崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第三話 誇りとプライドを胸に

攻勢……?

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 その後もナガレたちの戦いは続く。回復したら頭部を攻撃、ダメージが酷い場合は回復、チャンスの場合は胴を攻撃……といった安定重視のローテーションだ。誰も倒れることなく、少しずつではあるがガラガラマムシの体力を減らしていた。ランクの差を考えれば大健闘だが、それでも強大な相手であることに変わりなく、常にギリギリの状況だった!

「だりゃあぁぁぁっ!」
 バシィッ!
 再びナガレが飛びかかり、脳天に一撃! ナガレの役目は、タネツとヒズマの攻撃チャンスを作るために、ひたすら飛び込むこと……突撃する分反撃も多く、負担が大きい役割だ。しかし彼は凡才冒険者ながら、数少ない取り柄として防御力の高さがある。……実際はタワーシールドの恩恵を受けられるタネツの方が防御力が高いのだが。それでもナガレは攻撃のステータスが低いため、タネツたちの反論を押し切り自分からこの役割を買って出たのだ。
 ナガレの攻撃はほんの少しだけ怯ませることができたようだ。……しかしすぐに立ち直り、頭突きを喰らわせてきた。
 ガンッ!
「ぐはぁっ!」
 吹き飛ぶナガレ……だがその直後、ヒズマが下から飛び上がった。想定外の角度から現れた彼女を見て、さすがのガラガラマムシも一瞬反応が遅れる。
「居合斬りっ! せぇぇぇいっ!」
 ジャキーン!
「ギャウッ!」
 今度は頭が大きく揺れた。クリーンヒットだ!
「避けろ、ヒズマ!」
「ええ、分かってるわ!」
 不意打ち気味の一撃ですぐ反撃に移れず、その一瞬がヒズマの回避を助けた。すぐ振り下ろされたヘッドバットを、ヒズマは前転して回避する。
「タネツーっ!」
「おうよ!」
 すぐにタネツがダッシュで接近する。狙いは振り下ろされたばかりの、ガラガラマムシの大きな頭!
「そこだぁっ! シールドバッシュ!」 
 バキィッ!
「ギ、ギシャーッ⁉︎」
 タネツが豪快にシールドを振り抜き、横っ面をぶん殴る! ガラガラマムシは反撃できずに、まるで人間のように思い切りのけ反った。チャンスだ!
「そこだ、行け! ヒズマぁっ!」
「オッケーよ! そこっ、二度目の……居合斬りーっ!」
 シャキーンッ!
「ギジャァッ⁉︎」
 素早く飛び出したヒズマの一撃が、ガラガラマムシの鼻先にクリーンヒット! 長剣使いとしては至って普通の攻撃だが、弱点を付いた斬撃は少なからずダメージになっただろう。初めて硬い鱗に浅い傷跡がついた。
「す、すごい威力だ! そうか、ヒズマさんはスキル『弱点アップ』を持ってるんだ。だから攻撃力が高いんだな!」
 自分を回復しながら納得するナガレ。ヒズマのスキルがここで活躍してくれたようだ。
「ギジャーッ!」
 ガラガラマムシもやられっぱなしではいられない。着地したヒズマに向かって噛みついてきた。
「危ねえ! 俺に任せろやぁっ!」
 しかし素早くタネツが割り込み、タワーシールドを掲げて守る!
 キィンッ!
 金属同士がぶつかるような音が響き、ズザザザザ……と二人は後ずさった。
「ありがとタネツ、回復薬行くわよっ!」
「まだいらねえ、大丈夫だ! へっへっへ、俺のスキルを忘れたか? もう五つは使っちまってるんだ、回復薬の残りは少ないからな!」
「スキル……そうね、貴方には『回復力』があったわ~!」
 タネツはチームで一番体力のステータスが多い上に『回復力(小)』のおかげで体力の回復量が多い。まだ(小)の低レベルであるが、それでもアシストは馬鹿に出来ない量だ。
「そっか、二人ともすごい……! スキルがあれば活躍の幅が、ここまで広くなるのか……!」
 一緒に頑張ってきた先輩二人の奮闘に、歓喜の表情を浮かべるナガレ。……しかし、すぐに肝心なことを思い出してしまう。
(それに比べてオレは……。才能もスキルもない、ただの凡才じゃないか。……いや、今はそんなこと考えてる場合じゃないっ)
 心の闇を振り払い、マルチスタッフを構え直した。敵は自分より遥かに強い、危険度S級のガラガラマムシなのだ。迷わば敗れる。そして敗れた先にあるのは死のみだ。
「くそっ……って、うわぁっ!」
 隙をついたガラガラマムシがナガレに接近、そのまま巨体を投げ出すボディプレス! 回避しきれず、長棒を縦に構えてガードする。なんとか大ダメージは避けたものの押し流され、直後の風圧で吹っ飛んだ。
 ダァンッ!
「ぐは……!」
 しかし岩壁に叩きつけられ、全身を衝撃が走る。それ以前にも何度もぶん殴られ噛みつかれ、ずっとボロボロだった。
「くそ、回復しないと……って、あれっ?」
 ポーチをかき回すが、回復薬のビンが入っていない。この戦闘状態なので、空ビンは投げつけて攻撃手段にしているのだが、それにしたって空っぽだ。
(……ま、まさか!)
 ナガレの顔がサッと青くなった。ポーチを開けて中身を見る。

 ……回復薬が、一つも残っていなかった。
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