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Main Story〜アルファな彼とオメガな僕。〜
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しおりを挟む水を取り出した崇陽は再び傍へと寄ってくると、細心の注意を払いながら僕を抱き起こした。
そして、ペットボトルを持った手とは反対側の腕で僕を支えながら器用に水を飲ませてきた。
満足するまで飲んだ僕は要らないという意味を込めて軽く崇陽の手首を叩く。すると、正確に意図を理解した崇陽はそっとペットボトルを口から離す。
「反省しないとダメだな」なんて溜め息混じりにボソッと言うから聞き逃しそうになった。
水を飲んだ事により声が出しやすくなったので、崇陽へと質問を投げかけた。
「何を?」
「折角…しかも、久し振りにセックスしたのに覚えていないとか…勿体ないやら悲しいやら…何ともいえない…」
なんて心底悔しいといったように雰囲気ごと落ち込んでいる崇陽は分かりやすく肩まで落とした。
「しかも、泣きながら意識を失っているし…首は出血しているし…もしかしたら『やめて』と泣き叫んで居たかもしれないだろう?」
そう言って片手を顔にあて『はぁ』と溜め息をついた。
「お前は最近、怖がらなくなっているが…コレを機にまた怖がり始めたら目も当てられない…」
「僕も覚えてないから…大丈夫でしょう?痛みはあるけど…」
崇陽の言葉にそう返すと何ともいえない顔をしていたのが面白かった。本人には言えないけど…
「いや、それは本当にすまない。感染症は引き起こしてないみたいだが…」
という言葉に首を傾げて崇陽を見る。何が言いたいのか分かったのか僕が知りたがっている答えを口にした。
「医師には見せてある。お前も会った事のある人物だ。」と言われて思い浮かんだのは崇陽の言うビジネスパートナーである男の人だった。
扉を破壊するほどの人物。底知れぬナニかを感じて深く関わりたくないと思った人物でもある。
「ついでに今後の新薬開発のプロジェクトについても話し合ったからな。少しだけ時間は掛かるだろうが…蒼に寂しい思いはさせないからな。」
そう言って僕の額にキスをすると優しく頬を撫でてくる。
「それに、禁欲は良くないと学んだ」という崇陽の表情になんとなく身の危険を感じたのは間違いではなかった。
「覚えてないなんて事が今後ないように、発情期以外でも定期的にヤろうな」
崇陽の口振りからすると、発情期以外でもヤる事はヤっていたが…今までよりも数を増やすという事なんだろう。
崇陽は僕を撫でながら口元を妖しく歪めた。その表情に背筋がゾクリとした。コレは嫌悪ではなく、想像をしてしまった事によりあの快楽を思い出してしまったからだ…
僕の身体は僕が思っているよりもずっと快楽に従順らしい…という事実に恥ずかしくなって隠れたくなったのも仕方ないと思う。
*
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