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プロローグ
第4話:別に幼女が怖くて泣いてたわけじゃない。俺は寝たかったから昨日は早めに酒を飲んだんだ
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(今日も1日頑張るぞー!)
気持ちのいい朝を迎えた。
昨日は早い時間から飲んでしまったからな。
こんなだれも歩いていない、薄暗い街も趣があっていいじゃないか。
今日こそは新しい1ページを刻む日だと決めている。
さっそくギルドへ向かった。
ここならある程度簡単なクエストもある。
俺がそこまで強くないとはいえ、さすがにここならクリア出来るだろう。
ギルドへ到着すると、早朝にも関わらず数人の男達がいた。
話してる内容からして、今回は護衛任務らしい。
懐かしいな。
俺も始めの頃はあんな風に緊張したっけ。
まぁそんなルーキーの時期はとっくに終わってる。
俺は新たな冒険者としてまたスタートするんだ。
「あのクエストを受けたいんですが……」
「はい。タグの提出をお願いします」
言われた通りにタグを渡す。
SSSランクまで上がったダイアモンドタグだ。
見るだけでも驚く人が多く、このおねーちゃんもそうだろう。
受け取った受付嬢が怪訝な顔をしてる。
あれ?SSSランクタグだぞ?
「少しお待ちください」
おねーちゃんが後ろに下がって行った。
おいおいおい。
どう言うことだよ。
あのタグさえあればなんでもクエストは受けられるだろ?
しばらく待ってると受付嬢が帰ってきた。
「申し訳ありません。こちらのタグはもう使えなくなっております。パーティの解散などで、ケイドさんの登録がなくなっています」
……そうだ。
俺は追い出されたんだった。
やべーな、これが使えないとなるともう割引なども受けられなくなる。
本格的に仕事を続けねーと……。
「ではこちらのタグがケイドさんの証明書になります」
渡されたタグは最下級のタグ、木製だ。
それこそ駆け出しの冒険者が持つようなタグだ。
「あの、俺前まではCランクだったんですが……」
「その記録もないので、また一からになります」
Cランク冒険者まで登っていた俺の実績が消えていた。
なぜだ。どーして?
確かにCランクまで上がったはずだが……。
受付嬢に尋ねてもわからないの一点張りだ。
これ以上ここで尋ねても邪魔なだけだろう。
「あの、それじゃ受けられるクエストで一番いい奴を下さい……」
仕方ない。
また一からやり直しか。
しかし俺はポジティブな男!
ここからまた這い上がってやるぜ!
「それでは聖域の森で『白雪草』の採取クエストですね」
聖域の森。
そこはすでに殆どの場所が浄化されており、本当に弱い魔物しか生息していない。
森の中心部には泉があり、そこから湧き出る水が美味いと評判だ。
白雪草はその湖の周りに生えており、ポーションや食事などにも使われる。
俺はお礼を言うとさっそく森へと向かった。
荷物は最低限。
あんなバカデカイ荷物を持つ必要はない。
腰に剣をぶら下げ、日帰り用の水と回復ポーションを持てば準備OK。
後はクエストをこなすだけだ。
森は街から数十分歩くと到着した。
途中魔物と遭遇したが、ひさびさの戦闘で体がうまく付いていけねぇ。
相変わらず剣の腕はダメダメだし、殴った方が早そうだ。
まぁやり直すならこれぐらいからの方がやりがいがあるってもんだ。
素振りなんて数年してないからなぁ。
いやー、ひさびさに来たこの森は、相変わらず神々しい雰囲気だ。
ここに神様がいるって言っても信じちゃうほどにな。
実際会ったことある!なんて奴も、年に2人ぐらいはいるぐらいだし、本当にありえそうだわ。
美しい女神様なら最高なんだがなぁ……。
こう、胸が大きくて可憐で清楚で常に敬語で……あぁダメだ。妄想が止まらなくなる。
ちゃっちゃと終わらせて次のクエストをやろう。
白雪草は確か中心部に生えてるはず……。
俺は記憶をたどりながら真っ直ぐに泉へと向かった。
泉はすぐに見つかった。
人間の記憶力なんて意外とどーにかなるもんだな。
普通なら15分ぐらいで到着するって聞いていたが、それは道を知ってる奴だけだ。
俺みたいな知らない人間は1時間かかるだろう。
それでも1時間だ。早い。早いって言ったら早いんだ。
まぁいい。それどころじゃないんだ。
とりあえず泉の周りをぐるっと見回したが、白雪草ない。
すぐに帰る予定が狂ってしまった。
「参ったな……」
思わず苦笑いついでに言葉が漏れてしまった。
さすがに生えてないのは想像してない。
持って帰らなければクエスト失敗になる。
日数に猶予があるとはいえ、全く生えていないのは困ったものだ。
「どーすっかなぁ……ん?」
頭を掻きながら周りを見ると、少し離れたところに白雪草があった。
泉の周り以外には生えない筈だが、どうしてここに。
その草を摘んで麻袋に入れると、さらに奥の方にあるのが見えた。
俺は迷わずそれを摘みに行く。
「あと3本か。なんとかなるかー」
周りを見回すとまた奥の方にもう一本見えた。
まるで俺誘導するかのように生えている。
なんだこれは。もしかしたら不思議の国へでも連れてってくれるのか?
まぁ俺としては依頼物が手に入るなら問題ない。
あと2本、また周りを見たらあるんだろ……本当にあったよ。
ちょっとこえーな。
どんどん奥に向かっていく。
この森をこんなに奥まで入ったことなかったが、まだ先があるのか?
俺は初めて見つけた道に少し不安と興奮を覚えていたんだろう。
記憶をたどる限りこんな道はなかった。
新しい発見になるかもしれないと、意気込んでその道を進み始めた。
しばらく進み続けると、泉が見えてきた。
いや、さっきの泉より少し小さいか。
真ん中に女神像が誇らしげに立っており、その掌から水が流れている。
神聖な雰囲気の泉。
もしかすると、ここがこの森の本当の中心部なのではないだろうか。
美しい。
その言葉を使うほかない。
泉の周りには白雪草も生えているが、それ以外の植物まで生えている。
もしかするとあれはエリクサーの原料か?
こんなところに秘薬の元があるとは……。
だが無闇に採取はしない方がいい。
美しい場所は壊したくねーんだ。
だから今回は白雪草を採取して、今度来るときに酒でも持ってこよう。
こんないい景色で飲む酒は美味いだろうからな。
せっかくだからと片手で泉の水を掬って飲んでみると、これがまた美味い。
間違いなく人の手が加わってない最高の場所だ。
さっそく白雪草を採取して帰ろうとしたが、この女神像の裏にある洞窟へ泉から小川になっている事に気がついた。
その洞窟の中に入ってみるが薄暗くて足元がよく見えない。
そんな時はこの『光草』だ。
手で強く揉んでから魔力を込めると、簡易的なランタンになる。
そんなに持続時間は長くないが、この洞窟なら十分だろう。
あたりを照らしながら歩くと、すぐに行き止まりにぶつかった。
小部屋のような場所で、小川がその部屋の真ん中で途切れている。
目を凝らしてみると、どうやら水は地面の穴から下に流れているらしい。
地下へ降りる階段などは一切見当たらないが、この下には地下空間が広がっていそうだ。
ちょっとワクワクしてきた。
(すげーじゃねぇか。もしかしたら俺専用の地下空間で、老後も安泰かもしんねーな!)
前人未到の地では、初めて訪れた人間が宝などを全て漁ることが出来る。
まだ見ぬ財宝に舞い上がってしまっていた。
さっそく俺は壁の隅々まで調べた。
虫1匹でも入る穴がないか。
スイッチ状の出っ張りがないか。
だが、結果は何もなかった。
壁の隅々まで調べたが、やはり地下へ続く道はない。
(はぁ。そんなうまい話はないか)
念のためもう一度穴の近くから下を覗こうとした。
その時ちょっど光草の効果が切れたんだ。
急に消えたもんだから慌ててしまい、足を滑らせた。
そのまま尻を地面にぶつけると、嫌な音がした。
まるで地面がヒビ割れるかのようなミチミチした音……。
(あ、やべぇ)
嫌な予感ってのは当たるもんだ。
間違いなく地面が抜けそうな音。
下手に動いて力の加減が変われば真っ逆さまに落ちかねない。
生まれて初めて立ち上がるブルホーンのように、周りを注意しながら逃げようとした。
だが、最悪なことは続くもんだ。
さっきの尻餅で砂埃が舞っていたらしい。
俺の鼻に容赦なく襲いかかる。
「へ、へぁーっくしょい!!」
思いっきりくしゃみをしてしまった。
予想通り地面が崩壊し、俺はそのまま地下へと飲み込まれた。
気持ちのいい朝を迎えた。
昨日は早い時間から飲んでしまったからな。
こんなだれも歩いていない、薄暗い街も趣があっていいじゃないか。
今日こそは新しい1ページを刻む日だと決めている。
さっそくギルドへ向かった。
ここならある程度簡単なクエストもある。
俺がそこまで強くないとはいえ、さすがにここならクリア出来るだろう。
ギルドへ到着すると、早朝にも関わらず数人の男達がいた。
話してる内容からして、今回は護衛任務らしい。
懐かしいな。
俺も始めの頃はあんな風に緊張したっけ。
まぁそんなルーキーの時期はとっくに終わってる。
俺は新たな冒険者としてまたスタートするんだ。
「あのクエストを受けたいんですが……」
「はい。タグの提出をお願いします」
言われた通りにタグを渡す。
SSSランクまで上がったダイアモンドタグだ。
見るだけでも驚く人が多く、このおねーちゃんもそうだろう。
受け取った受付嬢が怪訝な顔をしてる。
あれ?SSSランクタグだぞ?
「少しお待ちください」
おねーちゃんが後ろに下がって行った。
おいおいおい。
どう言うことだよ。
あのタグさえあればなんでもクエストは受けられるだろ?
しばらく待ってると受付嬢が帰ってきた。
「申し訳ありません。こちらのタグはもう使えなくなっております。パーティの解散などで、ケイドさんの登録がなくなっています」
……そうだ。
俺は追い出されたんだった。
やべーな、これが使えないとなるともう割引なども受けられなくなる。
本格的に仕事を続けねーと……。
「ではこちらのタグがケイドさんの証明書になります」
渡されたタグは最下級のタグ、木製だ。
それこそ駆け出しの冒険者が持つようなタグだ。
「あの、俺前まではCランクだったんですが……」
「その記録もないので、また一からになります」
Cランク冒険者まで登っていた俺の実績が消えていた。
なぜだ。どーして?
確かにCランクまで上がったはずだが……。
受付嬢に尋ねてもわからないの一点張りだ。
これ以上ここで尋ねても邪魔なだけだろう。
「あの、それじゃ受けられるクエストで一番いい奴を下さい……」
仕方ない。
また一からやり直しか。
しかし俺はポジティブな男!
ここからまた這い上がってやるぜ!
「それでは聖域の森で『白雪草』の採取クエストですね」
聖域の森。
そこはすでに殆どの場所が浄化されており、本当に弱い魔物しか生息していない。
森の中心部には泉があり、そこから湧き出る水が美味いと評判だ。
白雪草はその湖の周りに生えており、ポーションや食事などにも使われる。
俺はお礼を言うとさっそく森へと向かった。
荷物は最低限。
あんなバカデカイ荷物を持つ必要はない。
腰に剣をぶら下げ、日帰り用の水と回復ポーションを持てば準備OK。
後はクエストをこなすだけだ。
森は街から数十分歩くと到着した。
途中魔物と遭遇したが、ひさびさの戦闘で体がうまく付いていけねぇ。
相変わらず剣の腕はダメダメだし、殴った方が早そうだ。
まぁやり直すならこれぐらいからの方がやりがいがあるってもんだ。
素振りなんて数年してないからなぁ。
いやー、ひさびさに来たこの森は、相変わらず神々しい雰囲気だ。
ここに神様がいるって言っても信じちゃうほどにな。
実際会ったことある!なんて奴も、年に2人ぐらいはいるぐらいだし、本当にありえそうだわ。
美しい女神様なら最高なんだがなぁ……。
こう、胸が大きくて可憐で清楚で常に敬語で……あぁダメだ。妄想が止まらなくなる。
ちゃっちゃと終わらせて次のクエストをやろう。
白雪草は確か中心部に生えてるはず……。
俺は記憶をたどりながら真っ直ぐに泉へと向かった。
泉はすぐに見つかった。
人間の記憶力なんて意外とどーにかなるもんだな。
普通なら15分ぐらいで到着するって聞いていたが、それは道を知ってる奴だけだ。
俺みたいな知らない人間は1時間かかるだろう。
それでも1時間だ。早い。早いって言ったら早いんだ。
まぁいい。それどころじゃないんだ。
とりあえず泉の周りをぐるっと見回したが、白雪草ない。
すぐに帰る予定が狂ってしまった。
「参ったな……」
思わず苦笑いついでに言葉が漏れてしまった。
さすがに生えてないのは想像してない。
持って帰らなければクエスト失敗になる。
日数に猶予があるとはいえ、全く生えていないのは困ったものだ。
「どーすっかなぁ……ん?」
頭を掻きながら周りを見ると、少し離れたところに白雪草があった。
泉の周り以外には生えない筈だが、どうしてここに。
その草を摘んで麻袋に入れると、さらに奥の方にあるのが見えた。
俺は迷わずそれを摘みに行く。
「あと3本か。なんとかなるかー」
周りを見回すとまた奥の方にもう一本見えた。
まるで俺誘導するかのように生えている。
なんだこれは。もしかしたら不思議の国へでも連れてってくれるのか?
まぁ俺としては依頼物が手に入るなら問題ない。
あと2本、また周りを見たらあるんだろ……本当にあったよ。
ちょっとこえーな。
どんどん奥に向かっていく。
この森をこんなに奥まで入ったことなかったが、まだ先があるのか?
俺は初めて見つけた道に少し不安と興奮を覚えていたんだろう。
記憶をたどる限りこんな道はなかった。
新しい発見になるかもしれないと、意気込んでその道を進み始めた。
しばらく進み続けると、泉が見えてきた。
いや、さっきの泉より少し小さいか。
真ん中に女神像が誇らしげに立っており、その掌から水が流れている。
神聖な雰囲気の泉。
もしかすると、ここがこの森の本当の中心部なのではないだろうか。
美しい。
その言葉を使うほかない。
泉の周りには白雪草も生えているが、それ以外の植物まで生えている。
もしかするとあれはエリクサーの原料か?
こんなところに秘薬の元があるとは……。
だが無闇に採取はしない方がいい。
美しい場所は壊したくねーんだ。
だから今回は白雪草を採取して、今度来るときに酒でも持ってこよう。
こんないい景色で飲む酒は美味いだろうからな。
せっかくだからと片手で泉の水を掬って飲んでみると、これがまた美味い。
間違いなく人の手が加わってない最高の場所だ。
さっそく白雪草を採取して帰ろうとしたが、この女神像の裏にある洞窟へ泉から小川になっている事に気がついた。
その洞窟の中に入ってみるが薄暗くて足元がよく見えない。
そんな時はこの『光草』だ。
手で強く揉んでから魔力を込めると、簡易的なランタンになる。
そんなに持続時間は長くないが、この洞窟なら十分だろう。
あたりを照らしながら歩くと、すぐに行き止まりにぶつかった。
小部屋のような場所で、小川がその部屋の真ん中で途切れている。
目を凝らしてみると、どうやら水は地面の穴から下に流れているらしい。
地下へ降りる階段などは一切見当たらないが、この下には地下空間が広がっていそうだ。
ちょっとワクワクしてきた。
(すげーじゃねぇか。もしかしたら俺専用の地下空間で、老後も安泰かもしんねーな!)
前人未到の地では、初めて訪れた人間が宝などを全て漁ることが出来る。
まだ見ぬ財宝に舞い上がってしまっていた。
さっそく俺は壁の隅々まで調べた。
虫1匹でも入る穴がないか。
スイッチ状の出っ張りがないか。
だが、結果は何もなかった。
壁の隅々まで調べたが、やはり地下へ続く道はない。
(はぁ。そんなうまい話はないか)
念のためもう一度穴の近くから下を覗こうとした。
その時ちょっど光草の効果が切れたんだ。
急に消えたもんだから慌ててしまい、足を滑らせた。
そのまま尻を地面にぶつけると、嫌な音がした。
まるで地面がヒビ割れるかのようなミチミチした音……。
(あ、やべぇ)
嫌な予感ってのは当たるもんだ。
間違いなく地面が抜けそうな音。
下手に動いて力の加減が変われば真っ逆さまに落ちかねない。
生まれて初めて立ち上がるブルホーンのように、周りを注意しながら逃げようとした。
だが、最悪なことは続くもんだ。
さっきの尻餅で砂埃が舞っていたらしい。
俺の鼻に容赦なく襲いかかる。
「へ、へぁーっくしょい!!」
思いっきりくしゃみをしてしまった。
予想通り地面が崩壊し、俺はそのまま地下へと飲み込まれた。
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