31 / 51
建国祭
未だに夢から覚めないお二人へ。
しおりを挟む
オスト様を見ると、敢えて言わなくていいと顔で訴えてくる。
いくら前髪とかで隠れていたからって、そんなにも婚約者の顔を覚えていないものだろうか。
でも私もアーテリアの婚約者がオスト様だと知らなかった位だから知っていた人は数少ないのかもしれない。
普通だったら王太子に婚約者が出来れば大々的に発表されるのだろうけど、それをしなかったのはきっと意味があったのだろう。
「はぁ…お二人はなぜこちらにいらっしゃるのですか?」
「ここは自由に使っていい場所なんだからいてもいいじゃない。それよりもそちらの彼、とてもかっこいいわね。メーティアの愛人?」
あ、あ、愛人!?なぜ直ぐに恋愛と結びつけるのだろう…この方は、あなたの元婚約者です。
「違います。ヘリーオスト王太子殿下の側近の方ですわ。名前はヘルメントと言います。」
お兄様、申し訳ございません。お名前拝借いたしました…。
「へぇ、あの王太子の側近の方なのね…。」
うっとりした顔でオスト様のことを見ている。
「はじめまして。ヘルメントと申します。申し訳ございませんが、ここは自由に使用出来る場所ではありますが、申請が必要です。それと金貨1枚の使用料がかかるのですが、支払われていますか?」
オスト様も私の話に乗ってくれるようで少し声色を変えながら2人に話しかけた。
「それならアポロ様が…ねぇ?アポロ様?」
アポロ様に話掛けながらも、顔はずっとオスト様を見ている。
まるで獲物を見つけた猪のようだ…。
そのお方はあなたが交換したいと仰ったヘリーオスト王太子殿下ですよ…。
「アポロ様。お久しぶりですね。それで申請は…?」
「メーティア。君はいつ見ても美しいね…やはり僕の隣には君のような…「そういったお話は結構ですので!」」
アポロ様は以前自分が言ったことを忘れたのだろうか。アーテリアのような人が好きだと、人のことを阿婆擦れだなんだと罵っていたのを私は忘れない。
ちなみに今のアーテリアの目の方がよっぽど阿婆擦れだと思うけれど。
「アポロ様、それで申請はされてるんですか?」
「申請…?なんだいそれは…。王族にそんなこと必要ないだろう?」
…。
……。
………。
「王族…?」
「あぁ、そうだ!近々国王が僕に変わると父上が言っていた。あ、これは内緒だったんだ。ま、まぁ兎に角、僕達がここにいたって何もおかしくないだろ?なぁアーテリア。」
「そうですわ。私のパパも言っていたもの。もうすぐ私が王妃になるって。だからメーティアも私の言うことは聞いておいた方がいいわよ。」
オスト様は2人の話をきいて拳を強く握りしめた。
国王が変わるということは、暗殺でも企んでいるのか。何をしようとしているのか…。
元々この国は保守派と改革派に分かれてはいたけど、影で保守派の人たちが改革派の人達のことを悪くいう程度で、そこまで目立った動きはしてこなかった。
ダルデンヌ公爵はどちらに着いているという訳ではなかったが…おそらく持ち上げられたのかもしれない。
そしてこの保守派を取り仕切っているのは誰だったか…
ただこのふたりの話を聞く限り、アーテリアの父親も入っているのだろう。
「そうなんですか…ですがまだ王族では無いですよね?いつ頃王族になるご予定なんですか?」
「んーっといつだっけ?アポロ様覚えてる?」
「いつだったかな。確か春だったか…夏だったか…そのくらいだったはずだ。」
もう少し情報を引き出したいのに本当にこの2人は自分たち以外に興味が無い…。
「もういいじゃない。この国の王族は皆いなくなるのだから。メーティアもあの王太子なんか辞めちゃいなさいな。そしてアポロ様の側室にでもなればいいわ。そこのヘルメントは私の愛人になりなさい。」
えっと…話が飛躍しすぎだ。
なぜ愛人とか側室の話になるのか…。そもそもアポロ様となんてこちらから願い下げだ。
そう思っていると、隣から大きなため息が聞こえた。
「はぁ…。これだけは言わせてもらおう。アポロ。お前にメーティアをやる気は無い。それにお前もだ。お前みたいな猪女の愛人になるくらいなら、いっそ死んだ方がマシだ。」
「い、い、猪女ってなによ!!」
「本当のことを言っただけだ。それも肥えに肥えた猪女だ。豚の方がまだ可愛い。」
アルマンが衛兵を呼んで戻ってきたのをいい事にオスト様は二人を衛兵に突き出す。
申請の意味もわかっていないし、どうせお金も持っていないとおもう。なんなら金貨なんて持ってたらすぐ使ってしまいそうだ。
「し、し、失礼しちゃうわ!ちょ、ちょっと話しなさいよ。」
衛兵が2人がかりで抑えても抜け出しそうなくらいだ。アポロはそんな中でも自分にしか興味が無いのかずっと自分の顔を見ていた…。
「あ、お2人にこれだけは言っておきます。まだ夢の中のようですが、交換も返品も受け付けませんので。末永くお幸せに。」
2人にそれだけ伝えると衛兵がアポロ様とアーテリアを連れていった。
アーテリア最後まで鼻息荒く足をじたばたさせて居たが…その姿がイノシシが猟師に捕まった時のような姿にそっくりだった。
いくら前髪とかで隠れていたからって、そんなにも婚約者の顔を覚えていないものだろうか。
でも私もアーテリアの婚約者がオスト様だと知らなかった位だから知っていた人は数少ないのかもしれない。
普通だったら王太子に婚約者が出来れば大々的に発表されるのだろうけど、それをしなかったのはきっと意味があったのだろう。
「はぁ…お二人はなぜこちらにいらっしゃるのですか?」
「ここは自由に使っていい場所なんだからいてもいいじゃない。それよりもそちらの彼、とてもかっこいいわね。メーティアの愛人?」
あ、あ、愛人!?なぜ直ぐに恋愛と結びつけるのだろう…この方は、あなたの元婚約者です。
「違います。ヘリーオスト王太子殿下の側近の方ですわ。名前はヘルメントと言います。」
お兄様、申し訳ございません。お名前拝借いたしました…。
「へぇ、あの王太子の側近の方なのね…。」
うっとりした顔でオスト様のことを見ている。
「はじめまして。ヘルメントと申します。申し訳ございませんが、ここは自由に使用出来る場所ではありますが、申請が必要です。それと金貨1枚の使用料がかかるのですが、支払われていますか?」
オスト様も私の話に乗ってくれるようで少し声色を変えながら2人に話しかけた。
「それならアポロ様が…ねぇ?アポロ様?」
アポロ様に話掛けながらも、顔はずっとオスト様を見ている。
まるで獲物を見つけた猪のようだ…。
そのお方はあなたが交換したいと仰ったヘリーオスト王太子殿下ですよ…。
「アポロ様。お久しぶりですね。それで申請は…?」
「メーティア。君はいつ見ても美しいね…やはり僕の隣には君のような…「そういったお話は結構ですので!」」
アポロ様は以前自分が言ったことを忘れたのだろうか。アーテリアのような人が好きだと、人のことを阿婆擦れだなんだと罵っていたのを私は忘れない。
ちなみに今のアーテリアの目の方がよっぽど阿婆擦れだと思うけれど。
「アポロ様、それで申請はされてるんですか?」
「申請…?なんだいそれは…。王族にそんなこと必要ないだろう?」
…。
……。
………。
「王族…?」
「あぁ、そうだ!近々国王が僕に変わると父上が言っていた。あ、これは内緒だったんだ。ま、まぁ兎に角、僕達がここにいたって何もおかしくないだろ?なぁアーテリア。」
「そうですわ。私のパパも言っていたもの。もうすぐ私が王妃になるって。だからメーティアも私の言うことは聞いておいた方がいいわよ。」
オスト様は2人の話をきいて拳を強く握りしめた。
国王が変わるということは、暗殺でも企んでいるのか。何をしようとしているのか…。
元々この国は保守派と改革派に分かれてはいたけど、影で保守派の人たちが改革派の人達のことを悪くいう程度で、そこまで目立った動きはしてこなかった。
ダルデンヌ公爵はどちらに着いているという訳ではなかったが…おそらく持ち上げられたのかもしれない。
そしてこの保守派を取り仕切っているのは誰だったか…
ただこのふたりの話を聞く限り、アーテリアの父親も入っているのだろう。
「そうなんですか…ですがまだ王族では無いですよね?いつ頃王族になるご予定なんですか?」
「んーっといつだっけ?アポロ様覚えてる?」
「いつだったかな。確か春だったか…夏だったか…そのくらいだったはずだ。」
もう少し情報を引き出したいのに本当にこの2人は自分たち以外に興味が無い…。
「もういいじゃない。この国の王族は皆いなくなるのだから。メーティアもあの王太子なんか辞めちゃいなさいな。そしてアポロ様の側室にでもなればいいわ。そこのヘルメントは私の愛人になりなさい。」
えっと…話が飛躍しすぎだ。
なぜ愛人とか側室の話になるのか…。そもそもアポロ様となんてこちらから願い下げだ。
そう思っていると、隣から大きなため息が聞こえた。
「はぁ…。これだけは言わせてもらおう。アポロ。お前にメーティアをやる気は無い。それにお前もだ。お前みたいな猪女の愛人になるくらいなら、いっそ死んだ方がマシだ。」
「い、い、猪女ってなによ!!」
「本当のことを言っただけだ。それも肥えに肥えた猪女だ。豚の方がまだ可愛い。」
アルマンが衛兵を呼んで戻ってきたのをいい事にオスト様は二人を衛兵に突き出す。
申請の意味もわかっていないし、どうせお金も持っていないとおもう。なんなら金貨なんて持ってたらすぐ使ってしまいそうだ。
「し、し、失礼しちゃうわ!ちょ、ちょっと話しなさいよ。」
衛兵が2人がかりで抑えても抜け出しそうなくらいだ。アポロはそんな中でも自分にしか興味が無いのかずっと自分の顔を見ていた…。
「あ、お2人にこれだけは言っておきます。まだ夢の中のようですが、交換も返品も受け付けませんので。末永くお幸せに。」
2人にそれだけ伝えると衛兵がアポロ様とアーテリアを連れていった。
アーテリア最後まで鼻息荒く足をじたばたさせて居たが…その姿がイノシシが猟師に捕まった時のような姿にそっくりだった。
1,387
あなたにおすすめの小説
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。
猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。
ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。
しかし、一年前。同じ場所での結婚式では――
見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。
「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」
確かに愛のない政略結婚だったけれど。
――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。
「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」
仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。
シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕!
――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。
※「小説家になろう」にも掲載。(異世界恋愛33位)
※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。
【完結】離縁したいのなら、もっと穏便な方法もありましたのに。では、徹底的にやらせて頂きますね
との
恋愛
離婚したいのですか? 喜んでお受けします。
でも、本当に大丈夫なんでしょうか?
伯爵様・・自滅の道を行ってません?
まあ、徹底的にやらせて頂くだけですが。
収納スキル持ちの主人公と、錬金術師と異名をとる父親が爆走します。
(父さんの今の顔を見たらフリーカンパニーの団長も怯えるわ。ちっちゃい頃の私だったら確実に泣いてる)
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
32話、完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
【完結】婿入り予定の婚約者は恋人と結婚したいらしい 〜そのひと爵位継げなくなるけどそんなに欲しいなら譲ります〜
早奈恵
恋愛
【完結】ざまぁ展開あります⚫︎幼なじみで婚約者のデニスが恋人を作り、破談となってしまう。困ったステファニーは急遽婿探しをする事になる。⚫︎新しい相手と婚約発表直前『やっぱりステファニーと結婚する』とデニスが言い出した。⚫︎辺境伯になるにはステファニーと結婚が必要と気が付いたデニスと辺境伯夫人になりたかった恋人ブリトニーを前に、ステファニーは新しい婚約者ブラッドリーと共に対抗する。⚫︎デニスの恋人ブリトニーが不公平だと言い、デニスにもチャンスをくれと縋り出す。⚫︎そしてデニスとブラッドが言い合いになり、決闘することに……。
婚約破棄のその後に
ゆーぞー
恋愛
「ライラ、婚約は破棄させてもらおう」
来月結婚するはずだった婚約者のレナード・アイザックス様に王宮の夜会で言われてしまった。しかもレナード様の隣には侯爵家のご令嬢メリア・リオンヌ様。
「あなた程度の人が彼と結婚できると本気で考えていたの?」
一方的に言われ混乱している最中、王妃様が現れて。
見たことも聞いたこともない人と結婚することになってしまった。
婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません
黒木 楓
恋愛
子爵令嬢パトリシアは、カルスに婚約破棄を言い渡されていた。
激務だった私は婚約破棄になったことに内心喜びながら、家に帰っていた。
婚約破棄はカルスとカルスの家族だけで決めたらしく、他の人は何も知らない。
婚約破棄したことを報告すると大騒ぎになり、私の協力によって領地が繁栄していたことをカルスは知る。
翌日――カルスは謝罪して再び婚約して欲しいと頼み込んでくるけど、婚約する気はありません。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる