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31 え、ちょっと待ちなさい!?
しおりを挟む朝露を連れ戻し、巨城で其々の城地に戻った。
永然は起き抜けに動き回り消耗が激しいと天凪が引き取り、ついでに朝露も閉じ込めておくと引き取ってくれた。
聖苺は巨城南内側の自分の寝床に戻って寝ると言って飛び立ち、僕は今、那々瓊に手を引かれて麒麟の地に連れられている。
出来れば天凪の所に万歩と雪代が居るので、一言戻った旨を伝えたかったのに、まだ早いでしょと言って聞かなかったのだ。
確かに空はまだ白み始めたばかり。
寝ている可能性は高かった。
歩き始めると直ぐに麒麟の地に移動していたのか、樹々が増え花が咲き誇る。
麒麟の地は川や池も多い。
朝靄が漂い、早朝のひんやりとした空気が心地良く、この空気が好きで昔は森に住んでいた。
使用人達も休んでいる時間なので、とても静かだったが、遠くでは騒めきと活動音がするので、朝の支度や朝食の準備が行われているのだろう。
以前青龍空凪と共に訪れた那々瓊の部屋に到着した。
「湯浴みをしようか。」
那々瓊が提案してくれたので、有り難く了承した。
夜はずっと外で動き回っていたので汚れていた。那々瓊も服に土が付いているので、お互い着替えた方がいいだろう。
手を引かれて部屋の奥に通される。
次の部屋に入ると那々瓊の本来の私室になるのか、手前の部屋とガラリと変わった。
窓も多く、緑があちこちにある。
書斎のように仕事用の机や、来客用の机と椅子、書籍棚等、物は多いが綺麗に整理されていた。
更に奥に寝室があり、風呂もその隣にあるのだと説明してくれた。
「私は永然様から珀奥様を転生させると聞いた時、本当にそうなったら叶えたい事がいっぱいあったんだよ。」
那々瓊が少し笑って話し掛けてきた。
「僕が転生したら?」
コクリと頷きながら何故か僕の服を脱がしにかかった。
シュルシュルと手際よく上半身を剥かれて漸くハッと気付く。
「あ、あの?自分で脱げますよ?お風呂は一緒に入るのですか?」
「そう!洗いっこだよ。」
ニコニコと那々瓊は返事をした。
洗いっこ……。そうですね、幼少期一緒に過ごせなかったのです。小さい頃は親が入れてあげるものですよね。
呂佳は納得したが、那々瓊は黙っていた。
永然は入れてくれた事はない。
那々瓊が卵から出た時はまだ小さかったが、ちゃんと立てるし話す事も出来た。
一人で済ませてたのだ。
永然は使用人に手伝わせようとしたのだが、那々瓊は嫌がった。
呂佳の感覚では前世の望和の記憶がある所為で、幼児は親が入れるものという認識がある為、那々瓊は幼少期親と過ごせなかったのだろうという負い目があった。
「分かりました。那々の髪は僕より長いので、洗ってあげますね。」
那々瓊が嬉しそうに微笑んだので、呂佳も嬉しくなってきた。
そうこう話しているうちに、下のズボンの腰紐も取られて全裸にされていた。
那々瓊は鼻と口を押さえながら、片手で器用に自分の衣服を脱いでいる。
「さあっ、行こう!」
嬉々として那々瓊に手を引かれた。
中は既に大きな木の浴槽にお湯が張られ、湯気がたちこめていた。
「わぁ、凄いですね!」
とても綺麗で気持ち良さそうだ。
先に身体を洗うべきだろうと、流しの方へ向かう。全体的に広く、ちょっとした旅館の浴場といった雰囲気だ。
浴室用の木の椅子に座り、流石にシャワーは無いなと思いながら木の桶にお湯を溜める。
隣に木の椅子をもう一つ置いて那々瓊も座った。
「洗ってあげます。」
那々瓊の顔がぱあっと綻ぶ。瑠璃色の瞳もキラキラと輝いて、とても嬉しそうにしてくれるので、呂佳もやりがいがある。
那々瓊は普段長衣の重ね着を好むので分かりにくいが、裸体は逞しく背も大きかった。
無駄のない筋肉が彫像のように美しく、盛り上がる筋肉に惚れ惚れとした。
僕の那々は美しいですね。
髪を洗う為の石鹸は蓋付きの入れ物に入っており、小さな柄杓で掬い取り、手のひらで泡立ててから金の髪を洗っていく。
「前から洗って?」
後ろに回って立って洗った方が洗いやすそうなので、背後に回ろうとしたのだが、上目遣いでお願いされた。
「前から洗うと泡が顔に落ちませんか?」
「………前にいてくれたら見えるから…。」
寂しそうに言われると、ウッとなってしまう。
「分かりました。」
なるべく泡が顔に落ちないよう洗っていく。髪が長いのでなかなか大変だ。垂れた髪を集めて肩から一つにして流し、指で梳くように洗っていく。
中腰で洗っていると、那々瓊に覆い被さる体勢になり、下からジッと見上げてくる視線に少し恥ずかしくなる。
何故そんなに見つめてくるのか……。
「もう少し前に来た方が洗いやすくない?」
「え゛……。」
腰を引かれてしまい、よろけて那々瓊にもたれ掛かってしまった。片膝が那々瓊の腿に乗り上げてしまい、支え切れなくて抱きつく形になってしまう。
ギュウ~と抱き付いてくる那々瓊があまりにも嬉しそうに笑うので、どうしようと悩み動けなくなった。
「洗わないの?」
「う……、はい。じゃあ…………。」
コシコシコシコシ。
頭皮をマッサージするよう指に力を入れて洗う。那々瓊が気持ちよさそうに呂佳に擦り寄ってきた。
あまりにも近くて顔が赤らむ。
ち、近い………。
那々瓊の顔に思いっきり寄り掛かってしまっているので離れたいのだが、腰をガッチリ抱き込まれている。
那々瓊の頬が胸に当たって恥ずかしい。
「あの、近過ぎませんか……?」
瑠璃色の瞳が見上げてきた。
すごく楽しそうで、こうやって触れ合いたかったのだろうかと考える。
那々瓊の口がアーンと開くのを、何をするつもりだろうと不思議になって見ていた。
ぱくっ。
「!!!!?」
アムっと咥えられたのは呂佳のささやかな乳首だった。
な、何故、僕の…………!?
那々瓊の目は閉じられ金の長い睫毛が皮膚に当たる。
「………あっ………なっ、那々ぁ!?…ちょっ!あんっ!」
思わず出てくる高い声に、きゅうっと口を慌てて紡ぐ。
転がすように舌で包まれ、ちゅうと吸われた。
クチュクチュと音が聞こえ、かああぁと全身の熱が上がる。
那々瓊の片手は腰に回っていたが、もう片方の手が尻尾の付け根を掴み、クニクニと弄び出す。
「うひぁあぅっ!」
変な叫び声が出てしまった。
へ!?え!?えぇ??
なんでっ乳を吸われているのでしょうか!?
はっ、そう言えば前世の地球では、母親は母乳を出します!神浄外も女性体ならば乳を出す機能がある者もいるとか……??
母乳に神力を混ぜて子に与えると効率がいいと、出る者はそうするのだと聞いた事があります……。
今の那々は幼児期に親に甘えられなかったという過去を、取り戻すように甘えたい!という事で母乳を貰う赤子の様に乳を吸うという事???
でも僕は男性なのですけど!?
でも、那々にとっては珀奥が親!
だから、僕のを!?
でも母乳は出ないのですけどぉ~~~!
呂佳の思考は宇宙の彼方まで飛びそうな程迷走していた。
チラリと見上げた那々瓊は、そんな呂佳の目がぐるぐると回っているのを見て、ぢゅう゛う゛う゛~~~~と強く吸う。
「あ、あぁぁぉああ゛っっ!」
ビクビクと呂佳の身体が震えた。
髪を洗うどころではない。
ちゅぽっと那々瓊の口が離れると、咥えられていた乳首がぷくっと腫れて赤くなっていた。
「あ、ごめんね?赤くなっちゃった。こっちも同じにしなきゃ。」
「え??……なに…?」
反対側を今度は咥えられ、呂佳はぎょっとする。
ぢゅぢゅ~~~~~~…。
「………っ!?ん゛ん~~~~~っ!」
何とも言えない刺激と、その後にくる痺れた様な痛みに、呂佳は目を白黒させた。
咥えられた乳首は、那々瓊の口の中でコロコロと遊ばれているし、握られた尻尾はずっと根本を握られて、引っ張ったり指で撫でられたりと快感を与えてくる。
これ、は?親にするもの??
なんか違う!?どっち??
止めるべき????
怒るべき????
ペロリと舐めながら、那々瓊の口が漸く乳首から離れた。
赤く腫れた両乳首がジンジンと痛い。
「今度は私が洗ってあげるね。」
那々瓊は桶に溜められたぬるま湯で手早く髪を流し、脱力してへたり込んでいる呂佳の両脇に手を入れた。
ヒョイと後ろ向きにさせられ、那々瓊の足の上に足を広げた状態で座らされる。
「!?」
とてつもなく恥ずかしい格好になり、呂佳は慌てたが、腹に回った那々瓊の腕は力強くて離れなかった。
柄杓で石鹸を取った那々瓊は、トロトロと呂佳の胸から腹にそれを流した。
「な、那々?身体は自分で洗いますからっ!」
「洗いっこだよ?私にも洗わせてよ。ずっとやりたかったんだ~~。」
そう言われてしまうと止めるのも可哀想で出来ない。
ダメだと言って悲しませるだろうかと思ってしまうのだ。
那々瓊の大きな手が呂佳の胸をくるくると動く。石鹸が滑りながら泡立ち、那々瓊の手を滑らせていくのだが、先程吸われた乳首が妙に刺激されてむず痒い。
「んんっ!」
吐息を吐く様な呻き声が出てしまい、かあっと益々赤くなってしまった。
「ふふ、もう全身真っ赤だね。」
分かっているならやめて欲しい。
暫く胸を撫で、乳首を何故かクルクルと弄られ、腹を滑り、腕や脇、足へと洗っていく。
「あ、あの………、そこは自分でしますから……。」
「何で?全部やってあげるよ。」
当たり前の様に拒否された。
そこには緩く勃ち上がりかけた呂佳の陰茎があった。
身体はほぼ那々瓊に預けた状態で上向いているので、丸見えだ。
何故そんな格好で脱力しているのかというと、腹に回っていた腕はいつの間にか股間に移動して、奥に伸びて尻尾を洗っているからだ。
真っ白に泡立つ石鹸が黒毛にたっぷりと混じり、那々瓊の指が根本を握り泡を落とすように尻尾の先に向けてぎゅうっと絞られていくと、力が抜けて動けなくなった。
ボウ、とする頭でハァ…と息が出る。
見上げると瑠璃色の瞳は爛々と輝いて呂佳を見下ろしていた。
はぁーーー、可愛い。
赤い顔で潤んだ黒い瞳が見上げてくる。
呂色の瞳は変わらないが、虹彩に金色が線状に混じり美しく、涙で潤んで飴玉のようにペロリと舐めたいくらいだ。
半開きの口から小さな赤い舌が見えて、ゴクリと唾を飲み込んだ。
食べちゃいたい。
呂佳の身体は元の珀奥様の身体と融合したので、成長して、見た目は成人を過ぎている。
しかし実際の年齢はまだ十五歳になっていない。
後少しではあるが、この状態の呂佳を成人したと見るべきか、まだしていないと見るべきか悩んでいた。
成人していたら迷う事なく手を出していたと思う。
いやもう半分は出してるけど。
少し力の入った呂佳の陰茎に手を伸ばす。
尻尾を洗っているので、呂佳は脱力して思考が飛んでいる様だ。
ついでに耳も舐めとこう。
ずり落ち気味の呂佳を少し持ち上げて、ハムッと頭にある黒耳を喰む。
「………………ぁっ………っ。」
高く小さな声が漏れてきて、那々瓊の下半身に一層熱が増した。
先程からビキビキと勃ち上がっていて痛い程だ。
「ね、呂佳のも勃っちゃったね。」
そう言うと、呂佳は恥ずかしそうに目を瞑った。
あーーーー、可愛いーーーー。
珀奥様とこう言う事をしたいと考えていたわけでは無かったが、呂佳に対する愛情と、珀奥様に対する愛情が合わさり、もう呂佳しかこの先要らないと思ってしまうくらい、感情が昂っていた。
こう言う時、どうするんだっけ?
那々瓊自身、性的な衝動は薄い方だったので、知識はあれど、パッと出てくる程ではない。
「あ、そうだ。合わせようか。」
呂佳が不思議そうに首を傾げた。
呂佳をまた持ち上げて、今度は前向きに足の上に座らせる。
那々瓊の大人な陰茎と、呂佳の細身の陰茎がちょうど合わさって、呂佳がええ?と驚いた顔をした。
那々瓊のものは先走りが出て既にぬるぬるとぬめっていた。
呂佳の陰茎と一緒に握り込むと、呂佳の身体がビクンと飛び跳ねる。
「ね、呂佳も握ってよ。」
お願い、と目を見てお願いすると、羞恥に震えながら手を添えてくれた。
那々瓊は学習した、呂佳はお願いに弱い。
後、同情を引きつつやるのがいい、と。
「んあっ…………、あ、あ、なに?」
「ん、気持ちいい……ね。」
扱き出すと二人とも息が上がってくる。
石鹸の泡が滑り良く、お互いの熱が相手の存在を明確に主張して、快感が増してくる。
呂佳は堪らず背が丸まり、那々瓊の肩にもたれ掛かってきた。
呂佳の息が肌にあたり、ドクドクという早い鼓動を感じられ、那々瓊も興奮が高まってくる。
「あ……、んぁ……、あっあっ、はっ!ん、ん゛ん~~~~~~!」
呂佳がビクビクと射精した。
那々瓊はまだなので、そのまま震える呂佳のものと、まだ硬い自分のものを扱き続ける。
「あ、やぁ………!那々、ダメっ、はなし、てぇ~~~っ!」
気持ちいいと感じながら、呂佳は喘ぐ時は敬語が抜けるのだなという感想が出てくる。
呂佳の静止は無視して扱き、暫くしてから那々瓊も出した。
呂佳のよりも量が多くて、自分でも驚いてしまう。
くたーーと力なく呆然としている呂佳をお湯で流し、湯船に浸かり、ギュウと抱き込んだ。
離したくない。
もう、ずっと一緒にいたい。
麒麟隊に来てもらわなきゃ。
いや、兵士だと一緒にいられないから、辞めてもらう?
どうだろう。怒るかな?
スリスリと呂佳の耳に頬擦りしながら、今後どうするべきかを那々瓊は考えていた。
風呂から上がり身体を拭かれ、寝巻きがわりの薄衣を着せられ布団に一緒に入るまで、呂佳は呆然としていた。
「また洗いっこしようね。」
超ご機嫌で那々瓊はそう言う。
瑠璃色の瞳はキラキラと輝いていた。
そして呂佳は呂色の瞳を呆然と見開く。
…………………………親子って、ここまでしましたっけ?これって、普通ですっけぇぇ!?
永然がいたら、そんなわけないとツッこんでくれた事だろう。
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