崩壊寸前のどん底冒険者ギルドに加入したオレ、解散の危機だろうと仲間と共に友情努力勝利で成り上がり

イミヅカ

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第二十七話 粉骨砕身カルテット

コーヒー事変

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「あぁー! 手が滑ったぁ~!」
「ん? ……ふぎゃっ⁉︎」
 ヴァレリーの声に立ち止まる。そして前を見ると……コーヒーカップが高速で飛んでくるのが見えた。
 ばしゃっ!
 避けられず、胸に黒いコーヒーが降りかかる。白い横縞Tシャツに大きく目立つシミができる……いや、それよりも重要な問題があって。

「……あ、あっぢゃ~~~~っ!」
 熱湯がシャツに染み込んで、ナガレは悲鳴を上げ飛び上がった。胸を火傷する~!
「あぁしまった! おいナガレっシャツ脱げホラ! ディーネちゃん……には刺激が強いか。てんちょー手伝って欲しいっす!」
「えっ? あ、お、おう! ナガレさん落ち着いてったら!」
「アタシが脱がせたら事案になるっすから! 店長頼みます!」
 意味がわからないまま、暴れるナガレをなんとか抑えてシャツと肌着を脱がせる。幸運にも大切なレザージャケット(といっても防水だし頑丈な素材だが)と緑のスカーフにはかかっていなかった。
「ふー熱かった……あちちっ……」
 そうして半裸になったナガレ。細身だがしっかりした筋肉だが、その褐色肌の肉体もどこか女性的に見える……同性のエディ店長も、ちょっと見ていてドキドキしてきた。
「てんちょー、これ替えの服っす。てんちょーの着替え置いてあるのをパクって来ましたけど、いいっすよね」
「あ、あぁ、そうだな……」
 ディーネちゃんの目を塞ぎながら、ヴァレリーがシンプルな白いTシャツと肌着を渡して来た。……ちなみにサキミは恥ずかしそうに顔を赤くして目を手で覆っていたが、指の隙間からチラチラ見ていた。
「ほい、着たよ。ちょっとサイズが大きいかも」
「んなもん慣れだ慣れ。文句言うな貸してやってんだから」
「お前はもうちょっと悪びれろよ! コーヒーぶっかけたのはオメーだろヴァレリーっ!」
「へいへいすんません。サービスのコーヒーかけちゃって。お詫びにジェラートはサービスしときますよっと」
「ヴァ、ヴァレリー! 流石にお客様に迷惑かけてその態度は……」
「部下のミスは上司の責任なんで。アタシを説教したらてんちょーの罪も重くなるっすよ」
「そ、そうなのか?」
 言いくるめられた気もするが、エディ店長も黙ってしまう。
「そんな訳だからナガレ。ほらジェラートのんびり食ってけよ。急いで食ったら腹壊すから、話しながらゆっくりとな」
「どーぞ、召し上がれ☆」
 ディーネちゃんが二つのジェラートを、ナガレとサキミの席に置いて来た。ほんのりピンク色の、イチゴのジェラートだ。
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