ワルモノ

亜衣藍

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   ◇

 今夜こそ、もうダメかもしれねぇ。

 昨夜も、ギリギリまで粘って何とか逃れたが――――

 次こそは観念してもらうと、あの蛇のような眼で嘗め回すように見られ、熱っぽくねっとりとそう宣告された。

 ゾッと鳥肌が立ち、あまりの気持ち悪さに吐きそうになった。

 聖は、いよいよ観念しなければならない時が、刻一刻と近づいていることに、心身共、かなり憔悴していた。

 縛られようと、打たれようと、この一か月、聖は無言で必死に耐えていた。

 何度か裸に剥かれそうになったが、その時は、瞬きもしないで相手を睨みつけて、気迫だけで難を逃れた。

 どういうわけか、これを幸いと言っていいのか分からないが――――東堂は、聖の体だけでなく、心までを欲しがっているようだ。

 この少年の意思を無視して無理やりに犯しでもしたら、決して一生許されないと、東堂は本能で悟ったらしい。

 それ故、この一か月、東堂は聖を着せ替え人形にしたり、縛り上げてムチ打ったり、顔や手足を嘗め回したりと色々やったが、それ以上の行為まではしていなかった。

 それどころか、最近は聖の歓心を得ようと、プレゼント攻勢までしている始末だ。

 嬉しくもないし、ただただ気持ちが悪いだけで、聖は当然ツンと無視しているが。

 だが、いつまでもこの状態を維持して、逃げ続けることはできない。

 これまでは、聖の体を舐めしゃぶるだけでそれなりに満足していたようだが、当然、東堂はそこから先に行為を進めたいと思っているようだ。

 気味が悪い話だが、聖はこれまでさんざんそんな事を経験したから、男達のそんな考えは手に取るように分かった。

 聖の純潔は、今や風前のともしびだった。

 相手が本気になってしまえば、客観的に見て、聖もただのか弱い少年だ。

 得意の蹴り技で対抗するにしても、玄人くろうと相手には限界がある。

 いくらどう足掻いても、必ず捕らえられ、犯されるのは目に見えている。

 どうあっても、これ以上抗い続けることは不可能だ。

 今までなら、さっさと逃げ出して危険を回避してきた。

 故郷の施設で襲われた時も、母親の連れ込んだ男達に乱暴されそうになった時も、そうして逃げ延びた。

 だが、今回ばかりは勝手が違う。

(上野の屋敷に――本当に鉄砲玉が潜り込んでいるなら、オレはここを動けない……)

 しかし、このままでは、どっちにしろ聖には破滅が待っている。

(どうすりゃいいんだ? あの野郎に蹴りを一発入れたとしても、大親分の身が危ないようじゃあ――オレは動けねぇ)

 やはり、ずっと耐えるしかないのか。

 あの男の慰み者になり、それこそ女のように体を自由にされ?

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