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第三十二話 狐の威を借る虎
教会にて
しおりを挟む……ただ、ターショとディーネが来るまで、ルックには同年代の友達がいなかった……という訳ではない。
実はもう一人、十代の友達がいた。
「…………なぁ、みんな」
そう言ってルックが急に立ち止まる。それを見た二人も急ブレーキだ。
「どうしたの……?」
「えっとさぁ、もう一人誘いたいんだけど、いいか?」
「え? いいよ! 数は多い方がきっと楽しいしお手伝いもできるよねっ。それで、誰?」
ディーネがニコッと笑って尋ねると、ルックは「うーん……」と目を逸らす。
「実は……モンテのヤツなんだ」
「あーー、モンテ君! 懐かしいなぁ……」
「えっと……誰だっけ?」
ディーネは頷いたが、ターショはピンと来ないようだ。
「ああ、そっか。ターショは話したことなかったっけ。モンテってのはオレの友達でさ。まだ爺ちゃんが生きてた頃はよく遊んでたんだけど……」
かくかくしかじか、という感じに、ルックはターショ(とディーネ)に教えてあげる。
モンテ……バッファローの教会の神父。とはいえルックと同年代の子供で、両親による修行の一環で役職についている。若いながらなかなか頑張っているようで、礼拝も聖書音読も懺悔だってスラスラとやってのける。
「でもさぁ、もしかしたら誘っても来てくれないかもしれない」
「なんで、喧嘩でもしたの?」
「実は……誘ってなくて、もう何年も経つんだ。アイツ神父の仕事めっちゃ頑張ってるから、なんか誘いづらくって」
「あー……」
そう、モンテを誘うこと自体が久しぶりなのだ。こうして子供のように遊び始めてまだ数回。昔はよく二人で遊んだものだが、今はなんだか忙しかそうで誘うに誘えない。その上、いつ頃からか
「でも、久しぶりなら良いんじゃ……き、きっと、喜んでくれるよ……」
「そうだよな。それなら良いけどさ」
そうして三人は折り返し、教会へ向かった。
~☆~☆~☆~☆~☆~
そうして教会へ向かった三人。そこでは意外な出会いがあった。
「あれ? ルックにターショにディーネちゃん。どったの、こんなとこに」
それはナガレだ。教会の椅子に座って何やら書類を見つめていた。横にはフローレンスもいる。
「ん、まぁちょっとな。それよりナガレたちは何してんの? 浮気デートか?」
「こんのマセガキどこでそんな言葉……」
「残念ながら違いますぅ。ホントに残念ですけど……今度のクエストの打ち合わせ的な感じですね」
「ふーんそうなんだ。そうだ、モンテ見なかったか?」
「え? ああ、さっき挨拶したよ」
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