間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜

舞桜

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第4章 少年期〜青年期 学園3学年編

45話 初めてのお泊まり冒険者活動13

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軍将校「っ!お待ちください!王太子殿下!その様な不確かな証言を信じるのは早計が過ぎると思われます!今の話がどこまで本当の事であるか、何も証拠はないのですぞ!」

 色々と興味深々で僕に詰め寄ってくるスタフお兄様に、軍将校の1人が疑いの目で僕を見ながら苦言を呈して来た。


 はい、どうも僕です。現在、凄く面倒臭い人に絡まれて?います・・・・

 どうやら、軍将校の中の1人が、自分達が考え抜き予想した仮定とは全く別のアプローチで予想した仮定を、僕が今回の“氾濫“の真実だろうと言い切った事で、メンツを潰されたと思ったようだ。

 確かに、僕のようなまだ子供に自分達のした仕事を否定されるのはいい気分ではないかもしれないが、僕が全てを否定しているわけでも、何の根拠もなく新たな仮定を言ったわけでもないのに、頭ごなしに嘘かもしれないと思われるのは甚だ侵害だ。

(むー、この人、僕の事ちゃんと知らないのかな?( ̄▽ ̄)スタフお兄様達がこれだけ僕に気を遣ってるのに、その努力をパーにする気か?この人、それにちゃんと人の話聞いてた?僕は国王のサフィアスおじ様からのお願いで、今回の現場の正確な状況を見て欲しいって頼まれたんだよ?(・∀・)その依頼の答えをアンタが勝手に否定して良いって事はないんだからな!?( ゚д゚))

天華『本当に理解力が足りない人みたいですね?』

(てか、この人誰よ?(・・?)軍に入ってて、僕のこと知らない人なんていないだろ?3年前のあの事件で僕、結構軍内で広く知れ渡ったはずなんだけど?この人、本当に王国軍の正規の将校なの?)

天華『まぁ、一応、正規の軍人の様ですよ。ただ、今回は村の防衛警備担当の任務に割り当てられた、若い将校の様です・・・』

(えー、要は新人将校ってわけ?それにしてもじゃない?礼儀がなってないし(*´Д`*)・・・)

 てな感じで念話で会話をしていたら、僕が反論しないことを良い事に、その若い将校は調子に乗り始めた。

若い軍将校「王太子殿下!見てください!証明する事もできずに黙っているではありませんか!きっと“山の力の流れ“と言うのは口から出た出まかせで、ゴブリンの気配を隠蔽する魔道具だって、本当はないと思っているのですよ!それに大体、この距離で山向こうのゴブリン達の気配を感じなかったから、などと言う話は信じてはなりませんよ!軍の斥候役でさえ村側の山の麓に居ても山の中腹までの気配を感じれば優秀だと言われているのに、このような子供にそんな能力はないはずです!!」

 ズンッ!!

「「「「「っ!!」」」」」

ジュール『この人、嫌い!』がうっ!!

 急にテント全体に“威圧“が放たれた。その威圧の主は今まで大人しくしていたジュール、いつもなら難しい会議などの間はすぐに寝て話を聞いたりしていないのだが、どうやら今日はこの話し合いを起きて聞いていたらしい。そこに僕を侮辱するような発言をした若い軍将校に腹を立てたようだ。

「あらら・・・ジュール、起きてたの?」

 “威圧“で机にへばりついている大人達の中、僕とソルだけが平気な顔してジュールを見ると、大きな姿で毛を逆立て若い軍将校を睨みつけていた。

ジュール『アトリーを馬鹿にする人、大っ嫌い!!』がぅぅぅぅっ!!

「まぁまぁ、そう怒らないで、ジュール、こんな感じの失礼な人?身の程を知らない人?勘違いな人?、まぁ、そんな感じの人は、いつもどこでもいるでしょ?いちいち構ってたらキリがないから放って置こうって決めたじゃないか」

ジュール『でも、あの人、国軍の幹部のくせに、アトリーの事なんにも分かってない!』がぅっ!

 つい数年前に一々つかかって来る人達を相手にするは馬鹿らしいと思ってそう言う約束と言うか、決め事をしたのだが、ジュールは今回、国王であるサフィアスおじ様が王太子であるスタフお兄様を、僕との交渉役として送り込んでいるのを公言しているのだから、僕が特別な存在だと最低限の情報を通達されているはず。だが、その事をあらかじめ知って置かねばならない国軍の将校の1人が、僕の事に関して何の情報も共有できていないと、怒っていた。

「あー、うん、そうだね?情報がちゃんと行き届いてなかったのかな?あ、でも、他の人達は僕の発言を訝しんでいたけど、口に出したりしなかったから、あの人だけちゃんと人の話聞いてなかったのかもね?それは後で話を聞くとして、ほら、関係ない人達まで巻き込んでるよ、一旦止めて、ね?」

ジュール『あぅ、また失敗しちゃった・・・でも、次はちゃんとあの人だけ“威圧“する!』くぅ・・・がうっ!

 ふっ 「「「「「っ・・・ふぅ」」」」」

「うん、次はちゃんと調節できるよ、頑張ってジュール!」

 ズシッ!!

若い軍将校「!、ふぐっ!!」

 と、僕は若い将校など心配などは一切しないが、流石にここに居ただけで関係ない人まで巻き込むのよろしくないとジュールを嗜めた、するとすぐに威圧を解いて意気込み新たに若い軍将校だけを威圧し出した。そこでテント内の騒ぎに気付いたテント前の警備兵達や、王族2人の護衛騎士達がなだれ込んできていたが、今の状況を見て少し固まっていたがすぐに護衛対象である王族2人の安全確保に回った。そんな人達の動きもちゃんと気づいていたけど、それより僕は目の前にいるジュールを褒めることを優先した。

「あ、次はちゃんと1人だけに“威圧“できてるよ!上手になったねジュール!」

ジュール『私だってやればできるんだから!』

 ふふんっ、と、ドヤ顔のジュールを周りの大人達をガン無視で褒める僕に、大人達は凄く複雑そうな表情で見ている。スタフお兄様は何か言いたげな顔で僕を見てくるが、僕は安定のスルー。

スタフお兄様「・・・・はあ・・・総元帥、あの将校は通達をちゃんと聞いていなかったのか?私は事前にアトリー君の事に関して通達をしていたと思ったのだが・・・」

総元帥「申し訳ありません。王太子殿下、誠に遺憾なことながら、あの者は追加の後方支援隊と先日こちらに来たばかりの様で、その際に情報の通達不備があった様です。デューキス様、我が軍の一将校が大変不快な発言をした事を謝罪いたします。申し訳ありません」

 スタフお兄様は冒険者ギルドの面々がいるのにも関わらず、あえて軍のトップである総元帥を今の騒ぎの責任を追求した。そして、総元帥は“威圧“が無くなったあとすぐに、他の将校から騒ぎの原因である若い将校の事を聞き出していたのか、潔く通達ミスを認め謝罪してきた。

(へぇ、いやに状況把握が素早いね、もしかしてこうなる事を予想してた?(*´ー`*)そうだとすると、中々策士だね総元帥さん、伊達に国軍の頂点に立ってないってこと?(・Д・))

 僕はこうして、軍のトップが素早い対応を見せることで、僕の事で不満を持つ軍将校達に、将校達だけでなく冒険者ギルドの面々達にも、僕がここにいる誰よりも優先されなければならないと行動で示したのか?と、少し穿った考えをしたが、今はそれより謝罪に対して僕はいつものことなので気にして無いと伝えた。

スタフお兄様「それで、アトリー君、その彼はいつ“威圧“から解放されるのかな?」

「?・・・あぁ、どうでしょう?ジュールの気分次第ですかね?・・・ジュール、どう?そろそろ許してあげる?」

 まだ“威圧“で潰れている若い軍将校にチラッと目をやったスタフお兄様が、アレはいつ終わるのかと聞いてきたので、ジュールの気分次第と答えたものの、流石に長すぎると色々と話が進まなくなると思ったので、僕の隣でまだ“威圧“を放っているジュールの頭を優しく撫でながらそう聞くと。

ジュール『むぅー、後もう少しで“威圧“の範囲指定のコツが掴めそうなのに~』がぅ~

天華『ジュール、範囲指定の練習もいいですけど、手加減の方の練習もしないと意味ありませんよ。ほら、あの人もう少しで物理的に潰れそうになってます。あれが本当に潰れたら面倒な事になりますから、今すぐに“威圧“を解きなさい』きゅきゅっ

ジュール『あ、う~ん・・・分かった、今度は手加減も頑張る・・・』がう・・・

 天華に手加減の未熟さを指摘されてしょんぼりして、尻尾もしゅんと垂れ下がった。そんな可愛い反応にしょうがないなぁと僕は妥協案を提示してみる。

「そんなに残念そうな顔しないで、明日の“掃討作戦“でたくさん練習したら?」

ジュール『いいの?』わぅ?

「うん、他の人の邪魔にならないならいいよ」

ジュール『それならもういいや!』わふっ!

 と、言うと同時に“威圧“を解いたジュールは、すぐにご機嫌で尻尾を振って、僕にもっと頭を撫でろと僕の腕に頭を擦り付けてくる。そんな可愛いジュールの頭をワシワシと撫でてあげる僕、“威圧“を解かれた若い軍将校はひどい汗をかき息も絶え絶えになっていて、顔色もかなり悪くなっていた。そんな、若い軍将校を、最初の“威圧“で異変を感じ取ってテントに入ってきていた警備兵達が総元帥の指示に従い、彼の腕を掴み体を起こし上げて逃げないように縄で縛り上げた。

(あー、あれは内臓に少し支障が出てるかも?(*´Д`*)ん?・・・これは・・・)

「仕方ないね・・・“ヒール”」

 ポゥッ・・・

 警備兵達に持ち上げられた若い軍将校の様子を“全情報開示スキル“で見たら、これは放置すると危ないと判断し、“掃討作戦”が始まる前に死人を出す訳にはいかないので、最低限の治療のつもりで“ヒール“をかけた、すると・・・

パァァァァ!

「「「「「っ!?」」」」」 「「眩しい!!」」 

若い軍将校「何が起こった!?」

 自分の想像の倍以上に魔力が込められたのか、治療魔法で治療している部分がわかる様に光る現象、“魔法行使光“の光が眩いほど光り、治療の対象だった、若い軍将校の容態が瞬く間に改善していって、最終的には先程までの具合の悪さなど幻だったのでは無いかと言うほどの元気さを取り戻していた。

「うーん、加減を間違えた?・・・まぁ、いいか、生きてるし・・・あ、そうだ、そこの人、そこの将校さん、そう、貴方、ジュールの“威圧“を受けて潰れてた人」

若い軍将校「わ、私か?な、何かな?」

 大人達は何が起こったのか分からず、驚いている中、さっきまで瀕死だった若い軍将校は1番状況が飲み込めておらず、呆然としていて僕の数回にわたる声かけにもやっと反応し、周囲を見回してみて自分を指で示した事で、やっと自分の事だと気づいた若い軍将校、恐々と僕の用件を聞いてきた。

「もうすぐ退場する貴方に、最後に僕の教えておくよ、僕の瞳は特別性だから、山の中に流れる力を“見る“事ができるんだ。それだけではなく同じ要領でさっきも貴方の体内の損傷を“見て“治療を施したんです。まぁ、軽く内臓の治療だけしようと思ったんですけど、魔力の出力調整を間違えて体全体の全回復になってしまいましたけどね・・・要は様々なものを“見る“ことに特化した瞳だと思って頂ければ良いですよ、今の所はね・・・」ぽぅ・・・

 ゾクッ!

若い軍将校「っ!?」

 僕は瞳に魔力を集中させると、“全情報開示“のスキルを発動させ、この若い軍将校の情報を読み取った。さっきは瀕死で気づいていなかったようだが、今回はスキルを使われたのをちゃんと感じたようだ。

若い軍将校「今、私を勝手に“鑑定スキル“で見たな!?マナー違反だぞ!」

「「「「「!」」」」」

「確かに“鑑定スキル“で見ましたが、それが何か?マナー違反?では貴方のその態度はマナー違反ではないと?逆に貴方が何を思って僕を侮辱しているのか、お聞きしたいところですよ。僕、自分で言うのもアレなんですけど、こう見えて自分が王族より身分が上なのは自覚してるんですよ?なので、あまり“神々の愛し子“を舐めないで頂きたいですね・・・」

若い軍将校「っ!!」

「それに、今ので分かった事があります。貴方、帝国貴族女性との婚約が確定しているからと、調子に乗っているみたいですけど、その婚約相手の帝国貴族令嬢、貴方を使って軍の機密を漏洩させようとしている、帝国側の間諜ですから、すぐさまその婚約の話は破棄した方がいいですよ。じゃないと貴方は情報漏洩した瞬間、処刑待ったなしなんで・・・」ニッコリッ

「「「「「なっ!!?」」」」」

スタフお兄様「っ、アトリー君それは本当なのかい?」

「えぇ、僕の“鑑定スキル“は瞳の件も相まって、色々と特殊なんです。見える範囲が広いので、あの人と通じて相手の人の思惑も見えてきたりします」

(特にステータスの“備考欄“でね・・・(*´Д`*))

 これまでは自分の目に映った人をスキルを使用して“見た“時は、その人の考えなどをリアルタイムで“備考欄“で見ることができていたのだが、神力を併用して“全情報開示スキル“を使用すると、目の前で“見ている“人に関わっているが、その場にいない人の心内なども同時に情報として備考欄に出てくるようになっているのだった。

(なんか、その人が近々で会話してる回数が多い人とか、長く一緒の空間いた人とか?条件は色々だけど、大抵は僕に不利益をもたらしそうな人物の心内がピックアップされてる様なんだよね( ̄▽ ̄)どう言う仕組みかサッパリ分からんけどな!( ゚д゚))

 まぁ、神力の件は王族2人と総元帥以外の人達には秘密なので、ただ特殊な瞳を思っていると言うことで話を進めた。そして、僕はバレると分かってて2回目の“全情報開示のスキル“を使用したのは、他でもない、この若い軍将校が先月行われたカイ兄様の結婚式で騒動を起こした、帝国の公爵令嬢とはまた別の方面でこの国に干渉しようとしてきているのに気づいたからだ・・・

 要検証な能力ではあるが、今回は婚約間近で相手の帝国貴族令嬢がこの若い軍将校の家に滞在している事で、会話した回数や同じ空間のいた時間の長さなどでその条件を満たしたのか、“備考欄“にその令嬢の思惑が書き込まれていたのだった・・・

スタフお兄様「そうか、・・・・いくら伯爵家の三男でその内、伯爵家を出ることになる者だからといって、軍将校まで上り詰めた者の婚約を国に報告せずに勝手に進めていようとは・・・はぁ、これは父上、いや、国王陛下へ早急にあげるべき案件になってしまったな・・・」

 頭に手を置いて、若い軍将校の実家である伯爵家の貴族としての常識のなさを嘆くスタフお兄様に、僕は心の中で“ドンマイ“っと慰めるしかなかった・・・

(情報漏洩ってこうやって起こるんだねぇ(*´ー`*)・・・)

 この時僕は、物凄く他人事のように見ているが、この若い軍将校の婚約者になるはずだった帝国貴族令嬢の1番の重要任務は、将来、“神々の愛し子“が国軍に入隊するかどうかをいち早く知ることだったりする・・・・













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