3 / 4
捨てられた日 III
しおりを挟む
叫んだ人間、それはルースだった。
目に激怒を浮かべ、周りで私に石を投げていた人間を黙らせるほどの大声をあげたのだ。
「なん、で……」
そして最初何故ルースがそんな風に叫んだのか私には分からなかった。
もう私は罪人で、庇ったとしてももう民衆達の暮らしをよくすることはできないのに。
「お前らだって知っているだろうが!どれだけこの人が俺たちの生活を良くするために駆けずりまわっていたのか!」
だが、そんな私の疑問を他所にルースが止まることは無かった。
まるで周囲に噛み付くようにそう叫ぶ。
そしてそのルースの声に民衆達は罪悪感を顔に浮かべた。
それは決して民衆達も私を本当に恨んではいないことを示していた。
少なくとも端金で私を売ったと言うそのことに罪悪感を抱く程度には。
だが、今から自身の行動を改めるにはもう時が経ち過ぎていた。
「うるせぇな!餓鬼が!悪いのは全てその女だろうが!その女が竜退治を邪魔したのが悪いんだろうが!」
「がっ!」
民衆達は叫んできたルースを思いっきり殴った。
そう、まるで都合の悪いことを叫ぶルースの口を閉ざすように。
「ルース!」
そしてその攻撃に対してルースはなんの反応も出来ずに吹き飛ばされ、私は思わず声をあげる。
恐らく真っ直ぐなルースはまさか正しいことを言っているのに民衆に殴られるなんて思っていなかったのだろう。
全くなんの備えも取れていなかったルースは壁にぶつかり、一瞬動きを止める。
「いてぇなぁ!くそが!」
だが、それでも直ぐにルースは起き上がった。
頭をぶつけたのか額から血を流し、足はふらついている。
「だからって俺らが助けて貰った事実が変わるわけがないだろうが!」
ーーー だが、それでもその目に宿る怒りは一切揺るがなかった。
「っ!この餓鬼ぃ!」
「ぐっ!」
そしてルースに一瞬民衆達は気圧される。
だがそれでも彼の言葉を認めることは無かった。
認めてしまえばもう、言い訳など出来ないから民衆達はルースを黙らせようと殴るばかりでその言葉を聞こうとはしなかった。
私を擁護してくれているのはルースただ1人。
そのほかの人間はその話が正しいと分かりながら、それでもリースを殴りつける。
「ぅぁ、」
ーーー だが、何故かその光景に私の粉々になっていたはずの心が再生し始めていた。
リース1人がいくら叫んだとしても状況など一切変わらない。
それどころか、逆に意識しまいとした民衆達にリースはぼろぼろにされていっている。
いわばただ1人を除いてこの王国全体の人間が私を敵視しているのだ。
なのに、ただ1人ルースが私のことを信じているそれが嬉しくて、今はあれほど感じていた孤独を私は忘れていた。
「ふざけるなぁ!竜退治の妨害?そんなことラスト様がする訳が無いだろうが!
ーーー 俺の愛した人が、そんなことをする訳が無いだろうが!」
「っ!」
何時も、私に照れながら愛の告白をしにきていたルース。
私は彼の言葉が決して嘘では無いだろうが、それでも本当のものだと信じていなかった。
それは自分がリースブルク家の無能であることを隠してきたからで……
今、ようやく私は悟る。
リースのあの愛の告白、それは嘘偽りの無い心からのものだったことを。
「っ!」
その瞬間、私の胸はかつて無い程ときめいて。
ーーー そして私は人生初めての恋にその時落ちた。
その瞬間、私の人生は変わった……
目に激怒を浮かべ、周りで私に石を投げていた人間を黙らせるほどの大声をあげたのだ。
「なん、で……」
そして最初何故ルースがそんな風に叫んだのか私には分からなかった。
もう私は罪人で、庇ったとしてももう民衆達の暮らしをよくすることはできないのに。
「お前らだって知っているだろうが!どれだけこの人が俺たちの生活を良くするために駆けずりまわっていたのか!」
だが、そんな私の疑問を他所にルースが止まることは無かった。
まるで周囲に噛み付くようにそう叫ぶ。
そしてそのルースの声に民衆達は罪悪感を顔に浮かべた。
それは決して民衆達も私を本当に恨んではいないことを示していた。
少なくとも端金で私を売ったと言うそのことに罪悪感を抱く程度には。
だが、今から自身の行動を改めるにはもう時が経ち過ぎていた。
「うるせぇな!餓鬼が!悪いのは全てその女だろうが!その女が竜退治を邪魔したのが悪いんだろうが!」
「がっ!」
民衆達は叫んできたルースを思いっきり殴った。
そう、まるで都合の悪いことを叫ぶルースの口を閉ざすように。
「ルース!」
そしてその攻撃に対してルースはなんの反応も出来ずに吹き飛ばされ、私は思わず声をあげる。
恐らく真っ直ぐなルースはまさか正しいことを言っているのに民衆に殴られるなんて思っていなかったのだろう。
全くなんの備えも取れていなかったルースは壁にぶつかり、一瞬動きを止める。
「いてぇなぁ!くそが!」
だが、それでも直ぐにルースは起き上がった。
頭をぶつけたのか額から血を流し、足はふらついている。
「だからって俺らが助けて貰った事実が変わるわけがないだろうが!」
ーーー だが、それでもその目に宿る怒りは一切揺るがなかった。
「っ!この餓鬼ぃ!」
「ぐっ!」
そしてルースに一瞬民衆達は気圧される。
だがそれでも彼の言葉を認めることは無かった。
認めてしまえばもう、言い訳など出来ないから民衆達はルースを黙らせようと殴るばかりでその言葉を聞こうとはしなかった。
私を擁護してくれているのはルースただ1人。
そのほかの人間はその話が正しいと分かりながら、それでもリースを殴りつける。
「ぅぁ、」
ーーー だが、何故かその光景に私の粉々になっていたはずの心が再生し始めていた。
リース1人がいくら叫んだとしても状況など一切変わらない。
それどころか、逆に意識しまいとした民衆達にリースはぼろぼろにされていっている。
いわばただ1人を除いてこの王国全体の人間が私を敵視しているのだ。
なのに、ただ1人ルースが私のことを信じているそれが嬉しくて、今はあれほど感じていた孤独を私は忘れていた。
「ふざけるなぁ!竜退治の妨害?そんなことラスト様がする訳が無いだろうが!
ーーー 俺の愛した人が、そんなことをする訳が無いだろうが!」
「っ!」
何時も、私に照れながら愛の告白をしにきていたルース。
私は彼の言葉が決して嘘では無いだろうが、それでも本当のものだと信じていなかった。
それは自分がリースブルク家の無能であることを隠してきたからで……
今、ようやく私は悟る。
リースのあの愛の告白、それは嘘偽りの無い心からのものだったことを。
「っ!」
その瞬間、私の胸はかつて無い程ときめいて。
ーーー そして私は人生初めての恋にその時落ちた。
その瞬間、私の人生は変わった……
31
あなたにおすすめの小説
乙女ゲームのヒロインが純潔を重んじる聖女とか終わってません?
ララ
恋愛
私は侯爵令嬢のフレイヤ。
前世の記憶を持っている。
その記憶によるとどうやら私の生きるこの世界は乙女ゲームの世界らしい。
乙女ゲームのヒロインは聖女でさまざまな困難を乗り越えながら攻略対象と絆を深め愛し合っていくらしい。
最後には大勢から祝福を受けて結婚するハッピーエンドが待っている。
子宝にも恵まれて平民出身のヒロインが王子と身分差の恋に落ち、その恋がみのるシンデレラストーリーだ。
そして私はそんな2人を邪魔する悪役令嬢。
途中でヒロインに嫉妬に狂い危害を加えようとした罪により断罪される。
今日は断罪の日。
けれど私はヒロインに危害を加えようとしたことなんてない。
それなのに断罪は始まった。
まあそれは別にいいとして‥‥。
現実を見ましょう?
聖女たる資格は純潔無垢。
つまり恋愛はもちろん結婚なんてできないのよ?
むしろそんなことしたら資格は失われる。
ただの容姿のいい平民になるのよ?
誰も気づいていないみたいだけど‥‥。
うん、よく考えたらこの乙女ゲームの設定終わってません??
結婚するので姉様は出ていってもらえますか?
基本二度寝
恋愛
聖女の誕生に国全体が沸き立った。
気を良くした国王は貴族に前祝いと様々な物を与えた。
そして底辺貴族の我が男爵家にも贈り物を下さった。
家族で仲良く住むようにと賜ったのは古い神殿を改装した石造りの屋敷は小さな城のようでもあった。
そして妹の婚約まで決まった。
特別仲が悪いと思っていなかった妹から向けられた言葉は。
※番外編追加するかもしれません。しないかもしれません。
※えろが追加される場合はr−18に変更します。
契約破棄された聖女は帰りますけど
基本二度寝
恋愛
「聖女エルディーナ!あなたとの婚約を破棄する」
「…かしこまりました」
王太子から婚約破棄を宣言され、聖女は自身の従者と目を合わせ、頷く。
では、と身を翻す聖女を訝しげに王太子は見つめた。
「…何故理由を聞かない」
※短編(勢い)
傷物の大聖女は盲目の皇子に見染められ祖国を捨てる~失ったことで滅びに瀕する祖国。今更求められても遅すぎです~
たらふくごん
恋愛
聖女の力に目覚めたフィアリーナ。
彼女には人に言えない過去があった。
淑女としてのデビューを祝うデビュタントの日、そこはまさに断罪の場へと様相を変えてしまう。
実父がいきなり暴露するフィアリーナの過去。
彼女いきなり不幸のどん底へと落とされる。
やがて絶望し命を自ら断つ彼女。
しかし運命の出会いにより彼女は命を取り留めた。
そして出会う盲目の皇子アレリッド。
心を通わせ二人は恋に落ちていく。
召喚聖女が来たのでお前は用済みだと追放されましたが、今更帰って来いと言われても無理ですから
神崎 ルナ
恋愛
アイリーンは聖女のお役目を10年以上してきた。
だが、今回とても強い力を持った聖女を異世界から召喚できた、ということでアイリーンは婚約破棄され、さらに冤罪を着せられ、国外追放されてしまう。
その後、異世界から召喚された聖女は能力は高いがさぼり癖がひどく、これならばアイリーンの方が何倍もマシ、と迎えが来るが既にアイリーンは新しい生活を手に入れていた。
大好きな第一王子様、私の正体を知りたいですか? 本当に知りたいんですか?
サイコちゃん
恋愛
第一王子クライドは聖女アレクサンドラに婚約破棄を言い渡す。すると彼女はお腹にあなたの子がいると訴えた。しかしクライドは彼女と寝た覚えはない。狂言だと断じて、妹のカサンドラとの婚約を告げた。ショックを受けたアレクサンドラは消えてしまい、そのまま行方知れずとなる。その頃、クライドは我が儘なカサンドラを重たく感じていた。やがて新しい聖女レイラと恋に落ちた彼はカサンドラと別れることにする。その時、カサンドラが言った。「私……あなたに隠していたことがあるの……! 実は私の正体は……――」
素顔を知らない
基本二度寝
恋愛
王太子はたいして美しくもない聖女に婚約破棄を突きつけた。
聖女より多少力の劣る、聖女補佐の貴族令嬢の方が、見目もよく気もきく。
ならば、美しくもない聖女より、美しい聖女補佐のほうが良い。
王太子は考え、国王夫妻の居ぬ間に聖女との婚約破棄を企て、国外に放り出した。
王太子はすぐ様、聖女補佐の令嬢を部屋に呼び、新たな婚約者だと皆に紹介して回った。
国王たちが戻った頃には、地鳴りと水害で、国が半壊していた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる