39 / 51
建国祭
何かをするなら計画的に。 ヘルメント視点。
しおりを挟む
「ロキ!早くしないと騎士団が来てしまうから急ぎなさい!」
「承知いたしました。奥様」
少し離れたところで僕のことを見続けるいメルティとオスト。
折角のメルティの晴れ舞台。ドレス姿は見れないかと思っていたが、見れてよかった。まぁ、こんな反乱じみたことがなかったらさらに良かったのだが…
取りあえずガイア王妃と国王陛下のことは僕が連れて行くから安心してほしいと目で合図を送ると二人ともわかったようで何もせず行動の一部始終を見ていた。
ガイア王妃もどうやら僕がヘルメントだと気づいたようだ。
小さく息を吐き出して気持ちを落ち着けている。僕は2人に目配せをしたあとその場を後にした。
「行くわよ!ロキ!」
「奥様には、地下牢なんて行かせられません。場所は何となくわかりますし、ここは僕に任せてください。」
それでなくてもドスドスと足音を鳴らしながら歩くのだ。誰が来たかすぐにわかってしまうし、あれだけ動きが鈍いと捕まるのも時間の問題だろう。
「そ、そう?分かったわ。私は先にエリス達のところへ戻って居るからあなたはあとから来てちょうだい。わかった?必ずよ!!」
本当になんでこんなに気に入られているのか…僕は一言返事をしてからガイア王妃と国王陛下を連れて歩き始めた。
先程の部屋から少し離れたところで、二人に声をかける。
「ガイア王妃、ウラヌス国王陛下。大丈夫ですか…?」
「あぁ…助かった、ヘルメント。撃たれると分かっていても痛いものだな…」
「撃たれると…わかっていた…ですって…?」
この話は僕と父上、あとウラヌス国王陛下、オルフェウスお祖父様、オリオンお祖父様しか知らない。
女性陣に下手に教えてこの計画に巻き込むわけにはいかなかったし、どこから情報が洩れるかわからないからだ。
じゃあニケ兄上や、オストへはなぜ教えなかったのか…
ニケ兄上は単純に顔に出るためである。こういった極秘任務は似合わないし、真正面から戦いを挑んでしまうような脳が筋肉でできているようなそんな男だからである。
そのお陰かやたらと男性人気が高いのはここだけの話だ。
オストへは教えてもよかったのだが、ウラヌス国王陛下から教えるなという命令が下ったからだ。まぁ先ほどあったことで何かしら気づいているとは思うが…
国王陛下的には建国祭に集中してもらいたかったのだろう。
「す、すまない…ガイアよ…これには訳があってだな…」
「へぇ…そう…ではその言い訳はあとでゆっくり聞いて差し上げますわ。それでヘルメントこの後私たちはどうしたらいいのかしら。」
陛下が助けを乞うような目で見てきたが、敢えて見えないフリをしてガイア王妃を見る。
陛下…申し訳ございません。…女性を怒らせると怖いのです。
ご武運を祈っております…。
「この後ですが、ヘシオネリア様言ったとおりにしていただきます。できればまだこの計画を続けさせて、反乱軍を一網打尽にしたいのです。」
「なるほどね…わかったわ。その話に乗りましょう!」
2人を地下牢に案内すると、そこにはすでにオリオンお祖父様がいらしていた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
数日前…
ヘシオネリアのお使いと称して少し外を出ているとき、僕はオルフェウスお祖父様とお会いした。
なんでも僕のことを探していたようだ。
カフェなどに入って話を聞きたいところだったが、潜入中の身。そして敵陣にいるのは自分だ。
オルフェウスお祖父様も分かっているのか少し間を明けてついてくる。
少し路地裏に入ると人がいないのを見計らってお祖父さまが出てきた。
「ヘルよ。あまり時間がない。何かわかったか。」
エリス・ジュアン。アーテリアの母親がダルデンヌ公爵家を訪ねてきたこと。ヘシオネリアとエリスは旧知の中だということを簡潔に伝える。
「建国祭で保守派が何かをしようとしています。恐らく国王暗殺でも企てているのではないかと…」
「わかった。ジュアン国では保守組が集まっておる。恐らく何かしら起こす気だろうな。もし国王暗殺を考えているのだとすれば初日だろう。」
「しかし、エリスは最終日だと…」
確かに最終日だといっていたのを思い出しオルフェウスお祖父様に伝える。
「あ奴は昔から頭が回る。特に悪い方にだがな…それで泣いてきた人たちをたくさん見てきた。もしかしたらお前がコルベール家の子息だと気づいているかもしれん。」
考えないようにはしていたが…あの時話耳元で話してきたことは僕をコルベール家の息子だと気づいているように見えた。それに頭が回るというのも何となくわかる。あの時の笑顔はとても薄気味悪かったくらいだ。
「わ、わかりました…とりあえずヘシオネリアについております。あとは頼みました。」
「任せておれ。現役を退いたといってもまだまだ若造には負けんよ。取りあえず計画内容は追って伝える。」
それだけ言うと深くフードを被ってオルフェウスお祖父様は人込みへ消えていった。
最終日の計画が嘘だとしたら、恐らく初日だろう。初日であれば民衆の前に国王陛下が顔を出すし、ピストルの音で発砲音も消える。そのあとのことは何も考えていなさそうだが…
オルフェウスお祖父様がいなくなったのを見計らって僕も人込みの中にまぎれた。
「承知いたしました。奥様」
少し離れたところで僕のことを見続けるいメルティとオスト。
折角のメルティの晴れ舞台。ドレス姿は見れないかと思っていたが、見れてよかった。まぁ、こんな反乱じみたことがなかったらさらに良かったのだが…
取りあえずガイア王妃と国王陛下のことは僕が連れて行くから安心してほしいと目で合図を送ると二人ともわかったようで何もせず行動の一部始終を見ていた。
ガイア王妃もどうやら僕がヘルメントだと気づいたようだ。
小さく息を吐き出して気持ちを落ち着けている。僕は2人に目配せをしたあとその場を後にした。
「行くわよ!ロキ!」
「奥様には、地下牢なんて行かせられません。場所は何となくわかりますし、ここは僕に任せてください。」
それでなくてもドスドスと足音を鳴らしながら歩くのだ。誰が来たかすぐにわかってしまうし、あれだけ動きが鈍いと捕まるのも時間の問題だろう。
「そ、そう?分かったわ。私は先にエリス達のところへ戻って居るからあなたはあとから来てちょうだい。わかった?必ずよ!!」
本当になんでこんなに気に入られているのか…僕は一言返事をしてからガイア王妃と国王陛下を連れて歩き始めた。
先程の部屋から少し離れたところで、二人に声をかける。
「ガイア王妃、ウラヌス国王陛下。大丈夫ですか…?」
「あぁ…助かった、ヘルメント。撃たれると分かっていても痛いものだな…」
「撃たれると…わかっていた…ですって…?」
この話は僕と父上、あとウラヌス国王陛下、オルフェウスお祖父様、オリオンお祖父様しか知らない。
女性陣に下手に教えてこの計画に巻き込むわけにはいかなかったし、どこから情報が洩れるかわからないからだ。
じゃあニケ兄上や、オストへはなぜ教えなかったのか…
ニケ兄上は単純に顔に出るためである。こういった極秘任務は似合わないし、真正面から戦いを挑んでしまうような脳が筋肉でできているようなそんな男だからである。
そのお陰かやたらと男性人気が高いのはここだけの話だ。
オストへは教えてもよかったのだが、ウラヌス国王陛下から教えるなという命令が下ったからだ。まぁ先ほどあったことで何かしら気づいているとは思うが…
国王陛下的には建国祭に集中してもらいたかったのだろう。
「す、すまない…ガイアよ…これには訳があってだな…」
「へぇ…そう…ではその言い訳はあとでゆっくり聞いて差し上げますわ。それでヘルメントこの後私たちはどうしたらいいのかしら。」
陛下が助けを乞うような目で見てきたが、敢えて見えないフリをしてガイア王妃を見る。
陛下…申し訳ございません。…女性を怒らせると怖いのです。
ご武運を祈っております…。
「この後ですが、ヘシオネリア様言ったとおりにしていただきます。できればまだこの計画を続けさせて、反乱軍を一網打尽にしたいのです。」
「なるほどね…わかったわ。その話に乗りましょう!」
2人を地下牢に案内すると、そこにはすでにオリオンお祖父様がいらしていた。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
数日前…
ヘシオネリアのお使いと称して少し外を出ているとき、僕はオルフェウスお祖父様とお会いした。
なんでも僕のことを探していたようだ。
カフェなどに入って話を聞きたいところだったが、潜入中の身。そして敵陣にいるのは自分だ。
オルフェウスお祖父様も分かっているのか少し間を明けてついてくる。
少し路地裏に入ると人がいないのを見計らってお祖父さまが出てきた。
「ヘルよ。あまり時間がない。何かわかったか。」
エリス・ジュアン。アーテリアの母親がダルデンヌ公爵家を訪ねてきたこと。ヘシオネリアとエリスは旧知の中だということを簡潔に伝える。
「建国祭で保守派が何かをしようとしています。恐らく国王暗殺でも企てているのではないかと…」
「わかった。ジュアン国では保守組が集まっておる。恐らく何かしら起こす気だろうな。もし国王暗殺を考えているのだとすれば初日だろう。」
「しかし、エリスは最終日だと…」
確かに最終日だといっていたのを思い出しオルフェウスお祖父様に伝える。
「あ奴は昔から頭が回る。特に悪い方にだがな…それで泣いてきた人たちをたくさん見てきた。もしかしたらお前がコルベール家の子息だと気づいているかもしれん。」
考えないようにはしていたが…あの時話耳元で話してきたことは僕をコルベール家の息子だと気づいているように見えた。それに頭が回るというのも何となくわかる。あの時の笑顔はとても薄気味悪かったくらいだ。
「わ、わかりました…とりあえずヘシオネリアについております。あとは頼みました。」
「任せておれ。現役を退いたといってもまだまだ若造には負けんよ。取りあえず計画内容は追って伝える。」
それだけ言うと深くフードを被ってオルフェウスお祖父様は人込みへ消えていった。
最終日の計画が嘘だとしたら、恐らく初日だろう。初日であれば民衆の前に国王陛下が顔を出すし、ピストルの音で発砲音も消える。そのあとのことは何も考えていなさそうだが…
オルフェウスお祖父様がいなくなったのを見計らって僕も人込みの中にまぎれた。
1,038
あなたにおすすめの小説
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。
猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。
ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。
しかし、一年前。同じ場所での結婚式では――
見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。
「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」
確かに愛のない政略結婚だったけれど。
――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。
「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」
仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。
シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕!
――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。
※「小説家になろう」にも掲載。(異世界恋愛33位)
※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。
【完結】離縁したいのなら、もっと穏便な方法もありましたのに。では、徹底的にやらせて頂きますね
との
恋愛
離婚したいのですか? 喜んでお受けします。
でも、本当に大丈夫なんでしょうか?
伯爵様・・自滅の道を行ってません?
まあ、徹底的にやらせて頂くだけですが。
収納スキル持ちの主人公と、錬金術師と異名をとる父親が爆走します。
(父さんの今の顔を見たらフリーカンパニーの団長も怯えるわ。ちっちゃい頃の私だったら確実に泣いてる)
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
32話、完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
【完結】婿入り予定の婚約者は恋人と結婚したいらしい 〜そのひと爵位継げなくなるけどそんなに欲しいなら譲ります〜
早奈恵
恋愛
【完結】ざまぁ展開あります⚫︎幼なじみで婚約者のデニスが恋人を作り、破談となってしまう。困ったステファニーは急遽婿探しをする事になる。⚫︎新しい相手と婚約発表直前『やっぱりステファニーと結婚する』とデニスが言い出した。⚫︎辺境伯になるにはステファニーと結婚が必要と気が付いたデニスと辺境伯夫人になりたかった恋人ブリトニーを前に、ステファニーは新しい婚約者ブラッドリーと共に対抗する。⚫︎デニスの恋人ブリトニーが不公平だと言い、デニスにもチャンスをくれと縋り出す。⚫︎そしてデニスとブラッドが言い合いになり、決闘することに……。
婚約破棄のその後に
ゆーぞー
恋愛
「ライラ、婚約は破棄させてもらおう」
来月結婚するはずだった婚約者のレナード・アイザックス様に王宮の夜会で言われてしまった。しかもレナード様の隣には侯爵家のご令嬢メリア・リオンヌ様。
「あなた程度の人が彼と結婚できると本気で考えていたの?」
一方的に言われ混乱している最中、王妃様が現れて。
見たことも聞いたこともない人と結婚することになってしまった。
婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません
黒木 楓
恋愛
子爵令嬢パトリシアは、カルスに婚約破棄を言い渡されていた。
激務だった私は婚約破棄になったことに内心喜びながら、家に帰っていた。
婚約破棄はカルスとカルスの家族だけで決めたらしく、他の人は何も知らない。
婚約破棄したことを報告すると大騒ぎになり、私の協力によって領地が繁栄していたことをカルスは知る。
翌日――カルスは謝罪して再び婚約して欲しいと頼み込んでくるけど、婚約する気はありません。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる