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17朝食に呼ばれる
しおりを挟むエバン様が出て行ってしばらくベッドで横になっていた。
婚約者か‥
ジェリク殿下もそう言っていた。でも本気じゃなかった。エバン様も表向きそう言うことにしておいた方が都合がいいって。
何が都合いいんだろう?
騎士団の荒くれどもが私に何かするから?
ああ、エバン様に他の縁談が来て迷惑してるとか?だから私が婚約者になれば面倒な手間が省けるって事?
だとしても、私を閨の相手にしなかったよね彼。どうして?そのために私はここに送られたはずなのに?
どうしてエバン様は私に遠慮したの?あのまま私をものに出来たはずなのに。
婚約者ならなおさらそんな事が出来る相手なのに?
それにあの態度。まったく腹が立つ。何だかすごく手慣れてるって感じ!
あっ、もしかして彼は私みたいな子供のような女では欲情しなかったのかもしれないな。
相手にもならないって事か。
はっ!
安心したようながっかりしたような気がした。
まあ、騎士団の手伝いもしていいって言ってたし婚約者って事にすればジェリク殿下から何か言われることもないだろうから、しばらくこのままで様子を見るしかないわよね。
そうとなったらしばらく婚約者のふりをさせてもらおうっと。
「失礼します」
「はい、どなた?」
そう言うと扉が開いて30代の女性が入って来た。茶色い髪に濃い茶色の瞳で使用人であろう服を着ている。
この人、昨日のメイドさんだ。
「失礼します。今日からフレイシア様のお世話を言いつかりましたマリンと言います、どうぞよろしくお願いします」
「まあ、お世話なんて‥私もこの辺境の近くの出身で平民なの。そんなの必要ないわ、着替えだってお風呂だって一人で出来るわ。必要なら洗濯や掃除も出来るし‥」
「はい、それは旦那様からお聞きしています。ですがフレイシア様は辺境伯様の婚約者となられたんですから、使用人の一人くらいは」
「そう、じゃ、掃除や洗濯。そうねシーツとか服なんかはお願いしようかしら、着替えやお風呂は一人で出来るから」
「では、追々にやらせて頂くと言うことで、まずは着替えをお願い出来ますか。旦那様が朝食をご一緒にとおっしゃっていますので」
マリンが私の話を受け入れてくれたので私は早速着替えを‥見れば昨日来たワンピースはしわくちゃになっていた。
ああ‥もうこれ着れないわ。
でも、カバンにあるのはどれもつぎはぎだらけの聖女服と安物のワンピースばかり。仕方がない私にはこれが全財産なんだから。
髪を梳いて後ろできれいに束ねるときちんと結い上げた。ワンピースは昨日まで来ていたものではなく洗濯はしてある淡いピンク色のものを着た。
これ、王都に行って最初に買ったワンピースだったかな、あれから6年何だかに会ってない気もするけど他にワンピースないし‥
背丈が伸びたのかワンピースの丈もひざ上と少し短めで胸の周りのきつい。
今までは平気だったのに、なぜかエバン様と一緒に朝食をとるのだと思うとその格好がひどくみすぼらしく思えた。
さすがに聖女服ではおかしいだろうと思うがワンピースもひどくぎこちない。
でも、私は恥ずかしい事してきたわけではない。
だから大丈夫。
(フレイシア。安心して。誰もあなたを傷つけたりしないわ。この屋敷の人はみんなあなたに敵意なんか持ってないから‥あっ、でも一人だけ、副隊長のラヴァードって人はあなたを快く思ってないみたい。エバンに取り入って婚約者になったって思ってるみたい)
(そう、まあ、そう思われても‥ね。だから言ったのに‥やっぱりエバン様に言ってみようか)
(あれ、フレイシアそんな事言ったらエバンが悲しむわよ。だって彼、かなり真剣だったもの。それにあなたも婚約者のふりをするって約束したんだし)
(そっか。仕方ない。しばらく様子を見るしかないわね)
何だかそわそわしながらマリンに案内されて食堂に向かった。
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