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第5章『夏だ! 海だ! 千山鯉だぁ~!/雪ん子の座を奪いし召喚獣・千山鯉の章』
第172話(番外編) ダンジョンの中心で、ココアは愛を(強制的に)叫ぶ
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「----と言う訳で、我が名は【《ギャルゲー》赤鬼】! 我を倒したくば、我をときめかせ、我に告白したまえよ!」
開口一番、そんな事をのたまう敵に対して、俺はこう思った。
「(うわぁ、変なの出たなぁ)」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ある日、俺はとあるダンジョン攻略を行っていた所、そんな事を言う敵と遭遇した。
頭がブーケになっている、赤鬼。
左肩と右肩にはそれぞれ【ときめき】、【Love&Peace】という言葉が刻み込まれていた。
===== ===== =====
【《ギャルゲー》赤鬼】 ランク;?
恋愛の天使たるキューピットの弓矢が暴走し、人が劇的でドラマティックな恋愛をしてしまう世界を閉じ込めた【世界球体=ギャルゲー世界=】の力を得た、赤鬼の魔物。倒すと、プラーナ系職業の1つ、【ギャルゲー】を使用することが出来るようになる
身体構造をプラーナの力によって、異性とのドラマティックな出会いが訪れるラッキースケベ体質へと変え、野蛮な戦闘を完璧なまでに一切受け付けない体質へと変質させる
===== ===== =====
「----さぁ、一緒に愛を語り合おう! ラブを話し合おう! 恋愛に溺れましょう!
これから先の人生、必要となってくるのは恋愛! ラブ! 愛こそ、世界の全てなり!」
ブーケ頭のその赤鬼は、ケーキ入刀の際に使われるようなウェディングナイフを手にして、そう俺に提案してきた。
本当に、恋愛を語り合おうとするならば、そのウェディングナイフを手放せば良いのに……。
「恋愛、さいこぉぉぉぉぉ!!」
「うわっ?!」
いきなり、である。
いきなりその赤鬼は、手にしたナイフをぶんぶんっと振り回しながら、俺に攻撃を仕掛けてきた。
「意味が分からん奴には、おしおきじゃ!」
俺が召喚したココアが、赤鬼のナイフ攻撃を防ごうと、魔法を放つ。
【----Missっ!!】
「「はっ----?!」」
しかしながら、ココアの攻撃は、ミス判定された。
ノーダメージではなく、ミスである。
無効化どころか、ミスである。
当たらなかったのではなく、ミスである。
「フハハハっ! ギャルゲーは暴力を楽しむゲームではなく、愛を育むゲームである! 故に、我が肉体は、一切の暴力を失せつけないっ!!」
《ギャルゲー》赤鬼は堂々と、そう堂々と言い放っていた。
「なんだよ、その理屈?!」
「なんじゃ、コヤツの言う"ぎゃるげー"ってなんなんじゃ?!」
俺とココアは同時に、そう叫ぶのであった。
いや、本当に意味が分からない理屈である。
ギャルゲーは恋愛を楽しむゲームであり、だからこそこの赤鬼には攻撃が通用しないって、どういう理屈なんだよ。
思えば、今まで色々と変な奴と戦ってる気がする。
機動要塞の吸血鬼だとか、お好み焼きの赤鬼だとか、他にも色々と戦った気がするんだけど、コイツは特に変な奴と言えるだろう。
「さぁ! 我を倒す方法は既に提示しているぞ! 我を倒したくば、我をときめかせ、我に愛の言葉を!」
「まさか……コヤツ、それしか倒す手段がないのじゃと?!」
ココアの顔から、サーッと血の気が引いていた。
つまりは、この《ギャルゲー》赤鬼には、こっ恥ずかしく告白することでしか、ダメージを与えられないという事だろう。
「……妾の担当ではないじゃろう、これ?! どちらかと言えば、リタや雪ん子の担当じゃろう、これは?!
"ちぇんじ"じゃ、"ちぇんじ"を要求するのじゃ!」
ココアが俺に「さぁ、早く召喚するのじゃ!」と言うのだが、俺としては困惑の言葉しか出せなかった。
「……無理っぽい」
「----え? 嘘、じゃろ?」
「うん、なんか普通の召喚獣なら召喚出来そうだけど、雪ん子やマルガリータは召喚できないっぽい、ファイントも」
というか、初めからおかしかったのだ。
俺はココアだけではなく、雪ん子やファイントも含めたベストメンバーを召喚したつもりだったのに、何故か召喚できたのはココアだけ。
しかも、ココアを召喚したら一緒に召喚されるはずのマルガリータの姿もないだなんて、考えてみれば変な話である。
「残念ながら、この《ギャルゲー》赤鬼様はハーレムルートは非対応製品! 我と相対するのはただ1人、それも一番初心で、告白慣れしてない者に決まっておる!」
「決まっておる、じゃないわい!!」
「さぁさぁ、愛を語れ! 語るが良い!」と、《ギャルゲー》赤鬼は攻撃を待ち構えていた。
「くっ、くそう! やるしかないのか?! 妾が、あやつに告白を披露しなくてはならんのか?!
どんな"ばつげーむ"の"ぷれい"じゃ、これは?!」
----しかしながら、結局この変質的な鬼を倒すには、ココアは告白を披露するという選択肢しかなく----。
「いや、あれじゃよ? 主殿の事は普通に、そうすっごく普通に……すっ、すす……!!
えっ、えぇい! なんじゃよ、この"ばつげーむ"は?! なんでこんな事を、こんな感じで告白しねばならんのじゃああああああ!
もっとこう、"むーど"とか、"ろまんてぃっく"な雰囲気だとか、色々あるじゃろう!!」
「がはっ----!! 満足……ウグワーッ!!」
そうして、《ギャルゲー》赤鬼という奇妙な鬼は、倒されるのであった。
(※)私が尊敬している作家先生の1人、あけちともあき先生の代名詞たる「ウグワーッ!!」というフレーズを使いたかったので、作った番外編です
開口一番、そんな事をのたまう敵に対して、俺はこう思った。
「(うわぁ、変なの出たなぁ)」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ある日、俺はとあるダンジョン攻略を行っていた所、そんな事を言う敵と遭遇した。
頭がブーケになっている、赤鬼。
左肩と右肩にはそれぞれ【ときめき】、【Love&Peace】という言葉が刻み込まれていた。
===== ===== =====
【《ギャルゲー》赤鬼】 ランク;?
恋愛の天使たるキューピットの弓矢が暴走し、人が劇的でドラマティックな恋愛をしてしまう世界を閉じ込めた【世界球体=ギャルゲー世界=】の力を得た、赤鬼の魔物。倒すと、プラーナ系職業の1つ、【ギャルゲー】を使用することが出来るようになる
身体構造をプラーナの力によって、異性とのドラマティックな出会いが訪れるラッキースケベ体質へと変え、野蛮な戦闘を完璧なまでに一切受け付けない体質へと変質させる
===== ===== =====
「----さぁ、一緒に愛を語り合おう! ラブを話し合おう! 恋愛に溺れましょう!
これから先の人生、必要となってくるのは恋愛! ラブ! 愛こそ、世界の全てなり!」
ブーケ頭のその赤鬼は、ケーキ入刀の際に使われるようなウェディングナイフを手にして、そう俺に提案してきた。
本当に、恋愛を語り合おうとするならば、そのウェディングナイフを手放せば良いのに……。
「恋愛、さいこぉぉぉぉぉ!!」
「うわっ?!」
いきなり、である。
いきなりその赤鬼は、手にしたナイフをぶんぶんっと振り回しながら、俺に攻撃を仕掛けてきた。
「意味が分からん奴には、おしおきじゃ!」
俺が召喚したココアが、赤鬼のナイフ攻撃を防ごうと、魔法を放つ。
【----Missっ!!】
「「はっ----?!」」
しかしながら、ココアの攻撃は、ミス判定された。
ノーダメージではなく、ミスである。
無効化どころか、ミスである。
当たらなかったのではなく、ミスである。
「フハハハっ! ギャルゲーは暴力を楽しむゲームではなく、愛を育むゲームである! 故に、我が肉体は、一切の暴力を失せつけないっ!!」
《ギャルゲー》赤鬼は堂々と、そう堂々と言い放っていた。
「なんだよ、その理屈?!」
「なんじゃ、コヤツの言う"ぎゃるげー"ってなんなんじゃ?!」
俺とココアは同時に、そう叫ぶのであった。
いや、本当に意味が分からない理屈である。
ギャルゲーは恋愛を楽しむゲームであり、だからこそこの赤鬼には攻撃が通用しないって、どういう理屈なんだよ。
思えば、今まで色々と変な奴と戦ってる気がする。
機動要塞の吸血鬼だとか、お好み焼きの赤鬼だとか、他にも色々と戦った気がするんだけど、コイツは特に変な奴と言えるだろう。
「さぁ! 我を倒す方法は既に提示しているぞ! 我を倒したくば、我をときめかせ、我に愛の言葉を!」
「まさか……コヤツ、それしか倒す手段がないのじゃと?!」
ココアの顔から、サーッと血の気が引いていた。
つまりは、この《ギャルゲー》赤鬼には、こっ恥ずかしく告白することでしか、ダメージを与えられないという事だろう。
「……妾の担当ではないじゃろう、これ?! どちらかと言えば、リタや雪ん子の担当じゃろう、これは?!
"ちぇんじ"じゃ、"ちぇんじ"を要求するのじゃ!」
ココアが俺に「さぁ、早く召喚するのじゃ!」と言うのだが、俺としては困惑の言葉しか出せなかった。
「……無理っぽい」
「----え? 嘘、じゃろ?」
「うん、なんか普通の召喚獣なら召喚出来そうだけど、雪ん子やマルガリータは召喚できないっぽい、ファイントも」
というか、初めからおかしかったのだ。
俺はココアだけではなく、雪ん子やファイントも含めたベストメンバーを召喚したつもりだったのに、何故か召喚できたのはココアだけ。
しかも、ココアを召喚したら一緒に召喚されるはずのマルガリータの姿もないだなんて、考えてみれば変な話である。
「残念ながら、この《ギャルゲー》赤鬼様はハーレムルートは非対応製品! 我と相対するのはただ1人、それも一番初心で、告白慣れしてない者に決まっておる!」
「決まっておる、じゃないわい!!」
「さぁさぁ、愛を語れ! 語るが良い!」と、《ギャルゲー》赤鬼は攻撃を待ち構えていた。
「くっ、くそう! やるしかないのか?! 妾が、あやつに告白を披露しなくてはならんのか?!
どんな"ばつげーむ"の"ぷれい"じゃ、これは?!」
----しかしながら、結局この変質的な鬼を倒すには、ココアは告白を披露するという選択肢しかなく----。
「いや、あれじゃよ? 主殿の事は普通に、そうすっごく普通に……すっ、すす……!!
えっ、えぇい! なんじゃよ、この"ばつげーむ"は?! なんでこんな事を、こんな感じで告白しねばならんのじゃああああああ!
もっとこう、"むーど"とか、"ろまんてぃっく"な雰囲気だとか、色々あるじゃろう!!」
「がはっ----!! 満足……ウグワーッ!!」
そうして、《ギャルゲー》赤鬼という奇妙な鬼は、倒されるのであった。
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