妾に恋をした

はなまる

文字の大きさ
15 / 44

15夕食に招待されました

しおりを挟む

 
 その週末動きがあった。

 メリンダ様がお出かけになった。

 お付きの侍女と共にかなりの荷物を馬車に運び込まれた。

 そして出て行かれた。


 午前中に実家からの手紙が届いた。

 母はかなり元気を取り戻したと書いてありほっとした。

 中には領地で取れる薬草が入っていた。

 ~ミーシャには苦労ばかり掛けてごめんね。

 これは何かあった時の為に一緒に入れて行くからね。身体に気を付けて無理をしないでね。

 もし、我慢できないことがあればいつでも帰ってきていいんだからね。

                           ナターシャより~

 中には傷薬や熱さまし、咳止めに効果のある薬草が入っていた。

 私は胸がいっぱいになった。

 なにがあってもここで頑張って母にはもっともっと元気になってほしいと思った。



 12時になった。

 カティが昼食を持って来る。

 「奥様、昼食をお持ちしました。今夜はお屋敷の夕食にお越しくださいと奥様がおっしゃってます」

 「そう。あの…若奥様はお出かけに?」

 「ああ、そうです。前からご予定があってご実家のお姉さまにお子様が生まれてローリッシュ家に帰って来られるそうで今日あちらに出向かれる予定になっていたんです。きっと2~3週間はあちらで過ごされるかと思います。いつもご実家に帰られるとそれくらい過ごされてますので…」

 「あの…カティ?私がここに来たせいではないのよね?」

 「まさか。ミーシャ様が来られる前からのご予定でしたから」

 「そう…わかったわ。夕食のご招待お受けしますと伝えて」

 「はい、時間に間に合うようお支度に来ますから」

 「ええ、それまでにお風呂に入っておくわ」

 「いいんですか?」

 「ええ、髪を結ってくれればいいから、カティも忙しいんだし」

 「じゃ、お言葉に甘えて‥17時には参ります」

 「ええ、お願い」

 (でも1時間もあるけど何をするんだろう?そう思うがここはもう受け入れるしかない。それに若奥様がいないから私を夕食に招待したの?と言うことは…その後の展開は想像するまでもないのでは…

 ううん、だってそれが私の仕事だもの。子供を産むこと。それ以外の感情は捨てなきゃね)

 なのに…

 私はそわそわしながらその時間を待った。

 ご主人様とはあれ以来顔を合わせていなかった。

 どんな顔で夕食に向かえばいいのだろう。

 悶々とする気持ちを腫らそうと午後はジロ芋と茶豆を植えた畑で汗を流した。

 いくら私が思ったところでどうなる?

 ご主人様の気持ちのままになるようにしかならない。自分はそれを受け入れるしかないのだからと。

 

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様

オケラ
恋愛
15歳のユアは上流貴族のお嬢様。自然とたわむれるのが大好きな女の子で、毎日山で植物を愛でている。しかし、こうして自由に過ごせるのもあと半年だけ。16歳になると正式に結婚することが決まっている。彼女には生まれた時から婚約者がいるが、まだ一度も会ったことがない。名前も知らないのは幼き日の彼女のわがままが原因で……。半年後に結婚を控える中、彼女は山の中でとある殿方と出会い……。

彼は亡国の令嬢を愛せない

黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。 ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。 ※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。 ※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。

【完結】白い結婚成立まであと1カ月……なのに、急に家に帰ってきた旦那様の溺愛が止まりません!?

氷雨そら
恋愛
3年間放置された妻、カティリアは白い結婚を宣言し、この結婚を無効にしようと決意していた。 しかし白い結婚が認められる3年を目前にして戦地から帰ってきた夫は彼女を溺愛しはじめて……。 夫は妻が大好き。勘違いすれ違いからの溺愛物語。 小説家なろうにも投稿中

【完結】あなたに抱きしめられたくてー。

彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。 そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。 やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。 大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。 同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。    *ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。  もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。

【完結】初夜の晩からすれ違う夫婦は、ある雨の晩に心を交わす

春風由実
恋愛
公爵令嬢のリーナは、半年前に侯爵であるアーネストの元に嫁いできた。 所謂、政略結婚で、結婚式の後の義務的な初夜を終えてからは、二人は同じ邸内にありながらも顔も合わせない日々を過ごしていたのだが── ある雨の晩に、それが一変する。 ※六話で完結します。一万字に足りない短いお話。ざまぁとかありません。ただただ愛し合う夫婦の話となります。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中です。

【完結】恋が終わる、その隙に

七瀬菜々
恋愛
 秋。黄褐色に光るススキの花穂が畦道を彩る頃。  伯爵令嬢クロエ・ロレーヌは5年の婚約期間を経て、名門シルヴェスター公爵家に嫁いだ。  愛しい彼の、弟の妻としてーーー。  

どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。 無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。 彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。 ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。 居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。 こんな旦那様、いりません! 誰か、私の旦那様を貰って下さい……。

処理中です...