47 / 51
建国祭
ネレウス・ジュアン。
しおりを挟む
「すまんな…話の途中で遮ってしまって…」
オリオンお祖父様がネレウス様に話しかけると首を横に振った。
「2人に頼んで話さないようにしていたのは私なのです。こちらこそ申し訳ない…」
お父様と国王陛下は首を横に振っている。お母さまたちが目を光らせているからか、色々語ろうとはせずただ座っているだけだ。
「さて、本題に戻ろうか…」
「そうですね…昔からエリスとヘシオネリア様はつながっていたんですが…そのあたりはご存知でしたでしょうか?」
数日前、ヘルお兄様が話していたことを思い出しこくりと頷く。
「結婚してからはあの二人が会っていることはなかったようなのですが…交換の話が出る前からまた二人で会いだしたのです…。しかし大きな動きはなかったので友人と会っているくらいなものかと然程気にしておりませんでした。」
エリス様とネレウス様が結婚したころは仲がよかったそうだが、ここ数年で話すこともほとんどなくなっていたそうだ。家にいてもほとんど会うことがなく、エリスはエリスで帰ってきてもすぐ出かけてしまう…なんていう状態が続いていたらしい。
「少し様子がおかしいなと思ったのは、つけているアクセサリーなどが高価なものになり始めたころだったと思います。私があげたプレゼントでもない。正直言ってエリスとアーテリアがいてはいくらお金を稼いでも家系は火の車でした。」
新しいドレスや、お菓子、宝石などを欲しがるアーテリアとエリス。使うばかりで稼ぐ手立てを考えるでもなし。確かにあの二人がいればすぐにお金が無くなるだろう…
「ただエリスに色々聞くとヒステリックを起こすので、敢えて聞かずに独自で調べることにしました。そしたら…」
「ダルデンヌ公爵とつながっていた…と?」
「えぇ…二人は恐らく恋仲なのだと思います。高価そうなドレスや宝石をエリスに与えていました。」
それを知ったとき、「やっぱりな」と思う程度で怒りなども特に沸かなかったそうだ。
「そこから、調べていくうちに今まで動きがなかった保守派のメンバーと外で会っている姿をたびたび目撃するようになりました。そんなときに、ちょうどいい話が出たんです。」
「婚約者交換ですか?」
思わず私は声を出してしまった。
「…その通りだよ。メーティア嬢。君には嫌な思いをたくさんさせてしまった。本当に申し訳ない…」
今までジュアン侯爵にお会いする機会があまりなかったので知らなかったが、物腰が柔らかくとてもやさしい方だということがわかる。お父様たちと親友だったと聞いて何となくわかる気がした。
「元々、アーテリアに王妃なんて務まらないのは分かっていたからね。まぁ相手がアポロと聞いたときはどうしようと思ったが…チャンスだと思うことにしたんだ。」
アーテリアとアポロなら動かしやすいということ。ヘシオネリアはアレウスのことしか頭にないので恐らく計画を立てても失敗するということは分かっていたらしい。
あとはどうやって国王たちに話を伝えるかだが、エリスやアーテリアが家にいないことが幸いした。
自分も自由に動きやすかったのだそうだ。
色々ジュアン侯爵が話したことをきいてお母さまが口を開いた。
「ここまで聞いていると…私たちは手のひらで転がされていた…という風に思わなくもないんだけれど…ねぇ?アレウス。あなたもしかして…」
「そうね…アフロディーナの言う通りだわ…ウラヌス…あなたも…」
「「知っていたんじゃないの!?」」
2人に詰め寄っていくお母さま方…二人は冷や汗をかきながら笑っていた。
「いやぁ…そのぉ…なっ。アレウス。」
「そうだな…ウラヌス…ハハハ」
「アレウス。知っていてあなた自分の息子をヘシオネリアのところに潜伏させたのね!自分が行きたくないからと言って息子にやらせるなんて…本当に最低だわ!」
確かに大事な息子がヘシオネリアの餌食になっているのだ。それは誰だって怒ると思う。
まぁこの二人のやり取りは見ていて飽きないけど、放っておいて…
「色々ジュアン侯爵のおかげでわかってきたじゃないか。取りあえず、明日の夜会開始直後に父上には登場してもらおう。アポロたちは父上が死んでいると思っているからあわてるはずだ。それにピストルの部品も回収できているんだろう?」
このままだと埒が明かないと感じたオスト様がまとめ始める。
「はい、こちらに…」
どうやら部品はニケお兄様たち騎士団が色々なところに潜り込んで探してくれたらしい。
「税金の増額の書類については恐らくヘルメントが調べ上げていると思うから大丈夫だ。あいつは優秀だからな。失敗するわけがない。あとは今までに貸したお金についても、宝石などを買っていたということがわかったし、すべて返してもらおう。」
ダルデンヌ公爵がエリスにプレゼントしていたのお金は恐らくうちが援助していたお金だ。
こちらがすべて悪いみたいな感じでダルデンヌ公爵はいっていたが、きっとエリスに貢ぐお金が無くなったから焦って慰謝料だなんだと言い出したんだろう。
「オスト様。ついでにあの方々が私に言い放った阿婆擦れ女などの言葉についても慰謝料を取っていただけますか?名誉棄損で…」
オスト様はニヤリと笑って「勿論だ。」といい放った。
迷うことなく言い切ってくれる姿は本当にかっこいい…
こうして長かった会議は終わり明日に向けて休むことになった。
オリオンお祖父様がネレウス様に話しかけると首を横に振った。
「2人に頼んで話さないようにしていたのは私なのです。こちらこそ申し訳ない…」
お父様と国王陛下は首を横に振っている。お母さまたちが目を光らせているからか、色々語ろうとはせずただ座っているだけだ。
「さて、本題に戻ろうか…」
「そうですね…昔からエリスとヘシオネリア様はつながっていたんですが…そのあたりはご存知でしたでしょうか?」
数日前、ヘルお兄様が話していたことを思い出しこくりと頷く。
「結婚してからはあの二人が会っていることはなかったようなのですが…交換の話が出る前からまた二人で会いだしたのです…。しかし大きな動きはなかったので友人と会っているくらいなものかと然程気にしておりませんでした。」
エリス様とネレウス様が結婚したころは仲がよかったそうだが、ここ数年で話すこともほとんどなくなっていたそうだ。家にいてもほとんど会うことがなく、エリスはエリスで帰ってきてもすぐ出かけてしまう…なんていう状態が続いていたらしい。
「少し様子がおかしいなと思ったのは、つけているアクセサリーなどが高価なものになり始めたころだったと思います。私があげたプレゼントでもない。正直言ってエリスとアーテリアがいてはいくらお金を稼いでも家系は火の車でした。」
新しいドレスや、お菓子、宝石などを欲しがるアーテリアとエリス。使うばかりで稼ぐ手立てを考えるでもなし。確かにあの二人がいればすぐにお金が無くなるだろう…
「ただエリスに色々聞くとヒステリックを起こすので、敢えて聞かずに独自で調べることにしました。そしたら…」
「ダルデンヌ公爵とつながっていた…と?」
「えぇ…二人は恐らく恋仲なのだと思います。高価そうなドレスや宝石をエリスに与えていました。」
それを知ったとき、「やっぱりな」と思う程度で怒りなども特に沸かなかったそうだ。
「そこから、調べていくうちに今まで動きがなかった保守派のメンバーと外で会っている姿をたびたび目撃するようになりました。そんなときに、ちょうどいい話が出たんです。」
「婚約者交換ですか?」
思わず私は声を出してしまった。
「…その通りだよ。メーティア嬢。君には嫌な思いをたくさんさせてしまった。本当に申し訳ない…」
今までジュアン侯爵にお会いする機会があまりなかったので知らなかったが、物腰が柔らかくとてもやさしい方だということがわかる。お父様たちと親友だったと聞いて何となくわかる気がした。
「元々、アーテリアに王妃なんて務まらないのは分かっていたからね。まぁ相手がアポロと聞いたときはどうしようと思ったが…チャンスだと思うことにしたんだ。」
アーテリアとアポロなら動かしやすいということ。ヘシオネリアはアレウスのことしか頭にないので恐らく計画を立てても失敗するということは分かっていたらしい。
あとはどうやって国王たちに話を伝えるかだが、エリスやアーテリアが家にいないことが幸いした。
自分も自由に動きやすかったのだそうだ。
色々ジュアン侯爵が話したことをきいてお母さまが口を開いた。
「ここまで聞いていると…私たちは手のひらで転がされていた…という風に思わなくもないんだけれど…ねぇ?アレウス。あなたもしかして…」
「そうね…アフロディーナの言う通りだわ…ウラヌス…あなたも…」
「「知っていたんじゃないの!?」」
2人に詰め寄っていくお母さま方…二人は冷や汗をかきながら笑っていた。
「いやぁ…そのぉ…なっ。アレウス。」
「そうだな…ウラヌス…ハハハ」
「アレウス。知っていてあなた自分の息子をヘシオネリアのところに潜伏させたのね!自分が行きたくないからと言って息子にやらせるなんて…本当に最低だわ!」
確かに大事な息子がヘシオネリアの餌食になっているのだ。それは誰だって怒ると思う。
まぁこの二人のやり取りは見ていて飽きないけど、放っておいて…
「色々ジュアン侯爵のおかげでわかってきたじゃないか。取りあえず、明日の夜会開始直後に父上には登場してもらおう。アポロたちは父上が死んでいると思っているからあわてるはずだ。それにピストルの部品も回収できているんだろう?」
このままだと埒が明かないと感じたオスト様がまとめ始める。
「はい、こちらに…」
どうやら部品はニケお兄様たち騎士団が色々なところに潜り込んで探してくれたらしい。
「税金の増額の書類については恐らくヘルメントが調べ上げていると思うから大丈夫だ。あいつは優秀だからな。失敗するわけがない。あとは今までに貸したお金についても、宝石などを買っていたということがわかったし、すべて返してもらおう。」
ダルデンヌ公爵がエリスにプレゼントしていたのお金は恐らくうちが援助していたお金だ。
こちらがすべて悪いみたいな感じでダルデンヌ公爵はいっていたが、きっとエリスに貢ぐお金が無くなったから焦って慰謝料だなんだと言い出したんだろう。
「オスト様。ついでにあの方々が私に言い放った阿婆擦れ女などの言葉についても慰謝料を取っていただけますか?名誉棄損で…」
オスト様はニヤリと笑って「勿論だ。」といい放った。
迷うことなく言い切ってくれる姿は本当にかっこいい…
こうして長かった会議は終わり明日に向けて休むことになった。
894
あなたにおすすめの小説
婚約者チェンジ? 義理の妹は公爵令嬢の地位もチェンジされました』 ~三日で破談、家ごと褫奪の末路です~
ふわふわ
恋愛
「お姉様の婚約者、私がいただきますわ。だって“公爵令嬢”ですもの」
義理の妹コンキュはそう言って、王太子との婚約を奪いました。
父はそれを容認し、私は静かに受け入れます。
けれど――
公爵令嬢とは“地位”ではなく、“責任”の継承者。
王宮で礼儀も実務も拒み、「未来の王太子妃」を名乗った義妹は、わずか三日で婚約破棄。
さらに王家への不敬と統治能力の欠如が問題視され、父の監督責任が問われます。
そして下されたのは――家ごとの褫奪。
一方で私は、領地を守り、帳簿を整え、静かに家を支え続ける。
欲しがったのは肩書。
継いだのは責任。
正統は叫びません。
ただ、残るだけ。
これは、婚約を奪われた公爵令嬢が
“本当に継がれるべきもの”を証明する物語。
婚約破棄に乗り換え、上等です。私は名前を変えて隣国へ行きますね
ルーシャオ
恋愛
アンカーソン伯爵家令嬢メリッサはテイト公爵家後継のヒューバートから婚約破棄を言い渡される。幼い頃妹ライラをかばってできたあざを指して「失せろ、その顔が治ってから出直してこい」と言い放たれ、挙句にはヒューバートはライラと婚約することに。
失意のメリッサは王立寄宿学校の教師マギニスの言葉に支えられ、一人で生きていくことを決断。エミーと名前を変え、隣国アスタニア帝国に渡って書籍商になる。するとあるとき、ジーベルン子爵アレクシスと出会う。ひょんなことでアレクシスに顔のあざを見られ——。
【完結】婚約破棄に祝砲を。あら、殿下ったらもうご結婚なさるのね? では、祝辞代わりに花嫁ごと吹き飛ばしに伺いますわ。
猫屋敷むぎ
恋愛
王都最古の大聖堂。
ついに幸せいっぱいの結婚式を迎えた、公女リシェル・クレイモア。
しかし、一年前。同じ場所での結婚式では――
見知らぬ女を連れて現れたセドリック王子が、高らかに宣言した。
「俺は――愛を選ぶ! お前との婚約は……破棄だ!」
確かに愛のない政略結婚だったけれど。
――やがて、仮面の執事クラウスと共に踏み込む、想像もできなかった真実。
「お嬢様、祝砲は芝居の終幕でと、相場は決まっております――」
仮面が落ちるとき、空を裂いて祝砲が鳴り響く。
シリアスもラブも笑いもまとめて撃ち抜く、“婚約破棄から始まる、公女と執事の逆転ロマンス劇場”、ここに開幕!
――ミステリ仕立ての愛と逆転の物語です。スッキリ逆転、ハピエン保証。
※「小説家になろう」にも掲載。(異世界恋愛33位)
※ アルファポリス完結恋愛13位。応援ありがとうございます。
【完結】離縁したいのなら、もっと穏便な方法もありましたのに。では、徹底的にやらせて頂きますね
との
恋愛
離婚したいのですか? 喜んでお受けします。
でも、本当に大丈夫なんでしょうか?
伯爵様・・自滅の道を行ってません?
まあ、徹底的にやらせて頂くだけですが。
収納スキル持ちの主人公と、錬金術師と異名をとる父親が爆走します。
(父さんの今の顔を見たらフリーカンパニーの団長も怯えるわ。ちっちゃい頃の私だったら確実に泣いてる)
ーーーーーー
ゆるふわの中世ヨーロッパ、幻の国の設定です。
32話、完結迄予約投稿済みです。
R15は念の為・・
【完結】婿入り予定の婚約者は恋人と結婚したいらしい 〜そのひと爵位継げなくなるけどそんなに欲しいなら譲ります〜
早奈恵
恋愛
【完結】ざまぁ展開あります⚫︎幼なじみで婚約者のデニスが恋人を作り、破談となってしまう。困ったステファニーは急遽婿探しをする事になる。⚫︎新しい相手と婚約発表直前『やっぱりステファニーと結婚する』とデニスが言い出した。⚫︎辺境伯になるにはステファニーと結婚が必要と気が付いたデニスと辺境伯夫人になりたかった恋人ブリトニーを前に、ステファニーは新しい婚約者ブラッドリーと共に対抗する。⚫︎デニスの恋人ブリトニーが不公平だと言い、デニスにもチャンスをくれと縋り出す。⚫︎そしてデニスとブラッドが言い合いになり、決闘することに……。
婚約破棄のその後に
ゆーぞー
恋愛
「ライラ、婚約は破棄させてもらおう」
来月結婚するはずだった婚約者のレナード・アイザックス様に王宮の夜会で言われてしまった。しかもレナード様の隣には侯爵家のご令嬢メリア・リオンヌ様。
「あなた程度の人が彼と結婚できると本気で考えていたの?」
一方的に言われ混乱している最中、王妃様が現れて。
見たことも聞いたこともない人と結婚することになってしまった。
婚約破棄の翌日に謝罪されるも、再び婚約する気はありません
黒木 楓
恋愛
子爵令嬢パトリシアは、カルスに婚約破棄を言い渡されていた。
激務だった私は婚約破棄になったことに内心喜びながら、家に帰っていた。
婚約破棄はカルスとカルスの家族だけで決めたらしく、他の人は何も知らない。
婚約破棄したことを報告すると大騒ぎになり、私の協力によって領地が繁栄していたことをカルスは知る。
翌日――カルスは謝罪して再び婚約して欲しいと頼み込んでくるけど、婚約する気はありません。
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる