ある日、ぶりっ子悪役令嬢になりまして。

桜あげは

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子供編・学園編(一年目一学期)まとめ

改・子供時代(ハートのJ)6

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「ロイス様、逃げ……!」

 またしても、カミーユの言葉を敵が遮る。今度は言葉ではなく攻撃で。
 カミーユは、敵の刃物の一撃を咄嗟に防御魔法で防いだ。
 彼女の魔法をこれ程頼もしいと思ったことはない。

 相手が一人なら、この場から逃げ切れるかもしれないが、今回はそうもいかないだろう。隠れて付いてきている筈の護衛の姿が見当たらない。
 嫌な予感がする……
 俺の予想通り、すぐに物陰からゾロゾロと敵の仲間が現れた。全部で五人だ。案内役の男を含めると六人。全員が、殿下の護衛の姿に扮している。
 隠れて付いて来ていた本物の護衛を攻撃した際に浴びたのだろうか。衣服に返り血を付けている者が多い。中には、見知った顔もある。
 怪しまれないように、敵は予め護衛の中に潜伏していたようだ。
 この分では、本来の護衛は全滅しているだろう。子供三人に対して、敵は計六人。圧倒的に不利な状況だ。
 隣を見ると、カミーユも険しい顔をしている。
 ふと視線を前に移すと、案内役の男がこちらに向けて刃物を投げるのが見えた。

「カミーユ!」

 俺は、ぼうっとしているカミーユに向けて叫ぶ。
 ナイフは、カミーユの防御魔法を突き抜けて彼女の左手をかすめた。カミーユの顔が、僅かに歪む。

「……大丈夫。アシル、下がって」

 彼女は俺と殿下を庇うように前に立ち、敵に向けて攻撃魔法を放った。
 カミーユの手から放たれた風の魔法は、案内役の男を吹き飛ばして空中に舞い上げる。吹き飛ばされた男に巻き込まれた敵が数人転倒した。
 今の俺達に使える魔法は限られている。子供なので、危険を伴う強力な攻撃魔法はまだ教えられていないのだ。
 さっきの風程度では、相手と距離を取るということ以外には何の効果も期待できそうにない。
 暗殺の専門家に対して、あまりにも心許ない攻撃だ。

 カミーユは、すぐに防御壁を張り直して救援を呼ぶ伝達魔法を使った。伝達魔法とは、離れた場所にいる魔法使い同士が連絡を取り合う為の魔法だ。
 彼女の手から無数の蝶が飛び立ち、光の早さで城を目指す。蝶一匹ずつに、救援を要請する内容が込められているのである。
 これで城に連絡が行くはずだ。きっと、長官か父が救援に来てくれるだろう。
 俺達は、それまで殿下を守りつつ時間を稼がなければならない。

 その間も、敵は手を休めずに攻撃を仕掛けてきた。
 俺も父に習いたての防御魔法を使って壁を張り、敵の攻撃から殿下を守る。
 透明な壁を出して相手の魔法を防ぐ防御魔法は、父から最初に教えられたものだった。俺が使える数少ない魔法のうちの一つだ。


「カミーユ、さっきの魔法以外に使える攻撃魔法は?」
「火と水と雷と木と……色々、でも威力はさっきと同じくらいで……あ!」

 何か打開策がないものかとカミーユに声を掛けたのだが、それを受けた彼女は何かを思いついたらしい。
 ラズベリー色の瞳にキラキラとした光が宿る。

「空気! 空気を薄くしたら時間を稼げるかも……酸素濃度を減らせば」

 そう言って、彼女は魔法に意識を集中させた。
 空気を扱う魔法は、難易度が高い。とても子供に扱えるような代物ではないのだが、カミーユはそれを実践する気のようだ。

「んーと、確かこんな感じで……えーと、どうだっけ?」

 隣から、カミーユの不穏な呟きが聞こえてくる。
 間違いない。彼女がこの魔法を使うのは、今日が初めてなのだろう。

 カミーユは、防御壁をドーム型に変化させて敵を囲うという高等な芸を披露し、さらに中の空気を弄ったようだ。敵の間に動揺が走った。
 奴らは、息苦しそうに、喉を抑えながらパクパクと口を開けている。
 複雑な魔法に沢山の魔力を要するためか、隣にいるカミーユの顔も険しい。俺は、彼女のこんな余裕のない表情を初めて見た。

 今現在、俺が覚えている魔法は僅かで、威力も弱い。
 けれど、このままカミーユだけに負担を強いたくはない。
 魔法は使えないが、彼女の魔法を手助けするくらいのことは出来る筈だ。
 空気に干渉する魔法を放っている彼女の腕に手を添えて、放たれている魔法に俺の魔力を足す。

「アシル?」

 カミーユが、驚いたようにこちらを振り返った。

「父から少し習った……俺にもそこそこ魔法の才能があったみたいだからさ」

 才能があるとは言われたが、今の時点では全く使えない役立たずだ。
 こんなことなら、カミーユと一緒に魔法の特訓でもしておくのだった……後悔しても後の祭りだけれど。
 現在の俺は、カミーユの魔法に頼りきりで、魔力を足すという僅かな手伝いしかできない。自分の役立たず加減が情けなくて嫌気がさす。
 けれど、今出来ることをやるしかない。

 急激に空気が薄くなったことによる呼吸困難で、敵のうち三人が倒れた。残りは三人だ。
 しかし、苦しんでいた敵のうちの一人がユラリと手を振った途端、周囲の魔力の流れが変わった。
 カミーユの使用していた空気を変化させる魔法が解除されたのだ。
 敵の中に、一人魔法使いがいたようである。
 魔法使いは、相手よりも力が強い場合、放たれた魔法を解除することが出来るのだ。

「生意気なガキだな」

 敵の魔法使いが、不機嫌な声を出す。子供に侮られて気が立っている様子だ。
 このままでは、まずい。全滅してしまう——
 カミーユも、俺と同じことを考えたみたいだ。焦った表情で懐から絵筆を取り出し、魔力で巨大化させている。
 絵筆から箒のような乗り物が出来上がると、彼女はそれに魔力を込めて行き先を指定し、殿下に向けて声を張り上げた。

「ロイス様! 一人乗りですが、跨がって下さい。城に直行させます!」

 そう言いながら、俺に申し訳なさそうな目を向けるカミーユ。
 俺は、気にするなという意味で彼女に向けて頷いた。
 一人しか脱出出来ないのなら、せめて王太子だけでも逃がさなければならないというカミーユの判断は正しい。王太子を見捨てて自分だけ逃げたとなれば、どのみち死罪が待っているのだから。
 しかし、それを受けたロイス殿下は、今までにない大きな声で彼女の言葉を拒絶した。

「嫌だ! 僕に、二人を見捨てろと言うの!?」

 この期に及んで勘弁して欲しい。我が儘を言っている時間はないのだ。
 カミーユの魔法にも、限界が近づいてきている。
 俺の魔法を足して防御壁を強化してはいるが、二人が魔力切れを起こすのも時間の問題だった。

「奴らの狙いはあなたですよ。早く乗って!」

 敵の魔法使いは、次々にカミーユの魔法を解除していく。冷たい汗が背筋を伝った。

「ロイス様!」

 カミーユが悲鳴のような声を出している。もう、余裕がないのだ。
 このままではマズいと判断した俺は、カミーユの補助に回していた魔法を攻撃に切り替え、敵に放った。父に教えてもらったばかりの、初級の氷魔法である。
 威力は雹といったところだが、それを見た敵が怯んで一瞬攻撃の手を止めた。
 敵の様子を確認したカミーユも、防御壁を維持しながら俺と同じ魔法を放つ。
 ロイス殿下を間に挟み、前にカミーユ、後ろに俺が立って魔法を展開し、敵の接近を防いだ。

 しかし、敵の魔法使いの方が上手だった。
 相手の魔法によって、カミーユの魔法が完全に解除されてしまう。防御壁まで消されてしまった。
 かつてない危機に、急激に全身の温度が下がっていく。
 残りの敵は三人。魔法使いと弓使い、案内役のナイフ使いの男だ。俺達に向けて、敵の攻撃が次々に放たれる。
 一息にこちらを殺すことはせず、俺達を甚振って楽しんでいる様子だ。自分たちの勝利を確信しているのだろう。

 俺とカミーユは無我夢中で魔力の限り氷をぶつけ続けた。カミーユが、風の魔法で氷が当たる威力を更に増幅させている。
 カミーユの放つ氷の中に、石やら切り株やら金属片やらも混じっている気がするが……気にしている場合ではない。とにかく、敵に攻撃をぶつけるのみだ。
 俺の体にも、カミーユの腕や足にも敵の攻撃による無数の切り傷が付いていた。
 しかし、ロイス殿下はまだ飛び立ってくれない。いい加減にしろと言いたくなる。
 付く相手を間違えただろうか……これなら、王弟の息子に付いていた方がマシだったかもしれない。少なくとも、こんな風に死ぬことはなかっただろう。

 俺達がナイフと矢に苦戦している間に、少し離れた場所で敵の魔法使いが紫色の煙を放った。おそらく毒だ。
 以前、父の書斎にあった本の中に、そんな記述が載っていたような気がする。
 煙を見つめるカミーユの顔は、蒼白だった。彼女も、あれが何なのか理解しているらしい。
 カミーユは、俺に向けて震える唇からゆっくりと言葉を紡いだ。

「……アシル、一瞬だけ防御魔法で透明な壁を張ることはできる?」

 俺は、カミーユの言葉に頷く。

「私が、あの煙に向けて魔法を放った瞬間に、私達三人を囲むように防御魔法を展開して貰いたいの。出来る?」

 強ばった顔のカミーユに向けて、俺は静かに頷いた。
 カミーユが自分に助けを求めるほどに切迫した状況だ。失敗するわけにはいかない。
 彼女は、風の魔法で慎重に煙を一カ所に集める。敵はまだ、そのことに気が付いていない。
 更に、煙の周りを透明な壁で囲むと、カミーユはそれに向かって魔法で火を放った。
 その瞬間を見逃さず、俺は三人を囲むように防御魔法を展開する。
 途端に、カミーユが火を放った場所で大爆発が起こった。
 もの凄い轟音が鳴り響き、地面が揺れる。近くにあった無人の屋台が、爆風で吹き飛んだ。
 防御魔法がなければ、俺達だってひとたまりもなかっただろう。

「ありがとう、アシル」

 礼を言わなければならないのは俺の方だ。カミーユがいなければ、きっと俺達はここで殺されていた。
 爆発に巻き込まれた敵は、全員地面に伸びている。

「カミーユ、今の魔法……一体何をしたの?」
「んーと……ガス爆発、みたいな?」

 ……よく分からない説明だ。
 ずっと険しかったカミーユの顔にも、ようやく笑顔が戻る。

 しかし、ホッとしたのもつかの間、俺は恐ろしい光景を目にした。
 爆発で倒れていた敵の人数が、一人足りない。
 まさか——

 そのまさかだった。
 どうやったのか、カミーユの攻撃の直撃を避けた敵の一人——案内役の刃物使いの男が、こちらに向かってきていたのだ。

「カミーユ! 後ろ!」

 奴は、目を血走らせ、カミーユのすぐ傍まで迫っていた。

「この、クソガキがぁっ! 嘗めた真似しやがって!」
「きゃああっ!」

 カミーユは咄嗟に炎の魔法を男に向けたが、炎をくぐり抜けた敵のナイフが迫り……その切っ先が彼女の腹にめり込んだ。
 時が——止まった気がした。

「カミーユっ!!」

 男の刃を受けたカミーユの小さな体が仰向けに傾ぐ……
 その瞬間、信じられないことが起こった。

「うわああぁぁっ!!」

 カミーユを刺した男の体が、一瞬にして炭化したのである。
 ナイフの柄を握っていた敵の腕も黒く変色して、ボロボロと地面に崩れ落ちた。肉の焼ける匂いが辺りに立ち込める。
 後には、原形を留めない炭の塊だけが残されていた。
 俺は、今にも倒れそうになっていたカミーユを咄嗟に支える。彼女の体に焦げた箇所はない。
 ただ、刺された腹からは止めどなく血が溢れていた。急いで止血をしなければ、カミーユの命も危ういだろう。

「カミーユ、死ぬな!」

 俺は、覚えたての回復魔法で必死に彼女の傷口を塞ごうとした。
 しかし、実際に人に対して回復魔法を使ったのは初めてなので、上手く傷が治せない。その上、俺の魔力は戦闘で使い過ぎてほとんど残っていない状態だった。
 この場では、応急処置くらいしか出来ない。力のない自分が、とてももどかしかった。
 こんな状況で、何も出来ないなんて——

 しばらくすると、カミーユの父親である魔法棟の長官が血相を変えて飛んできた。箒に乗って移動してきたようだ。
 最近になって魔法棟で使われ始めたこの移動方法は、カミーユが考案したらしい。

「カミーユは!?」
「こっちです。一応、止血と簡単な火傷の手当はしましたが、僕ではこれが限界で……」
「アシル、よくやってくれた! あとは私が……」

 長官の腕に、カミーユを渡す。
 彼女の顔は白く、体もぐったりしていた。胸が僅かに上下しているので、かろうじてカミーユが生きているのだと分かる。

「大丈夫だ、カミーユは助かる。アシルが応急処置を済ませてくれたおかげだ」

 長官は、俺を安心させるようにそう繰り返した。
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