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【37-2】和葉「そして私は! お兄ちゃんの『キンタマクラ』で寝ます」と誇らしげに言った。
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──【37-2】──
「さて。後は寝る場所だけね」
勉強して、風呂に入り、牛すじカレーを食べて、勉強。そして歯も磨くと後は寝る場所の問題だった。
「じゃあ。僕と春樹はあっちの部屋で寝るからさ。みんな、お休み」
と竜馬と春樹は、竜馬の六畳の部屋に行こうとした時である。
「待って、お兄ちゃん」
と和葉が止めた。
「え? まだ、何かあるのか?」
と明らかに不愉快そうな表情を、竜馬は和葉に向けた。
「私の部屋にこれだけの人数が寝ると、正直狭いわ。なので私、考えたんだけど言っていいかしら?」
と真面目な顔をして言う。
「考えたって言っても、僕達男と女の子が同じ部屋には寝れないと思うぞ」
と竜馬は正論を言った。
「そういうけど、お兄ちゃんや春樹君って真面目じゃない。男女混合で寝ても女の子達に何かいたずらを仕掛けたりしないでしょう」
と言う。
「そりゃ、何もしないに決まっているけど」
「うんうん」
と竜馬と春樹は返す。
「でしょう。なので私から寝方に提案があります」
と和葉は高々と手を挙げた。
「まあ。分かったよ。一応、意見を聞くよ」
と竜馬は言ったが、
「どうせ、碌でもない提案に決まっているんだろうし」
と声に出して言うと、
「私もそう思うなあ~」
と小夏。
「あら。私ってお兄ちゃんや小夏ちゃんに対して信用がないのね」
と残念そうに言ったが、
「いや。そりゃ、そうだろう。例えば風呂の件とか」
と竜馬が言うと、
「ああ。あれは残念だったわ。家のお風呂でたくさん楽しいことが出来るって期待していたのに」
とため息をつくと、
「でも今度は真面目な意見よ。聞いてくれる?」
と目を輝かせているが、
「分かったよ。一応、聞こうか。参考になるかもしれないしな」
と竜馬は言った。
「え~。参考になるかな~」
と小夏は明らかに不信感を抱いている。
「オホン」
と勿体ぶるように、一度軽くわざと咳をしてから、
「まずはお兄ちゃんを中心にして寝てもらいます」
と和葉は言った。
「え? 僕を中心にかい?」
「そうよ。そしてお兄ちゃんの左側には春樹君に寝てもらいます」
「ボクが竜馬くんの左側だね」
と隣りで寝ることが嬉しそうである。
「そして右側には優子に寝てもらいます」
「えっ! あ、あたし……」
と動揺が隠せないようである。
「おいおい。高校生にもなって男子と女子を、隣りに寝させるのはダメだろ!」
と竜馬は狼狽えたが、
「え……? 竜馬は私が隣りで寝るのは嫌なの……」
と寂しそうに言った。
「いや。そういう意味じゃなくて、倫理観の問題の話で……」
と言っていると、
「そしてお兄ちゃんの身体の上には、薫ちゃんに寝てもらいます」
と言い出した。
「えっ! 私、竜馬さんの身体の上で寝るんですか?」
と驚いてみせる。
薫は会話を楽しんでいる風で現実には考えていないように見えた。
「そして私は! お兄ちゃんの『キンタマクラ』で寝ます」
と誇らしげに言った。
すると竜馬以外全員が、
キンタマクラ、って何?
となった。
そして竜馬だけが、
「おいおい。『キンタマクラ』って……」
と呆れたのか右手で顔を覆った。
それを見た優子は、
「竜馬。その仕草、カッコいい……」
とポツリと言った。
「あのう!」
と一子が手を挙げた。
「私と由紀ちゃんはどうなるの?」
と質問すると、
「そうね。その辺りで適当に寝てくれたらいいわ」
と言ったので、
「和葉さん。何か私に対して雑じゃない」
と言葉に少し怒りを込めた。
「仕方がないわね。一子のたつての希望なら、お兄ちゃんの『キンタマクラ』を途中で代わってもいいわよ」
と言うと、
「え? そうなの? 何かは全く分からないけど、和葉さんが希望するなら、何か良いことなんでしょうね。分かったわ。途中で代わって」
と一子は機嫌を直したが、
「……あのう。橘さん。『キンタマクラ』って何か分かってるのかな?」
と竜馬が訊くと、
「いいえ、全く。想像もつかないんだけど」
と言うと、
「言いにくいんだけど。『キンタマクラ』って……」
と竜馬が説明しようとしたら、
「簡単に説明すると、お兄ちゃんのおちんちんを枕にして寝るってことよ」
と和葉はさらりと説明した。
え!
と竜馬と和葉と寝ている由紀以外が、時が止まったようになった後に、
「おっ! おちんちんを枕って、どういうことよ!」
と一子は顔と耳まで真っ赤になった。
「だから、そういうことよ。一子ちゃん。時々代わってあげるから」
「いっ! 要らないわよ! そんなの!」
と和葉に向かって大声を出した。
「キンタマクラ……。キンタマクラ……。そんな枕があるなんて……。そうか! 和葉は古い言葉に詳しいからそれで知っているんだ。きっと国語辞典にも載っているんだ……」
と動揺しながらも優子は学ぼうという気持ちを見せたが、
「優子さん。『キンタマクラ』って国語辞典には載っていないと思いますよ」
と小柄だが一番冷静な薫が言った。
「えっ! そうなの!」
と優子。
「意味が分かっても気になるならスマートフォンで検索してみたら?」
と言う和葉の言葉にまたも竜馬以外が検索をして、
な!
ちょっと!
と絶句した。
「この漫画、知ってるよ~。願いを叶える七つのボールを探すやつだねえ~」
と小夏。
「僕、アニメを見たことあるよ」
と春樹は言った。
『キンタマクラ』をきっかけに漫画とアニメで盛り上がっていると、
うう~ん。
と由紀が寝返ったので、
全員が「し~」と口元に人差し指を持ってきて静かになった。
「……ねえ。どういう感じで寝るの……?」
と優子は現実的な話をした。
「……僕の意見なんだけどいいかな?」
と手を挙げたのは竜馬だった。
「……はい。お兄ちゃん」
と和葉は指差す。
「僕の部屋のベッドには由紀ちゃんを寝てもらおうと思うんだ。で部屋に敷かれた布団には、僕と春樹で寝れば、和葉の部屋でもまあまあみんな眠れると思うんだけど……」
と竜馬は言った。
「……ハッ! お兄ちゃんはまさか、由紀ちゃんを春樹君と二人でいたずらするつもりなのでは!」
と和葉が迫真の演技力で言うと、
「ボ、ボクはそんなことしないよ……」
と春樹は慌てたが、
「和葉も知ってるだろう。去年まで由紀ちゃんは僕の布団で一緒に寝ていたんだぞ……」
と竜馬が言うと、
「知ってるわよ。あの頃はまだ体格も普通の小学生だったからお兄ちゃんを道に惑わすことはなかったけれど、今は見た目は大人なのよ……」
と言ったが、
「道に惑わすって……。それに由紀ちゃんは去年と大して変わってないぞ……」
と竜馬は何が問題なのか分からない様子だった。
「まあ、同じ部屋に寝るだけで、同じ布団って訳じゃないんだものね……。それに由紀ちゃんって身長が一七〇センチに近いから、結構嵩張るものね」
と和葉が言うと、
「嵩張るって、お前……」
と竜馬。
「分かったわ。それで納得したわ。お兄ちゃんのキンタマクラは残念だったけどね」
と言うと、
「まだそれ、諦めていなかったのね」
と優子は呆れた。
そして竜馬は寝ている由紀を、竜馬のベットまで優しく運ぶと、先に女子らの布団を素早く敷いた。
みんなは総出で折り畳みの机を片付けて、部屋の隅に重ねて置いた。座布団も重ねて置いた。
ありがとう、竜馬君……。
竜馬、ありがとう……。
ご苦労……。お兄ちゃん。
とみんなはそれぞれの言い方で礼をした。
最後に竜馬は自分の部屋に一つの布団を敷くと、
「……春樹。悪い。もう、一つしか布団がないんだ。大き目の布団だから二人で何とか寝られると思うし、エアコンを自動運転にするから、寒くはないと思う……」
と竜馬は春樹に謝ると、
「ううん。大丈夫。僕、竜馬君と一緒に寝られて嬉しいな……」
と少し頬を赤らめて照れた。
それを見た和葉は、
「……春樹君。お兄ちゃんのおちんちんは大きいから、自分の穴を大切に……」
と言ったところで、
「……じゃあ。みんな、お休み……」
と外していた木製の敷居を竜馬は取り付けて閉めた。
「ちょっと……。何、閉めてんのよ……」
と和葉が追い打ちをかけたが、
「竜馬も春樹君もお休みなさい……」
と優子は和葉を完全に無視して電気を消した。
しばらくしてから、
「……私って……。嫌われているのかしら……」
と悲しそうな声がしたが、
「いいから、さっさと寝ろ」
と竜馬。
「和葉。もういいから、早く寝よう……」
と優子の声を最後に、寝息が聞こえ出し、全員は就寝した。
2025年5月14日
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「さて。後は寝る場所だけね」
勉強して、風呂に入り、牛すじカレーを食べて、勉強。そして歯も磨くと後は寝る場所の問題だった。
「じゃあ。僕と春樹はあっちの部屋で寝るからさ。みんな、お休み」
と竜馬と春樹は、竜馬の六畳の部屋に行こうとした時である。
「待って、お兄ちゃん」
と和葉が止めた。
「え? まだ、何かあるのか?」
と明らかに不愉快そうな表情を、竜馬は和葉に向けた。
「私の部屋にこれだけの人数が寝ると、正直狭いわ。なので私、考えたんだけど言っていいかしら?」
と真面目な顔をして言う。
「考えたって言っても、僕達男と女の子が同じ部屋には寝れないと思うぞ」
と竜馬は正論を言った。
「そういうけど、お兄ちゃんや春樹君って真面目じゃない。男女混合で寝ても女の子達に何かいたずらを仕掛けたりしないでしょう」
と言う。
「そりゃ、何もしないに決まっているけど」
「うんうん」
と竜馬と春樹は返す。
「でしょう。なので私から寝方に提案があります」
と和葉は高々と手を挙げた。
「まあ。分かったよ。一応、意見を聞くよ」
と竜馬は言ったが、
「どうせ、碌でもない提案に決まっているんだろうし」
と声に出して言うと、
「私もそう思うなあ~」
と小夏。
「あら。私ってお兄ちゃんや小夏ちゃんに対して信用がないのね」
と残念そうに言ったが、
「いや。そりゃ、そうだろう。例えば風呂の件とか」
と竜馬が言うと、
「ああ。あれは残念だったわ。家のお風呂でたくさん楽しいことが出来るって期待していたのに」
とため息をつくと、
「でも今度は真面目な意見よ。聞いてくれる?」
と目を輝かせているが、
「分かったよ。一応、聞こうか。参考になるかもしれないしな」
と竜馬は言った。
「え~。参考になるかな~」
と小夏は明らかに不信感を抱いている。
「オホン」
と勿体ぶるように、一度軽くわざと咳をしてから、
「まずはお兄ちゃんを中心にして寝てもらいます」
と和葉は言った。
「え? 僕を中心にかい?」
「そうよ。そしてお兄ちゃんの左側には春樹君に寝てもらいます」
「ボクが竜馬くんの左側だね」
と隣りで寝ることが嬉しそうである。
「そして右側には優子に寝てもらいます」
「えっ! あ、あたし……」
と動揺が隠せないようである。
「おいおい。高校生にもなって男子と女子を、隣りに寝させるのはダメだろ!」
と竜馬は狼狽えたが、
「え……? 竜馬は私が隣りで寝るのは嫌なの……」
と寂しそうに言った。
「いや。そういう意味じゃなくて、倫理観の問題の話で……」
と言っていると、
「そしてお兄ちゃんの身体の上には、薫ちゃんに寝てもらいます」
と言い出した。
「えっ! 私、竜馬さんの身体の上で寝るんですか?」
と驚いてみせる。
薫は会話を楽しんでいる風で現実には考えていないように見えた。
「そして私は! お兄ちゃんの『キンタマクラ』で寝ます」
と誇らしげに言った。
すると竜馬以外全員が、
キンタマクラ、って何?
となった。
そして竜馬だけが、
「おいおい。『キンタマクラ』って……」
と呆れたのか右手で顔を覆った。
それを見た優子は、
「竜馬。その仕草、カッコいい……」
とポツリと言った。
「あのう!」
と一子が手を挙げた。
「私と由紀ちゃんはどうなるの?」
と質問すると、
「そうね。その辺りで適当に寝てくれたらいいわ」
と言ったので、
「和葉さん。何か私に対して雑じゃない」
と言葉に少し怒りを込めた。
「仕方がないわね。一子のたつての希望なら、お兄ちゃんの『キンタマクラ』を途中で代わってもいいわよ」
と言うと、
「え? そうなの? 何かは全く分からないけど、和葉さんが希望するなら、何か良いことなんでしょうね。分かったわ。途中で代わって」
と一子は機嫌を直したが、
「……あのう。橘さん。『キンタマクラ』って何か分かってるのかな?」
と竜馬が訊くと、
「いいえ、全く。想像もつかないんだけど」
と言うと、
「言いにくいんだけど。『キンタマクラ』って……」
と竜馬が説明しようとしたら、
「簡単に説明すると、お兄ちゃんのおちんちんを枕にして寝るってことよ」
と和葉はさらりと説明した。
え!
と竜馬と和葉と寝ている由紀以外が、時が止まったようになった後に、
「おっ! おちんちんを枕って、どういうことよ!」
と一子は顔と耳まで真っ赤になった。
「だから、そういうことよ。一子ちゃん。時々代わってあげるから」
「いっ! 要らないわよ! そんなの!」
と和葉に向かって大声を出した。
「キンタマクラ……。キンタマクラ……。そんな枕があるなんて……。そうか! 和葉は古い言葉に詳しいからそれで知っているんだ。きっと国語辞典にも載っているんだ……」
と動揺しながらも優子は学ぼうという気持ちを見せたが、
「優子さん。『キンタマクラ』って国語辞典には載っていないと思いますよ」
と小柄だが一番冷静な薫が言った。
「えっ! そうなの!」
と優子。
「意味が分かっても気になるならスマートフォンで検索してみたら?」
と言う和葉の言葉にまたも竜馬以外が検索をして、
な!
ちょっと!
と絶句した。
「この漫画、知ってるよ~。願いを叶える七つのボールを探すやつだねえ~」
と小夏。
「僕、アニメを見たことあるよ」
と春樹は言った。
『キンタマクラ』をきっかけに漫画とアニメで盛り上がっていると、
うう~ん。
と由紀が寝返ったので、
全員が「し~」と口元に人差し指を持ってきて静かになった。
「……ねえ。どういう感じで寝るの……?」
と優子は現実的な話をした。
「……僕の意見なんだけどいいかな?」
と手を挙げたのは竜馬だった。
「……はい。お兄ちゃん」
と和葉は指差す。
「僕の部屋のベッドには由紀ちゃんを寝てもらおうと思うんだ。で部屋に敷かれた布団には、僕と春樹で寝れば、和葉の部屋でもまあまあみんな眠れると思うんだけど……」
と竜馬は言った。
「……ハッ! お兄ちゃんはまさか、由紀ちゃんを春樹君と二人でいたずらするつもりなのでは!」
と和葉が迫真の演技力で言うと、
「ボ、ボクはそんなことしないよ……」
と春樹は慌てたが、
「和葉も知ってるだろう。去年まで由紀ちゃんは僕の布団で一緒に寝ていたんだぞ……」
と竜馬が言うと、
「知ってるわよ。あの頃はまだ体格も普通の小学生だったからお兄ちゃんを道に惑わすことはなかったけれど、今は見た目は大人なのよ……」
と言ったが、
「道に惑わすって……。それに由紀ちゃんは去年と大して変わってないぞ……」
と竜馬は何が問題なのか分からない様子だった。
「まあ、同じ部屋に寝るだけで、同じ布団って訳じゃないんだものね……。それに由紀ちゃんって身長が一七〇センチに近いから、結構嵩張るものね」
と和葉が言うと、
「嵩張るって、お前……」
と竜馬。
「分かったわ。それで納得したわ。お兄ちゃんのキンタマクラは残念だったけどね」
と言うと、
「まだそれ、諦めていなかったのね」
と優子は呆れた。
そして竜馬は寝ている由紀を、竜馬のベットまで優しく運ぶと、先に女子らの布団を素早く敷いた。
みんなは総出で折り畳みの机を片付けて、部屋の隅に重ねて置いた。座布団も重ねて置いた。
ありがとう、竜馬君……。
竜馬、ありがとう……。
ご苦労……。お兄ちゃん。
とみんなはそれぞれの言い方で礼をした。
最後に竜馬は自分の部屋に一つの布団を敷くと、
「……春樹。悪い。もう、一つしか布団がないんだ。大き目の布団だから二人で何とか寝られると思うし、エアコンを自動運転にするから、寒くはないと思う……」
と竜馬は春樹に謝ると、
「ううん。大丈夫。僕、竜馬君と一緒に寝られて嬉しいな……」
と少し頬を赤らめて照れた。
それを見た和葉は、
「……春樹君。お兄ちゃんのおちんちんは大きいから、自分の穴を大切に……」
と言ったところで、
「……じゃあ。みんな、お休み……」
と外していた木製の敷居を竜馬は取り付けて閉めた。
「ちょっと……。何、閉めてんのよ……」
と和葉が追い打ちをかけたが、
「竜馬も春樹君もお休みなさい……」
と優子は和葉を完全に無視して電気を消した。
しばらくしてから、
「……私って……。嫌われているのかしら……」
と悲しそうな声がしたが、
「いいから、さっさと寝ろ」
と竜馬。
「和葉。もういいから、早く寝よう……」
と優子の声を最後に、寝息が聞こえ出し、全員は就寝した。
2025年5月14日
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