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第2章 少年期
15話 ソルの加護
しおりを挟むソルとスキルや加護について話していると、
「コンコンッ、アトリー、私だ 入っていいかな?」
「?、父様?、はい どうぞ」
(父様?急にしたんだろう?)
「ガチャッ」
父様「すまないね、急に来て 今さっき ダントが来てソルドアの事で聞きたい事が出来たからお邪魔するよ」
父様の後ろにはお祖父様とソルの家族も来ていた 後カイルさんとジョルジュさんも。
「はい、狭いですけど良いですか?」
(みんな座れるかな?)
全員が室内に入り、ソファセットに私を挟むように父様とお祖父様が座り、向かい側のソファーに座っていたソルも同じようにセルドスさんとセラスさんに挟まれて座った。
聖獣の皆んなは私の膝の上を取り合っている。
「オーリー達、お茶を頼めるかな?」
オーリー「畏まりました、少々お待ちください」
その後すぐにお茶は出てきて一息つくと。
父様「ソルドア、神の加護が付いたと言うのは本当かな?」
ソル「あ、は、はい“武と戦いの神オグマアレース様“のご加護が先程ステータスを見たときに付いていました」
(その事か、やはり珍しいのかな?、アレかな政治利用とかされるから心配しているのかな?私の時でもあの警告文が無かったら かなりやばかったと今なら思うし)
父様「そうか、事実なのだね・・・」
セルドスさん「“祝福“の時に付いていなかったから安心していたのに・・・」
セラスさん「これはどうすれば宜しいのでしょう?」
お祖父様「うむ、しかし“祝福“の時は付いていなかったのに、その後すぐに加護が付くとは・・・かなり異例な事だな」
(へーそうなんだ、まぁ今回は多分 神様が気を利かせた結果なんだけどねぇ)
父様「加護の事は他に知るものはここにいるもの以外いないのだから 当分はこのまま誰にも知らせない方向で行くしかないいな」
セルドスさん「それしかございませんな、ソル、加護の事はここにいる方達以外に話してはならんぞ」
ソル「は、はい!」
セルドスさんの言葉に戸惑いながら返事をしたソル。
セラスさん「ソル、この加護はもし国にバレたりすると 私達皆んなと一緒に暮らせなくなるかも知れないから気をつけるのですよ」
ソル「ッ!、はい!絶対に人に言いません!」
セラスさんの言葉で加護の重要性が分かったソルはより強く気を引き締めた。
お祖父様「そうだな、ここにいる皆にこの事は他言無用とする!良いな!」
お祖父様の言葉でここにいる人達の皆んながそれぞれ了承する。
「ん?、あ、そこにいる人もね!」
と、天井に向けて言った。
(父様達が来た時から天井に違和感があったんだよね~、やっぱり家には影?みたいな人がいたんだね!小さい時から少し気配?みたいなのが少しあったからね)
「「「「「⁉︎」」」」」
天井にいた人もびっくりしたみたいだ。
父様「ア、アトリーなぜ分かったんだい?」
「?、スキルで?、ソルも見えるでしょ?」
ソル「あ、はい、見えま・・・すね」
父様「2人とも、同じ“魔力視“スキルがあるのだね、他には何かあるかい?」
「あ、はい!“収納“スキルもお揃いです!」
ね!とソルに言うとソルも嬉しそうに頷いた。
お祖父様「“収納“スキルとはまた珍しいスキルを・・・」
少し呆れた声でお祖父様が呟いた。
父様「ほ、他にはもう無いかな?」
ちょっと引き気味に父様が聞いてきた。
「う~と、無いと思います!」
(うーんこれ以上言うと大変なことになりそうだからね、沈黙は金っと)
父様「しかし何故、今 加護の事に気づいたのかな?」
ソルと専属4人が一斉に視線を私に向けた。
(あ、やばっ)
父様「アトリー?何故気づいたのかな?」
父様が優しく聞いてきた。
「えーと、聖獣の皆んなに教えて貰いました」
(ごめん、皆んな!)
天華『構いませんよ、流石に神々から直接聞いたとは言えませんものね、まぁ事実 私達には神の気配が分かりますからね』
私の膝の上を勝ち取った天華を撫でながら感謝した。
(ありがと~うっかり聞いちゃった私が悪いんだけどね・・・)
父様「聖獣様達が教えてくれたのですか?」
「なあぅ」
と、私の肩に乗った夜月が返事をしたことで事なきを得た、因みにジュールはソルの膝の上に乗っている。
父様「それでは、この事も他言無用で・・・」
コンッ
皆んながまたそれぞれ了承した、この時は天井裏でも了承の合図が来た。
(やー話せないことが増えていくね~、気をつけよう!)
父様「それではそろそろ執務室に戻ろうかな、急に来てごめんよ、2人とも」
と、言ってくれたので、
「いいえ、わざわざ来ていただいてすみません 父様達 今度からはお呼び下さったらコチラから執務室に伺います」
と詫びた、本来ならそうすべき事だからね。
父様「良いんだよ、私達も少し気が動転していたんだ、さぁ夕食までまだ時間があるから2人はまだここで遊ぶのかな?」
「はい、もう少し互いのスキルに付いて話そうかと」
父様「分かった、ほどほどにしとくんだよ、ではまた後で、聖獣様達も失礼します」
と、言って部屋から出ていった。
(あ~危なかった、本当に気をつけよう!)
ソル「あ、いなくなった」
ソルが天井を見ながら呟いた、私も魔力視のスキルを意識して天井を見たら本当にいなくなってた。
「あ、本当だね・・・ふふっ、いきなりバラしちゃったのはさっきの人には悪い事をしたかな?」
ソル「ふふっ、そうかも知れませんね、それが彼のお仕事ですからね」
「そうか、困らせちゃったかな、あ、そうだ ソルさっき言ってたスキルで僕の持ってなかったのは何だっけ?」
ソル「それはですね・・・」
と、夕食の時間まで色々と話したりここ数日忙しくてできていなかった魔力循環や魔力操作の練習を一緒にして時間を潰した、3匹の神獣達はそれぞれ思い思いの場所でくつろいでいた。
その頃アトリーの部屋をでた大人達はそのメンバーのまま執務室に移動していた。
>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<
父:アイオラト 視点
執務室に戻ってきた私達は先程まであった事を話し合っていた。
「“武と戦いの神オグマアレース様“の加護か・・・、陛下に気づかれると少しまずい事になりそうだ」
父上「そうだな、明日は陛下と兄上には早めに帰って貰おう、それに陛下はただ単にアトリーに会って見たいだけだろうし」
「それだけで済めば良いのですがね、連れて帰るとか言いそうです」
(事実、先王陛下初めてアトリーと会った時に言っていたしな、あの2人はやる事が似ているからな流石親子 なのか?)
父上「・・・言いそうだが、それはアトリーが断れば強制できないだろう」
「そうでしたね、アトリーの自由意志を無視できませんからね、今回の事に神々に感謝申し上げねば」
父上「あぁ、そうだな、あの警告文のおかげで可愛い孫を国に奪われなくて済んだからな」
(その点に関しては本当に感謝しても仕切れないところだな)
「後はソルの事ですね、明日を乗り越える事ができれば また3年は王都に来ることも無いでしょうしね」
父上「!、そう言えば、ラト 王城の結界の方はどうだった?」
「あぁ、はい、父上 あれは駄目ですね直ぐに前の物に戻した方が良いでしょう、ムラがありますし薄い場所を特定されて 魔法攻撃をされると一気に他にも影響が出て役に立たなくなると思われます」
父上「やはり そうかアトリー達の言っていた通りだったか・・・・ん?しかし何故アトリー達はそこまで詳細に分かっていたのだろうか、“祝福“を受ける前だっただろう?」
「あぁ、それはあの子達が日頃から魔力操作の訓練をしている時に瞳に魔力を覆う訓練をしていた様です、それで自分の魔力と違う魔力の流れを見ているそうです」
父上「そんな事が可能なのか?いや、出来ていたから“魔力視“のスキルを獲得できたんだろうな・・・」
「そうですね、ですが 特殊スキルの“魔力視“の他に“収納“スキルもあるとは、コチラは完全に運または神に気に入られて頂いたと言う事でしょうね」
父上「ふぅ、しかし、2人は神々に事の他 目を掛けて頂いている様だな」
セルドス「アトリー様はともかく我が孫は何故 神々の目に止まったのか不思議でなりません」
今まで考え込んでいたセルドスが自問自答に近い言葉を発した。
父上「何故か誕生日が一緒なのも関係があるのかも知れないな・・・・」
セルドス「2人は共に引き合っている様ですし・・・、そこも何故なのか分かりません」
父上「・・・・我々には神々のお考えはわかるものでは無いと言う事だな」
セルドス「そう・・・ですな・・・」
(確かに我々には考え付かない理由があるのかも知れないが、今 ここで考えても答えは出ないだろうな)
ジョルジュ「旦那様、少し宜しでしょうか?」
「ん?、いいよ どうしたんだいジョルジュ?」
ジョルジュ「では失礼して、先程 先日の侯爵家の調査の中間調査結果が上がって来てまして 今そちらをご報告してよろしいでしょうか?」
「あぁ、侯爵家ね、何かわかったのかな?」
ジョルジュ「はい、まずご指示のあったご令嬢の素行調査結果なのですが、かなり酷い内容です、このご令嬢アロガイン侯爵家の3人目のお子さんで1番下とゆう事もあり かなり甘やかされている様で王都のお屋敷内では好き放題している見たいです」
「・・・好き放題ねぇ、我が家のアトリーもしたい事は好きなだけさせてはいるけど・・・、全く正反対なのだろうね」
ジョルジュ「お察しの通りで、ご令嬢は気に食わない事があれば直ぐに物に当たり壊しているようで、その投げられたりした物で使用人に被害が出るのは日常茶飯事だとか それとご令嬢は可愛らしい小物やぬいぐるみ、珍しい色をした動物や人、獣人の子供などを手元に置いて愛でるのがご趣味だとか」
「・・・・・はぁ、それでソルやアトリーに目をつけて我が物としようとしたのかな?この話シリーには少し誤魔化しながら伝えないといけないな・・・」
ジョルジュ「その方が宜しいかと・・・、次に伯爵家のご令息2人に関してですが、こちらもご令嬢 同様かなり手に負えない感じですね、ご令息達のご両親はアロガイン侯爵家の親戚筋に当たる寄子のようで 侯爵家当主の“上位貴族至上主義“の思想に同調しており、その事で子供達全員がその思想に染まった結果、今回の騒動を起こしたと思われます」
父上「“上位貴族至上主義“か・・・、いまだにそんな事を言ってる者達がいるのか、その思想を子供達も継いでいるとは嘆かわしい・・・・、ん?、と言う事は其奴の領地は碌な事になってないな」
ジョルジュ「はい、そのようです、軽く調べただけでも領地の現状は酷いようです、重い税に主要の街道以外の整備の行き届いてない街道のせいで物資の流通が悪く特産も作ろうともしない 管理も杜撰と評判の領地のようです、まぁそれでもあの侯爵家が成り立っているのは海岸線からの王都へ通る最短の通り道にアロガイン侯爵家の領地があるので通行税だけでもかなりの収入になっているようです、その収入も領地に還元してはいない様ですが・・・」
「あそこは他の海岸線の街から王都に行く道より他の領地を二つ少なく通る事ができるからな、多少道が悪くてもそこに目を瞑れば安く済むと商人なら思うだろう、それを良いことに需要が高いからとあぐらをかき あからさまに領地の経営を手抜きしているな、税収も自分達の贅沢な生活をする為だけに使っているんだろうさ」
父上「それを陛下が、いや国が放置しているとはどうゆうことだ?」
ジョルジュ「そこは私も気になりましたので、担当の者に詳しく調べるように申し付けておりますので、今しばらくお待ちいただければ明日には報告が届くでしょう」
「分かった、そこは明日楽しみに待っておくよ、しかし明日か明日はあまり陛下や他の大人達とアトリー達を一緒にしたくはないな・・・・」
父上「そうだな・・・、ソルドアやアトリー達も友人達と楽しく過ごしたいだろうからなぁ」
「そうだ、明日の茶会は子供達だけを庭園の方で茶会をさせると言うのはどうですか?アトリーは出迎えの時にだけ一緒にさせて そこでお披露目と言う形で」
父上「良い案だがそれでは納得せんのではないか?」
「うーん、ですが聖獣様方も観察されながら食事は取りたくないと思われるかもしませんし・・・駄目ですかね?」
父上「それはいかんな・・・、うーん・・・!、それならば屋敷の大広間から庭の方の扉を開け放ち半分外が見えるようにして子供は庭、大人は大広間に席を用意して距離をもうけて開催するのはどうだろうか、大広間と庭を移動できるのは子供だけとして」
「それは良いですね!子供達が大人に用があれば来るし、なければ来なくてもいいと、それなら子供達の意思に委ねることで不要な接触を避けれますからね」
父上「うん、これなら陛下や兄上も文句は付けにくいだろう」
「ではその方向で進めましょう、カイル頼めるかな?」
カイル「畏まりました、当初より少し変更する程度なので準備は間に合うでしょう」
父上「ジョルジュ達は警備の見直しを頼む」
ジョルジュ「分かりました、明日の警備に影もつけてよろしいですか?」
父上「あぁ構わん、兄上達の影は我が家に入ってはこんからな、他の影が入ってきた場合は所属を聞き出してから丁重にお帰りいただけ」
(脅しをかけてから帰らせるのか、まぁそれで済めばいいがしつこい様なら痛い目を見て貰わないとな)
ジョルジュ「畏まりました、その様に周知させます」
「じゃあ2人とも頼んだよ」
ジョルジュ親子「「お任せください 旦那様」」
と、2人が準備の為に出ていくのを見届け、私はずっと黙っているセラスに目を向けた。
「セラス、どうしたんだい?」
セラス「‼︎、あ、はい、大丈夫です・・・」
声を掛けられて驚いていたがまだ何かを考えている様だった。
「何か気づいたことでもあったのかい?」
セラス「・・・い、え、その、あの子を、ソルドアを産むさい陣痛で意識がもうろうとしていた時に 見間違えかも知れないと思って忘れていた事がありまして・・・、あの時、空中に丸く優しく光る球がお腹の中に入って来たような気がしたんです・・・」
「そんな事が・・・」
セルドス「何故そんな重要な事を今まで忘れていたのだ?」
セラス「それが今 さっき急に思い出したんです」
コンコンッ「貴方、私です、シトリスです入って宜しいですか?」
珍しく焦った様子のシリーの声がした。
「シリー?、どうぞ」
ガチャッ
シリー「失礼します、貴方、ラト、私、何故今まで忘れていたのか分からないのだけれど・・・」
シリーが慌てた様子で入ってくるなり周りにいる人達に気づかずに私も元へ来て何かを伝えようとしている。
「シリー落ち着いて、ゆっくり深呼吸をするんだ、・・・・・・、で、どうしたんだい?急に何かを思い出したのかな?」
深呼吸をして少し落ち着いたシリーを見ながら何か予感めいたものを感じた。
シリー「ふぅー、すみません 貴方、少し落ち着きました、思い出したことが余りにも現実離れしていたので慌ててしまって・・・」
「それで?どんな事を思い出したんだい?」
優しく聞くと。
シリー「それが、アトリーの出産中に空中に輝く光の球が私のお腹の中に入って来て、どこからともなく優しく響くような声で『この子を任せます』と言われたのを急に先程 思い出しまして・・・、あの子は、アトリーは、神に託された、神の御子だったんでしょうか?」
「「「「「⁉︎」」」」」
「そ、それは、セラスも似たような事を今 話してくれていたんだが・・・、セラス、君は声を聞いたかい?」
セラス「いいえ私は“声“聞いておりません、光の球がお腹に入って来たのは同じですが奥様が仰るような“輝く“とまでは行かないぐらいの光でした」
シリー「セラスさんも同じ様な事が?」
ガチャッ、パタパタパタ・・・・・
「「「「「「‼︎」」」」」」
何も前触れもなく扉が開き入って来たのは聖獣のテンカ様だった、シリーに付いてきていたあのリアでさえ近くに来ていた事に気づかなかった。
部屋にいた者達が一斉に立ち上がり頭を下げた、するとテンカ様が、
テンカ様:『先程のお話は気にする必要はございません、その光の球は全ての人種にある魂の光、神に気に入られている魂が光り輝くのです、アトリー様は三柱の神々に、ソルドア君は一柱の神に目をかけられていた状態であなた方のお腹の中に魂が宿ったのです、なので正真正銘お二人はあなた方のお子様ですよ』
「「「「「「!」」」」」」
たった今話していた事をどこで聞いていたのだろうか。
「テ、テンカ様、この事は何故お気づきに?」
テンカ様:『・・・・・、それは神があなた方に教えて差し上げるようにと先程仰られたので私が代表して 知らせに来た次第です』
父上「それは、お気遣いありがとうございます」
と、また一斉に頭を下げると。
テンカ様:『いいえ、これも私達の役目ですのでお気になさらず』
と、言って、上げた私の頭の上に ポスンッ と着地した。
「おぉっと」
テンカ様:『ここまで飛んで来たので疲れました、アトリー様がもう少しでこちらに着くので それまでここをお借りしますね』
と、言ったきり 本当にアトリーが来るまで何も仰らずに私の頭の上でくつろいでおられた。
アトリー「もう!、天華ったら急に廊下に出て行っちゃうんだもん、探したよ?しかも また 父様の頭の上にいるなんて・・・、気に入ったの?」
探しにきたアトリーと一緒に来た他の聖獣様方がチラリと私達を見て静かに頷いた、直ぐに目を逸らされてしまったが私とシリーは聖獣様方のお気遣いに感謝した、テンカ様を抱いて邪魔をした事を詫びながら部屋を出て行ったアトリー達を見送り、私達は大きく息を吐いた。
全員「「「「「はぁ~っ」」」」」
父上「・・・先程のテンカ様は何か神聖な気を纏っていらしたように感じたな」
セルドス「えぇ、私もそれは感じました・・・ふぅ」
「あの時まさに神と交信しておられていたのかも知れませんね・・・」
シリー「ですが わざわざ あの事を言うために聖獣様に来て頂くなんて、とても畏れ多い気がしましたが、事実を聞けて私はホッとしております、
もしアトリーが神の御子だったら、どうしたら良いか分からなくなってしまうところでしたから・・・」
セラス「分かりますわ、シリー様 自分の子ではないと言われていたら・・・、考えただけでも畏れ多くて失神しそうです」
「神々のお気遣いに感謝しきりですね」
皆が一様に頷き同意した。
先日の懸念も杞憂に変わり、安堵している所にソルの加護が分かったりと中々慌ただしい一日だったが その後は夕食の時間になり、セルドス一家も一緒に楽しく夕食をとり、明日に備えて風呂に入り早めに寝た。
寝る前にアトリーの部屋を覗くとアトリーは聖獣様達に囲まれて嬉しそうにしながら眠っていた、それを見て もうこの子と一緒に寝る事は無いのだろうかと少し寂しく思いながら扉をそっと閉めた。
一方このドタバタがあっている時に公爵家から届いた手紙に翻弄されていた 下位貴族が3家あった・・・
>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<
*時間は王城で開催されたパーティーの後まで戻ります
とある子爵家当主:ブラーブ・ノブル・ヴィカウタ子爵 視点
何故このような事になったのか・・・、
子供達が王城のパーティーから帰ってくるなり公爵家のご子息と友人になったと報告してきた、それもあの“デューキス家“の噂のご子息、“アメトリン・デューキス様“だ。
そのご令息は最近では様々な噂があり、
いわく、少々学力が低いのでは?
いわく、ご病弱で有られるのでは?
いわく、容姿がご家族の誰にも似てらっしゃらないのでは?
いわく、魔力が殆んどお有りにならないのでは?
など様々なよく無い噂がされていて、そして公爵家もこれを大々的に否定してはいないので噂は本当なのではと まことしやかに囁かれている。
そのような ご令息とパーティーで友好を結んで来たと我が息子をはじめ 同じ侯爵家に仕えるダンロン男爵家の子息とバロネッカ准男爵家の息女の2人も同じく友好を結んでくれたと大喜びしていた。
だが子供達が言う 公爵家ご子息の人となりは噂とは全くの別人だったと言うのだ、
いわく、とても賢く理性的で自分達に絡んできたご令嬢を優しく諭しておられたとか、
いわく、とても洗礼された動作でマナーも完璧で見惚れるほどだとか、
(ここは使用人達の意見だが)
いわく、天使の様に可憐で可愛らしく、それにとても綺麗な瞳をなさっておいでだとか、
(ご本人いわく自分はお母上似だそうだ、確かにデューキス公爵夫人は大変 愛らしい 容姿のお方だと聞いたことがある)
いわく、どうやら魔力が膨大すぎて魔力制御の魔道具でなく魔力封印の魔道具をご使用なさっておいでだとか、
(これはご本人が言っていたそうだ)
この様に出回っている噂と真逆のご令息は我が息子達に大変 気遣っていただいたようで、もし良ければ手紙のやり取りをしようと、言ってくださったとか。
子供達は喜んでと返事をして ご令息が王都滞在中にまたお茶会をしようと約束して来たそうな・・・
そして今、ここに“デューキス公爵家“からご子息のお披露目会を兼ねたお茶会の招待状が届いている・・・
「これは、断れないだろう、と 言うか断っては駄目なやつだな・・・」
ダンロン男爵「それはそうだろう、それにこの“アロガイン侯爵家“の誘いには行かなくて済んだのが1番だと思うが・・・」
1番に反応したのは赤髪に黄緑の瞳の快活な幼馴染のオネスト・ノブル・ダンロン男爵当主だ、通称“オスト“
バロネッカ准男爵「そうですね、どうやらこの招待状、今年“洗礼と祝福“受ける下位貴族家 全てに送られているようです、それも派閥も関係なくです」
次に口を開いたのは濃い茶色の髪に水色の優しい瞳をしたもう1人の幼馴染のツァルト・ノブル・バロネッカ准男爵当主だ、通称“ツァル“
「そうか今年は子供の人数が少なかったから 全ての下位貴族家に送って体裁など気にせず私達の子供達を探しているようだな、だいぶ焦っているのだろう」
ツァル「多分そうではないかと、ただこれを断る口実に“デューキス公爵家“の名を出すと 必然的に我が家の子だとバレますよね・・・」
オスト「あー!、そうだな!どうしたものやら どちらかを断れば絶対に遺恨が残りそうだし、どちらも断れば確実に両家から圧力がきそうだ・・・」
「だが、ここは“デューキス公爵家“のお茶会に行かなければならないだろう、この“アロガイン侯爵家“に名前がバレても仕方がない としか言いようがない」
オスト「・・・そうだな、だが 一応、寄親である “マルキース侯爵様“に今回の事を報告して ご相談に乗っていただいたらどうだろうか?」
「!、それはいい考えだな!オスト!そうするか!それなら直ぐに私が代表して手紙を書くぞ、いいな?」
ツァル「はい、お願いします」
オスト「あぁ、むしろお願いするよ」
その後すぐに手紙を書き終え、使用人に届けさせた、そして直ぐに返事が返って来て中を読むと、
要約するとこう書いてあった。
====================
事情は理解しました、“デューキス公爵家“には直ぐに参加の返事をし、
“アロガイン侯爵家“への返事にはそのまま“デューキス公爵家“の茶会に出ねばならないからお断りしますと書き、
自分達へお誘いは“マルキース侯爵家“を通してくださいと書いて 断って良いです、
後は全て私が対応するので安心して“デューキス公爵家“のお茶会に行って来なさい。
====================
「・・・・と言うことだ」
全てを読み終えるとオストとツァルはホッとした様子で笑っていた。
オスト「相変わらず“マルキース侯爵様“はお優しく頼りになるお方だ!」
ツァル「えぇ、誠実でお優しい方です、これで気兼ねなく“デューキス公爵家“の招待状に返事が書けますね」
「そうだな、その返事も私が書こうか?」
ツァル「いいのですか?ラーブ、貴方ばかりに手間を掛けさせては申し訳がありませんから、私もちゃんと返事を出しますよ?」
と、相変わらず、誰にでも優しく気がきくツァルは申し訳なさそうに言ってきた。
「気にするなツァル、まとめて出した方が相手方も手間が少なくなって良いだろうと思ってな、それにオストは最初からその気満々だからな」
オスト「あぁ、その方がコチラも手間が省けていいじゃないか 私は手紙を書くのが苦手だからな!」
と、素直に頼る気満々だった事を言い放った。
「はぁ、こいつは・・・、まぁ良いでは直ぐに参加すると返事を書くぞ」
ツァル「すみませんね、ラーブ」
オスト「頼りにしているぞ ラーブ!」
(オストは調子がいいな全く)
その後直ぐに“デューキス公爵家“に3家の連名で参加する旨の返事を書き、
次の日の失礼にならない時間帯の朝早くに使用人に手紙を届けさせた、ついでに“アロガイン侯爵家“にも不参加の返事も・・・
+・・・・・+・・・・・+・・・・・+
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公爵家の帳簿を一手に管理していたのは、実は彼女。
追い出した側は、それを知らない。
「三ヶ月で破産すると思うけど……まあ、私には関係ないわね」
荒れ果てた辺境領。誰も気づかなかった資源。無口な護衛騎士。
アイリスは数字を武器に、この土地を立て直すことを決意する。
これは、一人の令嬢が「価値」を証明する物語。
——追い出したこと、後悔させてあげる。
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