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お酒は飲んでも飲まれるな②
しおりを挟むあわわ、憧れのお姫様抱っこですよ!テンション高々に旦那さまに運ばれる。たくましい腕がしっかりと私の肩と太ももを支えてくれてる~っ!痺れます。
上着の隙間から見えるいつもの寝室の風景。優しくダブルベッドに下ろされる。
このまま、旦那さま襲ってくれないかな?上着が頭から取り去られ、期待に潤んだ瞳で旦那さまの姿を追う。旦那さまはテーブルに用意された水差しからコップに水を汲むと私に手渡した。目を合わせてくれない。スッと視線が合わないように反らす。
怒ってる?なんでだろう?仕方なく水を飲んだ。
「……お酒は私と二人だけのときに飲むようにしてください」
「なんでですか?お酒美味しいのに~」
移動とお水で呂律は戻ったけど、酔いどれのふわふわした気持ちに水を刺され、素直に了解なんて言えない。
「私、みんなと初めてお酒飲めて楽しかったですよ?旦那さまも一瞬に飲みましょうよ」
「みんなとですか?」
旦那さまの雰囲気が一変した。
「へ?」
トンと、旦那さまが私の肩を押す。乾いた音をたて柔らかいベッドに押し倒された。旦那さまは私を囲うように上にのし掛かかる。
たくましい左手が顔の横に、右手でぐっと私の顎を掴んだ。
「ヴィヴィアン……酔った自分が皆にどんな顔を晒しているかわかっていますか?」
低く呻くように言われても怒っている理由がわからない。
「えーと、そんなにマヌケ顔でしたか?」
もしかして奥様として、旦那さまが怒る失格もののだらしない顔をしてたとか?
「違います……貴女がほんのりと頬を赤らめている姿は、妙に色気があって艶っぽく見えます。男を無意識に誘い激情を煽っています。野放しにするには危険すぎます。そこら辺の雄に襲われかねません」
それって、旦那さまもそう思ってくれてるってことですよね?
私の心配と嫉妬もしてくれてるし。ドキドキして嬉しいな~。ふわふわとした酔いの思考のままに素直に聞いた。
「……旦那さまも、そう思ってくれますか?」
「なっ!」
腕を伸ばし、旦那さまを私の胸に抱き寄せた。ポヨンと旦那さまの顔の重さの分だけおっぱいが揺れれ、綺麗な顔が胸に沈む。
「ヴィヴィアン、離しなさい襲われたいのですか?」
「襲われたいです旦那さまに」
即答すると目の前でブワッと大きく獣耳が膨らんだ。ぺろり細い先端を舐め、ふっと内側に息を吹き掛けながら艶っぽく囁く。
「次の閨まで我慢出来ません。旦那さまとエッチしたいです……ダメですか?」
ぶるりと旦那さまの耳が大きく震えた。
「くっ、貴女は我慢なんてしてませんよね?
毎夜毎夜、まるで痴女のように私に体を擦り付けて足を絡めているじゃないですか?」
「ええ~?私の秘密の至福タイム、バレてたんですか~?」
旦那さまが寝付いたと思ったから、心行くまでおもいっきり擦りついて甘えた。ものすごく恥ずかしい。
「バレるに決まっていますよ……貴女が寝付くまで私は寝られない。ずっと起きているんですから」
胸から顔を離した旦那さまにギリッと睨まれて、酔いで高揚しふわふわした気持ちが萎んでいく。
そうだった……お姉さんは悪役令嬢で王子妃ミリヤさんを襲わせようとしたり、産まれたばかりのシリウスを害そうとした油断の置けない人だった。旦那さまは安心して一緒に寝られない。だから、夜中に唸っていたんだ。
気づいてしまった……私は旦那さまが大好きだけど、旦那さまはこれっぽっちも私のことなんか好きじゃないんだって。シリウスために家族として受け入れてくれただけなんだって。
その証拠に、一度も好きと言われていない。酔った私の思考は乱気流のように浮き沈みが激しかった。しかもマイナスよりに。
「酷いっ!旦那さま乙女心を弄んで!」
私は、目の前の旦那さまの胸板をぽかぽか叩いた。目頭が熱く鼻がツーンとするううっ、泣きそう。
「ヴィヴィアン、落ち着いてください!乙女心を弄んでいません」
「弄んでますよっ!隣に私が居たら安心して寝られないほどの私のこと嫌なんですよね?」
涙がポロポロ流れて頬を伝う。黒い思考がとめられない。
「違います!嫌っていません」
「違いませんよ!
私はこんなに旦那さまが好きなのに、一度も好きと返してくれません!
それに、隣に寝て擦り寄っても、今こうしてエッチしたいって誘っても手を出してもくれません」
「………私に手を出されたかったのですか?」
ポカポカ叩かれながら、笑みを浮かべ旦那さまは私をぐっと抱き寄せた。質問に頬を染めてこくりと頷く。
「………私に好きと言われたいですか?」
確認するように言われて、ゆっくりと指で唇の形をなぞられる。それだけで期待にぞくりと皮膚が粟立つ。ふしくれだった指に口づけを落とす。
「あっ。ちゅっ…………言われたいです」
「……そうですか」
満足したように旦那さまは言った。
「……貴女が好きですよヴィヴィアン。
隣に居たら襲いたくて仕方ないほどに。毎夜毎夜、貴女は無防備に私に体を擦り付けて足を絡めてきた。襲いたいのを唸ってやり過ごし、貴女が寝付くまで必死に耐えた。今まで、私がどれほど我慢してきたかわかりますか?」
アイスブルーの瞳が黒く淀んだ光を湛えた。ギラリと煮えたぎった男の人の欲望だった。
旦那さまの言葉が黒い思考を浄化していく。そっか、旦那さまが眠れないのも唸っていたのも私を襲いたくて耐えていたからなんだ。
好き……。
旦那さまが同じ気持ちを返してくれた、嬉しくてまた泣きそうだ。
「これからは、我慢しないで下さいね」
泣き笑いの顔でそっと旦那さまの頬に触れた。
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