婚約者を交換ですか?いいですよ。ただし返品はできませんので悪しからず…

ゆずこしょう

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建国祭

ニケオスお兄様はアテナ様に頭が上がらないようです。

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アテナお義姉様のおかげで何とか謁見の間を出ることができた。

「アテナ、ヘスティア…それにデメーテルまで…皆大丈夫だったか?」

ニケお兄様が私たちを見かけると急いで駆け寄ってくる。


「アテナお義姉様がいらっしゃってくださったので大丈夫でしたわ!それよりも他の方たちを…私たちはそこまで空気を吸っていないですが、他のご令嬢は結構煙を吸っているかと思います…」

私は中で起きていたことを伝える。ピンク色の煙が立ち込めていて、その煙の近くにいた人ほど意識がもうろうとしていたこと。中にはアポロの言いなりになっている女性もいた…その中に貴族令嬢はいなかったので貞操は守れたかと思うのだが…

ニケお兄様が騎士団を連れてきたのか、騎士団の方々が外に出てきたご令嬢を介抱している。

「デメーテルお姉様もどうか、休んでくださいませ…」

バネッサが淹れてくれたお茶を渡す。アルマン様も先ほどまでいたが、私が無事だと分かったのと、騎士団が来てくれたので一度オスト様のところに戻っている。


「ありがとうございます。アテナお義姉様、メーティア…」
デメーテルお義姉様をソファに座らせると、気が緩んだのかスゥースゥーと寝息が聞こえてきた。恐らく私がいたので1時間から2時間くらいだ。デメーテルお義姉様は私より早くにいたからもっと長くいたのだろう…よく正気を保てたものだ…

「それで、アテナお義姉様…あの煙はいったい…」
ニケお兄様も気になったのか私たちの話を聞いている。

「あぁ…あれは恐らく…幻覚と媚薬効果のあるものだったのだろうな…この国では禁止されている類のものだ。幻覚作用が出るものはこの国で禁止されているからな…」


知らぬ間にここまでクズに成り下がっていたのかと思うと元婚約者ながら恥ずかしいものである…
もう少し中に長く入れればよかったが、慣れていないものからすると苦痛でしかなかった。

きっとまだ中にいる人たちはアポロの遊び相手や娼婦たちなのだろう…。


「それよりもアポロはウラヌス国王陛下が死んだとほざいておったぞ。ニケそのあたりを詳しく教えろ…」

ぱっと見は怒っているように見えるが、すこしだけわくわくしてしまっているんだろうな…
何しろアテナお義姉様だ。戦に強く、頭もいい。よく、逆境こそ楽しまないと損だといっているくらいである。

「アテナ。あまりそのことは大きな声で話さないでくれ。」


「あ?なんだ?」


「だからもう少し声のトーンをだな…」
いつも堂々とした態度でいるお兄様からは考えられないほどアテナお義姉様にタジタジだ…。

「あぁ、声のトーンを上げろってことか?すまん聞こえにくかったか…?」

アテナお義姉様の話を聞いて思わず「「ちがう!」」と突っ込んだら、ニケお兄様と声がかぶった。

「アテナお義姉様…周りの方々が何事かとこちらを見ています。アテナお義姉様の声がとても素敵なのは知っていますが、もう少し声のボリュームを下げてくださいませ。」

騎士団にいるからかアテナお義姉様の声は良くも悪くもよく通る。
私の話した内容を瞬時に理解してくれたのか、静かになったのでニケお兄様が話し始めた。


「やはり…国王は健在であったか…アレウス騎士団長、義母上も元気と聞いて安心した。で、お前たちはこれからどうするんだ?」

この口ぶりからするにアテナお義姉様もついてきてくれるようだ。ただ、デメーテルお義姉様がまだ眠っている今この場を離れるわけにはいかない…どうしたらいいかかんがえていると、バネッサが声をかけてきた。

「私がデメーテルお嬢様の近くにおりますのでご安心くださいませ。メーティアお嬢様は先ほどのことを国王様に…あとできればアルマン様とヘリーオスト王太子殿下と合流してくださいませ。」

「ありがとう。バネッサ。デメーテルお義姉様が起きたら帰ってもらって構わないから…あとはこちらに任せて頂戴」


デメーテルお義姉様も相当精神的なダメージもありそうだし、目が覚めるまでには時間がかかることだろう。本当であればニケお兄様かアテナお義姉様がついていてくれると安心なのだが…

「お兄様…」

「だめだ…お前のことを守るようにオストから言われている。バネッサだって決して戦えないわけじゃないんだ。俺たち一家が規格外なだけでバネッサは普通に強いから安心していい。」

ニケお兄様の言葉を信じて私たちは国王の元へと戻った。



オルフェウス視点。

ヘラと一緒に町中を歩いていると、かんたんにエリスとダルデンヌ公爵を見つけることができた。

「これだけ探しやすいとなると…つられている可能性も高いな…」

「そうですね…負けるような遠さにいるのに巻きもしないですし…」

まるで私たちについて来いと言っているようなエリスの動きに一瞬迷ってしまう。
本当に何がしたいのだろうか…

そう思っていると二人はホテルの中に入っていく。
「ヘラ…隣の部屋に入るがいいだろうか?」

「えぇ…仕事ですし仕方ありません。それに二人の関係を探るチャンスですし、まだ証拠には不十分すぎます。できればあの二人が前から恋人だったという話などあればいいんですけどね…」


私たちは寄り添いながら二人が入っていったホテルに入った。


耳を壁にくっつけながら隣の話を聞く。

「ヘシオネリアと、アーテリア、アポロがきちんと使えるかわからないのだけど、本当にうまくいくのかしら…」


「大丈夫だろう…ヘシオネリアそう言ったことくらい頭を使ってほしいものだな。あいつと結婚したのだって、仕方がなかったんだ。それに王族だから金も持っているだろうと思っていたんだがな…全然違った。それどころかどんどん風船のように大きくなっていく姿に誰が女として見れるか…」


話を聞いていて確かにその通りだと頷いてしまう。
儂でもさすがにイノシシは飼えん…

それからは2人が恋人となる証拠が声の身だがわんさか出てきた。

これであとは騎士団がどのように犯人を見つけ出してくれるかだろう…
エリスの旦那を全く見ていないが、どこに行ったのか…すごく気になった。





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