幼馴染と仲良くし過ぎている婚約者とは婚約破棄したい!

ルイス

文字の大きさ
32 / 43

32話 アミーナ・ファルス伯爵令嬢の逆襲 その1

しおりを挟む
(リグリット視点)


 私は現在、アミーナ・ファルス伯爵令嬢と一緒に居る。二人きりではない……向こうはこちら以上の護衛が付いていた。軟禁された経験からか、警戒心を強く持っているのだろう。


「リグリット、本日は大切な話があるの……わざわざ、あなたの部屋に来た理由、分かるかしら?」

「分かるわけがないだろ? なんだ……今頃、恨み言を言うつもりか? 慰謝料については大幅に減額されることで決まりそうじゃないか」


 母上や父上がファルス伯爵家に提示した法外な慰謝料……それは議会に掛けられることになった。まだ、判決は出ていないが激減することは間違いないだろう。ファルス家は没落の危険がなくなったわけだ。今更、アミーナが怒ることはないように思えるが……一体、どういうつもりで私のところに来たのか。


 母上は内容も伝えずに現れたアミーナに驚いているようだったが、特に拒むことはしなかったのだ。母上は本質的には悪人だと思うが、出来る限り感情で動くことは避けている印象がある。アミーナを通したのも拒否することで、バークス公爵家に変な噂が流れるのを避けたのだろう。

 特に今はデリケートな時期だからな……。そういえば、以前に他の貴族が言っていたな。エメラダ夫人は必要悪なのだと。その時は深く考えてはいなかったが……今にして思うと良く分かる言葉だ。


「それで、アミーナ? 何の用だ?」

「私、子供が出来たみたいなの……時期から言って、あなたとの子に間違いないわ」

「な、なんだと……!?」

「以前にあなたは、子供が出来たとしてもランカスター家から養育費を貰うと言っていたわよね? それは不可能になったし……養育費はあなたから請求させてもらうわ」

「ま、待てアミーナ……何を言ってるんだ……?」


 何かの冗談のつもりか……? いや、この目は嘘を言っている目ではない。彼女とは幼馴染だったわけだから、そこについては良く分かっているのだ。しかし、私との子供だと……! バカな……こんな、タイミングで……!


「あなただけ、遠方に飛ばされて許されるなんて思わないでね? 私の家系はそんなに悪いことはしていないのに、凄まじい噂を流されたんだから……私も傷物令嬢になってしまうんだし。私達の可愛い子供が一生幸せに過ごせる分を請求させてもらうわね?」

「あ、アミーナ……お前……!」

「絶対に払ってもらいますからね? 断ったらどうなるかくらい……分かるわよね?」


 この為か……私が逆上して手を出させないようにするために、彼女は護衛の数を増やしていたわけだ。いや、例え二人きりであったとしても、この状況で殴ってしまえばバークス公爵家は終わってしまうかもしれない。くそう、どうしたらいいんだ? そうだ、母上……母上に相談しなければ……!
しおりを挟む
感想 155

あなたにおすすめの小説

幼馴染を溺愛する婚約者を懇切丁寧に説得してみた。

ましろ
恋愛
この度、婚約が決まりました。 100%政略。一度もお会いしたことはございませんが、社交界ではチラホラと噂有りの難物でございます。 曰く、幼馴染を溺愛しているとか。 それならばそのお二人で結婚したらいいのに、とは思いますが、決まったものは仕方がありません。 さて、どうしましょうか? ✻ゆるふわ設定です。 気を付けていますが、誤字脱字などがある為、あとからこっそり修正することがあります。

殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。

和泉鷹央
恋愛
 雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。  女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。  聖女の健康が、その犠牲となっていた。    そんな生活をして十年近く。  カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。  その理由はカトリーナを救うためだという。  だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。  他の投稿サイトでも投稿しています。

幼馴染を溺愛する旦那様の前からは、もう消えてあげることにします

睡蓮
恋愛
「旦那様、もう幼馴染だけを愛されればいいじゃありませんか。私はいらない存在らしいので、静かにいなくなってあげます」

〖完結〗旦那様が愛していたのは、私ではありませんでした……

藍川みいな
恋愛
「アナベル、俺と結婚して欲しい。」 大好きだったエルビン様に結婚を申し込まれ、私達は結婚しました。優しくて大好きなエルビン様と、幸せな日々を過ごしていたのですが…… ある日、お姉様とエルビン様が密会しているのを見てしまいました。 「アナベルと結婚したら、こうして君に会うことが出来ると思ったんだ。俺達は家族だから、怪しまれる心配なくこの邸に出入り出来るだろ?」 エルビン様はお姉様にそう言った後、愛してると囁いた。私は1度も、エルビン様に愛してると言われたことがありませんでした。 エルビン様は私ではなくお姉様を愛していたと知っても、私はエルビン様のことを愛していたのですが、ある事件がきっかけで、私の心はエルビン様から離れていく。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 かなり気分が悪い展開のお話が2話あるのですが、読まなくても本編の内容に影響ありません。(36話37話) 全44話で完結になります。

幼馴染の王女様の方が大切な婚約者は要らない。愛してる? もう興味ありません。

藍川みいな
恋愛
婚約者のカイン様は、婚約者の私よりも幼馴染みのクリスティ王女殿下ばかりを優先する。 何度も約束を破られ、彼と過ごせる時間は全くなかった。約束を破る理由はいつだって、「クリスティが……」だ。 同じ学園に通っているのに、私はまるで他人のよう。毎日毎日、二人の仲のいい姿を見せられ、苦しんでいることさえ彼は気付かない。 もうやめる。 カイン様との婚約は解消する。 でもなぜか、別れを告げたのに彼が付きまとってくる。 愛してる? 私はもう、あなたに興味はありません! 一度完結したのですが、続編を書くことにしました。読んでいただけると嬉しいです。 いつもありがとうございます。 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 沢山の感想ありがとうございます。返信出来ず、申し訳ありません。

本日、私の妹のことが好きな婚約者と結婚いたしました

音芽 心
恋愛
私は今日、幼い頃から大好きだった人と結婚式を挙げる。 ____私の妹のことが昔から好きな婚約者と、だ。 だから私は決めている。 この白い結婚を一年で終わらせて、彼を解放してあげることを。 彼の気持ちを直接聞いたことはないけれど……きっとその方が、彼も喜ぶだろうから。 ……これは、恋を諦めていた令嬢が、本当の幸せを掴むまでの物語。

【完結】婚約者は私を大切にしてくれるけれど、好きでは無かったみたい。

まりぃべる
恋愛
伯爵家の娘、クラーラ。彼女の婚約者は、いつも優しくエスコートしてくれる。そして蕩けるような甘い言葉をくれる。 少しだけ疑問に思う部分もあるけれど、彼が不器用なだけなのだと思っていた。 そんな甘い言葉に騙されて、きっと幸せな結婚生活が送れると思ったのに、それは偽りだった……。 そんな人と結婚生活を送りたくないと両親に相談すると、それに向けて動いてくれる。 人生を変える人にも出会い、学院生活を送りながら新しい一歩を踏み出していくお話。 ☆※感想頂いたからからのご指摘により、この一文を追加します。 王道(?)の、世間にありふれたお話とは多分一味違います。 王道のお話がいい方は、引っ掛かるご様子ですので、申し訳ありませんが引き返して下さいませ。 ☆現実にも似たような名前、言い回し、言葉、表現などがあると思いますが、作者の世界観の為、現実世界とは少し異なります。 作者の、緩い世界観だと思って頂けると幸いです。 ☆以前投稿した作品の中に出てくる子がチラッと出てきます。分かる人は少ないと思いますが、万が一分かって下さった方がいましたら嬉しいです。(全く物語には響きませんので、読んでいなくても全く問題ありません。) ☆完結してますので、随時更新していきます。番外編も含めて全35話です。 ★感想いただきまして、さすがにちょっと可哀想かなと最後の35話、文を少し付けたしました。私めの表現の力不足でした…それでも読んで下さいまして嬉しいです。

〖完結〗旦那様は私よりも愛人を選ぶそうです。

藍川みいな
恋愛
愛していると言った旦那様は、結婚して3年が経ったある日、愛人を連れて来ました。 旦那様が愛していたのは、私ではなく、聖女の力だったようです。3年間平和だった事から、私の力など必要ないと勘違いされたようで… 「もうお前は必要ない。出て行け。」と、言われたので出ていきます。 私がいなくなったら結界は消滅してしまいますけど、大丈夫なのですよね? それならば、二度と私を頼らないでください! シャーロットの力のおかげで、子爵から伯爵になれたのに、あっけなく捨てるルーク。 結界が消滅しそうになり、街が魔物に囲まれた事でルークはシャーロットを連れ戻そうとするが… 設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。 全15話で完結になります。

処理中です...