7 / 15
救出編
ウィル視点 深夜——血と肉の舞う秘密の夜会2 ※ざまぁです 残酷描写有り
しおりを挟む先ほどと同様に正確に胸元を狙って攻撃魔法を放つ。対象はオヒメサマだけど……。信者の一人があっさり弾いた。流石にこれくらいは防御してもらわないと困る。夫人の時よりだいぶ威力を弱めてあるし。
「貴方、本気でメアリーを狙うなんて! 家族ですよ? 人の心がないんですか!」
魔法を弾いたのは冴えないメガネ。そこそこ魔力はあるらしいけど、やっぱりど三流だ。
「は? 姉様に散々酷いことしてきて? 家族? 人の心? 今更何言ってんの」
じわじわオヒメサマを狙って、少しずつ殺していこうと思っていたけどやっぱり辞めよ。はらわたが煮えくり返って仕方ない。
「メアリーは血の繋がらない弟でも愛したいと言っていたのに!」
そう叫ぶ信者Aを突き刺して、
「先ほどのことの始末をつけさせてもらう!」
やっぱりノロマな信者B——姉様の結婚相手は切り刻んで、
「ちょっと強くなったからって……!」
信者C——昔よく殴ってきてたやつは、魔法で開けた大穴に引き摺り込んだ。
で、後はさっきのメガネ——信者Dでいいか。と、オヒメサマだけになった。どちらを先に殺ろうかと、オヒメサマの方を見やると、わざとらしく震えるオヒメサマに、それを庇う信者D。
「伯爵達やギルバート達を殺すだけでは飽き足らず、か弱きメアリーを狙うなんて……! 許しません!」
定期的にお芝居始める辺り、本当に平和ボケしているとしか思えない。
「やっぱりあんたらが一番嫌いだ」
か弱きメアリー? 両親を味方につけ、お前らみたいな信者に囲まれたあいつが? そんなはずない。たった一人で、魔力も武力もなく、実の両親にも愛されず、お前らに命を狙われ続けた姉様の方がよっぽど——。
ふ、っと意識が戻ったときには、あの信者Dは細切れになって死んでいた。オヒメサマは……広間から逃げ出そうとしているのが見えた。
よかった。死んでない。無意識で殺していたらどうしようかと思った。あいつには一番苦しんでもらわないといけない。
「まだ生きるの諦めてないんだ、オヒメサマ? 伯爵も夫人も、大切な騎士達もみんな死んだのにね」
進路を防ぐように転移する。綺麗なピンクのドレスは赤黒い血で汚れきって、顔は怯えに満ち引きつっていた。
「ウィル……。どうして? 私達、姉弟でしょ。私は貴方のお姉様なのよ?」
だから殺さないで、と言い募る目の前のゴミ。騎士が死んだら今度はこっちに言い寄るつもり? それも、お姉様なんて言って。
「お姉様?」
「そう、そうよ! 私もソフィーお姉様と同じ、貴方のお姉様。きっと今までは行き違いがあったのよ。だからほら……」
「黙れ」
「お前がソフィー姉様と同じ? 行き違い? 反吐が出る」
あぁ、イライラする。最後まで残しておけば、姉様と同じだけの苦痛を味合わせられると思ったのに。味方を惨殺した奴に対してお姉様だなんて、とことん脳が腐ってる。こんなアホが、姉様の苦しみの一部でも理解できると思えない。
一番仲が良さそうだったから、信者Dと同じ細切れにしてあげたんだけど、最後らへんは何言ってるのか全然聞こえなかったな。
最後に、伯爵が失血で息絶えるのを見届けて、ため息をつく。大広間は血と肉と脂で汚れきっていて、見るに耐えない。あまり汚さないようにとは思っていたけど、僕の髪や手にも返り血がベタベタ付着していて気持ち悪い。
(どこかで血を落としていかないと)
姉様が心配する。それに、万が一にでも、僕がこいつらを殺したなんてバレては困る。姉様は優しすぎるから……。
心の中で姉様に謝る。でも、こいつらを生かしておくことはどうしてもできなかった。
(ごめんね、姉様。でも、これでもう姉様が苦しむことはないから。これからは僕が姉様を守るから……)
16
あなたにおすすめの小説
わたくしがお父様に疎まれている?いいえ、目に入れても痛くない程溺愛されております。
織り子
ファンタジー
王国貴族院の卒業記念パーティーの場で、大公家の令嬢ルクレツィア・アーヴェントは王太子エドワードから突然の婚約破棄を告げられる。
父であるアーヴェント大公に疎まれている――
噂を知った王太子は、彼女を公衆の面前で侮辱する。
王宮メイドは今日も夫を「観察」する
kujinoji
恋愛
「はぁぁ〜!今日も働くヴィクター様が尊すぎる……!」
王宮メイドのミネリは、今日も愛しの夫ヴィクターを「観察」していた。
ヴィクターが好きすぎるあまり、あますところなく彼を見つめていたいミネリ。内緒で王宮メイドになり、文官である夫のもとに通うことに。
だけどある日、ヴィクターとある女性の、とんでもない場面を目撃してしまって……?
※同じものを他サイトにて、別名義で公開しています。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
【短編】花婿殿に姻族でサプライズしようと隠れていたら「愛することはない」って聞いたんだが。可愛い妹はあげません!
月野槐樹
ファンタジー
妹の結婚式前にサプライズをしようと姻族みんなで隠れていたら、
花婿殿が、「君を愛することはない!」と宣言してしまった。
姻族全員大騒ぎとなった
『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』
鷹 綾
恋愛
内容紹介
王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。
涙を流して見せた彼女だったが──
内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。
実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。
エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。
そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。
彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、
**「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。
「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」
利害一致の契約婚が始まった……はずが、
有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、
気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。
――白い結婚、どこへ?
「君が笑ってくれるなら、それでいい」
不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。
一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。
婚約破棄ざまぁから始まる、
天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー!
---
奪う人たちは放っておいて私はお菓子を焼きます
タマ マコト
ファンタジー
伯爵家の次女クラリス・フォン・ブランディエは、姉ヴィオレッタと常に比較され、「控えめでいなさい」と言われ続けて育った。やがて姉の縁談を機に、母ベアトリスの価値観の中では自分が永遠に“引き立て役”でしかないと悟ったクラリスは、父が遺した領都の家を頼りに自ら家を出る。
領都の端でひとり焼き菓子を焼き始めた彼女は、午後の光が差す小さな店『午後の窓』を開く。そこへ、紅茶の香りに異様に敏感な謎の青年が現れる。名も素性も明かさぬまま、ただ菓子の味を静かに言い当てる彼との出会いが、クラリスの新しい人生をゆっくりと動かし始める。
奪い合う世界から離れ、比較されない場所で生きると決めた少女の、静かな再出発の物語。
うっかり結婚を承諾したら……。
翠月 瑠々奈
恋愛
「結婚しようよ」
なんて軽い言葉で誘われて、承諾することに。
相手は女避けにちょうどいいみたいだし、私は煩わしいことからの解放される。
白い結婚になるなら、思う存分魔導の勉強ができると喜んだものの……。
実際は思った感じではなくて──?
婚約破棄されて自由になったので、辺境で薬師になったら最強騎士に溺愛されました
有賀冬馬
恋愛
「愛想がないから妹と結婚する」と言われ、理不尽に婚約破棄されたクラリス。
貴族のしがらみも愛想笑いもこりごりです!
失意どころか自由を手にした彼女は、辺境の地で薬師として新たな人生を始めます。
辺境で薬師として働く中で出会ったのは、強くて優しい無骨な騎士・オリヴァー。誠実で不器用な彼にどんどん惹かれていき……
「お前が笑ってくれるなら、それだけでいい」
不器用なふたりの、やさしくて甘い恋が始まります。
彼とのあたたかい結婚生活が始まった頃、没落した元婚約者と妹が涙目で擦り寄ってきて――
「お断りします。今さら、遅いわよ」
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる