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9話 秘密の第二王女殿下 その3
しおりを挟む(ブンド・マルカール侯爵視点)
私とルーザの二人は宮殿で開催されるパーティーに呼ばれた。ふふふ、これ程、名誉なことは中々ないというものだ。ルーザは何か心配していたようだが、それも杞憂だったな。現在まで特に何もなかったのだから。
「ようこそいらっしゃいました、ブンド・マルカール侯爵」
「フォルテ・シネスタ子爵令息……貴殿がなぜ、こんなところに居るのだ?」
このような高貴な催し物に参加しているのだ? 少々……いやかなり、場違いな気がしてしまうがな。通常、バスティン王家が主催する催し物には、伯爵以上でなければ出席出来ないはずだ。男爵や子爵の家系は弾かれやすい。
「今回私が出席できたのは、本当に特別でございます。ブンド様やルーザ様を失礼のないように、王家の方々のところに案内せよ、と言われております」
「ほう……それを貴殿は承諾したのか? ははは、妹があんな目に遭ったというのに……随分とプライドがないのだな。呆れてしまうよ」
「……私は所詮、子爵令息でしかありませんので。侯爵様や王家の方々には逆らえませんよ」
「ふん、腰抜けめ。まあいい、ある意味では素直な性格と言えよう。褒めてやるぞ、ありがたく思え」
「ブンド様……言い過ぎではないですか?」
「何を言っているルーザ? この男は小馬鹿にされるのを承知でこの場に居るのだろう? 私が何も言わないとでも思っていたのか? そんなわけないよなぁ? ん? ははははは」
「ふふ……そうですね」
「ほら見ろ! ははははは!」
あまりに情けないフォルテの姿に私は笑いを堪えられずにはいられなかった。偶然か必然か……バスティン王家も酷なことを考えるものだな。
「私の役目はあなた方二人を王家の皆様のところに連れて行くことです。どなたのところへ連れて行きましょうか?」
「ふん……それでは秘密の第二王女殿下のところへ連れて行って貰おうか。案内役を買って出たのだから、正体は聞いているのだろう?」
「そうですね……それでは、お連れ致します。ああ……向こうから来たようですね」
「ん?」
なに……? まさか、私達の登場に合わせて第二王女殿下が来てくれたと言うのか? 私は周囲を見渡した。しかし、それらしい人物の姿はないが。ただ、見知った顔が私の前に現れていた。
「ご無沙汰しております、ブンド様」
フォルテの妹のフェリスが目の前に立っていたのだ。こいつも参加しているのか……まあ、どうでもいいが。それよりも第二王女殿下は何処だ? 辺りを見渡しているがそれらしい人影は居ない。フェリスの後ろにはフィルア第一王女殿下の姿があった。まずは彼女に挨拶するのが良いだろうか……。
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