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56話 エドモンドの演説 その1
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「あ、あ~~~感度良好。国民の皆様、そして貴族諸君。私はデューイ公爵家のエドモンドと申す者。以後、お見知りおきを」
貴族街からそんなに離れていない首都の中心部。中央広場にて、エドモンド様は特別に作られた壇上に上り、拡声器を使って皆を呼び止めていた。明らかにこれから、重大な発表をする前触れだと周囲に思わせている。
「ちっ、まさか中央広場を使って大規模な演説を行うとはな……」
「あの壇上……以前から計画されていたのよね?」
今回の演説の為に用意されていたと思われる壇上や拡声器の類い。その他の飾りなども含めて、一朝一夕で用意できるものではなかった。一体、どのくらい前から、この中央広場で演説することを企んでいたのか……。
「そういえば、以前から中央広場に怪しげな連中が居た気がするな。あの時はサーカスの一団か何かだと思っていたが……いや、おそらくはサーカス団員に偽装して準備を進めていたんだろう」
「なるほど、そういうことですか……」
ダンテ兄さまも歯を食いしばっている。明らかに怪しい集団が中央広場に居たら、警備兵によって止められるだろうし。何より目立ってしょうがない。サーカス団員の振りをすればそれも弱まるし、まず警備兵に止められる心配はない。
エドモンド様は部下の者にそんなことをさせていたのね……なるほど、やり手だわ。
「もしかして、対談に応じるというのもカムフラージュだったとか……?」
「そうだな、レオーネ。その可能性は十分にあるだろう。もしかしたら、エドモンド・デューイも形振り構っていられなくなった可能性も高いが」
「なるほど……」
そういうことか……フューリは流石に感付いていたのね。エドモンド様は本来であれば、フューリや私達と対談を行う予定だったんだと思う。でも、ビクティム侯爵が捕まる一件を受けて、当初の予定を早めた可能性があった。
通常なら、対談をした後に中央広場での演説を行うつもりだったけど、対談の過程をすっ飛ばして、いきなり演説を行うことにした……うん、まったく現状と矛盾しないわね。
「なんだなんだ……?」
「あれって、エドモンド様よね?」
「中央広場にある檀上って、サーカス関連じゃなかったのか?」
一般人たちもエドモンド様に興味を示したのか、相当数が集まって来ていた。他にも護衛を連れた貴族の姿もあったりする。
「エドモンド様……」
「形振り構っていられない状況かもしれない。さて、どういうことを演説するのかな?」
ある程度、予想は出来ているけれど油断は禁物だ。私達は注視しながら、エドモンド様の演説を聞くことにした。
貴族街からそんなに離れていない首都の中心部。中央広場にて、エドモンド様は特別に作られた壇上に上り、拡声器を使って皆を呼び止めていた。明らかにこれから、重大な発表をする前触れだと周囲に思わせている。
「ちっ、まさか中央広場を使って大規模な演説を行うとはな……」
「あの壇上……以前から計画されていたのよね?」
今回の演説の為に用意されていたと思われる壇上や拡声器の類い。その他の飾りなども含めて、一朝一夕で用意できるものではなかった。一体、どのくらい前から、この中央広場で演説することを企んでいたのか……。
「そういえば、以前から中央広場に怪しげな連中が居た気がするな。あの時はサーカスの一団か何かだと思っていたが……いや、おそらくはサーカス団員に偽装して準備を進めていたんだろう」
「なるほど、そういうことですか……」
ダンテ兄さまも歯を食いしばっている。明らかに怪しい集団が中央広場に居たら、警備兵によって止められるだろうし。何より目立ってしょうがない。サーカス団員の振りをすればそれも弱まるし、まず警備兵に止められる心配はない。
エドモンド様は部下の者にそんなことをさせていたのね……なるほど、やり手だわ。
「もしかして、対談に応じるというのもカムフラージュだったとか……?」
「そうだな、レオーネ。その可能性は十分にあるだろう。もしかしたら、エドモンド・デューイも形振り構っていられなくなった可能性も高いが」
「なるほど……」
そういうことか……フューリは流石に感付いていたのね。エドモンド様は本来であれば、フューリや私達と対談を行う予定だったんだと思う。でも、ビクティム侯爵が捕まる一件を受けて、当初の予定を早めた可能性があった。
通常なら、対談をした後に中央広場での演説を行うつもりだったけど、対談の過程をすっ飛ばして、いきなり演説を行うことにした……うん、まったく現状と矛盾しないわね。
「なんだなんだ……?」
「あれって、エドモンド様よね?」
「中央広場にある檀上って、サーカス関連じゃなかったのか?」
一般人たちもエドモンド様に興味を示したのか、相当数が集まって来ていた。他にも護衛を連れた貴族の姿もあったりする。
「エドモンド様……」
「形振り構っていられない状況かもしれない。さて、どういうことを演説するのかな?」
ある程度、予想は出来ているけれど油断は禁物だ。私達は注視しながら、エドモンド様の演説を聞くことにした。
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