自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!

ゆずこしょう

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好きな子がいるのに手を出すなんて…と言われてもアイビーは馬なんです。

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「お嬢様。そろそろお時間です。」

アマンダの声がいつもより少し遠くから聞こえるきがする。意識がまだ戻りきっていないからだろうか...
机のひんやり具合が気持ち良かったこともありまだ離れたくないけど、今は運動祭中なため急いでサラシを巻き直し会場に戻った。

馬術、剣術ともに2回戦は問題なく突破することができたので、私はそのままビアンカの出場している競技会場へ向かった。

ビアンカたちのところに行くとビアンカも3回戦まで問題なく進んだみたいだった。
「ビアンカ!」私は手を振りながらビアンカに寄っていくと、ビアンカもこちらに気づいて走ってきてくれた。

「ルネ!!試合が重なっていてルネの試合が見れないのは残念だけど、結果はどうだった?」

「走ったら危ないじゃないか。ビアンカが転ばなくて良かったよ。僕もビアンカの試合が見れなかったのが残念でならないけど…取り敢えず僕も3回戦までは難なく進むことができた。もちろん剣術、馬術両方ともね!」ウインクしながらビアンカの頭を撫でる。私とビアンカの身長の差が丁度いい。するとまた、周りのお姉様方から「きゃぁぁ」と声が聞こえた。
「ルネ。あなたねぇ…」ビアンカがため息をつく。
「何かしたかな?」首を傾げながらビアンカに聞くと
「なんでもないわ!取り敢えずお姉様方から見ても貴方は男性にしか見えていないから安心しなさい。そういえば今日は自称ヒロインさん見ていないわね。」

確かに、朝クラスに押しかけてきたあとは一度も見ていない気がする。
「今日は人も多いし自分の王子様でも探しているんじゃないか?」

「そうね…。そろそろお昼の時間ですしいつものところでお昼でも食べましょうか。」
ビアンカをエスコートしながらいつもの美術室へ向かう。

2人で美術室までの道を話しながら歩いていると、後ろから声をかけられた。
「お、おい。ルネと言ったか。ビアンカから離れろ!」
2人で顔を見合わせて後ろを振り返ると恐らく先輩だろうか…2人の男性がこちらへ近づいてきた。

「ビアンカ、君の知り合いかい?」
ビアンカのことを継承なしで呼んでいるし知り合い同士なのかもしれないと思いビアンカに確認した。

「恐らくこの国であの顔を知らない人の方が少ないと思いますけど…ただ、話したことはないので知り合いではないですね。」
この国で知らない人はいないということは、王族か何かだろうか。
「ビアンカが、貴方と挨拶を交わしたことがないと言っているのですが、どういった関係なんでしょうか?」
ビアンカも急に名前で呼ばれてびっくりしているし、私はビアンカを守るためにビアンカを私の後ろに隠した。

「ビアンカと俺は…ビアンカと俺は…ん?ビアンカと俺の関係は…なんだ?」本人も何も考えずに声をかけたのか、なぜビアンカを呼び捨てにしたのか…自問自答を繰り返しているようだったので、放っておいてお昼に行こうと歩き出した。

「レナードは、ビアンカ嬢と友人になりたいそうなんだ。」
レナードとやらの隣にいた男の人がクスクス笑いながら話しかけてきた。

「そ、そうなんだ。それに恋人がいる男性と2人でにいるのは心象が良くないだろう。先ほど、アイビーを好いていると聞こえてきた。だ、だ、だから、声をかけたんだ。」
顔を赤くしながら話すレナード先輩。
あぁ、レナード先輩はビアンカに一目惚れして仲良くなりたかったけど私がいたからヤキモチ妬いてしまったというところかな。それに気づいてか、隣の先輩も声を抑えて笑っていた。

「安心してください。僕に好いている人はいません。それに…アイビーは僕の相棒の愛馬ですよ。」
それにビアンカは親友だし、私の恋愛対象は男性だ。出来ればお兄様みたいなカッコよくて腕っぷしの強い人がタイプだし…

「え?そうなのか?じゃあ、2人の関係は…?」

「「親友ですね。」」
ビアンカと声が揃ったことで思わず笑ってしまう。

「取り敢えずお腹空きましたし、先輩方もよかったら一緒にお昼ご飯にしませんか?」

ビアンカが2人に声をかけた。

「そうだね。お互い自己紹介がまだだし、お昼ご飯を食べながら自己紹介しようか。」

レナード先輩がまだ固まっていたので代わりにレナード先輩の隣にいた先輩がビアンカの問いに答え、4人で美術室に移動することになった。


⟡.·*.··············································⟡.·*.

レナード視点。

ビアンカの馬術競技を見ていて次々と綺麗に障害物を跳び越える姿に惚れ惚れとしていた。話したこともないのにこんなに目を引くとは、きっと他の男性たちもビアンカに目を奪われているに違いない。
そう思うと居ても立っても居られなくなり、デュークと一緒にビアンカのところへ向かった。

すると先ほどの、ルネという男性と話している姿を見かけた。
まるで2人の恋人同士のような話に周りの女性たちも悲鳴を上げる。確かにルネというやつの顔は整っているし、あの優しげな瞳や声色はかなりモテるだろう。
ビアンカと腕を組んで歩き始めた姿をみて焦燥感を覚える。

「デューク、2人を追いかけるぞ。アイビーという恋人がいるのにビアンカに手を出すなど許せん。」

デュークが何か話したそうにしていたが、俺は急いで2人を追いかけた。

2人が美術室に入る手前で声をかける。「お、おい。ルネと言ったか。ビアンカから離れろ!」
思わずビアンカのことを呼び捨てで読んでしまう。ルネはビアンカに知り合いかどうか聞いているようだった。この国で王族の俺を知らない貴族の方が少ないと思っていたが、まさかのルネは知らないようだ。
「ビアンカが、貴方と挨拶を交わしたことがないと言っているのですが、どういった関係なんでしょうか?」
確かに一方的に名前だけ知っているのだ。普通だったら怖いだろう。ただ俺は王族だし話したことはなくても知らない関係とはならないと思うが…

「ビアンカと俺は…ビアンカと俺は…ん?ビアンカと俺の関係は…なんだ?」
俺は思わずデュークに話しかける。その姿にビアンカとルネもため息をつき、俺たちを置いてまた歩き始めた。
デュークが俺の代わりに「ビアンカ嬢と友人になりたいそうだ」と伝えてくれた。
本当はそれ以上の関係になれればと思っているのだが、友人として仲良くなってからでも遅くはない。
レナードの言葉に続けて、「そ、そうなんだ。それに恋人がいる男性と2人でにいるのは心象が良くないだろう。先ほど、アイビーを好いていると聞こえてきた。だ、だ、だから、声をかけたんだ。」と伝える。

すると返ってきたのはアイビーが馬だということだった。そして2人は親友同士だということだった。
焦りに焦りすぎて周りが見えていなかったようだ…取り敢えずみんなでご飯を食べようということになり美術室に向かった。

よくよく考えたら自己紹介もまだしていないのに慌てすぎてビアンカのことを敬称なしで呼んでしまったし、色々やらかしてしまった気がする。そんな俺をまてデュークは隣で笑っていたので恐らく気づいていたんだろう。

俺は少し気持ちを落ち着かせてから2人の話を聞き始めた。


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