崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第七話 剣を手にしたスナイパー

それはさておき特訓!

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~☆~☆~☆~☆~☆~

 そしていつもの夕暮れ。
「やべえ……最近ずっとクエスト言ってないぞ。頑張って稼がないと、今の残金全部家賃に消えちゃうよ……」
「隣のオジョーサマにたかったらどうだ? 金持ちって噂が本当なら、一万ダラーくらいポンとくれるだろ」
「いいや、それは出来ない! そんな無様な姿、サキミに見せられないよ。ねールック、お金貸して~」
「ダメだ! せめて夏場になるまで待て。仕入れでカツカツなんだよ……」
 そんなことを話しながら、いつもの階段を上るナガレとルック。ようやく頂上が見えてきた。

「……なんか、また何かナガレに飛んできそうな気がするな」
 確かに今まで頂上に向かうとき、斬撃だったりナガレだったりいろんなものが飛んできたものだ。
「フッ……それを見越してこれを持ってきた! この前タイガスで買ってきたんだけど、サイズが合わなくってさ。だけどようやく役に立ってくれるぞ~」
 ナガレがどこからか取り出したのは、カッコいい鎧の兜。バケツをひっくり返したような見た目に、T字の覗き穴が開いている。いわゆるグレートヘルムという奴で、斬撃に強い堅牢な兜だ。
「なるほど。これなら頭への攻撃は避けられるな」
「しかもオレはちゃーんと鎧を着てる! これで安心だぜ!」
 ヘルムをすっぽりかぶって、胸をドンと叩くナガレ。そうして頂上までやってくると……。
 
 ヒューン……!

「ん? ……どええっ矢ぁ!?」
 すこーん!
「あべしっ!」
 前から飛んできたのは、剣でも縦でもなく細長い矢。尖った矢じりが、ナガレの鼻先からほんの少し離れたところに着弾する……ほんの少しずれて居たら、見事に隙間をすっぱ抜かれていた。
「ひ……ひえぇぇぇ!?」
「ナガレ君!? 嘘、もうそんな時間なの~……?」
 悲鳴を上げたナガレに近づいてきたのは、なんとヒズマだ。いつもの鎧姿だが、手に持っているのは小ぶりな軽弓。
「ごめんなさい~、ケガはなかった~?」
「た、助かった……弓はさすがに避けられなかったよ……」
 兜を被っていなかったら、たった七話で最終回になっていた……。それはさておき、どうしてヒズマがこんなところにいるのだろう?
「てかヒズマさん、特訓ですか? だとしたらなんで弓なんか……」
 ヒズマはずっとシンプルな長剣のロングソードを使っていたはず。弓が使えるなんて、ナガレも初めて知った。
 しかしそんな表情に気付いたのか、ヒズマは苦笑いして首を振る。
「多分、ナガレ君が思ってることは間違いよ~。この弓は数日前に買ってきて、今練習している真っ只中なの~」
 そう言ってヒズマは、ずっと奥にある一本の木を指差した。見れば練習用の小さな的がぶら下がっている。階段とは真逆の方向にあるのだが……。
「……あの、この矢はあっちに向けて放ったんですよね」
「そうなのよ~……でも、時々真逆に飛んじゃうことがあって~」
「あー! ありますあります! ちゃんと弓引いたつもりが出来てなくって、そのまま後ろにヒューンって! 訓練所ではよくありました!」
 ナガレもここに来る前、弓の使い方を教わっている。何が起こるか分からない冒険者たるもの、あらゆる武器をある程度まで扱えなければならないからだ。
 ナガレは笑い飛ばしたのだが……ヒズマはなんだか元気がない。むしろ、すーっと落ち込んでしまった。
「……あ、あれ? すいません、オレ何かマズいことを……?」
「いえ……いいのよ~。何でもないわ~」
「むっ、悩んでるならオレが聞きますよ! オレに言いにくい話題ならアリッサを連れてきますから!」

「……本当に?」
 ヒズマは突然真面目な表情になって、じーっとナガレを見つめる。そんな目で見られては一瞬迷ったナガレだったが、すぐ思い直し自分の胸とポンと叩いた。
「ええ、本当ですとも。ナイショ話なら、誰にも言わないと約束します」
「約束……ありがとう、ナガレ君」
 ニコッと笑ったヒズマ。そうして二人並んで、広場のベンチに腰掛けた。いつもアリッサがいるところだ。
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