26 / 30
第26話 裏切りの宮廷と竜王の怒り
しおりを挟む
白光の爆心が収まったとき、目の前の景色は一変していた。
崩壊しかけた帝都の中央塔――瓦礫の山と化した研究区画、その中心で俺はひとり膝をついていた。
肌に焼け跡、空気は鉄と血の匂いを孕んでいる。
だが、命はまだある。
「アレン様!」
リーナとレオンの声が飛ぶ。煙の中から駆け寄る足音。
その後ろでアークが倒れかけた身体を必死に支えながら歩いてくる。
肌にはまだ竜の紋が残っていたが、あの冷たい瞳はもうない。
「間に合ったのか……。」
「ええ、ギリギリでした。でもあの爆発、どうやって抑えたんですか?」
「アルディネアの力を借りた。俺だけじゃ無理だった。」
『人の子よ、お前は代償を払った。魔力の流れを一時的に食い止めたが、その代わり体は半ば“竜化”しておる。今、汝の血の中に眠る竜王の力が完全に覚醒する時を迎えたのだ。』
アルディネアの声が重く響く。
胸の奥――心臓の鼓動がいつもより重く、熱く、何かを孕んで脈打っていた。
「……竜王の力。」
「それが……王家の血に秘められた真実なのね。」
リーナが息を呑む。
「そう、俺は王族じゃなかった。神竜の契約者の血脈だった。
王家はその存在を隠して“権力”だけを継いできた。
だが、ベニアスはそれを暴き、利用した。」
そう言いながら天井の裂け目を見上げる。
そこから淡い光が漏れている。
瓦礫の下で蠢くものがいた。
ベニアスだ。
彼は血に染まった手をゆっくりと上げ、嗤っていた。
「見事だ……さすがは神竜の直系。
その力、私が欲していたものだ。アークなど所詮、不完全な試作品よ。」
「貴様……まだ動けるのか!」
レオンが剣を構える。だが、それを俺は制した。
「待て。奴を捕まえて終わる話じゃない。
ベニアスは王国の深部と繋がってる。
奴が生きている限り、権力はまた同じ化け物を生む。」
ベニアスの口元が歪む。
「そう言う貴様こそ、人と竜をまとめる“新たな王”にふさわしい。
だが人間はいつかお前を恐れて滅ぼす。
そして同じことを繰り返すのさ――神にも等しい力を恐れ、
やがて殺し合う。そんな滑稽さこそ、この世界の本質だ!」
「それでも!」
俺の声が響いた。足元の瓦礫が砕け、周囲の空気が震える。
「俺はもう見た。人の弱さも、愚かさも、そして希望も!
生き続ける限り、何度でも立ち上がる。それが人だ!」
掌に金の光が集束する。
ベニアスの足元が赤熱し、石が溶け出した。
「貴様が滅ぶことで、その証を刻んでやる!」
「やってみろ、偽りの王子よ!」
放たれたのは金と黒の閃光。
魔力の衝突が大気を裂き、爆風が壁を吹き飛ばす。
衝撃と共にベニアスの体が後方に叩きつけられ――しかし、消えなかった。
『アレン! 奴の魂が逃げておる!』
見ると、ベニアスの肉体は崩れても、その魂が黒い光の球となって浮かび上がり、空へと逃げようとしていた。
「どこへ行く気だ!」
『魂を帝国の本宮に繋げようとしている! まだ“器”が残っているのだ!』
霊体となったベニアスが狂気の笑い声を上げた。
「私は死なぬ! この血脈こそ“竜帝”を呼ぶ鍵!
次の時代を導くのは、この私だ――!」
その瞬間、上空から光が降り注いだ。
轟音。
天を裂いて降り立つ、巨大な黒い影――竜。
いや、それはアルディネアではない。
甲冑を纏い、赤い瞳に憎悪を宿す異形の王竜。
『……アデュロス……!』
アルディネアが呻くように名を呼ぶ。
『かつて我が兄弟であり、この世界を炎で焼いた“災厄の王竜”!
まさか、魂を媒介に蘇るとは……。』
アデュロスの声が神殿の残骸に響く。
「アルディネアよ、我に逆らいし裏切りの竜よ。
今こそ、我が帰還を許せ。そして人の王の血を差し出せ。」
その邪気に空が濁り、帝都の空全体が黒く染まる。
魔力の嵐が吹き荒れ、地平が崩れる。
リーナとアーク、レオンが吹き飛ばされそうになるのを見て、
俺は立ちはだかる。
「アルディネア、奴を止める方法は?」
『竜王の血を継ぐお前と我が魂を一つに重ねるしかない。
だが――その代償は大きい。お前の“人としての存在”は消える。
竜の王として生まれ変わるのだ。』
「つまり、戻れなくなる。」
『それでも構わぬのか。』
しばしの沈黙。
リーナの声が震える。
「アレン様……それを使えば、あなたは……!」
「皆が生きる未来があるなら、それでいい。
俺は人の夢をこの手で繋ぐと決めたんだ。」
『ならば来るがよい、我が子孫よ。』
アデュロスが咆哮を上げる。天空が割れ、巨大な火柱が舞い上がる。
俺は目を閉じ、掌を前に出した。
アルディネアが翼を広げ、俺の背中に重なる。
光が金色に輝き、竜の心臓が俺の胸に宿る。
「アルディネア、共に行こう!」
『我らは一心同体。人と竜の誓いを世界に示す!』
光が巨大な竜の体を形成し、地を覆う。
俺はアルディネアと融合し、神々しい光の竜――“白光の竜王”となった。
空に舞い上がり、アデュロスと対峙する。
黒い竜と金の竜がぶつかり合い、天地が唸る。
炎と雷が交錯し、世界が震える。
『汝ごとき、人間の血を混ぜた半端者が我に勝てるものか!』
「半端者だろうが、人と竜、どちらの命も抱いて生きる。それが俺の誇りだ!」
二つの竜が空を裂き、激突した。
混じり合う光の中、金の翼が闇を裂く。
咆哮が響く。
アデュロスの身体がひび割れ、黒い血が霧のように散った。
「終われ……!」
俺は全力で突撃し、竜王の心臓を貫いた。
静寂。
黒き竜の巨体が崩れ落ち、やがて夜空へと溶けていく。
押し寄せた魔力の反動が消え、雲が裂け、星が顔を出した。
リーナが目を細め、涙をこぼした。
「アレン様……戻って……」
だが、俺の姿はもう人ではなかった。
白い鱗に覆われた竜の形。
それでも意識はまだ俺のものだった。
『人の子よ……いや、今は“竜王アレン”と呼ぶべきか。』
アルディネアの声が優しく響く。
『汝は人と竜を繋いだ。だが旅はまだ終わらぬ。
お前が選んだこの運命が、一つの時代を作るであろう。』
俺は空を見上げる。
燃え尽きた帝都の空に、白い光がゆっくりと流れていく。
それは新しい朝の兆しだった。
――人の王国は崩れた。
だがここから始まるのは、竜と人が共に築く新しい世。
火の跡に芽吹く希望の光を見て、俺は静かに翼を広げた。
「これが、俺の……決断だ。」
そして、新しき王国の夜明けがゆっくりと訪れた。
崩壊しかけた帝都の中央塔――瓦礫の山と化した研究区画、その中心で俺はひとり膝をついていた。
肌に焼け跡、空気は鉄と血の匂いを孕んでいる。
だが、命はまだある。
「アレン様!」
リーナとレオンの声が飛ぶ。煙の中から駆け寄る足音。
その後ろでアークが倒れかけた身体を必死に支えながら歩いてくる。
肌にはまだ竜の紋が残っていたが、あの冷たい瞳はもうない。
「間に合ったのか……。」
「ええ、ギリギリでした。でもあの爆発、どうやって抑えたんですか?」
「アルディネアの力を借りた。俺だけじゃ無理だった。」
『人の子よ、お前は代償を払った。魔力の流れを一時的に食い止めたが、その代わり体は半ば“竜化”しておる。今、汝の血の中に眠る竜王の力が完全に覚醒する時を迎えたのだ。』
アルディネアの声が重く響く。
胸の奥――心臓の鼓動がいつもより重く、熱く、何かを孕んで脈打っていた。
「……竜王の力。」
「それが……王家の血に秘められた真実なのね。」
リーナが息を呑む。
「そう、俺は王族じゃなかった。神竜の契約者の血脈だった。
王家はその存在を隠して“権力”だけを継いできた。
だが、ベニアスはそれを暴き、利用した。」
そう言いながら天井の裂け目を見上げる。
そこから淡い光が漏れている。
瓦礫の下で蠢くものがいた。
ベニアスだ。
彼は血に染まった手をゆっくりと上げ、嗤っていた。
「見事だ……さすがは神竜の直系。
その力、私が欲していたものだ。アークなど所詮、不完全な試作品よ。」
「貴様……まだ動けるのか!」
レオンが剣を構える。だが、それを俺は制した。
「待て。奴を捕まえて終わる話じゃない。
ベニアスは王国の深部と繋がってる。
奴が生きている限り、権力はまた同じ化け物を生む。」
ベニアスの口元が歪む。
「そう言う貴様こそ、人と竜をまとめる“新たな王”にふさわしい。
だが人間はいつかお前を恐れて滅ぼす。
そして同じことを繰り返すのさ――神にも等しい力を恐れ、
やがて殺し合う。そんな滑稽さこそ、この世界の本質だ!」
「それでも!」
俺の声が響いた。足元の瓦礫が砕け、周囲の空気が震える。
「俺はもう見た。人の弱さも、愚かさも、そして希望も!
生き続ける限り、何度でも立ち上がる。それが人だ!」
掌に金の光が集束する。
ベニアスの足元が赤熱し、石が溶け出した。
「貴様が滅ぶことで、その証を刻んでやる!」
「やってみろ、偽りの王子よ!」
放たれたのは金と黒の閃光。
魔力の衝突が大気を裂き、爆風が壁を吹き飛ばす。
衝撃と共にベニアスの体が後方に叩きつけられ――しかし、消えなかった。
『アレン! 奴の魂が逃げておる!』
見ると、ベニアスの肉体は崩れても、その魂が黒い光の球となって浮かび上がり、空へと逃げようとしていた。
「どこへ行く気だ!」
『魂を帝国の本宮に繋げようとしている! まだ“器”が残っているのだ!』
霊体となったベニアスが狂気の笑い声を上げた。
「私は死なぬ! この血脈こそ“竜帝”を呼ぶ鍵!
次の時代を導くのは、この私だ――!」
その瞬間、上空から光が降り注いだ。
轟音。
天を裂いて降り立つ、巨大な黒い影――竜。
いや、それはアルディネアではない。
甲冑を纏い、赤い瞳に憎悪を宿す異形の王竜。
『……アデュロス……!』
アルディネアが呻くように名を呼ぶ。
『かつて我が兄弟であり、この世界を炎で焼いた“災厄の王竜”!
まさか、魂を媒介に蘇るとは……。』
アデュロスの声が神殿の残骸に響く。
「アルディネアよ、我に逆らいし裏切りの竜よ。
今こそ、我が帰還を許せ。そして人の王の血を差し出せ。」
その邪気に空が濁り、帝都の空全体が黒く染まる。
魔力の嵐が吹き荒れ、地平が崩れる。
リーナとアーク、レオンが吹き飛ばされそうになるのを見て、
俺は立ちはだかる。
「アルディネア、奴を止める方法は?」
『竜王の血を継ぐお前と我が魂を一つに重ねるしかない。
だが――その代償は大きい。お前の“人としての存在”は消える。
竜の王として生まれ変わるのだ。』
「つまり、戻れなくなる。」
『それでも構わぬのか。』
しばしの沈黙。
リーナの声が震える。
「アレン様……それを使えば、あなたは……!」
「皆が生きる未来があるなら、それでいい。
俺は人の夢をこの手で繋ぐと決めたんだ。」
『ならば来るがよい、我が子孫よ。』
アデュロスが咆哮を上げる。天空が割れ、巨大な火柱が舞い上がる。
俺は目を閉じ、掌を前に出した。
アルディネアが翼を広げ、俺の背中に重なる。
光が金色に輝き、竜の心臓が俺の胸に宿る。
「アルディネア、共に行こう!」
『我らは一心同体。人と竜の誓いを世界に示す!』
光が巨大な竜の体を形成し、地を覆う。
俺はアルディネアと融合し、神々しい光の竜――“白光の竜王”となった。
空に舞い上がり、アデュロスと対峙する。
黒い竜と金の竜がぶつかり合い、天地が唸る。
炎と雷が交錯し、世界が震える。
『汝ごとき、人間の血を混ぜた半端者が我に勝てるものか!』
「半端者だろうが、人と竜、どちらの命も抱いて生きる。それが俺の誇りだ!」
二つの竜が空を裂き、激突した。
混じり合う光の中、金の翼が闇を裂く。
咆哮が響く。
アデュロスの身体がひび割れ、黒い血が霧のように散った。
「終われ……!」
俺は全力で突撃し、竜王の心臓を貫いた。
静寂。
黒き竜の巨体が崩れ落ち、やがて夜空へと溶けていく。
押し寄せた魔力の反動が消え、雲が裂け、星が顔を出した。
リーナが目を細め、涙をこぼした。
「アレン様……戻って……」
だが、俺の姿はもう人ではなかった。
白い鱗に覆われた竜の形。
それでも意識はまだ俺のものだった。
『人の子よ……いや、今は“竜王アレン”と呼ぶべきか。』
アルディネアの声が優しく響く。
『汝は人と竜を繋いだ。だが旅はまだ終わらぬ。
お前が選んだこの運命が、一つの時代を作るであろう。』
俺は空を見上げる。
燃え尽きた帝都の空に、白い光がゆっくりと流れていく。
それは新しい朝の兆しだった。
――人の王国は崩れた。
だがここから始まるのは、竜と人が共に築く新しい世。
火の跡に芽吹く希望の光を見て、俺は静かに翼を広げた。
「これが、俺の……決断だ。」
そして、新しき王国の夜明けがゆっくりと訪れた。
23
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢まさかの『家出』
にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。
一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。
ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。
帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!
【完結】悪役令嬢ですが、元官僚スキルで断罪も陰謀も処理します。
かおり
ファンタジー
異世界で悪役令嬢に転生した元官僚。婚約破棄? 断罪? 全部ルールと書類で処理します。
謝罪してないのに謝ったことになる“限定謝罪”で、婚約者も貴族も黙らせる――バリキャリ令嬢の逆転劇!
※読んでいただき、ありがとうございます。ささやかな物語ですが、どこか少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
『追放令嬢は薬草(ハーブ)に夢中 ~前世の知識でポーションを作っていたら、聖女様より崇められ、私を捨てた王太子が泣きついてきました~』
とびぃ
ファンタジー
追放悪役令嬢の薬学スローライフ ~断罪されたら、そこは未知の薬草宝庫(ランクS)でした。知識チートでポーション作ってたら、王都のパンデミックを救う羽目に~
-第二部(11章~20章)追加しました-
【あらすじ】
「貴様を追放する! 魔物の巣窟『霧深き森』で、朽ち果てるがいい!」
王太子の婚約者ソフィアは、卒業パーティーで断罪された。 しかし、その顔に絶望はなかった。なぜなら、その「断罪劇」こそが、彼女の完璧な計画だったからだ。
彼女の魂は、前世で薬学研究に没頭し過労死した、日本の研究者。 王妃の座も権力闘争も、彼女には退屈な枷でしかない。 彼女が求めたのはただ一つ——誰にも邪魔されず、未知の植物を研究できる「アトリエ」だった。
追放先『霧深き森』は「死の土地」。 だが、チート能力【植物図鑑インターフェイス】を持つソフィアにとって、そこは未知の薬草が群生する、最高の「研究フィールド(ランクS)」だった!
石造りの廃屋を「アトリエ」に改造し、ガラクタから蒸留器を自作。村人を救い、薬師様と慕われ、理想のスローライフ(研究生活)が始まる。 だが、その平穏は長く続かない。 王都では、王宮薬師長の陰謀により、聖女の奇跡すら効かないパンデミック『紫死病』が発生していた。 ソフィアが開発した『特製回復ポーション』の噂が王都に届くとき、彼女の「研究成果」を巡る、新たな戦いが幕を開ける——。
【主な登場人物】
ソフィア・フォン・クライネルト 本作の主人公。元・侯爵令嬢。魂は日本の薬学研究者。 合理的かつ冷徹な思考で、スローライフ(研究)を妨げる障害を「薬学」で排除する。未知の薬草の解析が至上の喜び。
ギルバート・ヴァイス 王宮魔術師団・研究室所属の魔術師。 ソフィアの「科学(薬学)」に魅了され、助手(兼・共同研究者)としてアトリエに入り浸る知的な理解者。
アルベルト王太子 ソフィアの元婚約者。愚かな「正義」でソフィアを追放した張本人。王都の危機に際し、薬を強奪しに来るが……。
リリア 無力な「聖女」。アルベルトに庇護されるが、本物の災厄の前では無力な「駒」。
ロイド・バルトロメウス 『天秤と剣(スケイル&ソード)商会』の会頭。ソフィアに命を救われ、彼女の「薬学」の価値を見抜くビジネスパートナー。
【読みどころ】
「悪役令嬢追放」から始まる、痛快な「ざまぁ」展開! そして、知識チートを駆使した本格的な「薬学(ものづくり)」と、理想の「アトリエ」開拓。 科学と魔法が融合し、パンデミックというシリアスな災厄に立ち向かう、読み応え抜群の薬学ファンタジーをお楽しみください。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
【完結】追放された子爵令嬢は実力で這い上がる〜家に帰ってこい?いえ、そんなのお断りです〜
Nekoyama
ファンタジー
魔法が優れた強い者が家督を継ぐ。そんな実力主義の子爵家の養女に入って4年、マリーナは魔法もマナーも勉学も頑張り、貴族令嬢にふさわしい教養を身に付けた。来年に魔法学園への入学をひかえ、期待に胸を膨らませていた矢先、家を追放されてしまう。放り出されたマリーナは怒りを胸に立ち上がり、幸せを掴んでいく。
魔法が使えない令嬢は住んでいた小屋が燃えたので家出します
怠惰るウェイブ
ファンタジー
グレイの世界は狭く暗く何よりも灰色だった。
本来なら領主令嬢となるはずの彼女は領主邸で住むことを許されず、ボロ小屋で暮らしていた。
彼女はある日、棚から落ちてきた一冊の本によって人生が変わることになる。
世界が色づき始めた頃、ある事件をきっかけに少女は旅をすることにした。
喋ることのできないグレイは旅を通して自身の世界を色付けていく。
美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ
さくら
恋愛
会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。
ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。
けれど、測定された“能力値”は最低。
「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。
そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。
優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。
彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。
人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。
やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。
不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。
追放したんでしょ?楽しく暮らしてるのでほっといて
だましだまし
ファンタジー
私たちの未来の王子妃を影なり日向なりと支える為に存在している。
敬愛する侯爵令嬢ディボラ様の為に切磋琢磨し、鼓舞し合い、己を磨いてきた。
決して追放に備えていた訳では無いのよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる