王子に婚約破棄を申し出た仮面令嬢は彼の愛に絡め取られる

月下 雪華

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私とこれから

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 重く、長い純白のドレスを身につけ、私は深い息を吐いた。
「良かったですわ。ちゃんと結婚出来て」

 揃いの衣装を着たルアン様がチラリと私の方を向いて肩を落とした。
 シャラリと音を立て彼の耳に付けられたペリドットが輝く。
 「あぁ、ブランシュ公爵に振りで留めるのだと念押ししていたのに、本当にするものがあるかとものすごい剣幕で詰められた時はどうしようかと思ったけどね」
 

「ふふっ、私も悪いのにルアン殿下にしか話されませんでしたものね。お可哀想に」
「もう結婚まで1年もなかったのだから、他の貴族の婚約者達は怒られない時期であるはずなのに、なんで僕だけなんだろう」
 自分でも分かっているはずなのに、くすくすと笑いながらおどける姿は最近ようやく見られるようになったものだった。

 
 あれから1年か。
「それでも、皆に祝われて結婚出来ましたし、良いではないですか」
 殿下が私に執着し、私のためにと動かれた事が議会や貴族諸侯にも伝わっていたらしく、批判は思っていたよりも抑えられていた。
 それに、歴代最高の力を持っていたサクラの自ら望む者との結婚をとの嘆願を受けた事も幸いしたらしい。
 嘆願というよりは無理に結婚させられるようならヴルツェル様を連れて国外に出ると脅していたらしいが。
 まぁ、国民や教会にしっかり受け入れられていたので無問題である。
「まぁ、そうだな」
 
 ルアン殿下の手が私の手袋をなぞる。
「では、お手を」
「……ルアン様、これからもよろしくお願いいたします」
「もちろんだよ、リリー」
 

 緩やかな音を立て目の前の扉が開き、バージンロードへの道が開けた。


(終)
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みんなの感想(1件)

おゆう
2022.12.12 おゆう
ネタバレ含む
2022.12.12 月下 雪華

感想ありがとうございます!
傷を付けた騎士は現行犯で直ぐに取り押さえられ、ルアンに取り継がれています。叛意があるのか、リリーをなぜ狙ったのか等の尋問を徹底的に受けた後に、最も激化している戦場下などで下働きとして一生働くことになっています。ルアンは追放も、死刑も彼には生ぬるいと考えているのでそのような手は取りませんし、リリーを傷つけたことを本気で怒っているので犯人が生き地獄を味わうように考え処罰を受けています。
王様は100年の周期のうち聖女と共に結婚しない年に産まれ聖女以外の者と結婚したため聖女と結婚しなければいけないということへの恐怖感が強く、無理にでも結婚を行うためにリリーを傷を付けるという選択を取りました。その行動で更にルアンの怒りと行動力を付けさせたので本意とは裏腹に本人の意思を強めることとなっています。許諾についての部分は恐怖を持ちながらも、これだけの力があれば聖女以外と結婚しても周囲から反感を受けないだろうと、怒りの力を引き出すため煽りながら行いました。ですが、ルアンには全く伝わっていないし、何も助力しないし、リリーとの結婚に消極的なのでただ喧嘩売っただけになってます。基本他の策略も失敗しがちで王様として上手くいっていないので数年後にルアンに譲位させられて、ルアンが王となります。

解除

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