9 / 722
第9話 襲撃
しおりを挟む
何かの気配で目が覚めた。ミアが起きないようゆっくりと体を起こす。
「グゥゥゥ……」
昨日助けたキツネだ。警戒しているのだろう。体を低くして唸りながらも、俺を睨みつけている。
ひとまず元気そうで何よりだが、どうするか……。ミアを起こすべきだろうか?
日はまだ上っていないが、夜中というほど暗くもない。あまり時間をかけていると、村人達が起きてしまう。
村が活動を始める前に逃がすのが最善であるが、この警戒ぶりだと抱き上げて村の外に連れて行くのは厳しそうだ。
そういえば、あの時助けを求めたのはこのキツネなのだろうか?
ならば、話が通じるのではと声を掛ける。
「俺の言葉がわかるか?」
「グルルル……」
ダメだ。警戒していて話どころじゃない。通じているかすら疑わしい。仕方がないので、自分で出て行ってもらおう。
ミアを起こさないようベッドから降り、テーブルの上に置いてあるリンゴを手に取ると、音をたてないよう静かに部屋の扉を開ける。
「村の外まで案内するからおいで」
言葉が理解できているかは怪しいが、声色で敵意のないことをわかってもらえるかもしれないという希望的観測である。
扉を開けたまま廊下に出て、丁度キツネから見えるだろう床にリンゴを置くと、それを遠くから観察する。
助けてから今まで何も口にしていない。空腹のはずだ。
しばらくすると部屋からひょっこりと顔を出し、床のリンゴを咥えた。
指で床をトントンと叩くと、こちらに気付いた様子。そのまま階段を降りつつ振り返ると、一定の距離を保ちちゃんとついて来ていた。
「よし。いいぞ」
そのまま何度も振り返り、1階の食堂まで降りたその時だ。
「よう、破壊神のおっさん。今日は早いな」
「レベッカ!?」
予想外の出来事にキツネが逃げてしまってはいないかとヒヤヒヤしたが、何事もなく俺の後ろで待っていた。
ここまで来てふりだしに戻るのは避けたい。
立てた人差し指を口元へと運び、静かにするよう促すと、そのままゆっくり食堂を通り出口を目指す。
なんだこのおっさん? という不思議な生物でも見るかのような表情を浮かべていたレベッカであったが、階段からキツネが顔を出したのを見て納得し、微笑ましい光景に無言で頷いていた。
「破壊神も朝から大変だねぇ……」
食堂を出れば後は簡単だ。この時間に起きている人は極少数。外に人影は見えない。
村の門を少しだけ開けると、キツネはその隙間に勢いよく走り込み、森へと目掛けて駆けだした。
「気を付けるんだぞ」
小さく手を振り声を掛けると、キツネはリンゴをポトリと落とし振り返る。
頭を下げたようにも見えるが、恐らくそれは気のせいだろう。
再びリンゴを咥えると、森の奥へと消えていった。
さて、帰ってもうひと眠りするか。ミア、起きたらなんて言うかなぁ……。泣かれたりしたらやだなぁ……。
そんなことを考えながら部屋へと戻り、ミアを起こさないようゆっくりベッドに潜り込むも、2つの視線が絡み合う。
「どこいってたの? おにーちゃん」
「あー……昨日助けたキツネが目を覚ましてな。みんなが起きてしまうと外に出せなくなるだろうから、こっそり逃がしてきた。すまない……」
「そっか。元気になったんだね。よかった」
「……怒らないのか?」
「うん。お別れは出来なかったけど、しょうがないもん……」
「そうか……」
俺はミアの頭を撫で、ベッドに潜ると2時間ほどの睡眠を取った。
「九条さん。今日は『街道の整備』をお願いします」
というわけで、ミアと一緒に作業することになったのだが、やることは至って単純だ。
セメントをブロックに塗り、それを地面に置いていくだけ。しかし、ミアにそれは少々厳しい重さである。
仕方がないので俺がブロックを持ち上げ、ミアはそれにセメントを塗りたくり、俺が地面に置く。という流れ作業をしている。
最初はミアも楽しそうに作業していたが、段々と飽きてきたのか、今は明らかにつまらなそうだ。
「おにーちゃん、これ楽しい?」
「全然楽しくない」
「私もぉ」
適材適所である。
弓が得意なカイルは主に狩りを。ブルータスは斧適性持ちなので、戦闘系の依頼や木材加工、伐採などを任されているらしい。
それ以外の仕事が、俺に回ってきているのだ。
「ふぅ、そろそろお昼か。午前の仕事はこれくらいにするか……」
「はーい」
作業を一時中断し、2人で荷車に腰掛けるとレベッカに作ってもらった昼食の入った包みを開ける。
中から出て来たのは、所謂サンドイッチ。生ハムにレタス、トマトにチーズに酸味の効いたマヨネーズ。それらをパンで挟んだ物である。
「「いただきます」」
「おいしいね」
「あぁ、なかなかうまいな」
空は青く、白い雲がゆっくりと流れる。
仕事は正直面白くはないが、魔物退治よりは全然マシだ。
ミアと2人、のんびりまったりと生活していければ、それで充分だと思っていた。
だが、そんな平和な時間も突然の終わりを告げる。
誰かに見られているような気配を感じ、食事の手を止めたのだ。
「おにーちゃん……」
「あぁ、何か来たな……」
ハンマーだった金属の棒を手に取ると、周囲を警戒しつつもゆっくりと立ち上がる。
暫くすると、森の中から顔を出したのはウルフの群れ。
真っ先に逃げることを考えるも、すでに周りは囲まれていた。
後方からも徐々に距離を詰められる。ざっと数えて8匹ほどだ。
「サンドイッチの匂いにつられたか?」
「そんなことないと思う……。明るい時間に森から出てくることなんてなかったもん……」
だとすれば、助けたキツネの件で恨みを買ったか、ガブリエルの言っていた世界の意志というものか……。
食べかけのサンドイッチを適当な方向へ投げ捨てるも、ウルフ達はそれに興味すら示さない。
狙いは、俺達で間違いはなさそうだ。
「逃げられないならやるしかないな。……ミア、怖いか?」
「……大丈夫。私だってギルドで訓練したもん」
どうすればミアを守りながら立ち回れるか……。
そこで、1つの案が浮かんだ。ミアを攻撃できない場所に置けばいいのである。
俺はおもむろにミアの足の間に頭を入れると、それを一気に持ち上げた。
「わぁ!」
肩車である。いきなりの事に驚くミアであったが、意図していることは伝わったようだ。
「たかーい」
「これならミアの心配をせず戦える。ミア、落ちないようにしっかりつかまってるんだぞ?」
これが世界の意志ならば、ミアが狙われる事はないはずだ。
狙いが俺なら、これでも十分守り切れるだろうと踏んだ。
「【防御術(物理)】」
「【範囲薄弱鈍化術】」
緑色の温かい光が俺の体を包み込み、さらには俺を中心に灰色のフィールドが出現する。
「これは?」
「近くの敵の行動速度を、少しだけ遅くする魔法だよ」
「なるほど、助かる」
1度深呼吸して、腹をくくる。
「よし! どっからでもかかってこい!」
俺の叫び声と同時に、2匹のウルフが飛び掛かる。
本気で振り抜くと、その分隙が大きくなる。故に最初の1撃は牽制だ。
次の攻撃に備えられるよう周囲にもしっかり気を配る。命が掛かっているのだ。否が応にも集中力は研ぎ澄まされていた。
そのおかげか、はたまた魔法によるものなのか、近寄ってくるウルフ達の動きが極端に鈍ったように見えたのだ。
大口を開け襲い来るウルフに咬まれないよう、いなす程度に棒で薙いだつもりであったが、それは予想を遥かに上回り、ウルフは森の中へと吹き飛んだ。
それに驚きを隠せず目を丸くしていると、その隙を突かれ、もう1匹のウルフが俺の左足首に咬みついたのだ。
激痛が走るだろうと身構えたが、何時まで経っても脳に痛みは伝わってこない。
防御魔法のお陰だろう。どれくらいのダメージを防いでくれるのかは不明だが、それが消滅するまで無傷で戦えるというのはありがたい。
「何すんだよ……っと」
金属の棒を左手に持ち替え足に咬みついているウルフに振り下ろすと、気持ちの悪い音と共に伝わってきたのは、骨の砕ける感触。
「【神聖矢】!」
ただ肩車をされているだけのミアではない。
頭上に浮かび上がったのは白く輝く2つの光球。
ミアは何時の間にか手にしていた小さな枝のような杖を振りかざすと、それは後方から迫り来る獣を貫き、悲鳴にも似た鳴き声が辺りに響いた。
「やるじゃないか」
「フンス!」
俺の上で得意気に胸を張るミア。
いつもは愛らしい少女も、今は凛々しくもあり頼もしくもある。
改めて魔法という未知の力に驚かされながらも、すでにウルフの半分は地に伏した。
――残りは4匹。
思っていたほど苦戦することもなく、俺達はその苦難を僅かな力で乗り越えることが出来たのである。
荷車に乗っていた全てのブロックを敷き詰め終わり、夕日に照らされた街道を慎重に進む。
「昼飯は半分しか食えなかったが、仕事も終わって街道も綺麗になったし、ウルフの討伐報酬も貰えて一石二鳥だな」
「一部、血だまりが出来てるけどね」
「うっ……」
全てのウルフを倒したはいいものの、運ぶには荷車に乗せなければならない。
だが、ウルフの死体からはどくどくと血が流れていて、そのまま乗せれば借り物の荷車を汚してしまう。
そこで、ウルフ達の血抜きをしたのだ。
それが皆同じ木に吊るしてやったもんだから、そこだけ血の池みたいになってしまっていた。
「まぁ、怒られたら謝ろう……」
「そういえばおにーちゃん。スキル使わなかったね」
「スキルってなんだ?」
「スキルはスキルだよ? 技って言えばいいのかな? プレートにその人が使えるスキルが登録されてて……。説明聞いてないの?」
「初耳だが……」
「えぇ……。プレート渡す時に教えないとダメなのにぃ」
ソフィアから聞いているはずだったらしい。
もしかしたら、スキルが使えればもっと楽にウルフ達を撃退出来たかもしれないとも思ったが、正直そこまで苦戦した訳でもなかったので、それほど気にしてはいなかった。
「じゃぁ、ここで教えてあげる。ちょっと端っこで止まって」
街道の端に荷車を寄せて止める。
「利き腕じゃない方でプレートを触って。そしたら目を瞑ってプレートに意識を集中して。そうすると頭の中に何か浮かんでこない?」
頭の中に浮かんできたのは2つのスキル。ロングレンジショットとマルチレンジショットだ。
「それが、今おにーちゃんが使えるスキルだよ。頭の中でスキルの名前を思い浮かべれば、どう動けばいいかわかるはずだけど……。……あ、試すならこっち向いてやらないでね」
言われた通り、頭の中で思い浮かべてみても、正直何もわからない。
名前からの推測であれば、長距離射撃のようなものであることはわかるのだが……。
「物は試しだ」
ミアと荷車、それと折角直した街道の床が壊れないように、森に向かって棒を構え、集中する。
「いくぞ」
ミアは両手で耳を塞いだ。戦闘講習を思い起こしたのだろう。
「…………」
九条の頬に、一筋の汗が流れる。
「おにーちゃん?」
「わからないんだが?」
およそ1分ほどだろうか。何度か頭の中で繰り返しても、スキルというものが出る気配はない。
「まじめにやって?」
真面目にやってるんですけど……。
「もう片方のやつでやってみる。いくぞ?」
……結果は先程と同じだった。
「おにーちゃん。怒るよ?」
「いや、待ってくれ。ホントに真面目にやってるんだがわからないんだ……。スキルを出す時にプレートを触ってないとダメとか、声に出さないとダメとかなんじゃないか?」
「そんなことないよ。プレートは登録の為だけで、なくてもスキルも魔法も使えるもん」
「でも、ソフィアさんもミアも魔法使う時はプレート触ってるよな?」
「それは履歴を残す為なの。冒険者さんと依頼を遂行した時に、どんな魔法を使ったのかとか、冒険者以外の人に魔法をかけた時にお金を貰ったりするから、その証拠を残しておく為に触るの」
なるほど、そんなシステムなのか。
ギルド職員の魔法やスキルの使用は、常に報告しているということのようだ。
「そんなことより、おにーちゃんだよ。スキルなんだったの?」
「ロングレンジショットと、マルチレンジショットだ」
「……あれ? おにーちゃんって遠隔系適性って持ってないよね?」
「遠隔系ってのがよくわからないが、言われたのは死霊術と鈍器だけだが……」
ミアは顎に手を当てると、不思議そうに首を傾げた。
ミアには少々似合わない真剣な面持ち。
「死霊術の方で使うスキルなのかな……。うーん。わかんないや……」
「ひょっとしたら、骨を投げるスキルなんじゃないか?」
「えー……。そんなのあるかなぁ……」
ミアの反応はあまり良くない。
死霊術と呼ばれるくらいなのだから、きっと魔法の一種なのだろう。
だが骨を投げるとなると、どう考えても物理方面な気がしないでもない。
「ウルフの死体いっぱいあるし、この骨でやってみる?」
さすがミアだ。ナイスアイデア――と思ったが、荷車に重なり合っているウルフの亡骸を見て、考えが変わった。
「いや、やめよう。査定に響く……」
今はスキルよりお金の方が大事なのである。
「じゃぁ裏口にいるから、報告してきてくれ」
「はーい」
ミアは元気よく返事をすると、報告の為ギルドへと戻って行く。
俺は昨日のように、ギルドの裏口に回って査定待ち――なのだが、昨日ほどは待たなかった。
ソフィアがすっ飛んで来たからである。
「ホントだ……。あっ、ケガとかないですか? 大丈夫ですか?」
「ええ。俺もミアもケガはないです」
「おにーちゃん強かったよ?」
「そーですか……。ひとまず無事でなによりです……」
安堵の表情を浮かべるソフィア。
「で、何匹相手にしたんですか? こんなに狩ってきたなら相当数に囲まれたと思うんですけど……」
「これで全部ですが?」
「え?」
「8匹に囲まれて、8匹倒したんですけど……」
「それはおかしくないですか? 普通は何匹か倒せば敵わないと思い、逃げて行くと思いますが……」
「そうなんですか? ウルフの習性は知りませんが、ホントに全部襲ってきたんですよ。最後の1匹まで……。なぁ、ミア?」
「うん」
「そうですか……。まぁ、でも2人とも無事で良かったです。このことはあとで少し調べてみますね」
昼間の街道でウルフが人を襲ったという話は、今回が初めての事らしい。
ギルド本部には一応報告を入れるとの事だが、正直そんなことはどうでもよかった。
早くウルフの査定をしてくれ!
結局、ウルフの査定は金貨20枚。もうちょいいくかと思ったが、仕方ない。
毛皮の状態を気にするほどの余裕はなかった。
ともかく、これでミアから借りていたお金を全額返済出来る。
もう少し時間が掛かるかと思っていたが、あっさりと返済出来たので、案外異世界での生活も慣れれば快適かもしれないと思い始めていた。
そして明日は、初めての休日。
というのも、ミアが休みの日には村の外に出る依頼を受けることが出来ない為、冒険者と担当の休みは、基本同じなのだ。
もちろん俺が望めば、担当の必要ない依頼は受けることが出来る。
ミアに返済したお金を除くと、残りは金貨2枚。明日はこれで買い物へと繰り出すのだ。
必要なのは服と靴。優先度から言えばまずは靴である。
それと時間があればギルドで地図を見せてもらい、ミアがよければ昨日出来なかった炭鉱の下見にでも行こうと思う。
「グゥゥゥ……」
昨日助けたキツネだ。警戒しているのだろう。体を低くして唸りながらも、俺を睨みつけている。
ひとまず元気そうで何よりだが、どうするか……。ミアを起こすべきだろうか?
日はまだ上っていないが、夜中というほど暗くもない。あまり時間をかけていると、村人達が起きてしまう。
村が活動を始める前に逃がすのが最善であるが、この警戒ぶりだと抱き上げて村の外に連れて行くのは厳しそうだ。
そういえば、あの時助けを求めたのはこのキツネなのだろうか?
ならば、話が通じるのではと声を掛ける。
「俺の言葉がわかるか?」
「グルルル……」
ダメだ。警戒していて話どころじゃない。通じているかすら疑わしい。仕方がないので、自分で出て行ってもらおう。
ミアを起こさないようベッドから降り、テーブルの上に置いてあるリンゴを手に取ると、音をたてないよう静かに部屋の扉を開ける。
「村の外まで案内するからおいで」
言葉が理解できているかは怪しいが、声色で敵意のないことをわかってもらえるかもしれないという希望的観測である。
扉を開けたまま廊下に出て、丁度キツネから見えるだろう床にリンゴを置くと、それを遠くから観察する。
助けてから今まで何も口にしていない。空腹のはずだ。
しばらくすると部屋からひょっこりと顔を出し、床のリンゴを咥えた。
指で床をトントンと叩くと、こちらに気付いた様子。そのまま階段を降りつつ振り返ると、一定の距離を保ちちゃんとついて来ていた。
「よし。いいぞ」
そのまま何度も振り返り、1階の食堂まで降りたその時だ。
「よう、破壊神のおっさん。今日は早いな」
「レベッカ!?」
予想外の出来事にキツネが逃げてしまってはいないかとヒヤヒヤしたが、何事もなく俺の後ろで待っていた。
ここまで来てふりだしに戻るのは避けたい。
立てた人差し指を口元へと運び、静かにするよう促すと、そのままゆっくり食堂を通り出口を目指す。
なんだこのおっさん? という不思議な生物でも見るかのような表情を浮かべていたレベッカであったが、階段からキツネが顔を出したのを見て納得し、微笑ましい光景に無言で頷いていた。
「破壊神も朝から大変だねぇ……」
食堂を出れば後は簡単だ。この時間に起きている人は極少数。外に人影は見えない。
村の門を少しだけ開けると、キツネはその隙間に勢いよく走り込み、森へと目掛けて駆けだした。
「気を付けるんだぞ」
小さく手を振り声を掛けると、キツネはリンゴをポトリと落とし振り返る。
頭を下げたようにも見えるが、恐らくそれは気のせいだろう。
再びリンゴを咥えると、森の奥へと消えていった。
さて、帰ってもうひと眠りするか。ミア、起きたらなんて言うかなぁ……。泣かれたりしたらやだなぁ……。
そんなことを考えながら部屋へと戻り、ミアを起こさないようゆっくりベッドに潜り込むも、2つの視線が絡み合う。
「どこいってたの? おにーちゃん」
「あー……昨日助けたキツネが目を覚ましてな。みんなが起きてしまうと外に出せなくなるだろうから、こっそり逃がしてきた。すまない……」
「そっか。元気になったんだね。よかった」
「……怒らないのか?」
「うん。お別れは出来なかったけど、しょうがないもん……」
「そうか……」
俺はミアの頭を撫で、ベッドに潜ると2時間ほどの睡眠を取った。
「九条さん。今日は『街道の整備』をお願いします」
というわけで、ミアと一緒に作業することになったのだが、やることは至って単純だ。
セメントをブロックに塗り、それを地面に置いていくだけ。しかし、ミアにそれは少々厳しい重さである。
仕方がないので俺がブロックを持ち上げ、ミアはそれにセメントを塗りたくり、俺が地面に置く。という流れ作業をしている。
最初はミアも楽しそうに作業していたが、段々と飽きてきたのか、今は明らかにつまらなそうだ。
「おにーちゃん、これ楽しい?」
「全然楽しくない」
「私もぉ」
適材適所である。
弓が得意なカイルは主に狩りを。ブルータスは斧適性持ちなので、戦闘系の依頼や木材加工、伐採などを任されているらしい。
それ以外の仕事が、俺に回ってきているのだ。
「ふぅ、そろそろお昼か。午前の仕事はこれくらいにするか……」
「はーい」
作業を一時中断し、2人で荷車に腰掛けるとレベッカに作ってもらった昼食の入った包みを開ける。
中から出て来たのは、所謂サンドイッチ。生ハムにレタス、トマトにチーズに酸味の効いたマヨネーズ。それらをパンで挟んだ物である。
「「いただきます」」
「おいしいね」
「あぁ、なかなかうまいな」
空は青く、白い雲がゆっくりと流れる。
仕事は正直面白くはないが、魔物退治よりは全然マシだ。
ミアと2人、のんびりまったりと生活していければ、それで充分だと思っていた。
だが、そんな平和な時間も突然の終わりを告げる。
誰かに見られているような気配を感じ、食事の手を止めたのだ。
「おにーちゃん……」
「あぁ、何か来たな……」
ハンマーだった金属の棒を手に取ると、周囲を警戒しつつもゆっくりと立ち上がる。
暫くすると、森の中から顔を出したのはウルフの群れ。
真っ先に逃げることを考えるも、すでに周りは囲まれていた。
後方からも徐々に距離を詰められる。ざっと数えて8匹ほどだ。
「サンドイッチの匂いにつられたか?」
「そんなことないと思う……。明るい時間に森から出てくることなんてなかったもん……」
だとすれば、助けたキツネの件で恨みを買ったか、ガブリエルの言っていた世界の意志というものか……。
食べかけのサンドイッチを適当な方向へ投げ捨てるも、ウルフ達はそれに興味すら示さない。
狙いは、俺達で間違いはなさそうだ。
「逃げられないならやるしかないな。……ミア、怖いか?」
「……大丈夫。私だってギルドで訓練したもん」
どうすればミアを守りながら立ち回れるか……。
そこで、1つの案が浮かんだ。ミアを攻撃できない場所に置けばいいのである。
俺はおもむろにミアの足の間に頭を入れると、それを一気に持ち上げた。
「わぁ!」
肩車である。いきなりの事に驚くミアであったが、意図していることは伝わったようだ。
「たかーい」
「これならミアの心配をせず戦える。ミア、落ちないようにしっかりつかまってるんだぞ?」
これが世界の意志ならば、ミアが狙われる事はないはずだ。
狙いが俺なら、これでも十分守り切れるだろうと踏んだ。
「【防御術(物理)】」
「【範囲薄弱鈍化術】」
緑色の温かい光が俺の体を包み込み、さらには俺を中心に灰色のフィールドが出現する。
「これは?」
「近くの敵の行動速度を、少しだけ遅くする魔法だよ」
「なるほど、助かる」
1度深呼吸して、腹をくくる。
「よし! どっからでもかかってこい!」
俺の叫び声と同時に、2匹のウルフが飛び掛かる。
本気で振り抜くと、その分隙が大きくなる。故に最初の1撃は牽制だ。
次の攻撃に備えられるよう周囲にもしっかり気を配る。命が掛かっているのだ。否が応にも集中力は研ぎ澄まされていた。
そのおかげか、はたまた魔法によるものなのか、近寄ってくるウルフ達の動きが極端に鈍ったように見えたのだ。
大口を開け襲い来るウルフに咬まれないよう、いなす程度に棒で薙いだつもりであったが、それは予想を遥かに上回り、ウルフは森の中へと吹き飛んだ。
それに驚きを隠せず目を丸くしていると、その隙を突かれ、もう1匹のウルフが俺の左足首に咬みついたのだ。
激痛が走るだろうと身構えたが、何時まで経っても脳に痛みは伝わってこない。
防御魔法のお陰だろう。どれくらいのダメージを防いでくれるのかは不明だが、それが消滅するまで無傷で戦えるというのはありがたい。
「何すんだよ……っと」
金属の棒を左手に持ち替え足に咬みついているウルフに振り下ろすと、気持ちの悪い音と共に伝わってきたのは、骨の砕ける感触。
「【神聖矢】!」
ただ肩車をされているだけのミアではない。
頭上に浮かび上がったのは白く輝く2つの光球。
ミアは何時の間にか手にしていた小さな枝のような杖を振りかざすと、それは後方から迫り来る獣を貫き、悲鳴にも似た鳴き声が辺りに響いた。
「やるじゃないか」
「フンス!」
俺の上で得意気に胸を張るミア。
いつもは愛らしい少女も、今は凛々しくもあり頼もしくもある。
改めて魔法という未知の力に驚かされながらも、すでにウルフの半分は地に伏した。
――残りは4匹。
思っていたほど苦戦することもなく、俺達はその苦難を僅かな力で乗り越えることが出来たのである。
荷車に乗っていた全てのブロックを敷き詰め終わり、夕日に照らされた街道を慎重に進む。
「昼飯は半分しか食えなかったが、仕事も終わって街道も綺麗になったし、ウルフの討伐報酬も貰えて一石二鳥だな」
「一部、血だまりが出来てるけどね」
「うっ……」
全てのウルフを倒したはいいものの、運ぶには荷車に乗せなければならない。
だが、ウルフの死体からはどくどくと血が流れていて、そのまま乗せれば借り物の荷車を汚してしまう。
そこで、ウルフ達の血抜きをしたのだ。
それが皆同じ木に吊るしてやったもんだから、そこだけ血の池みたいになってしまっていた。
「まぁ、怒られたら謝ろう……」
「そういえばおにーちゃん。スキル使わなかったね」
「スキルってなんだ?」
「スキルはスキルだよ? 技って言えばいいのかな? プレートにその人が使えるスキルが登録されてて……。説明聞いてないの?」
「初耳だが……」
「えぇ……。プレート渡す時に教えないとダメなのにぃ」
ソフィアから聞いているはずだったらしい。
もしかしたら、スキルが使えればもっと楽にウルフ達を撃退出来たかもしれないとも思ったが、正直そこまで苦戦した訳でもなかったので、それほど気にしてはいなかった。
「じゃぁ、ここで教えてあげる。ちょっと端っこで止まって」
街道の端に荷車を寄せて止める。
「利き腕じゃない方でプレートを触って。そしたら目を瞑ってプレートに意識を集中して。そうすると頭の中に何か浮かんでこない?」
頭の中に浮かんできたのは2つのスキル。ロングレンジショットとマルチレンジショットだ。
「それが、今おにーちゃんが使えるスキルだよ。頭の中でスキルの名前を思い浮かべれば、どう動けばいいかわかるはずだけど……。……あ、試すならこっち向いてやらないでね」
言われた通り、頭の中で思い浮かべてみても、正直何もわからない。
名前からの推測であれば、長距離射撃のようなものであることはわかるのだが……。
「物は試しだ」
ミアと荷車、それと折角直した街道の床が壊れないように、森に向かって棒を構え、集中する。
「いくぞ」
ミアは両手で耳を塞いだ。戦闘講習を思い起こしたのだろう。
「…………」
九条の頬に、一筋の汗が流れる。
「おにーちゃん?」
「わからないんだが?」
およそ1分ほどだろうか。何度か頭の中で繰り返しても、スキルというものが出る気配はない。
「まじめにやって?」
真面目にやってるんですけど……。
「もう片方のやつでやってみる。いくぞ?」
……結果は先程と同じだった。
「おにーちゃん。怒るよ?」
「いや、待ってくれ。ホントに真面目にやってるんだがわからないんだ……。スキルを出す時にプレートを触ってないとダメとか、声に出さないとダメとかなんじゃないか?」
「そんなことないよ。プレートは登録の為だけで、なくてもスキルも魔法も使えるもん」
「でも、ソフィアさんもミアも魔法使う時はプレート触ってるよな?」
「それは履歴を残す為なの。冒険者さんと依頼を遂行した時に、どんな魔法を使ったのかとか、冒険者以外の人に魔法をかけた時にお金を貰ったりするから、その証拠を残しておく為に触るの」
なるほど、そんなシステムなのか。
ギルド職員の魔法やスキルの使用は、常に報告しているということのようだ。
「そんなことより、おにーちゃんだよ。スキルなんだったの?」
「ロングレンジショットと、マルチレンジショットだ」
「……あれ? おにーちゃんって遠隔系適性って持ってないよね?」
「遠隔系ってのがよくわからないが、言われたのは死霊術と鈍器だけだが……」
ミアは顎に手を当てると、不思議そうに首を傾げた。
ミアには少々似合わない真剣な面持ち。
「死霊術の方で使うスキルなのかな……。うーん。わかんないや……」
「ひょっとしたら、骨を投げるスキルなんじゃないか?」
「えー……。そんなのあるかなぁ……」
ミアの反応はあまり良くない。
死霊術と呼ばれるくらいなのだから、きっと魔法の一種なのだろう。
だが骨を投げるとなると、どう考えても物理方面な気がしないでもない。
「ウルフの死体いっぱいあるし、この骨でやってみる?」
さすがミアだ。ナイスアイデア――と思ったが、荷車に重なり合っているウルフの亡骸を見て、考えが変わった。
「いや、やめよう。査定に響く……」
今はスキルよりお金の方が大事なのである。
「じゃぁ裏口にいるから、報告してきてくれ」
「はーい」
ミアは元気よく返事をすると、報告の為ギルドへと戻って行く。
俺は昨日のように、ギルドの裏口に回って査定待ち――なのだが、昨日ほどは待たなかった。
ソフィアがすっ飛んで来たからである。
「ホントだ……。あっ、ケガとかないですか? 大丈夫ですか?」
「ええ。俺もミアもケガはないです」
「おにーちゃん強かったよ?」
「そーですか……。ひとまず無事でなによりです……」
安堵の表情を浮かべるソフィア。
「で、何匹相手にしたんですか? こんなに狩ってきたなら相当数に囲まれたと思うんですけど……」
「これで全部ですが?」
「え?」
「8匹に囲まれて、8匹倒したんですけど……」
「それはおかしくないですか? 普通は何匹か倒せば敵わないと思い、逃げて行くと思いますが……」
「そうなんですか? ウルフの習性は知りませんが、ホントに全部襲ってきたんですよ。最後の1匹まで……。なぁ、ミア?」
「うん」
「そうですか……。まぁ、でも2人とも無事で良かったです。このことはあとで少し調べてみますね」
昼間の街道でウルフが人を襲ったという話は、今回が初めての事らしい。
ギルド本部には一応報告を入れるとの事だが、正直そんなことはどうでもよかった。
早くウルフの査定をしてくれ!
結局、ウルフの査定は金貨20枚。もうちょいいくかと思ったが、仕方ない。
毛皮の状態を気にするほどの余裕はなかった。
ともかく、これでミアから借りていたお金を全額返済出来る。
もう少し時間が掛かるかと思っていたが、あっさりと返済出来たので、案外異世界での生活も慣れれば快適かもしれないと思い始めていた。
そして明日は、初めての休日。
というのも、ミアが休みの日には村の外に出る依頼を受けることが出来ない為、冒険者と担当の休みは、基本同じなのだ。
もちろん俺が望めば、担当の必要ない依頼は受けることが出来る。
ミアに返済したお金を除くと、残りは金貨2枚。明日はこれで買い物へと繰り出すのだ。
必要なのは服と靴。優先度から言えばまずは靴である。
それと時間があればギルドで地図を見せてもらい、ミアがよければ昨日出来なかった炭鉱の下見にでも行こうと思う。
22
あなたにおすすめの小説
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
コミカライズ企画進行中です!!
2巻2月中旬出棺です!!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&2刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、コミカライズ決定いたしました!現在企画進行中!!そしてオリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
黄金蒐覇のグリード 〜力と財貨を欲しても、理性と対価は忘れずに〜
黒城白爵
ファンタジー
とある異世界を救い、元の世界へと帰還した玄鐘理音は、その後の人生を平凡に送った末に病でこの世を去った。
死後、不可思議な空間にいた謎の神性存在から、異世界を救った報酬として全盛期の肉体と変質したかつての力である〈強欲〉を受け取り、以前とは別の異世界にて第二の人生をはじめる。
自由気儘に人を救い、スキルやアイテムを集め、敵を滅する日々は、リオンの空虚だった心を満たしていく。
黄金と力を蒐集し目指すは世界最高ランクの冒険者。
使命も宿命も無き救世の勇者は、今日も欲望と理性を秤にかけて我が道を往く。
※ 更新予定日は【月曜日】と【金曜日】です。
※第301話から更新時間を朝5時からに変更します。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜
橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる