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第八話 炎の化身
決断
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「う、ううむ……しかしじゃのう」
そんなことを言われたって、レンは口ごもるしかない。この町の勢力はせいぜい騎士が数人滞在しているレベル。その騎士も、今は町民の非難を手伝っている……。
しかし、進み出る者がいた。……タネツだ。
「……俺が行く。ターショが死んじまいそうって時にジッとしていられねえ! マスターがなんと言おうと、俺はいくぜ!」
「タネツ……よせ、お前ひとりで勝てるわけがない!」
レンが止めてもタネツはガン無視。タワーシールドを背負って踵を返し、町の外へ走り去ろうとする。
「よさぬかタネツ! マスター命令じゃ、今すぐ戻らぬかぁっ!」
焦って怒鳴るレンだが、その肩をアルクルが叩いた。
「ありゃ止めても無駄だぜマスター……タネツさんは、自分を犠牲にしてでもターショ君を助けるつもりだ。覚悟が決まった目をしていた」
「そ、そんな……」
レンはがっくり肩を落とす。……それを見たナガレとジョーは顔を見合わせ、二人で頷いた。
「タネツさん!」
「ナガレ君? 止めるな、俺は行く!」
「……いいや止めません。ですけど、オレも行きます!」
「な、なんだって?」
急な宣言に目を丸くするタネツ。ナガレはそれを見てニッと笑った。
「へへ、タネツさん一人を置いてけませんよ。オレだってターショ君を助けたい! なあそうだろっ、ジョー!」
「……ああ!」
「ちょ、ちょっと待たぬか! ジョー君が戦うのはまずくないのか!? マッシバーに何をされるか……」
レンが慌てて止めに入るも、ジョーは素知らぬ顔。
「俺は冒険者ではありません。ですが自分の身を守るために戦うのはさすがに問題ないでしょう。今から町の外へ散歩に行ってきます。……もしかしたらサラマンダーに襲われるかもしれませんが」
屁理屈のようだが、一応スジは通って……いない気がする。しかしジョーはを細めニンマリ笑った。
「……ま、その時は自分を守るために戦わなくてはいけませんね」
「ジョー、お前って結構ひねくれてたんだな」
「……フッ、まあな」
そのままナガレと二人で笑いあう。レンは返す言葉が見つからず、口をパクパクさせていた。
「私も行くわ~! アンタたち放ってはおけないし、やってやるんだから~! ねえケンガく~ん!」
「え!? お、俺様は……」
口ごもるケンガ。するとジョーが突然素早く接近して、腹に軽く肘鉄を打ち込んだ!
ゴッ!
「うぐっ!」
「……ほう『うんっ!』か。いい返事だ」
にやにや笑いながらそう言って無理やり巻き込んでしまう。
(こんな傲慢な奴だったのか……)
正直ナガレもちょっと引いていた。この男、なんだか生き生きして見える。
「よ、よせよみんな。俺だけで結構だ。相手はサラマンダーだぞ!? 俺一人だって、ターショを逃がすくらい……」
「理由なんてどうだっていいでしょうが! こうしている間にもターショ君が危険にさらされているんです! さあさあ、みんなで行きましょう!」
「みんな……分かった、恩に着る!」
タネツもようやく笑顔を見せ、みんなで走りだそうとする……。
「あのっ、少々お待ち下され!」
「……なんだよ、いいとこだったのに」
ナガレが振り向くと、声の主は馬の繰り手のおじさんだった。
「もしや、お客様を助けに行って下さるのですか?」
「そうだけど……」
「それではぜひ馬車に乗ってください! 無料でそこまでお送りいたします」
「え、ホント!?」
それは願ってもない話だ! ナガレが詰め寄ると、繰り手のおじさんは馬車にひらりと飛び乗って、制服の襟を正した。
「勝手な行動とはいえ、お客様を止められなかったのは私の責任です。こちらこそお願いです……お客様をお助けください!」
「よっしゃ、任せろ! それじゃあみんな、乗るんだ!」
「……俺とナガレは屋根に乗る。二人はケンガが逃げ出さないよう見張っておいてください」
「おっけ~、任せといて~!」
「それでは出発いたします。はいやーっ!」
ヒヒーーン!
二頭の大馬がいななき、馬車をひいて走り出す。目的地はファイタ荒野だ!
そんなことを言われたって、レンは口ごもるしかない。この町の勢力はせいぜい騎士が数人滞在しているレベル。その騎士も、今は町民の非難を手伝っている……。
しかし、進み出る者がいた。……タネツだ。
「……俺が行く。ターショが死んじまいそうって時にジッとしていられねえ! マスターがなんと言おうと、俺はいくぜ!」
「タネツ……よせ、お前ひとりで勝てるわけがない!」
レンが止めてもタネツはガン無視。タワーシールドを背負って踵を返し、町の外へ走り去ろうとする。
「よさぬかタネツ! マスター命令じゃ、今すぐ戻らぬかぁっ!」
焦って怒鳴るレンだが、その肩をアルクルが叩いた。
「ありゃ止めても無駄だぜマスター……タネツさんは、自分を犠牲にしてでもターショ君を助けるつもりだ。覚悟が決まった目をしていた」
「そ、そんな……」
レンはがっくり肩を落とす。……それを見たナガレとジョーは顔を見合わせ、二人で頷いた。
「タネツさん!」
「ナガレ君? 止めるな、俺は行く!」
「……いいや止めません。ですけど、オレも行きます!」
「な、なんだって?」
急な宣言に目を丸くするタネツ。ナガレはそれを見てニッと笑った。
「へへ、タネツさん一人を置いてけませんよ。オレだってターショ君を助けたい! なあそうだろっ、ジョー!」
「……ああ!」
「ちょ、ちょっと待たぬか! ジョー君が戦うのはまずくないのか!? マッシバーに何をされるか……」
レンが慌てて止めに入るも、ジョーは素知らぬ顔。
「俺は冒険者ではありません。ですが自分の身を守るために戦うのはさすがに問題ないでしょう。今から町の外へ散歩に行ってきます。……もしかしたらサラマンダーに襲われるかもしれませんが」
屁理屈のようだが、一応スジは通って……いない気がする。しかしジョーはを細めニンマリ笑った。
「……ま、その時は自分を守るために戦わなくてはいけませんね」
「ジョー、お前って結構ひねくれてたんだな」
「……フッ、まあな」
そのままナガレと二人で笑いあう。レンは返す言葉が見つからず、口をパクパクさせていた。
「私も行くわ~! アンタたち放ってはおけないし、やってやるんだから~! ねえケンガく~ん!」
「え!? お、俺様は……」
口ごもるケンガ。するとジョーが突然素早く接近して、腹に軽く肘鉄を打ち込んだ!
ゴッ!
「うぐっ!」
「……ほう『うんっ!』か。いい返事だ」
にやにや笑いながらそう言って無理やり巻き込んでしまう。
(こんな傲慢な奴だったのか……)
正直ナガレもちょっと引いていた。この男、なんだか生き生きして見える。
「よ、よせよみんな。俺だけで結構だ。相手はサラマンダーだぞ!? 俺一人だって、ターショを逃がすくらい……」
「理由なんてどうだっていいでしょうが! こうしている間にもターショ君が危険にさらされているんです! さあさあ、みんなで行きましょう!」
「みんな……分かった、恩に着る!」
タネツもようやく笑顔を見せ、みんなで走りだそうとする……。
「あのっ、少々お待ち下され!」
「……なんだよ、いいとこだったのに」
ナガレが振り向くと、声の主は馬の繰り手のおじさんだった。
「もしや、お客様を助けに行って下さるのですか?」
「そうだけど……」
「それではぜひ馬車に乗ってください! 無料でそこまでお送りいたします」
「え、ホント!?」
それは願ってもない話だ! ナガレが詰め寄ると、繰り手のおじさんは馬車にひらりと飛び乗って、制服の襟を正した。
「勝手な行動とはいえ、お客様を止められなかったのは私の責任です。こちらこそお願いです……お客様をお助けください!」
「よっしゃ、任せろ! それじゃあみんな、乗るんだ!」
「……俺とナガレは屋根に乗る。二人はケンガが逃げ出さないよう見張っておいてください」
「おっけ~、任せといて~!」
「それでは出発いたします。はいやーっ!」
ヒヒーーン!
二頭の大馬がいななき、馬車をひいて走り出す。目的地はファイタ荒野だ!
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