幼馴染と仲良くし過ぎている婚約者とは婚約破棄したい!

ルイス

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11話 息子の裏切り その2

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 邂逅した親子……感動の対面、といったところかしら? ガイア・バークス公爵とその息子である、リグリット・バークス公爵令息は、リグリット様の室内で視線を合わせていた。

 当り前の話だけど、感動の再会とは程遠い雰囲気だ。別に再会でもないし……。


「父上……どうしてここに……!?」

「ここは私の屋敷だ。滞在していて何か不都合があるのか?」


「いえ……決してそのようなことはありませんが……!」


 リグリット様は焦っているからか、とても目が泳いでいる……先ほどまでの私との会話や、アミーナ様とのやり取りをどこまで見られたのか、考えているのだろう。はっきり言うと、ガイア様は全て見ていた。彼の背後に立っているヨハン様と共に……。


「窓の方から見ていたのに気づかなかったのか? お前の馬鹿みたいに大きな声が聞こえ、動作が良く見えていたぞ? エレナ嬢の一際大きな反復の言葉の意味も理解していなかったようだな?」

「あれは……まさか、父上に合図を出していたのですか……!?」

「その通りだ。まあ、窓側からお前の馬鹿な声は聞こえていたし、何をしていたのかも見えていたので、結果的には意味を成してはいなかったがな」


 リグリット様の部屋は屋敷の1階の角にある。ガイア様とヨハン様の二人は庭の方へと回って、室内の様子を伺っていたのだ。万が一、聞こえにくかった時に備えて、私が時折リグリット様の言葉を反復していたのはそのためだ。私のあの動作はまったく意味を成していなかったみたいだけれど、別にそこは重要ではない。

 ヨハン様とガイア様の二人に直接みてもらうことで、私のリグリット様、そしてアミーナ様の関係性をより理解してもらえただろうから。ヨハン様は予想通りと考えていたのか、特に顔色に変化はないけれど、ガイア様は違った。

 拳に力を込めながら、ワナワナと身体を小刻みに震わせている。


「リグリット……先ほどのやり取りは一体、どういうことなのだ?」

「父上、ど、どの部分をおっしゃっているのですか……?」


 リグリット様は焦っている様子だけれど、まだ自分が責任から逃れることを考えているようだった。わざとらしくとぼけている。もちろん、そんなことで誤魔化せるはずはなく……。


「エレナ嬢とアミーナ嬢とのやり取りに決まっているだろうが!! どういうことだ、一体!」

「ひっ! ち、父上……!」

「私はお前のことをずっと信用してきたつもりだ。それをお前は……全て無に帰すことをしていたとはな!」

「ち、違います、父上……ご、誤解でございます……!」


 もしかすると、ガイア様に怒られるのは初めてなのかもしれない。それだけに、リグリット様は非常に取り乱しているように見えた。それでいて、まだまだ、誤解で通す気のようだ。ある意味、賞賛に値する精神を持っていると思う。


「誤解だと? どういうことだ?」

「ガイア殿……無意味だと思うが」

「ヨハン王子殿下は様子を見ていただいてよろしいですか? これは私とリグリットの問題ですので……」


 ガイア様もまともな神経ではなくなっているようだ。なんせ、王子殿下の言葉を制止したのだから。本来では考えらえれない。リグリット様の想像外の正体を見て、気が動転してしまっている可能性は十分に考えられた。


「リグリット、話してみろ。一体、どの部分が誤解だと言うのだ?」

「はい、父上……実はですね……」


 ガイア様は息子にチャンスを与えようとしている気がする。そして、誤解であってほしいと心の底では思っているのだろうか。誤解に出来る部分なんて1つもないような気がするけれど……私もある意味では興味津々になってしまっていた。
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