妾に恋をした

はなまる

文字の大きさ
24 / 44

24どんどん好きになって行く(ネイト)

しおりを挟む

 
 俺はミーシャが熱を出したと聞いて離れに走った。

 まだ少し胸が苦しかったがそんな事を言ってる場合ではない。

 医者が来てミーシャを診てもらう。

 爺だが男の医者だ。あいつがミーシャの胸を見るのかと思うとなぜか苛立った。

 (医者に嫉妬かよ。俺は相当ミーシャが好きになったみたいだな。

 だってそうだろう。

 俺の事一晩中看病して朝目が覚めたらミーシャが俺の横で眠っていて俺はまだ朦朧としてて夢かと思ったいたくらいだ。

 まさか、彼女がずっといてくれたなんて信じれなかった。

 でも、すごくうれしかった。

 でも、身体は思っていた以上に弱っててカッコ悪いところを見られた。

 だが、食事は食べさせてもらえたしずっとミーシャがいてくれて夢のような時間だった。

 それなのに翌朝、今度はミーシャが倒れるなんてちっとも良くないじゃないか!

 ごめんなミーシャ俺のせいで辛い目に合わせて…

 俺はミーシャに惚れたみたいだ。うん。みたいじゃなく確実に惚れた。

 それを自覚するとこのままでいいのかと思ってしまう。

 妾のまま子を作ればミーシャは2年ほどでいなくなってしまう。それより彼女を妾でなんかいさせたくない。

 妻にしてずっと一緒にいたい。

 俺の気持ちはどんどんそちらに傾いていく。

 でも、俺は既婚者だ。もちろん離縁したいと思っている。

 はっきり言ってメリンダを愛してもないし彼女も同じ気持ちだ。

 ただメリンダが離縁が格好が悪いって言うプライドと実家での居心地が悪くなるって言うだけ。

 まあ、公爵は宰相をしているから世間体もあるんだろう。

 クッソ!

 ここにいたって居心地が悪いだろうに…

 何とかメリンダが帰ってきたら離縁に応じてもらえるよう説得するしかないか。

 俺はミーシャを妾でいさせるつもりはないんだからな)


 翌日は我慢が出来なくてミーシャの様子を見に行くことにした。

 俺はすっかり熱も下がり体調もかなり回復した。咳もしていないし使用人に聞けばミーシャも熱が下がっていると聞いたからだ。

 「ミーシャ?」

 俺は返事も待てずにそっと客間の扉を開ける。

 扉の隙間から中を覗く。失礼だと思う。でも我慢できなかった。

 「ご主人様?どうしたんですか?プッ!子供です?そんな恰好で…」

 いきなり笑われた。

 がばっと扉を開けて中に入った。

 「仕方ないだろう。ずっと気になって気になって…どうだ具合は?」

 「はい、すっかり熱も下がったみたいです。食事も美味しく食べれてますし今夜は離れに帰ります」

 ミーシャの顔色は案外良かった。

 ほっとした。

 「だめだ。今夜はここにいるんだ。もし夜中に急変したらどうする?いいな」

 「まあ、そう言われると…大奥様も旦那様もそう言われましたから…お言葉に甘えましょうか」

 「ああ、ミーシャは俺の看病をしてこうなったんだ。遠慮なんかしなくていい。わかったか。どれ額を」

 俺はさっと手を伸ばしてミーシャの額に触れる。

 一度は身体を繋げた仲なんだ。こんなふうに触れることくらい何でもないだろうと思うのにやけに緊張して手が震えた。

 ミーシャは大人しくしたままで…額に触れると熱はなくほっとした。

 今度は頬に触れたくなった。

 どこまでも欲深い野郎だと思う。

 柔らかな肌に触れてきゅっと下半身に熱が溜まる。

 おい、病人だぞ。チッと自分を叱責する。

 「ミーシャ…俺は…いや、何でもない。ゆっくり休め。いいな。そうだプディングを料理長に頼んだ。後で届けるように言っておく」

 ほんとは俺が食べさせようと思っていた。

 でも、そんな事をすればミーシャを押し倒して奪ってしまうかもしれないと恐くなった。

 だってミーシャは病人なんだ。そんな事はしばらくお預けだ。

 「プディングですか?うわ、楽しみです。ありがとうございますご主人様」

 「ああ、いいんだ。でも、そのご主人様はやめてくれ。ネイトって呼んでほしい」

 「…ネイト様」

 「ああ、それでいい」 

 俺はすこぶる満足して部屋を後にした。どうやら俺は単細胞らしい。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

全てを捨てて、わたしらしく生きていきます。

彩華(あやはな)
恋愛
3年前にリゼッタお姉様が風邪で死んだ後、お姉様の婚約者であるバルト様と結婚したわたし、サリーナ。バルト様はお姉様の事を愛していたため、わたしに愛情を向けることはなかった。じっと耐えた3年間。でも、人との出会いはわたしを変えていく。自由になるために全てを捨てる覚悟を決め、わたしはわたしらしく生きる事を決意する。

拝啓 お顔もお名前も存じ上げない婚約者様

オケラ
恋愛
15歳のユアは上流貴族のお嬢様。自然とたわむれるのが大好きな女の子で、毎日山で植物を愛でている。しかし、こうして自由に過ごせるのもあと半年だけ。16歳になると正式に結婚することが決まっている。彼女には生まれた時から婚約者がいるが、まだ一度も会ったことがない。名前も知らないのは幼き日の彼女のわがままが原因で……。半年後に結婚を控える中、彼女は山の中でとある殿方と出会い……。

彼は亡国の令嬢を愛せない

黒猫子猫
恋愛
セシリアの祖国が滅んだ。もはや妻としておく価値もないと、夫から離縁を言い渡されたセシリアは、五年ぶりに祖国の地を踏もうとしている。その先に待つのは、敵国による処刑だ。夫に愛されることも、子を産むことも、祖国で生きることもできなかったセシリアの願いはたった一つ。長年傍に仕えてくれていた人々を守る事だ。その願いは、一人の男の手によって叶えられた。 ただ、男が見返りに求めてきたものは、セシリアの想像をはるかに超えるものだった。 ※同一世界観の関連作がありますが、これのみで読めます。本シリーズ初の長編作品です。 ※ヒーローはスパダリ時々ポンコツです。口も悪いです。

【完結】白い結婚成立まであと1カ月……なのに、急に家に帰ってきた旦那様の溺愛が止まりません!?

氷雨そら
恋愛
3年間放置された妻、カティリアは白い結婚を宣言し、この結婚を無効にしようと決意していた。 しかし白い結婚が認められる3年を目前にして戦地から帰ってきた夫は彼女を溺愛しはじめて……。 夫は妻が大好き。勘違いすれ違いからの溺愛物語。 小説家なろうにも投稿中

【完結】あなたに抱きしめられたくてー。

彩華(あやはな)
恋愛
細い指が私の首を絞めた。泣く母の顔に、私は自分が生まれてきたことを後悔したー。 そして、母の言われるままに言われ孤児院にお世話になることになる。 やがて学園にいくことになるが、王子殿下にからまれるようになり・・・。 大きな秘密を抱えた私は、彼から逃げるのだった。 同時に母の事実も知ることになってゆく・・・。    *ヤバめの男あり。ヒーローの出現は遅め。  もやもや(いつもながら・・・)、ポロポロありになると思います。初めから重めです。

【完結】初夜の晩からすれ違う夫婦は、ある雨の晩に心を交わす

春風由実
恋愛
公爵令嬢のリーナは、半年前に侯爵であるアーネストの元に嫁いできた。 所謂、政略結婚で、結婚式の後の義務的な初夜を終えてからは、二人は同じ邸内にありながらも顔も合わせない日々を過ごしていたのだが── ある雨の晩に、それが一変する。 ※六話で完結します。一万字に足りない短いお話。ざまぁとかありません。ただただ愛し合う夫婦の話となります。 ※「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載中です。

【完結】恋が終わる、その隙に

七瀬菜々
恋愛
 秋。黄褐色に光るススキの花穂が畦道を彩る頃。  伯爵令嬢クロエ・ロレーヌは5年の婚約期間を経て、名門シルヴェスター公爵家に嫁いだ。  愛しい彼の、弟の妻としてーーー。  

どなたか私の旦那様、貰って下さいませんか?

秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
私の旦那様は毎夜、私の部屋の前で見知らぬ女性と情事に勤しんでいる、だらしなく恥ずかしい人です。わざとしているのは分かってます。私への嫌がらせです……。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 政略結婚で、離縁出来ないけど離縁したい。 無類の女好きの従兄の侯爵令息フェルナンドと伯爵令嬢のロゼッタは、結婚をした。毎晩の様に違う女性を屋敷に連れ込む彼。政略結婚故、愛妾を作るなとは思わないが、せめて本邸に連れ込むのはやめて欲しい……気分が悪い。 彼は所謂美青年で、若くして騎士団副長であり兎に角モテる。結婚してもそれは変わらず……。 ロゼッタが夜会に出れば見知らぬ女から「今直ぐフェルナンド様と別れて‼︎」とワインをかけられ、ただ立っているだけなのに女性達からは終始凄い形相で睨まれる。 居た堪れなくなり、広間の外へ逃げれば元凶の彼が見知らぬ女とお楽しみ中……。 こんな旦那様、いりません! 誰か、私の旦那様を貰って下さい……。

処理中です...