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第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
103話 後日談・・・
しおりを挟むガタゴト、ガタゴトッ・・・
ソル「そう言えば、アトリー様、一つお聞きしたいんですけど、何故あの時“レッサーフェンリル“達と意思疎通ができていたんですか?」
今日はあの事件から数日たった学園終わりの馬車の中、ソルがふっと思い出したかのように不思議そうに聞いてきた。
「うん?・・・確かに?なんでだろう?」
どうも、僕です。先程、学園の馬車のロータリーで迎えに来たオーリーから、先日あった騒動の決着がついたと、軽く報告されたことから、当時のことを思い出していたソルから、今更ながらに聞かれた疑問に首を傾げている僕です・・・・
「確かにあの時は何故か“レッサーフェンリル“達の言っている事がなんとなく分かったんだよね・・・森で会ったあの“レッサーフェンリル“の仔は何言ってたか分からなかったのに・・・何の違いだろう?」
さらに首を傾けて考えていると、
天華:『あぁ、それは“神力“の力のおかげですね』
「うん?“神力“?」
天華:『はい、基本的に神々は全ての生物と意思疎通ができるんですよ。アトリーはまだ“現人神“、“神見習い“と言う立場ですが貴方が持っている“神力“は神々の世界で言う、“下級神“と同等、もしくはそれ以上と言っても過言では無いほどの力を持ってますからね。先に会ったあの“レッサーフェンリル“の前では“神力“を解放してませんでしたから、その時は意思疎通ができませんでしたが、国境の大橋では“神力“を解放し周囲にアトリーの“神力“が漂ってましたからね。
それで知能が高い“レッサーフェンリル“達の言いたい事などが読み取れたのでしょう』
と、今日は珍しくソルの膝の上でくつろいでいる天華が詳しく説明してくれた。
「へー、じゃあ、簡単に言うと“正式な神“は全ての生物とは意思疎通ができて、見習いの“現人神“は“神力“を解放しても意思疎通ができるかどうかは、“神力解放“した状態の本人の“神力“の強さによるってことで、今の僕の“神力“で意思疎通が取れるのは知能が高い魔物達までってこと?」
天華:『えぇ、大体そう言う事ですね』
まだまだ自分の知らない“神力“の活用法を知って良い事を思いついた僕。
「ふーん、それは良い事を聞いたなぁ、“神力“が高まれば魔物達と従魔契約しなくても意思疎通ができて、“モフモフ交渉“ができるようになるんだよね♪」
天華:『・・・モフモフ交渉、・・・新たなる被害者が・・・・』
「ちょ、ちょっと!天華!?被害者って!?誰のこと!?僕そんな酷いことしてないよ!?」
天華:『何を言いますか。先日の作戦後に連れ戻した“レッサーフェンリル“達を行動不能にしていたでしょう?』
「ぬっ、言いがかりだ、一回だけお願いを聞いてくれるって約束したから、その約束で皆んなを撫でさせてってお願いして撫でただけだよ!」
そう、あの作戦の後、“聖獣・フェンリル“の棲家前に移動した。その時、先に食った“レッサーフェンリル“達は母親である“フェンリル“にお説教&お仕置きをされている真っ最中だったため、それがひと段落するまで僕達は外気の影響を受けない結界を張りテントを張って、まったりティーブレイクしていた。
一通りお説教&お仕置きが終わったタイミングで、連れてきた“レッサーフェンリル“達に僕は約束のお願いを聞いて欲しいと言って、ちょっとボロボロになった彼らを回復させ、綺麗に洗浄してから思う存分撫で回したのだった。その結果、僕の撫でテクで彼らが(他の狼達も含む)ちょっと気絶、いや、気持ちよさで放心状態になったのは仕方ないことだ・・・多分・・・
そして、“レッサーフェンリル“達は“フェンリル“から怒られたことで、僕がここに連れてきた理由を知り、唖然としていた。
それもそうだろう、自分達が相手にしようとしていたのが、この僕であったことや、あの戦いに参加することで“聖獣・フェンリル“になる資格を失うところだったのだ。それどころかもしかすると“神罰“を受けて命まで落とすところだったと、母親の“フェンリル“に言われて驚愕していた。
そんな事になるなんて思っても見なかったようで、すっかり怯えて可哀想なくらい震えていた彼らを、優しくでも大胆に撫で回しながら話を聞いてみると、どうやら、彼らの“見守り役“、または“見守り係“になった“神狼教“の高位の神官や前公爵のような地位の高い人達だったようで、彼らを自分達の都合のいいように操っていたようだ。
元々素直で可愛い性格の“レッサーフェンリル“の仔共達は、自分達の世話を率先してしてくれて、棲家の生活以外の色んなことを教えてくれる“見守り役“のちょっとしたお願いを叶える感覚であの場所にきていたことが分かった。自分達はあの場で“見守り役“の仕事の邪魔をする人間達を威嚇し、退けるだけのつもりだったそうな、だが、それでも相手が“見守り役“を狙って怪我をさせようとしたなら、仕方なく攻撃する気ではあったそうだ。
(まぁ、そんな事になる前に僕が出てきたから、恐怖で一歩も動けなくなっていたんだよね・・・やっぱり、“神狼教“と“ダンシャンスー公爵家“はこの仔達の素直さと仲間意識の強さを利用してあの場に連れてきていたって事。彼らは完全に騙されていたと見て間違いないな・・・)
今回の“レッサーフェンリル“達の“紛争参加“の件は、世の中の常識や国の取り決めなど、まだまだ分からない事ばかりだった彼らには、母親“フェンリル“が言った言いつけの、“紛争に関わってはダメ“と言う言葉の意味が、ちゃんと理解できていなかったことと、その理解が完全でなかった彼らに、わざと間違った知識を植え付けた“神狼教“の悪意ある思惑が、今回の“紛争参加“の件を起こしたのだった。要は今回の件は彼らにしてみると、ただの人間達の群れ同士の縄張り争いの喧嘩に参加するだけだと思っていたと言うのが真相だった。
ソル「・・・いや、撫で回しつつも色々と聞き出したりしてましたよね?・・・あ、それと、帰り際に“フェンリル様“とのお話の件はどうなさったのですか?」
「あ、あぁ、あの事ね・・・“フェンリル“は僕の提案に乗ったみたいだよ」
ソル「そうですか・・・では、今後は帝国にあるリトス教の神殿の神官達が“見守り役“を担うのですね?」
ソルの言う“フェンリル“とのお話と言うのは、今回の事件の帰り際に“フェンリル“からちょっとした相談をされていたのだ。その相談と言うのは今回の件で、心底“神狼教“が信用に置けなくさってきたので、どこか仔共達を預けても大丈そうな所はないかと聞かれていたのだ。(現代風に言えば、どこか近所で良い託児所教えたくれない?って感じだね!・・・“ママ友同士のお悩み相談“かよ!?って思ったのは内緒だぞっ♪(・∀・))
そして、元々“神狼教“とは“フェンリル“の棲家に1番近い村人達が自分達を見て勝手に起こした宗教であって、自分から神になりたいとか、自分を崇めるようにとかの指示したことは一度もなかったそうだ。(今まではこれと言って害が無かったので放置していたらしい・・・)
その“神狼教“の創設時に向こうが進んで、仔共達が人間の世界を知るための“見守り役“をさせて欲しいと言ってきたので、“聖獣“としての最低限の掟というか決まり事を伝えた上で、仔共達には過剰な干渉はせずに、本当に言葉通り“見守り役“として徹してくれると約束するなら、“見守り役“を任せてもいいと言う約束を交わした上で、仔共達を預けた始めたのが“神狼教“との付き合いの始まりだったそうだ・・・
(まぁ、“フェンリル“にしてみれば、積極的に売り込んできたベビーシッタ的な感じだったんだろうな。仔共達は放置しておいても簡単には死なない、でも、他所で他の人達に迷惑をかけたりするかもしれないから、その時は止めてくれと言った感じのお願いをしただけで、本当にただの“見守り役“で、あわよくば、人間の村や国での簡単な決まり事的な事を教えてくれるとありがたいなぁ、ぐらいの気持ちで預けたんだろうねぇ(*´Д`*)一応、自分でも、仔共達に他所で迷惑をかけてはダメだと言い聞かせはしていたんだろうけど、やっぱりまだ仔共だから“見守り役“が必要だったんだろうなぁ・・・)
そんな、約束をしてはいたが、今回の件で仔共達の半数を失いそうになるといった事態になった事で、もっと信用にがおける仔共達の託児所、いや、預け先になりそうな所の候補を僕に相談してきた、なので僕は、シンプルに“リトス教“に頼んでは?と、それも一応、棲家のある国の帝国の首都にある“リトス教の神殿“の責任者に直接頼んだ方がいいじゃないか?と提案したのだ。
そして、僕がこう言う提案したのは、“フェンリル“の棲家がスフェール山脈の頂上近くにあると言っても、ギリギリ帝国領内にあったので王国側の“リトス教“の神殿を紹介する訳にも行かなかった事と、何より、帝国の皇族の紋章や国旗には“聖獣・フェンリル“の姿がよく描かれているので、国際問題にならないように気を遣った結果、“帝国側のリトス教の神殿に相談する“と言った提案をした次第であります・・・
まぁ、そう言う事でその提案に乗った“聖獣・フェンリル“が、帝国の神殿にどう連絡を入れようと悩んでいる最中に、神々から連絡が来て、その“リトス教“への繋ぎを神々が自ら請け負ってくれたそうだ。
神々はまず、“リトス教の総本山“がある“イエロザパート聖教国“の、“神の声を聞く事ができる聖女に神託“を下ろして、直接、本部から帝国の神殿にその依頼が届くようにしたらしい。それで、帝国の神殿は早急に前ダンシャンスー公爵領に人員を派遣し、“神狼教“の勢いに押されて肩身の狭い思いをしていた現地の“リトス教“の教会の運営を立て直し、“レッサーフェンリル“達の受け入れ態勢を整えたらしい。そして、今“レッサーフェンリル“達は全員揃って、その教会で正しい人間界の知識を学んでいるそうだ・・・
「まぁ、そうなるね。・・・はぁ、そうなるともうあの仔達の毛並みを堪能できないんだよねぇ。寒い環境でのモコモコしたモフモフの毛並みが・・・」
ジュール:『狼の毛並みを触りたかったら私のを触ってたらいいの!!』ふんすっ!
僕があの時の感触を思い出しながら、名残惜しそうに手をワキワキさせていると、僕の膝に小さな姿で乗っていたジュールが僕の膝を怒ったようにテシテシッ!と叩いてそう言ってきた。そんな可愛い仕草をしてくるジュールに、だらしなく頬を緩ませならが僕はすぐにジュールと撫でてご機嫌をとるのだった。
「あ、もちろんジュールの毛並みが1番気持ちいいよ!!・・・ただ、たまぁーに、他の毛並みのモフモフが触りたくなったりするだけで・・・」
ジュール:『もうっ!アトリー!浮気はダメ!!』
「浮気って・・・かわいっ!!」ワシワシワシッ!!
僕の最後の発言に僕のお腹に頭を押し付けながらプンスコ怒るジュール、その可愛さが天元突破していたためより一層気合を入れて撫で回す事にした僕。
(なんだこの生き物!可愛すぎかよ!!( ゚д゚))
最近、“嫉妬“と言う感情が芽生えたジュールは、他にもちょくちょく僕に対して“独占欲“も示してきたりするのだ、これを可愛がらないでどうする!?と言った僕のジュール愛は今後も止まる気配はない。(一応、天華や夜月達も僕に対しての独占欲はあるようだが、ジュールと同い年と言っても精神が成熟しているからか、進んで甘えて来ないので、皆んなに僕から積極的に絡んで行くのが僕達のいつものスキンシップの仕方になっている。)
そんなジュールを撫で回しながら、今回の事の発端になった帝国貴族のダンシャンスー公爵家のことを思い出していた・・・
「そう言えば、オーリー、結局ダンシャンスー公爵家はあの後にマルキシオス侯爵家に戦いを挑んで圧倒的な実力差で領地戦?に負けて、お取り潰しになって、今はあの領地は皇族預かりになったとか言ってたけど、ダンシャンスー公爵家の人達や“神狼教“の事はどうなったのかな?」
と、先に聞いた報告では出てこなかった部分を聞いてみた。
オーリー「はい、その方々でしたら、先日、マルキシオス侯爵家に損害賠償金の支払いと、その他諸々の取り決めを終えた後に帝国法に基づき厳密な処罰されて、今は財産の大半を没収し爵位も大きく下げられ、男爵家として僻地にある領地を与えられて、帝国からの監視のもと生活する事になるそうです」
「へぇ、結構、優しい処罰なんだね?てっきり僕は爵位を没収するかと思ってたんだけど・・・」
思っていたより軽い処罰の内容に、僕はあの帝国らしからぬ対応だと感じていると、
オーリー「そうですね。最初はそのような話も出ていたそうなんですが、何もせずに野に放つより貴族席に在籍させたままにして、帝国の管理の元に置いておく方がいいだろうと言うことで、ギリギリ領地を持てる爵位の男爵位を与えて、旨味の無い僻地にある領地でほぼ監禁状態で、領地の運営も国から派遣された代官がする事になったそうです。なので、今後何か復讐など考えることなどできないような処置をされたそうですよ」
(ふーん、要するに、帝国はあの人達がまだ僕の事を狙う可能性があると感じて、それを阻止する目的で貴族として留め置き、今回の事件でも裏で取引でもあった貴族達でもいたのか、彼らの、僕に対するその執念を利用し元公爵達に接触してくる国内の後ろ黒い貴族達や、他国の密偵などをおびき寄せる餌にでもしているのだろう。そんな奴らと結託し何かを起こす前に、未然に防げるように代官を監視役として差し向けたってところかな?(*´ー`*)・・・懲りない人達だなぁ・・・)
どうやら、元公爵達の軽い処罰には彼らの態度から僕の事を諦めているようではなかったことから、監視の対象になったみたいだ。その上、今回の件でも裏で暗躍していた者達の動きも帝国が感知して、一斉検挙の餌にでもされたのだろうと察した。
「・・・そう言うことか、何かするにしても元手がいるから、そこを完全に掌握しておくには貴族にしておいた方がいいってことだね?それに、どこからか援助の申し出があっても常に監視することで、すぐに分かるし何かと都合がいいのも確かだね。・・・あれ?それは良いとして、あのご令嬢の方はどうなったの?あの人もその僻地に連行されたのかな?」
オーリー「いえ、元ダンシャンスー公爵令嬢は我が国での法で裁かれ、今は犯罪奴隷として、王都地下水道の清掃に従事し、その後もご令嬢時代では経験した事のない労働をかされる事になるそうです」
「そうか、あの人どう見ても苦労とか経験した事なさそうだったもんね、もうすでに根をあげてそうだ。まぁ、僕もそんな苦労した事ないけど・・・・さて、公爵家のことは分かったけど、“神狼教“はあの後どうなったのかな?」
その後も、色々と、聞きたかったことをオーリーの知る限り質問し続けるのだった・・・・
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