崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

文字の大きさ
308 / 1,797
第十四話 女王への叛逆

合流

しおりを挟む
 フリフリの鎧を脱ぎ捨てて、乱暴に床へ放り出した。ドスンと大きな音を立ててしまうが、隣人へ配慮している余裕はない。黒い上下インナーを着て、黒いレザージャケットとスカーフを羽織る。
 水瓶に頭を突っ込んで顔をゴシゴシすると、あっという間に化粧が取れた。長髪のウィッグを投げ捨てると、いつものふわふわセミロング銀髪が出現だ。
 ライトアーマーの装甲がない上下黒のインナーだけだとだいぶ不格好だ。だがナガレはすぐに飛び出した。
(これで姿も変わったから、少しは誤魔化せるはず。でも長くは持たない……急がなきゃ!)
 そのまま近くにあった、とある民宿の宿へ向かう。建物に入ると、女将さんが挨拶して来た。
「いらっしゃいませ。ご宿泊ですか?」
「いえ、ここに止まってる人たちに用があるんです。ミスター・ケオージを呼んでください! 急ぎの用事なんです!」
「まぁっ……わ、分かりました。すぐお呼びします!」
 ナガレの気迫に気圧されたか、女将さんは慌てて二階へ上がっていった。急がせて申し訳ないと、心の中で謝っておく。

 するとすぐに、ドタドタドタ……と階段を駆け降りる音がした。そこからタネツ、ヒズマ、サニー、アリッサ、ルックが慌てて降りてくる。
「な、ナガレ君! 何があったの~⁉︎」
「ワケは後で話します! どうか力を貸してください! アリッサ達も急いで準備して! 撤収の時だ!」
「お、おう! 何が起こったかは知らねえが、仲間のためなら任せとけ!」
「ありがとう、タネツさん! それじゃあすぐに鎧に着替えてください。冒険者の力が必要なんです! あ、オレの鎧もお願いします!」
「わ、分かった!」
 みんな再び上へ走っていく。数分後、鎧姿となったタネツ、ヒズマ、サニーが下へ降りて来た。
「ナガレ君、これを!」
 タネツが手渡したナガレのライトアーマーをテキパキ装着する。脛当てをしっかり絞め、金属製のベストを装着して、折りたたんだマルチスタッフを腰のベルトに刺す。
 するとあっという間にいつものナガレに元通り!
「ありがとうございます! そしてすいません、急いでください!」 
 ナガレの一声で、一同は矢のように駆け出した。日頃の訓練の成果か、みんなすごい足の速さだ!
「女将さんよっ! 金は後から来るヤツに渡してある。世話になった!」
「いってらっしゃいませ~」
 意味が分からないまま女将さんが見送ってくれた。

 四人は人混みをかき分け走っていく。誰かと肩をぶつけたりしても「ごめん!」「すまん!」と一声かけるだけだ。

 ドスン!
「きゃっ!」
「おっと、失礼しました」
 しかしサニーはそう言った事態を放っておけず、ぶつかった女性につい手を差し伸べてしまう。
 その女性は手を取って…………。



 急にサニーの耳へ口を寄せた。
「……アレは失敗作です。彼らを手伝っても構いません。強敵ですが、倒せば彼らの信頼を得られるでしょう。……そのためなら、あなたは死んでも構わない。組織のため身を捧げなさい」
「……はい、もちろんです」
 そんな不気味な会話は、誰にも聞こえなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

転生先は上位貴族で土属性のスキルを手に入れ雑魚扱いだったものの職業は最強だった英雄異世界転生譚

熊虎屋
ファンタジー
現世で一度死んでしまったバスケットボール最強中学生の主人公「神崎 凪」は異世界転生をして上位貴族となったが魔法が土属性というハズレ属性に。 しかし職業は最強!? 自分なりの生活を楽しもうとするがいつの間にか世界の英雄に!? ハズレ属性と最強の職業で英雄となった異世界転生譚。

やさしい異世界転移

みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公 神洞 優斗。 彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった! 元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……? この時の優斗は気付いていなかったのだ。 己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。 この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜

KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。 ~あらすじ~ 世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。 そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。 しかし、その恩恵は平等ではなかった。 富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。 そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。 彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。 あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。 妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。 希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。 英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。 これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。 彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。 テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。 SF味が増してくるのは結構先の予定です。 スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。 良かったら読んでください!

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

最強無敗の少年は影を従え全てを制す

ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。 産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。 カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。 しかし彼の力は生まれながらにして最強。 そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...