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建国祭
決戦前夜。
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各々内密まではいかないが自由に動き回っている間、特に大きな動きはなかった。
3日間、謁見の間はアポロとその仲間たちが出てくることはほとんどなく楽しんでいたようだ。
因みにその間誰かが中に入ったという話は聞いていない。貴族内の噂が回るのは早いので寄ってはいけないと噂を流してくれたのだろう。
デメーテルお義姉様も無事意識が戻り実家に戻ったとバネッサから聞いた。デメーテルお義姉様は最近会えなくなっていた、ヘルメントお兄様を探しに来ていたようだ。
オスト様が仰っていたがアーテリアはアーテリアでお楽しみ中らしい。
庭園で自分好みの男性を集めて花園を作っているそうだ。
今日までアポロとアーテリアが一緒にいるところは一度も見なかったため、お互いに好きあっているというわけではなさそうだ。
皆が国王たちのいる地下牢へと集まる。
「さて明日はいよいよ建国祭最終日だ。本当は楽しもうと思っていたのだがそれどころではなくなってしまったな…」
「周辺諸国の動きはどうなっている?」
「先に根回ししていたのもあって、周辺諸国の貴族たちは今回こちらに来ておりません。恐らくヘシオネリアのことです。来ていないことにすら気づかず、部屋でお楽しみなのではないかと思うのですが…」
オリオンお祖父様が言うには、私が書いた諸国への招待状を送った後にもう一通別で手紙を送っていたそうだ。
招待状の返事は普通に返してほしいということ。色々と国内が荒れてきているため建国祭に来るのは見送ってほしいということを後から手紙で送ったらしい。
「そうか…それなら巻き込まなくて済みそうだな。ヘシオネリアと言えば彼奴は今どこにいるのだ?」
「姫だったころの部屋にいるはずです。ヘルメントがたまに外に向けて手紙を送ってくれていますが、相当精神的に来ているそうでした。」
アレウスお父様が手紙を受け取っているようだが、ヘルお兄様を自分の代わりにして自分は好き勝手動いている。普段優しい人が怒ると怖いというが…そろそろヘルお兄様のストレスも限界にきていることだろう。
お兄様のことだ、「何故父上の代わりでここに居なくてはならない…父上に会ったらこの鬱憤を晴らしてやる」くらいに思っていそうだ。
あとは、ネレウス・ジュアンの行方だが…実はまだわかっていない。どうやら王都に来ているようではあるが見かけていない状態だ。そして、エリス、プロメティオスが一緒にいることは分かっている。
皆で今まで見てきたことの話をまとめていると、地下牢の扉が開いた音が聞こえる。
ここを知っているのはほとんどいないはずだが…
「ニケ。アテナ。聞こえたな。」
「「はい!団長!」」
父上が険しい顔をしたので私たちにも緊張感が走る。
扉を開く前に何回かノックの音が聞こえるので、それなりのマナーがある人に思えるけれど。
ここにいないのはヘルお兄様くらいで他はそろっているし、ヘルお兄様だったらもう少し考えて行動しそうだ。
「誰だ…」
扉の外に向かってアレウスが声をかける。
「ネレウスだ…急に来てしまってすまない。話が合ってきた。」
そう、外にいたのはいくら探しても見つからなかったネレウス・ジュアン侯爵だったのである。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
オリオン視点
「今まで顔を出さなかったが…どこで何をしておった。」
「今回の計画を止めるために動いていたんだ…。」
この数ヶ月ネレウスを探ったが、全くと言っていいほど何も出てこなかった。ジュアン侯爵家は昔から優しすぎる人が多い。
良い言い方をすれば慈悲深いというのか…人を騙すくらいなら自分達が騙された方が良い。そんな人達ばかりだった。ネレウスの父親もそうだ…。
まぁ、アーテリアはその血を全く受け継いで居ないようだが…。
「ネレウスよ。今までのことを含めて話せ。」
「アーテリアが、婚約者を交換したいと言い出す前から保守派の動きが過激になっていたんだ…」
エリスがコソコソ動いているのも知っていたが、そこまで全貌があきらかになっていなかった。
誰かに相談しようにも、自分家族が関わっているし、出来れば穏便にすませらるのが1番かと思っていたらしい。
「そんな時、アーテリアが婚約者を交換したいと言い出した。しかも相手はアポロだ。これはチャンスかもしれないと思ったんだ。自分で言うのもなんだが…あの子はワガママに育ちすぎてしまったよ。」
ワガママで片付けていいものかは分からんのだがのぉ…。
「本当に昔からお前は変わらないな。」
「そうだな。エリスと結婚するのだって辞めておけと言っただろう。どうせアーテリアだってどこの男の子か分からないんだ。」
「ウラヌス、アレウス…。」
2人がネレウスの肩に手をのせた。
なんだか3人だけでわかっているような話をしているが、アーテリアがどこの子か分からないと言うのはどういうことだ!?
周りも何を話しているか分からないという顔をしていた…
アレウスもアレウスで言ってしまったことに気づいたのか、ボソボソと「墓場まで持って行くつもりが…」とか何とか言っている。
「ウラヌス?」
「アレウス?」
王妃とアフロディーナが笑顔で2人に近づきながら、
「隠していることがあるなら話しなさい?」
と二人に言い放った。
この時2人の後ろには大きな般若が見えたという…。
「「はい…すみませんでした…」」
国王とアレウスか小さく丸くなってペコペコと謝る姿は蛇に睨まれた蛙のようだった。
3日間、謁見の間はアポロとその仲間たちが出てくることはほとんどなく楽しんでいたようだ。
因みにその間誰かが中に入ったという話は聞いていない。貴族内の噂が回るのは早いので寄ってはいけないと噂を流してくれたのだろう。
デメーテルお義姉様も無事意識が戻り実家に戻ったとバネッサから聞いた。デメーテルお義姉様は最近会えなくなっていた、ヘルメントお兄様を探しに来ていたようだ。
オスト様が仰っていたがアーテリアはアーテリアでお楽しみ中らしい。
庭園で自分好みの男性を集めて花園を作っているそうだ。
今日までアポロとアーテリアが一緒にいるところは一度も見なかったため、お互いに好きあっているというわけではなさそうだ。
皆が国王たちのいる地下牢へと集まる。
「さて明日はいよいよ建国祭最終日だ。本当は楽しもうと思っていたのだがそれどころではなくなってしまったな…」
「周辺諸国の動きはどうなっている?」
「先に根回ししていたのもあって、周辺諸国の貴族たちは今回こちらに来ておりません。恐らくヘシオネリアのことです。来ていないことにすら気づかず、部屋でお楽しみなのではないかと思うのですが…」
オリオンお祖父様が言うには、私が書いた諸国への招待状を送った後にもう一通別で手紙を送っていたそうだ。
招待状の返事は普通に返してほしいということ。色々と国内が荒れてきているため建国祭に来るのは見送ってほしいということを後から手紙で送ったらしい。
「そうか…それなら巻き込まなくて済みそうだな。ヘシオネリアと言えば彼奴は今どこにいるのだ?」
「姫だったころの部屋にいるはずです。ヘルメントがたまに外に向けて手紙を送ってくれていますが、相当精神的に来ているそうでした。」
アレウスお父様が手紙を受け取っているようだが、ヘルお兄様を自分の代わりにして自分は好き勝手動いている。普段優しい人が怒ると怖いというが…そろそろヘルお兄様のストレスも限界にきていることだろう。
お兄様のことだ、「何故父上の代わりでここに居なくてはならない…父上に会ったらこの鬱憤を晴らしてやる」くらいに思っていそうだ。
あとは、ネレウス・ジュアンの行方だが…実はまだわかっていない。どうやら王都に来ているようではあるが見かけていない状態だ。そして、エリス、プロメティオスが一緒にいることは分かっている。
皆で今まで見てきたことの話をまとめていると、地下牢の扉が開いた音が聞こえる。
ここを知っているのはほとんどいないはずだが…
「ニケ。アテナ。聞こえたな。」
「「はい!団長!」」
父上が険しい顔をしたので私たちにも緊張感が走る。
扉を開く前に何回かノックの音が聞こえるので、それなりのマナーがある人に思えるけれど。
ここにいないのはヘルお兄様くらいで他はそろっているし、ヘルお兄様だったらもう少し考えて行動しそうだ。
「誰だ…」
扉の外に向かってアレウスが声をかける。
「ネレウスだ…急に来てしまってすまない。話が合ってきた。」
そう、外にいたのはいくら探しても見つからなかったネレウス・ジュアン侯爵だったのである。
⟡.·*.··············································⟡.·*.
オリオン視点
「今まで顔を出さなかったが…どこで何をしておった。」
「今回の計画を止めるために動いていたんだ…。」
この数ヶ月ネレウスを探ったが、全くと言っていいほど何も出てこなかった。ジュアン侯爵家は昔から優しすぎる人が多い。
良い言い方をすれば慈悲深いというのか…人を騙すくらいなら自分達が騙された方が良い。そんな人達ばかりだった。ネレウスの父親もそうだ…。
まぁ、アーテリアはその血を全く受け継いで居ないようだが…。
「ネレウスよ。今までのことを含めて話せ。」
「アーテリアが、婚約者を交換したいと言い出す前から保守派の動きが過激になっていたんだ…」
エリスがコソコソ動いているのも知っていたが、そこまで全貌があきらかになっていなかった。
誰かに相談しようにも、自分家族が関わっているし、出来れば穏便にすませらるのが1番かと思っていたらしい。
「そんな時、アーテリアが婚約者を交換したいと言い出した。しかも相手はアポロだ。これはチャンスかもしれないと思ったんだ。自分で言うのもなんだが…あの子はワガママに育ちすぎてしまったよ。」
ワガママで片付けていいものかは分からんのだがのぉ…。
「本当に昔からお前は変わらないな。」
「そうだな。エリスと結婚するのだって辞めておけと言っただろう。どうせアーテリアだってどこの男の子か分からないんだ。」
「ウラヌス、アレウス…。」
2人がネレウスの肩に手をのせた。
なんだか3人だけでわかっているような話をしているが、アーテリアがどこの子か分からないと言うのはどういうことだ!?
周りも何を話しているか分からないという顔をしていた…
アレウスもアレウスで言ってしまったことに気づいたのか、ボソボソと「墓場まで持って行くつもりが…」とか何とか言っている。
「ウラヌス?」
「アレウス?」
王妃とアフロディーナが笑顔で2人に近づきながら、
「隠していることがあるなら話しなさい?」
と二人に言い放った。
この時2人の後ろには大きな般若が見えたという…。
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追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
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