は分からなかったんです。でも、アイツの正々堂々とした態度を信じて……可能性に賭けたってだけ」
「……要するにヤマ勘だったと言うわけです」
あの時ナガレには、確信が持てなかった。シルヴィアなら「それがどうしたの? さぁ自爆よ~!」と言いかねなかった。
しかし、今こうしてナガレは生きている。彼女を信じた結果、爽やかな終わり方ができた……。
「そういや今、ちょっと思ったんだけどさ。なぁジョー!」
「……なんだ?」
「ジョーは元ラグナロクなら、シルヴィアとも共闘したことがあるんだろ? どんなヤツだった?」
その言葉に、ジョーは腕を組んで少し考える。
「……二年ほど一緒にいたが、今とそう変わらない。だが彼女はチームのムードメーカーだった。特にモモとシエラはしょっちゅう衝突するのを、奴がうまく取りなしていた」
「へぇ~そうなんだ……」
ガタンッ! と馬車が揺れる。窓の外を見れば、もうマリーオウのすぐ近くまで来ていた。
「レイラとは誰じゃ?」
「てかマスター、ちょっと思ったんですけど……ラグナロクってめっちゃすごいパーティですよね」
「うむ、そうじゃのう」
「そういえばオレたち、マッシバー以外のメンバーを全然知りませんね。現にジョーのことしか知らなかったし」
彼の考えに答えたのはジョーだった。
「……俺はラグナロクに加入するまで、他の冒険者とも何回かパーティを組んだ。だから俺の事は、顔を知ってる奴が多かったんだろう」
「へー……」
「……だが、シルヴィアを始めとして六連星の連中は、みんな生え抜きでラグナロクへ加入した人物だ。常にラグナロクだけで行動する。報酬をもらいにいくのも賞賛を浴びるのも、マッシバーだけだ」
「他の連中はとことん隠蔽されてるってことか……」
そんなことを話している間に、馬車が停まった。どうやら宿屋の前についたらしい。
「あ、ナガレパイセンだー!」
「帰って来たってことは……良かった、無事に勝ったんだにゃあ」
後輩たちがわらわら出てくる。彼らに迎えられて、ナガレたちは馬車から降りた。
「よくぞご無事でッス! 今日はナガレ先輩を讃えるパーティッス! 黄金のナガレ先輩像を神輿にして担いで、マリーオウを一周するッス!」
「どんな晒し者だ、それはっ!」
……と、ニンフォが意味ありげな視線を向けて来た。
「ねぇ~ナガレ先輩」
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