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第三章
買い出し
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帰宅してから改めて宝石を観察する。たしかに微量の魔力を感じる。いつ戻ってくるか分からないチョコにこんな贈り物を作ってくれて待っていただなんて、今回訪ねてよかったと思う。
「とりあえず、これで王宮魔法士の件は一段落かな。ルッツ様が個人的に誘うことはあっても、私に無理強いしてこないから大丈夫そう」
のんびりした生活に戻り、唯一の趣味とも言える魔法の開発も捗りそうだ。
今ハマっているのは、サイに渡した万能薬だ。魔法薬の効能や成分を分析し、それらを融合させたりして完成させた。抽出させるとごく少量になってしまうため、今後量産できるようにしたい。
「複製すると、効きが半分以下になっちゃうから無理なんだよね。どうしようかな」
上手く作ることができたら、王宮軍に渡したいと考えている。王宮魔法士にはならないが、せっかく知り合えたので、裏から役に立てたらいい。
「構造が単純であればあるほど複製しても元と変わりないものが出来上がるから、万能薬じゃなくて一番最初に使う薬草や薬を複製するとか……?」
良いことを思いついたとばかりに作業にとりかかる。結果、効きは最初より良くなったが、完全コピーとまではいかなかった。
「やっぱり、自然物を複製するのはできるけど、材料の薬を複製するのが駄目なんだ。となると、この材料として使う薬の材料を複製して……ううん、面倒すぎる。抽出量を増やす方法考えた方が早そう」
試行錯誤し、材料に強化魔法をかけることにより、抽出量を二倍に増やすことに成功した。だが、これでも一人分の万能薬を作るのに半日かかる。
「万能薬はさすがにポンポン出来ないか。でも、少しでも役に立てたらいいな。またキース軍が来たら嫌だし」
薬を入れる小瓶はロンズが持ってきてくれた道具の中にあったものを加工して作った。そろそろ在庫が無くなるため、これも王都で購入せねばならない。
「私一人だけの生活ならいらないけど、何かをしたくなったら誰かに頼らないといけないことが出てきちゃうな。長い人生、そんなことがたまにはあってもいいか」
魔法の才能があって本当に助かっている。でなければ、あの日家出して早々路頭に迷っていた。山でスローライフができるのも穴を開発したからで、毎日何かしらの恩恵を受けている。自身の力であるのに、転生した姿だからか、どこかで他人事のように感じる。
「そういえば、ルッツ様たちどうしているかなぁ」
ここ数日静かな日々なので、すっかり忘れていた。きっと、戦いの後始末に今も追われているのだろう。
「このままフェードアウト……ってことはないよね」
彼ら、特にルッツの性格上それはなさそうだ。たったの半月だったが、彼は裏表の無い、素直な性格だということを嫌でも理解した。傍でうるさくされるのは好ましくないものの、陰で何か言われる心配が無いのでそういうストレスは皆無だった。
「休憩がてら、久々に買い出し行ってみよう」
綿は複製できるようになったが、小瓶や薬作りに必要な道具が欲しい。王都の様子もいちおう確認したいところだ。チョコを大型犬サイズの犬に変化させ、リルも外出の準備に取りかかった。前回の失敗を生かし、チョコの変化にも余念は無い。
なにせ初日以来の王都なので、落ち着こうと思っても緊張してくる。新入社員だった頃のような心臓の速さだ。やはり、自分に人込みは向いていなさそうだと思う。
「今回はこのくらいで」
性別はそのまま、髪型を濃い茶髪のショートカットにしてみた。こうして変化魔法を使えば簡単に見た目を変えられるので、気分転換にもなって良い。
「前世は髪型にこだわる余裕も無かったから。メイクは社会人のマナーって言われて最低限やってたけど」
もともと見た目に無頓着というわけではなかった。少なくとも大学生までは毎日髪の毛をセットしていた。前髪や触覚の角度もバッチリだった。いつからああなってしまったのか、今となってはよく覚えていない。
「とりあえず、これで王宮魔法士の件は一段落かな。ルッツ様が個人的に誘うことはあっても、私に無理強いしてこないから大丈夫そう」
のんびりした生活に戻り、唯一の趣味とも言える魔法の開発も捗りそうだ。
今ハマっているのは、サイに渡した万能薬だ。魔法薬の効能や成分を分析し、それらを融合させたりして完成させた。抽出させるとごく少量になってしまうため、今後量産できるようにしたい。
「複製すると、効きが半分以下になっちゃうから無理なんだよね。どうしようかな」
上手く作ることができたら、王宮軍に渡したいと考えている。王宮魔法士にはならないが、せっかく知り合えたので、裏から役に立てたらいい。
「構造が単純であればあるほど複製しても元と変わりないものが出来上がるから、万能薬じゃなくて一番最初に使う薬草や薬を複製するとか……?」
良いことを思いついたとばかりに作業にとりかかる。結果、効きは最初より良くなったが、完全コピーとまではいかなかった。
「やっぱり、自然物を複製するのはできるけど、材料の薬を複製するのが駄目なんだ。となると、この材料として使う薬の材料を複製して……ううん、面倒すぎる。抽出量を増やす方法考えた方が早そう」
試行錯誤し、材料に強化魔法をかけることにより、抽出量を二倍に増やすことに成功した。だが、これでも一人分の万能薬を作るのに半日かかる。
「万能薬はさすがにポンポン出来ないか。でも、少しでも役に立てたらいいな。またキース軍が来たら嫌だし」
薬を入れる小瓶はロンズが持ってきてくれた道具の中にあったものを加工して作った。そろそろ在庫が無くなるため、これも王都で購入せねばならない。
「私一人だけの生活ならいらないけど、何かをしたくなったら誰かに頼らないといけないことが出てきちゃうな。長い人生、そんなことがたまにはあってもいいか」
魔法の才能があって本当に助かっている。でなければ、あの日家出して早々路頭に迷っていた。山でスローライフができるのも穴を開発したからで、毎日何かしらの恩恵を受けている。自身の力であるのに、転生した姿だからか、どこかで他人事のように感じる。
「そういえば、ルッツ様たちどうしているかなぁ」
ここ数日静かな日々なので、すっかり忘れていた。きっと、戦いの後始末に今も追われているのだろう。
「このままフェードアウト……ってことはないよね」
彼ら、特にルッツの性格上それはなさそうだ。たったの半月だったが、彼は裏表の無い、素直な性格だということを嫌でも理解した。傍でうるさくされるのは好ましくないものの、陰で何か言われる心配が無いのでそういうストレスは皆無だった。
「休憩がてら、久々に買い出し行ってみよう」
綿は複製できるようになったが、小瓶や薬作りに必要な道具が欲しい。王都の様子もいちおう確認したいところだ。チョコを大型犬サイズの犬に変化させ、リルも外出の準備に取りかかった。前回の失敗を生かし、チョコの変化にも余念は無い。
なにせ初日以来の王都なので、落ち着こうと思っても緊張してくる。新入社員だった頃のような心臓の速さだ。やはり、自分に人込みは向いていなさそうだと思う。
「今回はこのくらいで」
性別はそのまま、髪型を濃い茶髪のショートカットにしてみた。こうして変化魔法を使えば簡単に見た目を変えられるので、気分転換にもなって良い。
「前世は髪型にこだわる余裕も無かったから。メイクは社会人のマナーって言われて最低限やってたけど」
もともと見た目に無頓着というわけではなかった。少なくとも大学生までは毎日髪の毛をセットしていた。前髪や触覚の角度もバッチリだった。いつからああなってしまったのか、今となってはよく覚えていない。
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