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第50話 風に遺る声
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その年の夏、風はいつもより穏やかだった。
デールの街では風譜の館の鐘が三度鳴り、青い紋章旗が掲げられる。
それは、新しい時代を正式に告げる“語風の年(ごふうのとし)”の始まりを祝う日。
リィナは丘の上に立ち、いつもより高く広がる空を見上げた。
空には眩しいほどの光の帯が流れ、その中で無数の風車が回っている。
街中の人々は花びらを風に投げながら、“言葉に風を”と祈りを捧げていた。
記録院から届いた書簡には、リリアの筆でこう記されていた。
――『おめでとう。あなたの導いた風はついに歴史を始めた。
これから世界の理は、記述ではなく声で綴られる。誰もが風の一部であり、書き手である。』
彼女らしい簡潔な筆致。読むたびに背筋が伸びる。
この手紙を抱えながら、リィナは頬を撫でる風に囁いた。
「聞いていますか、アレンさん。今、世界はあなたが求めた“語る理”を歩き始めています。」
その声に応えるように、丘の向こうから子どもたちの笑い声が広がった。
風綴りを手に、子どもたちが空へ白い紙を放つ。
彼らはそれを“風送り”と呼び、遠くの誰かへ想いを届ける儀式にしていた。
笑いながら見送ると、どこからともなく声が舞いこんできた。
“ありがとう”と柔らかく響くそれは、たしかにアレンの音色をしていた。
◇
風譜の館には、新しい記録者たちの足音が絶えなかった。
メイルが主任として運営を引き継ぎ、若い学徒たちが次々と集まっている。
彼女の指には、リィナがかつて持っていた“理風の指環”が輝いていた。
「これで私もようやく、あなたと同じ机に立てました。」メイルは照れくさそうに言う。
「私はもう、旅の準備をしているだけよ。」リィナは笑った。
「本当に旅に出るのですか?」
「ええ。語風の年が始まるなら、私は新しい風の誕生を見届けたいの。」
机の上には、リィナが書きためた“風の記録書”が積み上がっていた。
中でも一番上の革表紙には、彼女自身の名が彫られている。
『風語録 第零章 リィナ・エストラ記』
彼女が最後につけた注釈は、これからの記録者たちへの短いメッセージだった。
――『言葉を残すために語らないで。
ただ風に触れて、心に浮かぶ物語を話してほしい。
それが記録になる。
世界はもう覚えてくれているから。』
メイルはその文字を指でなぞりながら小さく呟いた。
「……世界は覚えている、ですか。」
「ええ。知識も歴史も、いずれは本に書かずとも風に留まるようになる。
それを叶えるのは“書記”ではなく、“語り手たち”よ。」
彼女は窓辺に歩み寄り、風の流れを見る。
街のあちこちで風鈴の音が一斉に鳴り始めた。
音が重なり、やがて旋律になる。誰かの声がその旋律の中に混ざっている気がした。
◇
夕刻、丘の麓に立つ一本の古木の下で、リィナは荷をまとめていた。
風に揺れる葉の音が、どこか懐かしい。
子どもたちが駆け寄り、口々に“旅のお守り”を差し出す。
それは小さな木片に刻まれた彼ら自身の“風の名前”だった。
「私の風は〈すや風〉!優しい風にしてね。」
「ぼくのは〈笑風〉!絶対笑う風だよ!」
「ありがとう、みんな。あなたたちの風、ちゃんと連れていくわね。」
彼女が微笑むと、木々の間を抜けて一陣の風が流れた。
アレンの声が、かすかに混じっていた。
“彼らを頼む。”
その声に、リィナは黙って頷いた。
「必ずあなたのように、風を愛せる人に育てます。」
丘で見送る子どもたちの笑い声が、風に溶けて遠ざかる。
◇
リィナの旅路は長かった。
彼女は旧王都を抜け、荒野を越え、南方の砂漠へと至った。
昼は灼熱、夜は凍えるほどの冷気。
しかし、どこに行っても風の声は途切れることがなかった。
森の木々は囁き、鳥は歌い、砂すらも低い調べを奏でていた。
その一つ一つが、語りの形をしていた。
夜の砂丘で焚き火を起こすと、風がそっと背を撫でる。
「アレンさん、あなたが聞かせてくれた理は、いまや姿を変えて……人の生活そのものになっています。」
炎の揺れが彼の笑顔を思わせた。
“それでいい。声は形を選ばない。”
「この世界で、あなたはまだ見守ってくれているのね。」
“見守る必要もない。君たちが風を動かしている。”
焚き火が小さく爆ぜた。
夜空を仰ぐと、無数の星粒が風に流されるように瞬いている。
風が星を運び、星が言葉になる――そんな錯覚を覚えるほど静かな空。
リィナは懐から小さな冊子を取り出し、一行だけ書いた。
『私はまだ、語りの途中。世界の終わりではなく、物語の続きに立っている。』
◇
数ヶ月後、リィナは再びデールへ帰還した。
街は以前よりもずっと緑が増え、森と街の境が曖昧になっていた。
風譜の館の前で、メイルが学徒たちに指導をしている。
その光景を眺めながら、リィナは思わず微笑んだ。
「ねえ、メイル。」
「主任!」
「いえ、もう私はただの“旅の語り手”よ。」
「そんなことありません。言葉の源はあなたです。」
リィナは肩をすくめた。
「源は風の方よ。私は借りてるだけ。」
その夜、館の屋上で小さな集会が開かれた。
風の旅人たちが集まり、それぞれの土地で聞いた“風の声”を語り合う。
砂漠を越える風は“命を繋ぐ唄”を歌い、北の氷山を渡る風は“静寂の祈り”を刻むという。
そして、みな一様にこう言うのだ。
――どの風の中にも、懐かしい声が混ざっていた、と。
「アレンさん、あなたは本当に世界の全部にいるのね。」
リィナが空を見上げると、無数の風灯が回転し、淡い光を撒きながら星空を巡っていた。
その中に一際強い青の光がある。彼女は手を振った。
“語りは終わらない。”
いつか聞いた彼の声が、確かに風の中にあった。
◇
翌朝、風譜の館の鐘が再び鳴る。
新しい一年の始まり。
人々は風に感謝し、子どもたちは「自分だけの風」を探して丘へ駆けていく。
リィナは館の扉を開け、立ち止まった。
机の上に一枚の紙が置かれていた。
――『次代の記録者へ。
理は風を離れても、心を離れない。
だからあなたも語り続けてほしい。
風が存在し続ける限り、物語は世界を創り続ける。』
それはアレンの筆跡に似ていた。
リィナは微笑み、景色を一望する。
風が街を渡る。森を抜け、空へ昇っていく。
誰かが呼吸するたび、言葉が風に溶けていく。
それは人と世界が繋がっている証だった。
――語る者がいる限り、風は絶えない。
――風がある限り、この物語も終わらない。
リィナは小さく頷き、筆を取った。
「では……続きの話を始めましょう。」
その声を合図に、デールの丘から新しい風が吹いた。
物語はいつまでも、語り手たちの中をめぐりながら息づいていく。
デールの街では風譜の館の鐘が三度鳴り、青い紋章旗が掲げられる。
それは、新しい時代を正式に告げる“語風の年(ごふうのとし)”の始まりを祝う日。
リィナは丘の上に立ち、いつもより高く広がる空を見上げた。
空には眩しいほどの光の帯が流れ、その中で無数の風車が回っている。
街中の人々は花びらを風に投げながら、“言葉に風を”と祈りを捧げていた。
記録院から届いた書簡には、リリアの筆でこう記されていた。
――『おめでとう。あなたの導いた風はついに歴史を始めた。
これから世界の理は、記述ではなく声で綴られる。誰もが風の一部であり、書き手である。』
彼女らしい簡潔な筆致。読むたびに背筋が伸びる。
この手紙を抱えながら、リィナは頬を撫でる風に囁いた。
「聞いていますか、アレンさん。今、世界はあなたが求めた“語る理”を歩き始めています。」
その声に応えるように、丘の向こうから子どもたちの笑い声が広がった。
風綴りを手に、子どもたちが空へ白い紙を放つ。
彼らはそれを“風送り”と呼び、遠くの誰かへ想いを届ける儀式にしていた。
笑いながら見送ると、どこからともなく声が舞いこんできた。
“ありがとう”と柔らかく響くそれは、たしかにアレンの音色をしていた。
◇
風譜の館には、新しい記録者たちの足音が絶えなかった。
メイルが主任として運営を引き継ぎ、若い学徒たちが次々と集まっている。
彼女の指には、リィナがかつて持っていた“理風の指環”が輝いていた。
「これで私もようやく、あなたと同じ机に立てました。」メイルは照れくさそうに言う。
「私はもう、旅の準備をしているだけよ。」リィナは笑った。
「本当に旅に出るのですか?」
「ええ。語風の年が始まるなら、私は新しい風の誕生を見届けたいの。」
机の上には、リィナが書きためた“風の記録書”が積み上がっていた。
中でも一番上の革表紙には、彼女自身の名が彫られている。
『風語録 第零章 リィナ・エストラ記』
彼女が最後につけた注釈は、これからの記録者たちへの短いメッセージだった。
――『言葉を残すために語らないで。
ただ風に触れて、心に浮かぶ物語を話してほしい。
それが記録になる。
世界はもう覚えてくれているから。』
メイルはその文字を指でなぞりながら小さく呟いた。
「……世界は覚えている、ですか。」
「ええ。知識も歴史も、いずれは本に書かずとも風に留まるようになる。
それを叶えるのは“書記”ではなく、“語り手たち”よ。」
彼女は窓辺に歩み寄り、風の流れを見る。
街のあちこちで風鈴の音が一斉に鳴り始めた。
音が重なり、やがて旋律になる。誰かの声がその旋律の中に混ざっている気がした。
◇
夕刻、丘の麓に立つ一本の古木の下で、リィナは荷をまとめていた。
風に揺れる葉の音が、どこか懐かしい。
子どもたちが駆け寄り、口々に“旅のお守り”を差し出す。
それは小さな木片に刻まれた彼ら自身の“風の名前”だった。
「私の風は〈すや風〉!優しい風にしてね。」
「ぼくのは〈笑風〉!絶対笑う風だよ!」
「ありがとう、みんな。あなたたちの風、ちゃんと連れていくわね。」
彼女が微笑むと、木々の間を抜けて一陣の風が流れた。
アレンの声が、かすかに混じっていた。
“彼らを頼む。”
その声に、リィナは黙って頷いた。
「必ずあなたのように、風を愛せる人に育てます。」
丘で見送る子どもたちの笑い声が、風に溶けて遠ざかる。
◇
リィナの旅路は長かった。
彼女は旧王都を抜け、荒野を越え、南方の砂漠へと至った。
昼は灼熱、夜は凍えるほどの冷気。
しかし、どこに行っても風の声は途切れることがなかった。
森の木々は囁き、鳥は歌い、砂すらも低い調べを奏でていた。
その一つ一つが、語りの形をしていた。
夜の砂丘で焚き火を起こすと、風がそっと背を撫でる。
「アレンさん、あなたが聞かせてくれた理は、いまや姿を変えて……人の生活そのものになっています。」
炎の揺れが彼の笑顔を思わせた。
“それでいい。声は形を選ばない。”
「この世界で、あなたはまだ見守ってくれているのね。」
“見守る必要もない。君たちが風を動かしている。”
焚き火が小さく爆ぜた。
夜空を仰ぐと、無数の星粒が風に流されるように瞬いている。
風が星を運び、星が言葉になる――そんな錯覚を覚えるほど静かな空。
リィナは懐から小さな冊子を取り出し、一行だけ書いた。
『私はまだ、語りの途中。世界の終わりではなく、物語の続きに立っている。』
◇
数ヶ月後、リィナは再びデールへ帰還した。
街は以前よりもずっと緑が増え、森と街の境が曖昧になっていた。
風譜の館の前で、メイルが学徒たちに指導をしている。
その光景を眺めながら、リィナは思わず微笑んだ。
「ねえ、メイル。」
「主任!」
「いえ、もう私はただの“旅の語り手”よ。」
「そんなことありません。言葉の源はあなたです。」
リィナは肩をすくめた。
「源は風の方よ。私は借りてるだけ。」
その夜、館の屋上で小さな集会が開かれた。
風の旅人たちが集まり、それぞれの土地で聞いた“風の声”を語り合う。
砂漠を越える風は“命を繋ぐ唄”を歌い、北の氷山を渡る風は“静寂の祈り”を刻むという。
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――風がある限り、この物語も終わらない。
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