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第二章 台風の目
二十
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清洲衆の義統殺害から五日が経った。信友も大膳も何食わぬ顔で城に籠っている。何か事を成そうとする動きはないらしい。
だが、一方の信長も未だ出陣の決意が固まらずにいた。
「なぜ清洲を攻めないのですか」
親衛隊の中でも血気盛んな利家にとっては今回に限って信長が飛び出していかないのが実に不思議だった。
「もしもオレが大膳なら織田信長はすぐに攻め来ると考える。義統の遺児・岩竜丸というこの上ない大義名分を得たオレが猪のように出撃するのは自然なことだからだ。そして、もし、奴らが今川と結んでいるとすれば、そこを狙う……はずだが、」
今川との繋がりは一向に見えてこない。方々に放った乱波がもたらす情報によれば、清洲衆から今川へと連絡しようとしていた節こそ多少ありはしたが、それに応えて今川が動くという気配は露ほどもなかったようだ。信長は、そうだろう、とも思う。清洲衆の都合一つに振り回される今川ではない。それは確かなのだ。
「義元はいずれ必ず尾張に攻めて来る。しかし、それが今日か、明日か、オレにはわからん」
今川義元はこの年、義元の父が定めた今川仮名目録に自ら追加法を制定し、領国に幕府が介入することを否定した。「今川領国はすでに今川家の力で以て治められているのであって、室町幕府の影響下にはない。守護不入と呼ばれる幕府御家人への特権的措置など一切認めない」というのが大意だが、つまり、義元は「自力」で国を治める戦国大名としての自負をはっきりと持ったというわけだ。武力を背景に領国管理を正当化するという思想は、他方、当然に隣国への野心をも肯定する。
それが念頭にあるだけに、信長の義元への警戒は過敏だった。この頃の今川はかつてあれほど争っていた北条との関係も悪くないようで、それどころか婚姻同盟の準備に奔走しているというような噂まである。東が盤石になったなら、いよいよ義元が西、つまりは尾張の侵略に本腰を入れてくる機としてあまりにも予感がある。
『もう一日、もう一日待ち、今川との繋がりが見えなければ、飛び込んでやる』
そう決めて信長は筆をとった。守山城の叔父・信光に援軍を乞おうというのだが、ちょうどその時、
「信長さま」
長秀が小走りでやってきた。跪いて頭を垂れるが、どこか深く目を伏せているように見える。
「どうかしたか」
「……柴田勝家がお目通り願いたいと参っております」
「なに?」
常日頃と勝手の違うことが起こるのは果たして吉兆か、凶兆か、とそんなことを考えながら、しかし信長は不適に「通せ」とだけ言って、筆を置いた。
「お久しゅうございます。最後にお会いしたのは萱津の合戦でしたかな」
現れた大男は、相変わらずの重く腫れぼったい瞼をもたげて、光のない黒目をジロリと信長に向けている。その視線はおよそ主君に向けるような柔和なものではない。この男が居るというだけで、まるでそこは陣中であるかのような緊張に包まれる。
「何の用だ」
「長ったらしい前置きは嫌いでしたか。結構」
勝家は何故だか自分が信勝に言われた言葉を思い出した。『おまえは必要なことしか言わないな』。
「清洲城へ兵を出されるおつもりですかな」
「キサマに止められる筋合いはないぞ」
信長は、勝家が自分を制止するためにきたのだと思った。清洲衆は今でこそ守護を殺害した謀反人だが元を正せば弾正忠家の主筋。向こうから攻め寄せてきたのを押し返したに過ぎない萱津の戦いと、すでに清洲城の一所に押し込められている彼らをこちらから滅ぼしに行こうという今回の戦いとでは、おのずと戦の意味合いが変わってくるところがある。
しかし、
「誤解にござる」
「誤解?」
「某は、お願いにきたのです」
「弟の懐刀が、わざわざオレに何を願うのか。言ってみろ」
勝家は顔を少し上げると信長に向かってきっぱりと言った。
「此度の清洲攻めにあたり、この柴田権六勝家を、何卒、大将にお命じいただきたい」
突然のことに信長も目を丸くした。
「お待ちください、そのようなことは信長さまがお決めになることであり、……」
利家が横やりを入れる。唐突な勝家の願い出が彼の目に大層不気味に映ったからだ。
「某はいま、殿に話している」
しわがれ声でボソリと言う。利家を相手にしない。どころか、一瞥もくれない。あくまで自分が話しているのは信長だ、と重ねて念を押すかのように。利家は思わず続く言葉を失った。口元を覆いつくす髭、微動だにしない岩のような身体、この男が次に何を言うか、何をするか、まったく予測が立てられず、思わず気圧されてしまったのだ。
「どういう風の吹き回しか」
「吹き回しも何もありませぬ。坂井甚助を討ちとったのは、この手です」
裾をまくって腕をズイと突き出して見せる。長い毛とまるで骨のように盛り上がった筋肉が動物のようである。
「信勝に、命じられてきたか」
「いいえ」
「では、キサマは自らの一存で織田信長の軍に加わりにきたというのか」
「はい」
「イヤ、尋問じみたまわりくどい問答は性に合わんな。面倒だ。直截に聞こう」
信長は自らに言い聞かせるように呟いてから、
「キサマらは焦っているのだ。岩竜丸さまが落ち延びて那古野へ来られた。このままオレが清洲衆を討伐してしまってはその功が末森へまわる芽はなくなる。都合が悪かろう」
本心を言ってのけた。兄弟間にある亀裂を体面上にさえ隠し立てする気がない。
『口の軽い男だ』
勝家はそんなことを思いながらちょっと黙っていたが、やがて信長の率直さに合わせてやるとでも言うように、スンと深呼吸をしてから、言った。
「はい」
「居直ったな。見上げた忠義者だ、キサマは」
小癪な欺瞞を口先で暴くのは信長の得意技だが、居直られるというのは苦手だった。腹の据わった男というのは、口八丁の類で追い返すのが困難だ。さて、どうしたものか、と信長が窮していると、それを知ってか知らずか追い打ちをかけるように、勝家が続けざまに口を開いた。
「ここに来る前、守山城の信光さまに会ってきました。ここに文を預かっております」
勝家は利家ににそれを取りに来るよう目配せした。利家はむかっ腹が立つのを抑えながらそれをひっ獲ると丁重に信長へ手渡す。
「なるほど。『私の代わりに柴田勢を使ってやれ』と書いてあるな。それも丁寧に「尾三国境には自分が目を光らせておくので、」などと、オレの危惧を先回りして、だ。これもキサマが書かせたか」
「いいえ。某は、自らを大将として殿に推挙いただけるよう、お願いしたまでのこと」
「そうか。叔父上は何か言っていたか」
「『萱津では十分たのしんだが、もはや清洲衆の相手などは悼ましいだけだ』と笑っておられました」
「アハハ。言いそうだ」
笑ったが、その実、勝家と対面する中で信長が最も表情を失くしたのは、――と言ってもそれは傍らの長秀がわずかに気付いたかどうかという程度であるが――この瞬間だった。
『織田信光、オレが勝ちすぎぬよう差配しているのではあるまいね。この分では、勝家を総大将にしようという案の発起人さえコイツなのじゃないか。そういうこともあり得えるように思えてくる』
信長はふっと息をついた。やれやれ、一筋縄ではいかない身内をたくさん抱えたものだ、とばかりに頭をぽりぽりかいてから、そして、何か良いことを思いついたというように「うん、うん」と一人相槌を打った。
「よかろう。柴田勝家、貴様に清洲攻めを命じよう。明日だ」
「ありがたき幸せ」
利家が何か反発の声をあげたが信長は全く意に介さない。
「が、差し当たって条件が二つある」
「条件?」
ピクリと、勝家の眉が動いた。この日初めてこの男の表情に翳りのようなものが差した。にわかに攻守が入れ替わるかったかのようだ。
「一つめは、キサマの軍勢に亡き武衛さまの配下を加えること。彼らにとってはこれは主の弔い合戦だ。清洲衆討伐の軍にこれを含めぬわけにはいかない」
「承知」
「そして、二つめだ、これが重要だ。オイ、利家、槍を、何でも良い、槍を一本持ってこい」
勝家の嘆願が聞き入れられたことに未だ納得がいかずに不貞腐れていた利家は、上の空で信長の命令を聞き漏らして呆けていた。信長が重ねて「槍だ!」と声を張るとようやく気がついて、てんてこ舞い、足をもつれさせながら「すぐにっ」と言って駆け行き、ほどなく、中庭の鍛錬場の一画に転がっていた朱槍を一本持ってきた。それは、聖徳寺に同行した槍隊が持っていたものと全く同じ三間半の長槍であった。
「勝家。キサマの槍隊の槍をすべてこいつに入れ替えろ」
先ほど文を渡した利家から今度は反対に長槍を受け取った。
『ここでこれを振るえば、瞬く間に織田信長の首が獲れよう』
そんなことを思わないではなかった勝家だが、しかし、すぐに別のことに気を取られてしまう。
「長い」
そして、重い。百戦錬磨のこの男だが、つい声を漏らしてしまうほどに異形であった。こんなバカげた長さの槍を戦場で自在に操るということができるのか、信じ難いのだ。訓練を積んだとしても果たして形になるのかどうか。
「このような槍では、……」
慣れない武具を使って負けたとあっては大将を願い出た意味もないばかりか、信勝の名に傷をつけるだけの結果にもたらしかねない。
「勝てぬか」
信長はニヤと笑って勝家の神経を逆撫でした。条件というからには拒めば先ほどの申し出を取り下げると言うつもりだろう。しかし、勝家からしてみれば、話が拗れらせる意味があるほどに厳しい条件ではないというのが味噌だ。勝家は返答に窮した。もちろん信長はその機微まで読んでいる。
「ム……。わかりました。清洲衆などもはや臆するに値せぬ。このヘンテコな槍でも十分に勝ちをご覧に入れることができましょう」
『何だろうが、自分が戦って勝てばいい。槍の長さなどは些事である』。勝家はそう考えて信長の提示した条件を受け入れた。
翌日、天文二十二年(一五五三年)七月十八日、義統の殺害から六日後のこと、信長の命を受けた柴田軍は義統の遺臣を加えて清洲城へ出陣した。未だ梅雨の開けやらぬ蒸し暑い空気が草原に沈殿しているような、汗の止まらぬ日だった。
――
城を守るとは、主の住まう屋敷を守ることに留まらない。とりわけ清洲城のような尾張一に栄えた町を擁しているとなると、そこを治める大名は、町としての機能までをも守らなければ城を、拠点を守ったことにはならない。そのために町一帯を堀や塀で囲ってしまい、敵をその中へ寄せ付けないような城郭を築く。これを「惣構」と呼ぶ。しかし、惣構が具体化されてより機能的に整備されるまでには、本来もう少し時代が降るのを待たなければならない。天文年間の、今まさに織田信友らが根城とする清洲城の惣構とは、わずか一重の水堀と、城下に住まう武士が各々の屋敷を簡易に囲んだだけのものである。
信長軍出陣を聞きつけた大膳は、河尻与一を大将に、織田三位を副将に任じて、ちょうど山王宮と呼ばれる神社の前に布陣して信長軍を迎え撃つよう命じた。
「決して信長を町に近づけさせるな。また町を焼かれてかなわぬからな。万一、山王口が押し込まれるようならば乞食村までに食い止めよ。あそこならばいくら焼かれても構わぬ」
守護という後ろ盾を失った清洲衆に信長が容赦する理由はない。城に押し込まれている大膳らにとっては、これ以上、物資をやられては籠城すらままならなくなってしまう。惣構の死守が必要だった。
さて、しかし、楊盧木山という丘陵から駆け下りてきた騎馬隊を見て、清洲衆は開口一番、心理のうえでひどく虚を突かれてしまう。突っ込んでくるのは何と柴田勝家の軍勢ではないか。どこにも信長の姿はない。
鬼神の如き柴田勢は、下馬するや否や一糸乱れぬ隊列を組み攻めかけた。清洲衆も負けじと応戦するのだが、どうも一方的に叩き伏せられ、みるみるうちに討ち取られて数を減らしていった。
「何だ、あの槍は」
揉みくちゃの乱戦であれば一対一での俊敏な立ち回りが勝敗を決することもあるだろう。そして、その時こそは各々が扱いやすい武具を持って戦うのが良いに決まっている。しかし、兵が一つの塊をなしたらそうはいかない。三間半の長槍が密集して押し寄せ上から下に叩きつけてくる様はさながら津波のようだ。
実際には慣れない長槍に自分が振り回されているような兵もいたのだが、そこは流石に柴田勝家の兵である、敵ににわか仕込みが悟られぬよう怒号と気合を見せつけて威嚇し、悟らせやしない。立ちはだかるものすべてをなぎ倒していく。
「退け、退け」
山王口は守れないと見て清洲衆は防衛線を下げた。大膳の指示通りに乞食村と呼ばれる賤民街で反転攻勢を図るものの、しかし、ここでも彼らは予想だにしない逆境を強いられる。
「侍だぞ、やっちまえ」
乞食村は、清洲の外郭に在り常日頃から虐げられてきた被差別民の暮らす部落である。清洲衆など歓迎するわけも、義理もなかった。それどころか、彼らの内のいくらかの無法者は、柴田勢に追われて逃げ落ちてきた清洲兵を見つてはこれ幸いと飛びかかり、殺して身包み・武具の類を剥ぎ取ってまわった。
与一と三位は更に誓願寺という寺まで退くことを余技なくされた。ここまでが清洲城の町屋を守っている惣構の外側、つまりは最終防衛線なのだが、もはや再起など見込むべきもなかった。ここに来るまでの間に清洲衆の兵は討たれすぎていた。尚も盛んに攻め来る柴田勢を押し戻すこと力などは何処にもなかった。
ほとんど敗走するように追いまくられ、しかし、それでも総崩れだけはしないよう、与一らは兵を鼓舞して町口を守る方針に斬り返すのだが、これも後手後手である。堀を渡りくる柴田勢に弓を射かけるが劣勢の動揺に上手く的が定まらない兵が大勢いる。まるで焼け石に水であった。
『多勢に無勢とは、まさにこのことか……』
三位が死の恐怖に憑かれたその時、突如、堀を渡り切った柴田勢の中から軽装の若武者が飛び出してきた。
具足も兜も何もつけていない、ひらひらとした湯帷子を幽霊のようになびかせて迫りくる男に、三位は「アッ」と思い至った。彼こそ、燃え盛る義統の屋敷から火の手を掻い潜ってただ一人脱出を果たした小姓衆の生き残りであった。名を喜一という。まさに忘我の境地とでも呼ぶべき神速で戦場を駆ける。命知らずも良いところ、彼を突き動かすのは、ただひらすらに主君の無念を晴らすという観念のみであった。敵勢にとびかかって斬り込み、見事に織田三位の首級を上げてみせた。
「むっ」
喜一の雄姿は益々柴田勢の勢いを盛んにした。織田信友配下にあって名のある武士は、坂井大膳、河尻与一、織田三位だと大概に知れているから、三位の首が喜一によって上げられた以上、柴田勢としては与一の大将首をあげるほかない。
「進め進めェ!」
猪武者の見本のようだが、しかし、逃げ道のない場での猪突猛進はげにも恐ろしいものだった。
「もはやどうにもならぬッ」
与一もいよいよ負けを悟った。だが、どうにも城へ逃げ帰る気にはなれなかった。負けて帰れば大膳の叱責を買うに決まっている。
『いま思えば、自らは決して戦場に立たぬくせしてずいぶんあれこれと偉そうな、イヤな男だったな』
これほど艶のない走馬灯もないが、死の間際、与一の脳裏には「なぜあんな男に従っていたのか」という慚愧の念だけが満ちていた。
「籠城のうちに惨めに死ぬぐらいなら、今ここで潔く戦って果てるまで」
覚悟を決めて抜刀する。そして、そのまま柴田勢の攻撃をその身に受けた。
河尻与一、織田三位に付き従った多くの家老衆が悉く討死した。雑兵は城へ逃げ帰ったり、方々に散ったり、やがて辺りには町民が逃げてもぬけの殻と化した廃屋だけが残っていた。
「勝った」
誰に言うでもなく勝家はつぶやいた。あまりにもあっけない勝ち、簡単な勝ちなのだった。目論見の通りに十分な手柄も立てた。義統遺臣の足軽たちが良く働いたことは確かだが、それにつけても、大勢を決したのは自分たちの力だという自負さえはっきりとしていた。
『これで、信勝さまの名声も上がるかな』
そう考えるのだが、なぜか大してうれしくもない。魚の小骨のように何かが喉に引っかかっている。
兜をとると、額から汗が滑り落ちて目に入った。拭う。手に持った三間半の長槍が視界に入る。太陽を一身に受けた刀身が熱されているのか、切っ先の触れていた灌木を陽炎が揺らした。途端、勝家はそこに信長のほくそ笑む顔を見たような気がした。
『どうだ。オレの長槍の威力を知ったか』
幻聴。それを断ち切るように槍をブルンと振り下ろして草原を薙いだ。それから水をがばりがばりと二口飲む。
「フン。敵があまりにも弱すぎるからだ」
拭っても拭っても汗は止まらなかった。
だが、一方の信長も未だ出陣の決意が固まらずにいた。
「なぜ清洲を攻めないのですか」
親衛隊の中でも血気盛んな利家にとっては今回に限って信長が飛び出していかないのが実に不思議だった。
「もしもオレが大膳なら織田信長はすぐに攻め来ると考える。義統の遺児・岩竜丸というこの上ない大義名分を得たオレが猪のように出撃するのは自然なことだからだ。そして、もし、奴らが今川と結んでいるとすれば、そこを狙う……はずだが、」
今川との繋がりは一向に見えてこない。方々に放った乱波がもたらす情報によれば、清洲衆から今川へと連絡しようとしていた節こそ多少ありはしたが、それに応えて今川が動くという気配は露ほどもなかったようだ。信長は、そうだろう、とも思う。清洲衆の都合一つに振り回される今川ではない。それは確かなのだ。
「義元はいずれ必ず尾張に攻めて来る。しかし、それが今日か、明日か、オレにはわからん」
今川義元はこの年、義元の父が定めた今川仮名目録に自ら追加法を制定し、領国に幕府が介入することを否定した。「今川領国はすでに今川家の力で以て治められているのであって、室町幕府の影響下にはない。守護不入と呼ばれる幕府御家人への特権的措置など一切認めない」というのが大意だが、つまり、義元は「自力」で国を治める戦国大名としての自負をはっきりと持ったというわけだ。武力を背景に領国管理を正当化するという思想は、他方、当然に隣国への野心をも肯定する。
それが念頭にあるだけに、信長の義元への警戒は過敏だった。この頃の今川はかつてあれほど争っていた北条との関係も悪くないようで、それどころか婚姻同盟の準備に奔走しているというような噂まである。東が盤石になったなら、いよいよ義元が西、つまりは尾張の侵略に本腰を入れてくる機としてあまりにも予感がある。
『もう一日、もう一日待ち、今川との繋がりが見えなければ、飛び込んでやる』
そう決めて信長は筆をとった。守山城の叔父・信光に援軍を乞おうというのだが、ちょうどその時、
「信長さま」
長秀が小走りでやってきた。跪いて頭を垂れるが、どこか深く目を伏せているように見える。
「どうかしたか」
「……柴田勝家がお目通り願いたいと参っております」
「なに?」
常日頃と勝手の違うことが起こるのは果たして吉兆か、凶兆か、とそんなことを考えながら、しかし信長は不適に「通せ」とだけ言って、筆を置いた。
「お久しゅうございます。最後にお会いしたのは萱津の合戦でしたかな」
現れた大男は、相変わらずの重く腫れぼったい瞼をもたげて、光のない黒目をジロリと信長に向けている。その視線はおよそ主君に向けるような柔和なものではない。この男が居るというだけで、まるでそこは陣中であるかのような緊張に包まれる。
「何の用だ」
「長ったらしい前置きは嫌いでしたか。結構」
勝家は何故だか自分が信勝に言われた言葉を思い出した。『おまえは必要なことしか言わないな』。
「清洲城へ兵を出されるおつもりですかな」
「キサマに止められる筋合いはないぞ」
信長は、勝家が自分を制止するためにきたのだと思った。清洲衆は今でこそ守護を殺害した謀反人だが元を正せば弾正忠家の主筋。向こうから攻め寄せてきたのを押し返したに過ぎない萱津の戦いと、すでに清洲城の一所に押し込められている彼らをこちらから滅ぼしに行こうという今回の戦いとでは、おのずと戦の意味合いが変わってくるところがある。
しかし、
「誤解にござる」
「誤解?」
「某は、お願いにきたのです」
「弟の懐刀が、わざわざオレに何を願うのか。言ってみろ」
勝家は顔を少し上げると信長に向かってきっぱりと言った。
「此度の清洲攻めにあたり、この柴田権六勝家を、何卒、大将にお命じいただきたい」
突然のことに信長も目を丸くした。
「お待ちください、そのようなことは信長さまがお決めになることであり、……」
利家が横やりを入れる。唐突な勝家の願い出が彼の目に大層不気味に映ったからだ。
「某はいま、殿に話している」
しわがれ声でボソリと言う。利家を相手にしない。どころか、一瞥もくれない。あくまで自分が話しているのは信長だ、と重ねて念を押すかのように。利家は思わず続く言葉を失った。口元を覆いつくす髭、微動だにしない岩のような身体、この男が次に何を言うか、何をするか、まったく予測が立てられず、思わず気圧されてしまったのだ。
「どういう風の吹き回しか」
「吹き回しも何もありませぬ。坂井甚助を討ちとったのは、この手です」
裾をまくって腕をズイと突き出して見せる。長い毛とまるで骨のように盛り上がった筋肉が動物のようである。
「信勝に、命じられてきたか」
「いいえ」
「では、キサマは自らの一存で織田信長の軍に加わりにきたというのか」
「はい」
「イヤ、尋問じみたまわりくどい問答は性に合わんな。面倒だ。直截に聞こう」
信長は自らに言い聞かせるように呟いてから、
「キサマらは焦っているのだ。岩竜丸さまが落ち延びて那古野へ来られた。このままオレが清洲衆を討伐してしまってはその功が末森へまわる芽はなくなる。都合が悪かろう」
本心を言ってのけた。兄弟間にある亀裂を体面上にさえ隠し立てする気がない。
『口の軽い男だ』
勝家はそんなことを思いながらちょっと黙っていたが、やがて信長の率直さに合わせてやるとでも言うように、スンと深呼吸をしてから、言った。
「はい」
「居直ったな。見上げた忠義者だ、キサマは」
小癪な欺瞞を口先で暴くのは信長の得意技だが、居直られるというのは苦手だった。腹の据わった男というのは、口八丁の類で追い返すのが困難だ。さて、どうしたものか、と信長が窮していると、それを知ってか知らずか追い打ちをかけるように、勝家が続けざまに口を開いた。
「ここに来る前、守山城の信光さまに会ってきました。ここに文を預かっております」
勝家は利家ににそれを取りに来るよう目配せした。利家はむかっ腹が立つのを抑えながらそれをひっ獲ると丁重に信長へ手渡す。
「なるほど。『私の代わりに柴田勢を使ってやれ』と書いてあるな。それも丁寧に「尾三国境には自分が目を光らせておくので、」などと、オレの危惧を先回りして、だ。これもキサマが書かせたか」
「いいえ。某は、自らを大将として殿に推挙いただけるよう、お願いしたまでのこと」
「そうか。叔父上は何か言っていたか」
「『萱津では十分たのしんだが、もはや清洲衆の相手などは悼ましいだけだ』と笑っておられました」
「アハハ。言いそうだ」
笑ったが、その実、勝家と対面する中で信長が最も表情を失くしたのは、――と言ってもそれは傍らの長秀がわずかに気付いたかどうかという程度であるが――この瞬間だった。
『織田信光、オレが勝ちすぎぬよう差配しているのではあるまいね。この分では、勝家を総大将にしようという案の発起人さえコイツなのじゃないか。そういうこともあり得えるように思えてくる』
信長はふっと息をついた。やれやれ、一筋縄ではいかない身内をたくさん抱えたものだ、とばかりに頭をぽりぽりかいてから、そして、何か良いことを思いついたというように「うん、うん」と一人相槌を打った。
「よかろう。柴田勝家、貴様に清洲攻めを命じよう。明日だ」
「ありがたき幸せ」
利家が何か反発の声をあげたが信長は全く意に介さない。
「が、差し当たって条件が二つある」
「条件?」
ピクリと、勝家の眉が動いた。この日初めてこの男の表情に翳りのようなものが差した。にわかに攻守が入れ替わるかったかのようだ。
「一つめは、キサマの軍勢に亡き武衛さまの配下を加えること。彼らにとってはこれは主の弔い合戦だ。清洲衆討伐の軍にこれを含めぬわけにはいかない」
「承知」
「そして、二つめだ、これが重要だ。オイ、利家、槍を、何でも良い、槍を一本持ってこい」
勝家の嘆願が聞き入れられたことに未だ納得がいかずに不貞腐れていた利家は、上の空で信長の命令を聞き漏らして呆けていた。信長が重ねて「槍だ!」と声を張るとようやく気がついて、てんてこ舞い、足をもつれさせながら「すぐにっ」と言って駆け行き、ほどなく、中庭の鍛錬場の一画に転がっていた朱槍を一本持ってきた。それは、聖徳寺に同行した槍隊が持っていたものと全く同じ三間半の長槍であった。
「勝家。キサマの槍隊の槍をすべてこいつに入れ替えろ」
先ほど文を渡した利家から今度は反対に長槍を受け取った。
『ここでこれを振るえば、瞬く間に織田信長の首が獲れよう』
そんなことを思わないではなかった勝家だが、しかし、すぐに別のことに気を取られてしまう。
「長い」
そして、重い。百戦錬磨のこの男だが、つい声を漏らしてしまうほどに異形であった。こんなバカげた長さの槍を戦場で自在に操るということができるのか、信じ難いのだ。訓練を積んだとしても果たして形になるのかどうか。
「このような槍では、……」
慣れない武具を使って負けたとあっては大将を願い出た意味もないばかりか、信勝の名に傷をつけるだけの結果にもたらしかねない。
「勝てぬか」
信長はニヤと笑って勝家の神経を逆撫でした。条件というからには拒めば先ほどの申し出を取り下げると言うつもりだろう。しかし、勝家からしてみれば、話が拗れらせる意味があるほどに厳しい条件ではないというのが味噌だ。勝家は返答に窮した。もちろん信長はその機微まで読んでいる。
「ム……。わかりました。清洲衆などもはや臆するに値せぬ。このヘンテコな槍でも十分に勝ちをご覧に入れることができましょう」
『何だろうが、自分が戦って勝てばいい。槍の長さなどは些事である』。勝家はそう考えて信長の提示した条件を受け入れた。
翌日、天文二十二年(一五五三年)七月十八日、義統の殺害から六日後のこと、信長の命を受けた柴田軍は義統の遺臣を加えて清洲城へ出陣した。未だ梅雨の開けやらぬ蒸し暑い空気が草原に沈殿しているような、汗の止まらぬ日だった。
――
城を守るとは、主の住まう屋敷を守ることに留まらない。とりわけ清洲城のような尾張一に栄えた町を擁しているとなると、そこを治める大名は、町としての機能までをも守らなければ城を、拠点を守ったことにはならない。そのために町一帯を堀や塀で囲ってしまい、敵をその中へ寄せ付けないような城郭を築く。これを「惣構」と呼ぶ。しかし、惣構が具体化されてより機能的に整備されるまでには、本来もう少し時代が降るのを待たなければならない。天文年間の、今まさに織田信友らが根城とする清洲城の惣構とは、わずか一重の水堀と、城下に住まう武士が各々の屋敷を簡易に囲んだだけのものである。
信長軍出陣を聞きつけた大膳は、河尻与一を大将に、織田三位を副将に任じて、ちょうど山王宮と呼ばれる神社の前に布陣して信長軍を迎え撃つよう命じた。
「決して信長を町に近づけさせるな。また町を焼かれてかなわぬからな。万一、山王口が押し込まれるようならば乞食村までに食い止めよ。あそこならばいくら焼かれても構わぬ」
守護という後ろ盾を失った清洲衆に信長が容赦する理由はない。城に押し込まれている大膳らにとっては、これ以上、物資をやられては籠城すらままならなくなってしまう。惣構の死守が必要だった。
さて、しかし、楊盧木山という丘陵から駆け下りてきた騎馬隊を見て、清洲衆は開口一番、心理のうえでひどく虚を突かれてしまう。突っ込んでくるのは何と柴田勝家の軍勢ではないか。どこにも信長の姿はない。
鬼神の如き柴田勢は、下馬するや否や一糸乱れぬ隊列を組み攻めかけた。清洲衆も負けじと応戦するのだが、どうも一方的に叩き伏せられ、みるみるうちに討ち取られて数を減らしていった。
「何だ、あの槍は」
揉みくちゃの乱戦であれば一対一での俊敏な立ち回りが勝敗を決することもあるだろう。そして、その時こそは各々が扱いやすい武具を持って戦うのが良いに決まっている。しかし、兵が一つの塊をなしたらそうはいかない。三間半の長槍が密集して押し寄せ上から下に叩きつけてくる様はさながら津波のようだ。
実際には慣れない長槍に自分が振り回されているような兵もいたのだが、そこは流石に柴田勝家の兵である、敵ににわか仕込みが悟られぬよう怒号と気合を見せつけて威嚇し、悟らせやしない。立ちはだかるものすべてをなぎ倒していく。
「退け、退け」
山王口は守れないと見て清洲衆は防衛線を下げた。大膳の指示通りに乞食村と呼ばれる賤民街で反転攻勢を図るものの、しかし、ここでも彼らは予想だにしない逆境を強いられる。
「侍だぞ、やっちまえ」
乞食村は、清洲の外郭に在り常日頃から虐げられてきた被差別民の暮らす部落である。清洲衆など歓迎するわけも、義理もなかった。それどころか、彼らの内のいくらかの無法者は、柴田勢に追われて逃げ落ちてきた清洲兵を見つてはこれ幸いと飛びかかり、殺して身包み・武具の類を剥ぎ取ってまわった。
与一と三位は更に誓願寺という寺まで退くことを余技なくされた。ここまでが清洲城の町屋を守っている惣構の外側、つまりは最終防衛線なのだが、もはや再起など見込むべきもなかった。ここに来るまでの間に清洲衆の兵は討たれすぎていた。尚も盛んに攻め来る柴田勢を押し戻すこと力などは何処にもなかった。
ほとんど敗走するように追いまくられ、しかし、それでも総崩れだけはしないよう、与一らは兵を鼓舞して町口を守る方針に斬り返すのだが、これも後手後手である。堀を渡りくる柴田勢に弓を射かけるが劣勢の動揺に上手く的が定まらない兵が大勢いる。まるで焼け石に水であった。
『多勢に無勢とは、まさにこのことか……』
三位が死の恐怖に憑かれたその時、突如、堀を渡り切った柴田勢の中から軽装の若武者が飛び出してきた。
具足も兜も何もつけていない、ひらひらとした湯帷子を幽霊のようになびかせて迫りくる男に、三位は「アッ」と思い至った。彼こそ、燃え盛る義統の屋敷から火の手を掻い潜ってただ一人脱出を果たした小姓衆の生き残りであった。名を喜一という。まさに忘我の境地とでも呼ぶべき神速で戦場を駆ける。命知らずも良いところ、彼を突き動かすのは、ただひらすらに主君の無念を晴らすという観念のみであった。敵勢にとびかかって斬り込み、見事に織田三位の首級を上げてみせた。
「むっ」
喜一の雄姿は益々柴田勢の勢いを盛んにした。織田信友配下にあって名のある武士は、坂井大膳、河尻与一、織田三位だと大概に知れているから、三位の首が喜一によって上げられた以上、柴田勢としては与一の大将首をあげるほかない。
「進め進めェ!」
猪武者の見本のようだが、しかし、逃げ道のない場での猪突猛進はげにも恐ろしいものだった。
「もはやどうにもならぬッ」
与一もいよいよ負けを悟った。だが、どうにも城へ逃げ帰る気にはなれなかった。負けて帰れば大膳の叱責を買うに決まっている。
『いま思えば、自らは決して戦場に立たぬくせしてずいぶんあれこれと偉そうな、イヤな男だったな』
これほど艶のない走馬灯もないが、死の間際、与一の脳裏には「なぜあんな男に従っていたのか」という慚愧の念だけが満ちていた。
「籠城のうちに惨めに死ぬぐらいなら、今ここで潔く戦って果てるまで」
覚悟を決めて抜刀する。そして、そのまま柴田勢の攻撃をその身に受けた。
河尻与一、織田三位に付き従った多くの家老衆が悉く討死した。雑兵は城へ逃げ帰ったり、方々に散ったり、やがて辺りには町民が逃げてもぬけの殻と化した廃屋だけが残っていた。
「勝った」
誰に言うでもなく勝家はつぶやいた。あまりにもあっけない勝ち、簡単な勝ちなのだった。目論見の通りに十分な手柄も立てた。義統遺臣の足軽たちが良く働いたことは確かだが、それにつけても、大勢を決したのは自分たちの力だという自負さえはっきりとしていた。
『これで、信勝さまの名声も上がるかな』
そう考えるのだが、なぜか大してうれしくもない。魚の小骨のように何かが喉に引っかかっている。
兜をとると、額から汗が滑り落ちて目に入った。拭う。手に持った三間半の長槍が視界に入る。太陽を一身に受けた刀身が熱されているのか、切っ先の触れていた灌木を陽炎が揺らした。途端、勝家はそこに信長のほくそ笑む顔を見たような気がした。
『どうだ。オレの長槍の威力を知ったか』
幻聴。それを断ち切るように槍をブルンと振り下ろして草原を薙いだ。それから水をがばりがばりと二口飲む。
「フン。敵があまりにも弱すぎるからだ」
拭っても拭っても汗は止まらなかった。
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