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第3章 少年期 学園編
28話 冒険初日!5 索敵
しおりを挟む僕達は王都の外へ出るため審査の列に並んで順番が来て呼ばれたので審査をしてくれる衛兵さんの前に行った。
審査衛兵「えーっと、君達は・・・」(え!何この子供!やたら顔が美形なんだが!それにこの目!左右目の色が違う⁉︎それにどう見てもこの子達は貴族の子供だよな⁉︎なんでここに貴族の子供が並んでんだ⁉︎しかもやたら強そうな使役獣まで連れてるし・・・家出か?このまま通してもいいのか?)
「どうかなさいましたか?」(フリーズしちゃった、いつものかな?)
審査衛兵「え、いや、君達は貴族の子息だよね?」(一応確認しておこう)
「はい、そうですが?」(うん?なして確認?)
審査衛兵「ここには親御さんもしくは保護者の方の了承を得て来ているのかな?それと身分証は持っているかな?それがないと通せないんだ」
(どう見ても未成年だけど身分証は渡されているのかな?従者やメイド達お供がいないから自分で持って無い可能性があるしな、それに家出かもしれないからな、ちゃんと許可 貰ってないと通せないしな)
「あぁ、はい、そこはちゃんと許可を貰ってます、それに僕達は冒険者登録もしているのでちゃんとギルドの身分証も持ってますよ」
(へぇー、意外としっかり確認するんだね)
「はい」っと数日前に貰ったばかりのギルドカードを出して見せた。
審査衛兵「え⁉︎冒険者⁉︎まだ未成年だよね⁉︎」(どう見ても10歳ぐらいの子供だよな⁉︎いくら何でも登録は早すぎるだろ⁉︎貴族の子供って冒険者になるのは成人してからなるのが普通だよな⁉︎俺の常識?間違ってないよな⁉︎しかも何でこの子達の親は護衛も付けずに放っているんだ⁉︎)
(あー、やっぱり貴族の子供で未成年のうちに冒険者になるのって珍しいんだ)
?衛兵「どうした⁉︎騒がしいぞ!」
審査衛兵「あ、すいません隊長、あまりの事に驚いてしまって」
衛兵隊長「何があった・・・、‼︎、っ!お前!この方々に何かあったのか⁉︎」
審査衛兵「へ?、い、いや、この子達だけで外に出ると言ってるんで通しても大丈夫か迷ってたんですが・・・」
審査している衛兵の大声でこの衛兵の隊長が不審に思って出て来たようだ、僕達を見て驚いた顔をした後 審査していた衛兵を急に問い詰めた。
衛兵隊長「このバカもん!お前は数日前の通達を覚えておらんのか!」
審査衛兵「へ?通達?・・・・・あぁ!ありましたね、確かデューキス公爵家の御子息が冒険者になって活動する事になったから気にかける様にと・・・」
(はははっ…、門にまで僕に関する通達が来てるんだ・・・乾いた笑いしか出ないね)
審査している衛兵さんが何かありましたっけ?見たいな表情の後に通達の内容を思い出したのか途中から「まさか!」みたいな顔で僕を見た。
僕が苦笑いで頷くと。
審査衛兵「っ!、す、すみませんでした!デューキス公爵家のご子息とは気づきませんで失礼な態度をしてしまい申し訳ございませんっ!」
衛兵隊長「部下の管理が行き届きませんで申し訳ありませんっ!自分の指導が足りなかったのですっ、この者には何とぞご寛大な処分をお願いしますっ!」
勢い良いよくガバッと頭を下げた2人にビックリして一拍置いて話しかけた。
「・えっ、えっ、い、いや、き、気にして無いですよ?それにこの方は僕達を心配して声をかけてくれてたのは分かっていますから何の処罰もしません、むしろ任務を忠実にお仕事をなさっている事に敬意を表します、これからも細かな所に気を配ってお仕事なさって下さい」
衛兵隊長「⁉︎、な、なんと、我らの職務のお褒めの言葉も頂き、なおかつ お咎めも無しとはっ、有り難う御座います!ですが、自分の指導不足は事実!なのでより一層、業務の連絡事項の通達の重要性を周知する事に努める事を誓います!」
(この人の部下の衛兵さん、僕の事を知らなかったとはいえ僕達みたいな子供の安全を第一に考えてるって事だよね良い人だよなぁ、それに上司の人も自分より部下を庇うなんて部下思いの良い人だ)「こんな良い人達がこの王都の門を管理してると思うと安心するよ」
天華『口に出てますよ、アトリー』
「えっ、むぐっ」
どうやら途中から口から言葉になって出ていたみたいで慌てて自分の手で口を押さえたが時すでに遅し、僕に付いて来ていた影の1人がここから離れて行くのを感じた。
(あちゃー、聞かれてしまったか、ごめんなさい衛兵さん達、多分悪いようにはならないと思うけど、忙しくはなるのは確定だよね・・・マジ、すいませんっm(_ _)m)
心の中で謝罪して合掌した、彼らは僕の発言でもしかしたら昇格あるいは特別な任務を任される可能性がある。
なんせ僕が褒めたり気を許した人達は軒並み出世しているから、父様や叔父様達(国王含む)の僕への過剰な過保護が拗れに拗れて、僕ためにその人達を引き抜き雇おうとするのだ。
(職人さん達とかは今までより良い条件で引き抜くのはいいと思うけど国に仕える衛兵さんはダメだと思うんだ!)
天華『でも、しょうがないですよ、アトリーは基本自分で出来ると思った事は全て自分でしてしまいますから、滅多に人を頼ったり本気で誉めたりしないでしょう?事実アトリーが本気で褒めたり気を許した人達は人柄も良く 仕事のできる優秀な人材になっているのでお父君方は見過ごせないんでしょうね』
(本当ごめんなさい・・・)
僕が口に出してしまった賞賛の言葉だけでその人の人生に少なくない変化をもたらす事に心の中で謝罪して迂闊な発言を反省をした。
「あ、あの、それで、僕達はここを通って良いんでしょうか?それに後ろの方々が待ってますので・・・」
衛兵隊長「はっ、すみませんっ!では、身分証の確認は自分がしますので こちらの者の説明に従って審査を受けてください、・・・君、失礼の無いように対応しなさい」
審査衛兵「はっ!了解しました!、では、お手数ですがこちらの魔道具にお1人づつ触っていただけますか?」
僕達はギルドカードを衛兵隊長さんに渡し審査のための魔道具に手を触れた
(おぉ!これが噂のダンジョン産の犯罪者を調べる魔道具か!)
ワクワクしながら鑑定の魔道具に似た魔道具の水晶部分に手を触れると魔道具の水晶部分が青く光り手を離すとその光りは消えた。
「?、終わり?」
審査衛兵「はい、大丈夫ですよ、では次の方」
(ほー、色で判断するタイプなんだね、分かりやすくて良いね♪)
天華『そうですね、犯罪者の場合は赤くなりますね、あと物によっては赤く光った後に“犯罪歴“が出る物もあるそうですよ』
(へー、色でわかるタイプがあるのは本で知ってたけど“犯罪歴“が出るのは知らなかったなぁ、機密扱いかな?)
鑑定の魔道具では“犯罪の称号“は出ても“犯罪歴“は分からないのでその魔道具はかなりの貴重な品だろう。
そう考えている間に皆んなの審査が終わり衛兵隊長さんがギルドカードの確認を終えて僕達に1枚づつ丁寧に返してくれた、ジュール達の事は国からは無条件で通すように言われているらしくこれと言った審査はされなかったが人数確認だけされた。
衛兵隊長「はい、これで審査は終了しましたので気をつけて行かれて下さい」
「はい、有り難う御座います♪」
お礼を言い手を振って南の大門を通過し、やっと王都の外に出た。
「やっと出れたーっ!」
しばらく歩いて門にいる衛兵さんが見えなくなったあたりで両手を上げ伸びをした、ついでに言うと天華は門を出てすぐに僕達の周りを小さい姿のまま飛び回っている。
イネオス「そうですね、なんか色々あって長い時間 出れなかった感じはしますね、本当の時間的にはそんなに立ってませんけど…ここに来て、やっと解放されたって感じです」
へティ「そうねでも、なんか不思議ですね、王都に来るときは外の街道を馬車で通って来るのにいざ歩いて出てみると全然違う景色に見えますわね」
ベイサン「確かに、王都の周りの平原ってこんなに広かったっけ?って感じるね」
ソル「解放感が全然違いますね」
「うーっと、そうだね♪天気もいいし凄く気持ちいいね、天華達も解放感を味わってるみたい、ふふっ」
天華が周りを飛び回るようにジュールと夜月は平原を物凄い早さで走り回っていた。
イネオス「わぁ~、凄い速さですね・・・」
「うーん、王都では屋敷の庭園が狭いから思いっきり走り回れないからね、お散歩ぐらいしか出来なくて鬱憤が溜まってたんだろうね」
ベイサン「お屋敷の庭園が狭い・・・?」
ベイサンが言いたいことは分かる、公爵家の屋敷は他の爵位の屋敷より遥かに大きく広大な敷地の庭園がある、だが領地の屋敷に比べると屋敷も庭園も明らかに王都の屋敷の方が狭いのだ、ここ3年間その広い領地の屋敷で過ごしてきたジュール達には王都の屋敷が狭くて仕方ないのだった。
「えーっと、そろそろ目的の森に行こうか!」
誤魔化すように先に進むことを促す。
ソル「そうですね、すでに10時を過ぎてますからね」
イネオス「では、“索敵“でアーミーアントを探しながら森を目指しますか?」
「そうだね、一応行きながら索敵してみて近くにいなかった場合は森の帰りに本格的に探そう、イネオス達も手伝ってくれる?」
と、頼んでみると。
イネオス「はいっ、いいですよ、言い訓練になりますっ!」
と、爽やかな笑顔で承諾してくれた。
「じゃあ、ちゃんと武器の確認をして前に話し合った通りの陣形の位置について進もうか」
「「「「はい!」」」」
以前、放課後に皆んなで一緒に冒険をするなら役割を決めた方がいいと言うことになりそれぞれの得意分野を活かして陣形を決めたのだ、
まず、前衛に索敵と偵察が得意なソルが斥候役で先頭で歩きやや斜め後ろで盾役のベイサンがついて行く、中衛でイネオスが剣で物理攻撃役で魔法が得意なへティが魔法攻撃役を務める。
最後に後衛でサポート役で僕が殿を務める、その他に前衛と中衛の左横でジュールが警戒しながら付き添い、中衛と後衛の右横で夜月が付き添う、残りの天華は僕の肩の上で僕の後ろを警戒しながら一緒にいて貰う、と言う形になった。
他にも僕とソルの抜けた後の陣形も話し合い決めているのでいつ別々に依頼を受けても良いようにもなっている。
この陣形はそもそもイネオスが言っていたようにイネオス達に訓練の為の陣形で、索敵の“範囲“は違うが皆んな索敵のスキルを取得しているのでこの陣形ならば索敵する範囲の方向性を決めて進めば穴がないだろうと言う判断で決められた物だ、ぶっちゃけた話し僕の索敵範囲は皆んなの索敵範囲を悠に超えるので僕は基本口出ししない方向で着いていくだけになっている。(まぁ僕もダブルチェックのために一応索敵はするけどね)
そうして陣形を組み、街道からも少し見えている南東方面にある小さな森へ向けて歩き出した。
「うーん、平和だねぇ、近くには“魔物“はいないみたいだね、さて肝心のアーミーアントはどこにいるんだろうか」
イネオス「あ、あの、アトリー様?あれはこのまま進むんですか?」
「う?うん、そうして、そして こっちは気にしなくていいよ、あれはもう振り解けないから、僕には可愛過ぎて無理っ!」
街道を外れてしばらく歩いていると何処からともなく複数の生物が近づいてくる気配を感知した、害意がないようなので大丈夫だと思っているとその反応はどんどん近づいているので少し身構えていると草原に生える草の間から顔を出したのは小さくて可愛いリスやウサギのような小動物達だった。
その小動物達は少し離れた所から僕達をじっと見つめこちらの反応を待っているようだった。
(あー、これは、いつものアレかな?てか、この事を忘れてたよ、僕が馬車に乗らず城壁外を歩くとこうなるのか・・・)
そう、いつも馬車移動の休憩中だけの現象だったので失念していたが自分が動物になつかれやすい事をすっかり忘れていたのだった、いつもとは違い武器を持っているからかすぐに近寄ってこないで少し離れた場所から僕達を見ているだけ、僕は近寄ってこないなら無視して進もうと言って森へ向かって進みだすと小動物達がちょこちょこと一緒に歩いて付いてくるのだ。
(な、何あれっ、か、可愛いぃ~!も、萌死ぬっ!な、撫でたいっ、でも一度撫でてしまったら絶対皆んな近くまで来てしまうっ、今からアーミーアントを討伐しなきゃいけないから、近寄って来てたら戦闘に巻き込みかねないから、危ないから、ここは我慢っ!)
と、安全面を配慮して撫でたい衝動を抑え込み 先を急いだ、でも小動物達は一向に離れる事はなくむしろ数が増えて来ているようだ。
(結構な数になったなぁ、あの中に飛び込んで盛大にもふりたいっ!)
「!」
ソル「・・右、真横から魔物の反応あり、数、1、真っ直ぐこちらに向かってますっ」
へティ「えっ⁉︎私にはまだ分かりませんっ」
僕の索敵範囲に引っかかった後 一拍遅れてソルの索敵にも引っかかったらしい、その報告を受けて僕達の中で3番目に索敵範囲が広いへティがまだ自分の索敵範囲に入ってない事で焦ったようだ。
「焦らないで、大丈夫だよ、もう少ししたらへティの索敵にも引っかかるよ」
へティ「はい、・・・!、来ました!結構 速いです!後5秒後に視認できますっ!」
へティを宥めると、すぐに落ち着き再度索敵に集中した、すると索敵範囲内入った魔物の移動スピードと視認できる秒数まで伝えて来た。
「うん、そうだね大体あってるね、…ん?僕?いや、動物達を狙っているみたいだね」
さっきまで僕達に真っ直ぐ来ていた1匹の魔物が急に進行方向を変え僕の後ろを目指し始めた。
へティ「あ、見えました!アーミーアントです!」
向かって来ていた魔物は予想通りアーミーアントだったがこのままだと僕の後をついて来ていた動物達が犠牲になる。
(先制攻撃して意識を逸らさないとまずいな、近づいて斬った方がいいかな?魔法だと威力が大きすぎるからな)
「よしっ、やるか!」
気合を入れた僕は装備した太刀に手を添えアーミーアント向かって走り出した。
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